遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる 作:LemoИ
筆者は、今までの映画も、某サブスクにあるスピンオフドラマシリーズも全部視聴済です。
少なくとも、エピソード123とクローン・ウォーズと反乱者たち視聴済み推奨ですね……後、ブルアカやってるの前提で進めるのでそこはご了承ください。
……私のミスでした。
私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。
結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。
……今更図々しいですが、お願いします。
先生。
きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。
何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから…
ですから……大事なのは経験ではなく、選択。
あなたにしかできない選択の数々。
責任を負う者について、話したことがありましたね。
あの時の私には分かりませんでしたが……。今の私なら理解出来ます。
大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択。
それが意味する心延えも。
……。
ですから、先生。
私が信じられる大人である、あなたになら、
この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。
そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。
だから先生、どうか……。
そしてこれは、かつて闇に落ちていたひとりの少女が、もう一度平和のために生きる物語。
連邦生徒会長の失踪。その影響はキヴォトス全体に広がっていた。
連邦生徒会長がいなくなったことで、学園都市キヴォトスを管理する中枢である「サンクトゥムタワー」は行政制御権を失った状態になり、キヴォトス全体が混乱に陥っていた。
矯正局にいた停学中の生徒の一部は脱獄。非行的な活動をする不良…所謂スケバンが生徒を襲う頻度も急激に増加。戦車やヘリコプターなど、出所の分からない武器の不法流通は2000%以上増加。
学園都市キヴォトスの連邦生徒会の幹部3年生の七神リンの元に数人の生徒が押しかけていた。
ミレニアムのセミナーの会計、トリニティの正義実現委員会と自警団、ゲヘナの風紀委員会に所属する生徒たちだ。
そんな危機的状況の中で彼女たちの前にリンと一緒に1人の長い黒髪の女性が現れた。
それが先生だ。
キヴォトスではない外からやってきた彼女がフィクサーとなって、この状況を打破することになったのだ。
彼女は連邦生徒会長直々に特別に指名された人物でもあった。
そして、先生は連邦生徒会長が立ち上げた、とある部活の担当顧問として就任することにもなっていた。
それが、連邦捜査部「シャーレ」。
ひとつの部活が所有するには異常な程の権限を有しているシャーレの部室にこれから向かおうとしていた。そこの地下にある連邦生徒会長が残したものを回収するためでもあった。
しかし、DUの外郭地区のシャーレの部室の施設は大騒ぎになっていた。
矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こし、戦場となっていたのだ。
巡航戦車まで居る規模の戦乱が起きていた。
「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです。」
ストレスに押し潰されそうなリンはその場にいる生徒たちを見つめていた。
「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう。」
「ちょ、ちょっと待って!?ど、どこに行くのよ!?」
セミナーの会計の声がリンに届くことは無く、そのままシャーレの部室へと向かうこととなった。
その途中、リンはスマホでとある人物へと連絡を取った。
それは先程の4人では対処出来なかった時の保険。
有名なキヴォトス最強の生徒たちと同等の力を有する人物へのものだった。
「えぇ、はい、場所はDUのシャーレの部室のある、はい、もちろん支払いはいつも通り……」
4人の生徒はスケバンと相対した、更にそこに加えて先生が戦術指揮をするという彼女たちも初めての状況になった。
「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……。」
