遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる   作:LemoИ

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もう無理矢理感ありますが、原作へ入ろうかなと。
閑話とかもいずれ書きたい。


別れ

気づけばPFD発足から2年ほどが経過していた。

その間は、主に戦闘や護衛の依頼を引き受け、バトルドロイドを派遣してきた。

新兵器の開発も時間をかけて進め、バトルドロイドの種類も増えた。

戦闘員としては

 

B2バトルドロイド

コマンドードロイド

マグナガード

それ以外には、

整備用のアストロメクドロイド

 

そして、私が司令室に居ない時でも代わりにバトルドロイドを指揮する副司令的な存在のタクティカルドロイドだ。

このドロイドが、部隊へ作戦司令を送り、それぞれの依頼をこなしている。

 

前世の記憶を元に再現したものと、キヴォトスで流通しているもの両方の兵器を用いた私設軍隊として成立した。

 

バトルドロイドたちは、キヴォトス内のヘルメット団等の組織の対処や、一般組織の護衛等の傭兵に近い依頼、各校の治安維持部隊の増援等の任務に派遣され、これまで幅広くこなしてきた。

 

また、新しくドロイド工場を建築することで更なる戦力拡大にも成功した。

D.Uシラトリ区のPFDの心臓とも言える総司令部は、他の有名な企業にも負けない大きさになった。

各自治区にも正当な手順を経て支部を建設し、広く手を伸ばすことが可能となっている。

 

その異常な成長速度や規模力は、当然トリニティ、ゲヘナ、ミレニアムの三大校からも注目される程のものとなった。

そして、ヘルメット団やチンピラ達の間でもPFDの強さは噂で広まり、下手に喧嘩を売る者は最初に比べて明らかに減っている。

 

有名な大企業だと今は、カイザーグループ等があるが、私の創設したPFDもそれに負けず劣らずの組織となっていた。

寧ろ、向こうが勝手に私たちのことをライバル視してるまであるが…

 

私自身の装備も変化してきた。

特に義手は見た目が無骨なものから、より人間らしい流線型のものへ改造した。

長袖を着て、手袋をしてしまえばパッと見は分からない…はず。

 

◇◇◇

 

幾つかの業務をドロイドに任せてはいるが、代表を勤めるのは私であり、多忙を極めている。

しかし、それでも定期的に彼女と会うことだけは続いていた。

 

「ふーん、また新しいロボ……違った、ドロイド造れたんだ。」

 

「えぇ、まぁ……」

 

連邦生徒会長の元気な言葉とは対称的な無愛想な返事をした私は、目の前のマグカップの中に注がれたホットコーヒーを啜った。

 

今日は仕事ではなく、プライベートとして彼女とこじんまりとした喫茶店で会っている。

そのため、相棒のシーカードロイドも連れていない。

 

正体がバレないように、私は黒のパーカーを着てフードを被り、大きめのレンズのサングラスをかけて目元を隠している。

生徒会長も、普段とは雰囲気の違う服装に身を包んでいる。

 

会話の内容は大体がお互いの近況や世間話だ。

 

「ホント、ファーストちゃんの会社大きくなったよね〜」

 

「最初と比べると確かにそうですね。」

 

 

このまま私たちの程々の距離感での付き合いは続いていくと思っていた。

 

「ファーストちゃんには先に話しておこうと思ったんだけど…」

「ごめん、私たちが会うの多分これが最後だ。」

「……え?」

 

突然のこと過ぎて私も流石に思考が止まってしまった。

 

「色々複雑で、理由は話せないんだ…ごめん。」

 

どこか儚さのある申し訳なさそうな表情に、私は問い詰めることは出来なかった。

 

「………それなら、最後にこれを見せておきます。」

 

私は周囲の人を一瞬確認してから、半円状に折りたたまれた金属の筒─ヒルトをテーブルに置いた。

 

マスターから己の命と教えられた方では無く、武器として奮う方を。

 

「これは…?」

「前に私が作れるか怪しいって言っていた武器。」

「あっ……」

 

数年前の会話を思い出したのか彼女は目を丸くして机の上の物体を不思議そうに見つめていました。

 

「正直作れるかは自信は無かった。別に自慢したいから見せた訳じゃない。ただ、私の覚悟を少しでも見せておきたかった。」

「そっか……ありがとう。やっぱりファーストちゃん優しいね。」

 

これを見せておいて優しい???

 

「真逆ですよ…」

「後ね、そのうちとある人が来るからさ。」

「とある人?」

「そう。その人はねファーストちゃんとは違う意味でキヴォトスと、そこで生活する生徒たちのために頑張ってくれる。」

「そう……ですか。」

「だから、ほんの少しだけでもその人のことを信じて助けてあげて欲しい。」

「…分かりました。」

 

こんな私だがやれることはやろう。

 

「○○○ちゃん──────」

 

特別に教えた、かつての名前の後に続いた言葉に、思わず私は目を見開いていた。

 

 

普段呼ばないその名を口にした時のその真剣な表情は流石に印象的過ぎた。

 

お互い注文したものも飲み終え、話題も無くなった私たちはそれぞれの場所へと帰ることになった。

店を出てから向かう方向は逆。

つまり、ここでお別れだ。

 

「それでは……」

 

「ファーストちゃん!」

 

その言葉に私は再度彼女の方へ振り返った。

 

「?」

「握手。」

 

そう言って彼女は真っ白な手袋を外してその手を差し出してきた。

 

「……そういうところですよ会長。」

 

あざといというか、なんというか…

 

私は、造り物では無い方の手で彼女と最後に握手を交わしそれぞれの日常へ帰って行った。

 

 

◇◇◇

 

 

喫茶店から戻った私は、 その足で本部の地下を訪問した。

地下は主に新兵器開発を行っているフロアとして用いられている。

そして、その半分以上を占めているのはとある計画のための空間であり、巨大な金属の装置が鎮座している。

 

これは、彼女──連邦生徒会長が私に託した思いを実現させるためのもの。

その計画は組織として成立した初期から動き出し、ずっと取り組んできた。

 

その計画ではキヴォトス内のあらゆる技術と、私の記憶に残っている前世の知識を駆使している。

実際に再現して運用出来るかは怪しい。

こんなのが必要にならない方が良い。

 

だけど、もしもの時への備えがないのは今の私には不安で苦痛でしか無かった。

こんな私を信じた彼女の期待を裏切るのではないかという恐怖。

 

「とにかく今は、どっちつかずの半端者な私に出来ることを……」

 

高く広く取られた空間の片隅には、金属のデスクが置かれている。

そして、そこに広げられたのは大きな青写真。

そこに記された計画の名称は…

 

 

 

 

 

『プロジェクト・リパブリック』

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

そして数日後…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PFD情報部を通して連邦生徒会長失踪が判明した。




そして、プロローグ第1話に続きます。

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