透き通った世界にあるウソツキの酒場〜Liar's Bar〜 作:カンキツ蜜柑
こんな感じで簡単に命握られるぞ!
って事で、闇バイトにまんまと乗ったコユキが涙流しながらやるLiar's Bar2話目です。
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残り3人。
『キングテーブル』
内2名が涙を流し、嗚咽を吐きながらのゲームとなるが、無情にもゲームは進む。
「うっ、ッグッ」
コユキは最早カードを見る事すらままならない。
「……2人とも」
先程人が1人死んだ時にも動じてなかった寡黙な生徒が口を開く。
「このままではあなた達は何もできずに死にますよ」
「……ッ!」
「ひぐっ」
不良は涙をこらえる。
コユキもまた涙をこらえようとする。
な、何ででしょうか、涙が、止まりません。
コユキは思いとは裏腹に溢れ出る涙。
「……次に死ぬのはこっちですか」
寡黙な生徒はコユキの方を見て一言。
「……おい」
不良は目尻が赤く、声は鼻水によって少し高くなっていた。
「……なんですか?私は助言しただけですよ?」
「チッ!お前!何だよその態度!人が1人死んでんだぞ!何でそんな風にいられるんだよ!!」
「ふふっ、それは簡単な事です」
黒崎コユキは見た。寡黙な少女の目を。
あれは、楽しんでいる目、だった。
「賭け事が好きだから。その為なら命すらチップにするだけの事ですよ」
「ッ!何を簡単に、命がかかってんだぞ!?」
「キヴォトスでの賭け事、カジノ、パチンコ等々……私からすれば子供のままごと。金などさほど価値があるわけでもない。この世で最も価値のあるもの、それは『命』です、キヴォトスの住民は特に。故にそれを賭ける。これ以上のスリルはあるでしょうか?」
「く、狂ってる」
不良は笑みを浮かべながら話す少女に恐怖すら覚える。
「……あなたとは同じものを感じていたのですが……どうやらそれは間違いだったみたいですね。お話はこれで終わりにして続けましょうか……金髪さんあなたの番からですよ?」
こうして2ターン目のゲームが始まる。
「……チッ、『ワンキング』」
「………『ワンキング』」
コユキは手札にあったキングを出す。
涙ぐんでよく見えなったがキングは2枚あった。
「……スルー、ふふっ。皆さん、今この場では十五枚のカードが手札としてあります。ですので、最大8枚、最少3枚のカードが手札として来ます。このことを十分に理解してくださいね?では『スリーキング』」
少女はカードを3枚出す。
不良は考える。
あれは嘘のカードなのか?もしかしたらあそこの3枚は全て本物で私に宣言させるための罠なんじゃないか?と。
不良は悩んだ末、安全択を取る。
「……………スルー。『ワンキング』」
無論、コユキも不良の手札に宣言することはしない。
コユキは悩む。
ここで最後のキングを出すか、他のカードを出すか。
「……っワン、キング……」
金髪の不良でもコユキの動揺は見て取れる。
少女はコユキを少し見て言った。
「スルー」
コユキが出したのは『最後のキング』だった。
「………」
もう、コユキには安易に出せるカードはなくなってしまった。
「『ワンキング』」
金髪の不良は1枚カードを伏せる。
ここでコユキは宣言する。いや、宣言せざるを得なかった。
「……ごめんなさい……『ライアー』」
コユキの宣言。結果は……
「おや、これは『キング』。桃色の方にはペナルティになります」
バーテンダーはコユキに銃を撃つように促す。
コユキは恐怖で泣き叫びそうになる。が、ここで大泣きしたとて助かる訳じゃないことをコユキは直感していた。
「うっ、ううっ……死にたく、ない、です……」
「嬢ちゃん、早く撃っちまいなよー」
「度胸が足りないんじゃねぇか?度胸が」
熊と牛の男が言う。
「死にたくない、死にたくない、死にたく、ない」
コユキはリボルバーの引き金を弾く。
──カチッ
「ッはぁ、はぁ、うっ」
コユキは吐き気と血の気が引く感覚を覚える。全身から血が抜けて体が冷めるようなあの感覚を。
「おっ、ラッキーだな嬢ちゃん。空砲だ」
熊の男が言う。
コユキは極度の緊張からか放心状態に少しばかり陥る。
ふと、思う。
先生は、先輩たちは今、どこで、何をしているんでしょうか……
きっと、先生は今日もシャーレで働いているのか、それとも他の生徒と出かけていたりとかするのでしょうか……
ユウカ先輩はセミナーの仕事か先生の仕事の手伝いに行ってるかもしれないですね。
ノア先輩も一緒に先生と仲良く話しているのかも……
先生と先輩たちが仲良く話しながら仕事を進めたり、コーヒーや紅茶、お菓子を食べながら休憩している様子。先生がユウカ先輩に怒られ、それをノア先輩が見ている様子。
きっと、いつものように過ごしてるんだろうなぁ。
私も、そっちに行けたら……
「"コユキ、諦めちゃ駄目だ"」
先生なら、こう言ってくれるだろう。
先生ならこの状況を何とかしてくれる。
助けて、先生。
コユキは先生が助けに来てくれることを信じることで何とかゲームができる程に回復する。
「……涙は止まりましたか……いや、枯れ果てたと言うべきですか?」
「……先生なら、きっと助けてくれる」
「!」
「先生?」
不良の瞳に微かに希望が宿る。
少女は先生を知らないような素振りを見せる。キヴォトスでも知らない人は居ないであろう人物なのに。
「……知らねぇのか、先生を」
「あいにく、賭け事以外には興味が無いので」
少女は不良からの質問にそう答える。
コユキの残り最大残基は5。次にペナルティを受ければ5分の1で死ぬ。
3ターン目『エーステーブル』
「ライアー」
「残念。エースです」
「嫌だッ、死にたくない……!」
──カチッ。
金髪の不良が宣言で間違え、ペナルティを受ける。
結果は空砲。
不良も「死にたくない」と言っていた。
4ターン目再び『エーステーブル』
コユキにはエースが1枚、ジョーカーが2枚入っている。
「『ツーエース』」
「……スルー『ワンエース』」
「スルーで……『ワンエース』」
「ライアー」
「え?」
コユキはなぜこのタイミングで宣言したのかわからなかった。最序盤から宣言するなどコユキからしてみればありえないことだったから。故にコユキはだしてしまっていた。3枚もあるが、楽になりたいという思いから。
「……『クイーン』!流石です。では引き金をどうぞ?」
コユキはもうに回目の死の危険にさらされることとなる。
コユキは「死にたくない」と口に出すことはなかった。体力的にも難しかったから。ただ信じたこともない神様に祈ることしかできなかった。
「──ッ!」
───カチッ
「はぁ、はぁ、ッ」
結果は空砲。今回も生き残ることができた。
「…………おい、桃髪」
金髪の不良はコユキな話しかける。
「な、何ですか?」
「私と協力しないか?このままだとあの女に私も、アンタも殺される。だから……」
「あら、私の目の前で堂々と……ふふっ、そうですね。少し不利な状況の方が面白い」
コユキは少し悩んだ末に不良の提案を呑んだ。
4ターン。
コユキ 2発撃ち済み、残り最大4回。
金髪の不良 1発撃ち済み、残り最大5回。
少女 残り最大6回。
賭ケグルイみたいだなぁと思いながら書いてた。(アニメでちらっと見た程度だけど)だいたい主人公こんな感じだったよね?見たのがだいぶ前だから朧げ。
コユキが命賭けてる最中先生たちは何をしてるんでしょうねぇ。