「……やっぱりそうよね?」
先生の指揮による戦闘はいつもより順調なものとなった。
そして、この騒乱の原因の人物が明らかになった。
「ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気を付けてください。」
その会話は、4人の生徒と先生以外にも聞こえていた。
そして、その後リンは個別に1人の人物と通信を繋いだ。
「シャーレとワカモは先生たちに任せます。そちらはスケバンの捕縛をお願いします。」
「……了解。」
機械越しに、くぐもった声の返事が聞こえた。
「…………。」
1人の少女はヘリコプターやオスプレイとは全く似ても似つかない乗り物…ガンシップに乗り、シャーレの部室のある施設へと向かっていた。
両隣には、10体ほどのガリガリのロボットがサブマシンガンを片手に、彼女と同じ様に、天井から吊り下げられた持ち手に捕まっている。その背中には全員ライオットシールドを装備していた。
その場の1人だけの人間の少女は、全身が黒い服に包まれていた。フードの着いた黒いロングコートを着用し、フードで頭の大半を隠していた。顔は黒い仮面で覆われ、目の部分には赤い一本線が走っている。その仮面の端からは、白銀の絹のような髪の毛が覗き、風に揺れていた。コートの下の衣服も全て黒く、所々にプロテクターの様な硬いものが装備してあった。
左腿には、唯一の射撃武器である真っ黒の拳銃がホルスターに収まっていた。
そして特徴的なのは、右肩に黒いベルトで提げている、背丈を超える金属の棒と、かつて彼女が居たとある国を表す赤黒いマークだった。
彼女は、右肩に提げている棒を軽く背負い直す。左耳に付けていた通信機のスイッチにフード越しに触れ、自分の率いる部隊へ指示を飛ばす。
「LAAT/i1号機はこのまま地上へ着陸して、B1部隊を展開。先生と生徒4名の護衛を。ヘイローの無いシャーレの先生を第1優先で。2号機は射線を確保出来るビルにBXを降ろし次第、ミサイルで私の援護を。BXはSR装備。私は……」
「……いつも通り、先陣を切る」
「ラジャラジャ」
ガンシップは段々高度が下がっていき、ビルの間を器用に飛行していた。
目的地はもう直ぐだった。
一度は、ワカモと相対したが、不利を悟った彼女はその場をスケバンたちに任せて撤退してしまった。
先生一行は、彼女の捕縛ではなく、シャーレ奪還を優先した。
そして、的確にスケバンを倒し、4人の生徒と先生は、シャーレの建物の入口にまで到達した。
しかし、ことはそう上手くは行かなかった。
「……うん?この音は……。」
「気を付けてください、巡航戦車です……!」
数台の緑色の迷彩塗装の戦車が彼女たちの前に現れた。
それは、ヘイローのある彼女たちでも決して楽に破壊出来るものでは無い。
情報通りとはいえ、一筋縄ではいかないそよ兵器を前に厳しい表情の生徒と教師……すると、リンからの通信が入ってきた。
「直ちに、巻き込まれないようにその場から後退してください、間もなく、敵勢力にミサイルが撃ち込まれます!!」
「え、それってどういうことよ!」
「説明はこの後しますので、急いでくださいそちらにはヘイローの無い先生もいらっしゃいますので!」
すると、5人の頭上を甲高い音と共に数本のミサイルが敵に撃ち込まれた。その火力で、先頭の戦車は爆発し、アスファルトを転がっていく。その周りに居たスケバンたちは、叫び声を上げながら巻き込まれないように移動している。
そして、後ろから鈍い音と共に何かが近づいてきた。白に所々赤いラインの入った見たことも無い機体で、2枚の翼が斜めに生え、その先にはオスプレイの様なローターが付いていた。
「え……あれは何…」
突然現れた勢力、やる気の抜けた声が先生の口から零れ落ちた。
その機体は、生徒たちの前に着陸し、中から細身の黄土色のロボットが降り立った。
少し離れた所でも、高層ビルの屋上に横付けしているのが見えた。
「…1号機着陸、B1ドロイドは地上部隊の護衛に移行。」
「ラジャラジャ〜」
一緒に降りたロボットたちからやる気の無さそうな声がする。
そして、黒ずくめの1人の少女が先頭に立ち、そのまま通信機でパイロットに指示を出す。
「……1号機、後方待機。」
「ラジャラジャ〜」
「先生、三大校の皆さん、ここからは私たちにお任せください。先生は、建物の中へ。こちらが援護します。」
そして、少女は右肩にかけてあった棒を降ろして右手に持つ。
手に馴染ませるかのように軽く振り回すと、視線の先にいるスケバンと巡航戦車を見据えた(仮面を付けているので、視線は全く見えないが…)
「ちょ、ちょっといきなり現れて一体何よ!」
