遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる   作:LemoИ

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おたませしました、3話です。ここからキヴォトスでの話になります。時系列的には、主人公の転生は、プロローグの2年前と思ってます(ゲームキャラの3年生が1年生の頃)。


過去編〜PFD発足編〜
新たな世界の第一歩


 

 

 

 

 

 

 

遠くで、何かが物凄い速さで鳴る音と、その後に爆発する音が聞こえた…

 

(もしかして近くで戦闘があるのか…?戦況は?私の部隊はどこに居るんだ?コマンダーは?……あと、寝てる場所が固くて背中と腰が少し痛い…

 

音的に戦ってるとこはそんなに遠く無いはずだ…)

 

ゆっくりと目を開けると、そこには壁らしき灰色のものが一面に拡がっていた。

 

状況に混乱していたが、少しして少女は思い出す。

 

(……そうだった)

 

(私は、ベイダーに刃向かって…負けて、胸を貫かれて…)

 

(え、じゃあ何で私は今ここに居るんだ?)

 

「あれっ…」

 

胸を触ってみたがそこには刺された筈の傷が無かった。

 

見下ろすとそこにあるのは、滑らかな肌と決して立派とは言えない双丘。

 

そして、偶然近くにあった水溜まりを覗く。

 

するとそこにあった少女の姿は、若い頃…パダワンになった頃に近いものだった。

 

(???)

 

突然の若返りに少女は混乱するが、一先ず冷静に自分の状態を確認する。

服装は、浮浪者の様なボロボロの黒い布に包まれていて、清潔とは言えない格好だった。

 

そして、足元に何かがあることに気づく。

 

(足元のこれは…)

 

そこには、2つのカイバークリスタルが転がっていた。

 

「カイバークリスタル……」

 

それはジェダイにとっては命であり、尋問官にとってはジェダイを斬り裂く武器の力の源……

 

「ここはどこなんだろう…」

 

(死後の世界なんだろうか…?ここが地獄なら良いけど……いや私には地獄ですら贅沢すぎる。何かがおかしい…ここは地獄じゃなくて…)

 

そして、既に一度経験している少女は気づいた。

 

「………また、転生か。」

 

この世界のどこかに居る神はまだ、彼女を生かす気のようだ。

 

「はぁ……まぁ、こっちの方が私には地獄か…それよりも。」

 

(今居るここは…)

 

辺りを見渡すが、すぐ近くに人は居なかった…

 

(コルサントの下層?)

 

彼女自身数回任務で行ったことのある治安の悪い地域に似ていた。

 

だが上を見上げると…

 

(空が見える…)

 

そこにあるのはコルサントの下層では見えない筈の青空がビルの隙間から細く見えていた。

 

つまりここは、コルサントとは別の惑星、或いは前々世の時と同じで全く違う世界の可能性がある。

 

「はぁ……」

 

ため息をついた彼女の心に渦巻く感情は1つ。

 

(もうなんだか……色々と……面倒だな)

 

(既に2回の人生を過ごした私に………暗黒面に屈した私に…今更どうしろと?)

 

「どうしたら…」

 

とりあえず動くかと立ち上がる。簡単に自殺出来そうな…丈夫な縄とかを探すためだ。

 

すると…

 

(あれっ…)

 

両手で身体を持ち上げようとしたら、突然ガクンと左手側に傾いて転がってしまった。

 

「えっ…」

 

黒いボロ布を少し捲ると、そこには…

 

「うわっ…ベイダーに斬られたところか…」

 

本来人間にあるはずの左腕が半分しか無かった。

 

二の腕より先が欠けている状態だ。

 

「この後死ぬなら関係ないか…」

 

少女は、今度は上手いことバランスを取りながら、ゆっくりと立ち上がる。

 

すると突然、誰かの声がした。

 

「おいおい、こんなとこにガキが居るじゃねぇか!」

 

白いXのマークの付いた黒いマスクをしている3人の女性が目の前に現れた。

 

「うわぁ…汚ねぇ」

 

(私に向かって言ってるのかな。まぁ、事実だけど…)

 

「まぁ、でも少しは持ってるだろ…」

 

「なぁ、なぁ、私ら今もう、所持金が全然なくてさぁ〜言いたいこと分かるだろ?痛い目に会いたくなかったら有り金全部寄越しな」

 

前世で数多くの惑星での任務を遂行した少女にとってそれは全く未知のものでは無かった。

 

「………持ってない」

 

「あ゙ぁ?」

 

「なわけねーだろ!」

 

「嘘つくんじゃねぇよ!」

 

(正直に言ったんだけどな……)

 

「てかあれ、こいつ銃持ってねぇじゃんか」

 

「渡す気がねぇなら、無理矢理奪うしかねぇなぁ〜笑笑」

 

「素直に渡さなかったお前が悪いんだからな」

 

どうやらこの人たちは私からクレジットを奪う気らしい。

 

一文無しだと正直に言ったのに信じては貰えなかった。

 

ただ、唯一の持ち物のカイバークリスタルが奪われるのは良い気分とは言えなかった。

 

この後、自死するつもりだが、こんな奴らに唯一の前世との繋がりを奪われるのは違う気がした。

 

奇跡的にポケットのようなのが布に付いてたので、そこに2つとも滑り込ませる。

 

目の前の女子たちは、それぞれが持っていたブラスターライフルに似たものを構えて先端を少女に向ける。

 

(不本意だけど、これで死ねるなら……)

 