その声に少女は90°振り返った。しかし、仮面を付けているのでその表情は全く分からない
「えっと……君たちは…」
「援軍はありがたいのですが…」
先生とユウカとハスミから不服を申し立てる言葉が漏れる……しかし、少女がその返事をする余裕を敵は与えなかった。
「攻撃、来マス!」
近くにいたロボットのその声に少女はすぐ様前を向く。
「……!!」
大量の銃声が鳴り響き、先頭に居る少女の方へと向かってきた。
ロボットたちは、ライオットシールドを前方に構えて、先生と生徒たちを銃弾から守った。
少女は、無駄の無い流れる様な動きで自分を狙う銃弾を全て叩き落とした。
その脳裏を過ぎるのは、これまでの実戦経験……
このキヴォトスとは違い、一度の被弾が命取りとなる戦場の記憶……
そして、その技術を己に叩き込んでくれた人物との訓練の記憶………それは、自らの愚かな選択によって喪われてしまったもの。
その時の修行の成果を反芻するかのように、彼女はAR、SMG、LMG関係無く、全ての銃弾を弾いた。
その強さを見て、安心したのか先生はシャーレの建物に向かって走り出した。
その動きに合わせてロボットはシールドを翳し、飛んできた銃弾を防いでいく。
まさか銃弾が金属の棒に防がれるとは思わなかったスケバンたちは、呆気に取られている。
少女はその隙に、彼女たちに接近し、側頭部や脇腹を横凪に殴りつけた。
そして、棒の先端を地面に叩きつけて、棒高跳びの要領で飛び上がった。
着地したのは、スケバンたちが居る中心部。
我に返った彼女たちの銃口が一斉に少女に向く。
「ちっ!撃ちまくれ!!」
多種多様な銃声が鳴り響く。
少女は身を捩りながら棒を振り回した。
傍から見ると適当に回している様に見えるかもしれないが、実際は全ての銃弾を見切って防いでいた。
「なんだこいつ、当たんねぇぞ!」
「この真っ黒な格好……あの変な空飛ぶ乗り物…まさか!?ぐはぁっ!」
スケバンの1人が何かに気づいたが、その答えを言う前に、少女に殴り付けられ倒れてしまった。
後方で少女を狙ってスコープを覗くスケバンが居たが……
「がぁっ!」
100メートル以上離れたビルから発射された銃弾が奥に居たスケバンの額に命中した。
そのスケバンはその衝撃で意識を失い、仰け反る形で倒れてしまった。
少女が最前線で暴れる中で、後方からは装填してあるミサイルを勿体ぶらずに発射させていった。
「ぎゃああああ!!!」
「痛ってぇ!!!!」
少女はミサイルを避けるためにバク転して、後退した。
離れた所に撃ち込まれたミサイルの爆風が彼女にまで届くが、気にすることなく、スケバンの人数を減らしていく。
「行けっ!」
掛け声と共に、少女は棒をブーメランの様に回転させながら投げた。
そして、本人は腿にあった拳銃を抜いて、的確にスケバンに命中させて行く。
そして、棒は縁を描きながら、道中に居たスケバンを殴りつけていき、最終的に少女の手に収まった。
気づけば、少女の周囲に居たスケバンはほぼ全員が気絶して転がっていた
その圧倒的な強さに、スケバンたちは恐れおののき、本能的に後退っていく。
「なんだよぉこいつ……強すぎるだろ…」
「もうこんなの勝てっこねぇ!うちは逃げるぞ!!」
スケバンたちは踵を返して、巡航戦車の残骸を乗り越えて戦場を後にした。
悲しいことに意識を失った仲間たちは助けることなく、その場に取り残されていた。
その様子を見て、戦闘終了を悟った少女は、構えていた棒の紐を右肩にかけ直し、部隊へ再度通信を繋いで指示を出した。
「こちらの損害は?……そう、了解。各自撤収準備に入って。2号機は狙撃をしてたBXの回収を。その後、倒されたB1の回収と気絶してるスケバンを捕縛して積み込んで……1号機は地上に着陸して待機。後、ヴァルキューレにスケバン捕縛のことを連絡しておいて、以上。お疲れ様。」
少女は、呆気に取られる生徒たちを尻目にロボットこと、ドロイド部隊の撤退に入っていた。
一方的な戦闘のため、少女側の損害は流れ弾に撃たれたB1バトルドロイドが数体だけであった。
そのドロイドたちと、戦場に置いていかれたスケバンをLAAT/iガンシップに乗せ、無事だったドロイドも数体を残して、同様に船の中に乗り込んでいった。
その様子を見て問題無いと判断した少女は、シャーレの建物の中へと入って行った。
シャーレの部室に向かう途中、リンと出会った。
リンは会釈をしてから、今回の依頼の費用等の話を切り出した。
「今回はありがとうございました……支払いの方はいつも通りに…」
「……うん、よろしく……また何かあればいつでも。」
「…はい、ありがとうございます。」
少女はリンと業務的なやり取りを終え、シャーレの部室へと向かった。
エレベーターで上り、廊下を進んでいくと、「空室 近々始業予定」と書かれた扉を見つけた。その隣の看板には「S.C.H.A.L.E」と書かれていたので、目指していた部屋だと判断し、ノックをする。
「はーい!」
離れた所から聞こえた返事聞き、目の前のガラスの扉を開けた。
そして、目の前のヘイローの無い女性に改めて己の立場を告げる挨拶をする
「すみません諸事情で仮面を付けたまま失礼します………初めましてシャーレの先生……私は、Peacekeeping Force Droids 通称PMC/PFDの代表、尋問官のファースト・シスターです……以後お見知りおきを。」
そう言って少女───ファースト・シスターは落ち着いた動きで目の前の彼女へお辞儀をした。
「……えーーーっと……ごめん、情報量が凄くて…ぴーえふでぃー??」
「……簡単に言うと、ドロイド…所謂ロボットの兵隊の民間の軍事会社ですね。今回は七神さんからの依頼で戦闘に介入しました。」
「えっと、尋問官ってのは…後、君のことは何と呼んだら良いのかな…」
「……前者の方は話すと長いので………で、名前はファーストやシスターとでもお呼びください。外部の人からもそのように呼ばれているので……」
ファースト・シスターは後頭部を掻きながら呼び方を説明して行く。
「えっと、それが本名なの………??」
先生は、首を傾げながらファースト・シスターに質問をした。
「………すみません、それは色々あったので…またいつか…」
そう言って罪悪感を覚えたファースト・シスターはほんの少し俯いた。
「あっ、そっかごめんね……」
「いえ、こちらこそすみません……えっと、お詫びと言っていいのか分かりませんがこちらを…」
そう言ってファースト・シスターは胸ポケットにあった薄いケースから小さな1枚の紙取り出し、先生に差し出した。
そこには、彼女の率いる軍事会社の名前と、ファースト・シスターの文字、そしてスマホの電話番号等の連絡先が書かれていた。
「……私の戦力が必要な時は連絡ください。その名刺は公式のと違って私に直接連絡が行きます。七神さんや、信用してる人にしか渡していないので…意識が無い時以外は出れると思うので……」
実際、この名刺は持ち歩いてはいるが彼女の性格故に本当に信用出来ると確信した人物にのみ渡している。現時点でも10人に満たない人数にしか渡していない。
「うん、ありがとう。」
「あ、後先生だけは特別に初回の依頼はサービスで無料にするので……困った時は連絡ください……では下で待たせてるのでこれで失礼します。」
「うん、分かった。これからよろしくね、ファースト。」
先生は、謎だらけのファースト・シスターを疑うことなく優しい朗らかな表情で別れの言葉を告げた。
「こちらこそよろしくです…」
そう言ってファースト・シスターは仮面を軽く触って嵌め直して、シャーレの部室を後にした。
どうしてか全く分からないが、この人は何があっても護らないといけないという義務感を抱えながら。
彼女はまだ知らない。
この先生との出会いが…これから起きる出来事が、彼女自身を変えていくことを。
先生はまだ知らない。
彼女の過去がどれだけ黒く、冷たく重たいものなのかを。今までどれだけの死を見てきたのかを。
ここまで読んでくださりありがとうございます。ゲームのプロローグへの乱入と先生との出会いといった感じでした。ちなみに色々補足します。まず、主人公の持ってた棒はレイが使ってたスタッフを想像してくれると分かりやすいです。主人公勢力の乗ってたLAAT/iは翼の先にある球体の武装が無くて、代わりにオスプレイみたいなローターが付いてます。流石に作中通りなのはおかしいかなって……後、今回登場したB1バトルドロイドと、BXドロイド・コマンドーが使用してたのはビームでは無く、実弾です。その辺りは、ブルアカにあっても違和感無いようにしました。前書きの通り、勢いに任せて執筆したので、連載するかは不明です(リアルもそれなりに忙しいので…)続き読みたい!とかこの話の感想等あれば是非書いてください!続き気になるって声があれば書くかもしれません。頭の中には対策委員会と、主人公の過去話は存在してはいるので……ところで、この分量を3時間くらいで書いた俺何者やろ笑
続き読みたい??
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読みたい!
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別に無くても良い
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さっさと書けコノヤロー