彼女たちが引き金を引く様子が目に映る。

そして、ライフルから放たれた物体が、少女に雨のように命中した。

 

鼓膜が潰れそうな音が鳴り響く。

 

(痛い痛い痛い痛い)

 

ズキズキと命中したところに激痛が走る。

 

だが、それ以上は何も起きなかった。

 

少女の身体を貫通することも無かった。

 

血飛沫や肉片が飛び散ることも無かった。

 

ブラスターのカートリッジが無くなったのか痛みがパタリと止んだ。

 

「ちっ、まだ気絶しないのかよ。」

 

「見た目に反してタフだなこいつ。」

 

少女は自分の肉体が銀河を生きていた頃と明らかに違う部分があることに気づいた。

 

そんな中、ふと気づいた。

 

目の前にいる彼女たちの頭の上にそれぞれ輪っかのようなものが浮いていたのだ。

 

そして、そこにも彼女たちの生命力───フォースに近いものを感じた。(フォースに何か別のものが混じっているような…)

 

そして、自分の頭上を見るとそこには、輪っかではなく、とある2つの国を象徴するマークが浮いていた。

 

(共和国と帝国の…)

 

これが目の前の彼女たちの上にあるのと同じものだと感じた。

 

(ひとまずこの頭の上のは置いといて…それよりも目の前のこの人たちをどうするか…さっきブラスターから撃たれた。でも、痛いだけで致命傷にはならなかった。)

 

「つまり……」

 

(何らかの理由でブラスターでは死なない身体になってしまった…)

 

「ちっ、さっさとリロードしやがれ!今度こそ倒すぞ!」

 

彼女たちは再び少女に狙いを定める。

 

(ブラスターで死ねないなら…)

 

この状況を打破して、別の死ぬ方法を探すべき…

 

少女はほぼ癖のような動きで、少し離れた所に転がっていた金属のパイプをフォースで右手に引き寄せた。

 

それは、少女の愛武器かのように綺麗に右手に収まった。

 

そして、パイプの端の方を掴んで、彼女達の銃弾を防いだ。

 

ただ、ライトセイバーのように弾き返せる訳では無い

 

重さも長さも違う。

 

それに、左腕が無いので、身体のバランスを取るのが難しい。

 

だが、幸いあのブリキの兵隊たちに比べれば何も問題無かった。

 

だけど、少女は、昔教えて貰ったフォーム3を再現した。

 

甲高い金属の音を立てながら少女の目の前で銃弾がパラパラと地面に落ちる

 

そして、回転をかけながら先頭に居たスケバンに投げつけた。

パイプは高速回転をしながら頭にクリーンヒット。

 

「ぐぁ!」

 

スケバンは、呻きながら後ろに仰け反って倒れた。パイプは回転しながら再び少女の手の中に収まった。

 

「くっそ!てんめぇ!!」

 

逆上したスケバンが再び少女を狙って撃ってくる。

 

「……!」

 

少女は今度は接近戦を仕掛ける。

 

足に力を入れて距離を詰めて、パイプをライフルに叩きつけて、そこを軸に身体を回転させながら踵をスケバンの側頭部にぶつけた。

 

そして、そのままバク転をして一瞬後退して、3人目のスケバンの銃弾をパイプで防ぐ。

 

そして、弾切れになった瞬間を狙って、パイプを素早く右手で振りかぶる。

 

「なっ!?」

 

慣れてない戦闘スタイルに、スケバンは為す術もなくパイプに打ちのめされて意識を失い路地裏に転がることになった。

 

少女は辺りを見渡して、一先ず戦闘が終わったことを確認した。

 

右手に持っていたパイプに視線を向けると、それは銃弾で凹んで歪な形になっていた。

 

少女はもう使い物にならないと判断したそれを地面に捨てる。

 

「…なんなんだ一体。」

 

己の身体の状態にも違和感があったが、一先ず、少女は自分を襲った連中の持ち物を漁った。

 

(なんだ…持ってるじゃん)

 

スケバンたちは少女に金を出せと言っていたが、実はほんの少しだけ所持金があった。

 

(私を襲ったお駄賃に貰ってくね…)

 

少女は、その僅かなお金をカイバークリスタルと同じポケットに放り込んで、路地裏から表通りに出ることにした。

 

建物の隙間から出たことで、陽の光が降り注ぎ、少女はその眩しさに目を細める。

 

(これからどうしよ…)

 

この後どうしたら良いのかはさっぱり分からない。

 

(もう、この感じだと知り合いも居なそうだし……きっと私を必要とする人も誰も居ない…)

 

内容は置いておいて、前世では誰かしらに任務を任されて只管それを熟す日々だった……必要とされてはいた。

 

(だけど、もう、何も無い……でもそれは逆に、前世を知られる心配も無い…ということか…)

 

頭の上にある輪っかのせいでブラスター程度では自殺が出来ないことが分かったので、今すぐ死ぬことは出来ない…

 

(まぁ、誰かの世話になる訳じゃないし、急いでる訳でも無いから、死ぬのはもう少ししてからでも良いか……)

 

 

少女は、周囲から奇異な視線を浴びるが、気にせずに目指す場所の無い歩みを進めていった。




という訳で、初回スケバンとの邂逅でした。次回くらいには原作キャラ1人くらい出したいなぁ、とか、主人公ちゃんがプロローグまでどう生きてきたのか…何故あのブリキ野郎を部下にすることにしたのか、その辺を順番に触れていきたいと思ってます。感想等お待ちしております。
デハマタ。

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