遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる   作:LemoИ

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わ、忘れてなんかいないからね?(汗)
ゲームばっかしてるとかじゃないからね(汗)


出会いと決意

「ご苦労さまでした〜」

 

少女、パイプで殴りつけて気絶させた指名手配犯を、学生がやってる警察みたいな組織…ヴァルキューレ?に引き渡した。

その対価のクレジットを受け取り、封筒の中身を軽く覗く。

 

(とりあえず、数日分はあるかな…)

 

封筒に入ったクレジットを、割引き値で売られていた黒パーカーのポケットに乱雑に突っ込み、中身の無い左袖を揺らしながら、交番という名前の建物を後にした。

 

外に出ると若干鬱陶しい日差しが、パーカーのフードの中にまで差し込む。

 

◇◇◇

 

新たな生?を受けてこの世界に来て約2ヶ月……私は指名手配犯を倒して金銭を得る、所謂バウンティハンターのような生活を送っていた。

 

その手配犯の賞金で、1日1日食いつなぐための僅かな食料(パンやおにぎり)を購入している。

そして、目的は無いけど、念の為少しずつ貯金もしている。

 

生存欲求が無いのは変わらぬ事実だが、この肉体では簡単に死ねないことが分かったため、一先ずはこの生活を送ることにした

 

だが、正直安定してるとは言えない。

どこかに定住してる訳でも無いので、裏路地の奥や廃墟の片隅に蹲って毎晩質の悪い睡眠を取っている。

数日に1度インターネットカフェでシャワーを浴びることしか出来ないので、清潔とも言い難い。

 

(俗に言うホームレスやストリートチルドレンのような暮らしをまさか自分が送る日が来るとは……)

 

今日も、指名手配されている変な名前のヘルメットを被ったグループのメンバーを探すことにした。

ひと月前に見つけたかなり丈夫なパイプに結びつけた薄汚いロープを肩にかける。

最初の頃は歩くことさえも苦労した片腕生活も、気づけば当たり前のように戦えるまでになっていた。

 

でもいつか、この不便さをいつか改善出来る日が来るかもしれないと淡い期待もしてはいる。

もちろん、この世界の技術で、前世レベルの義手を作れるかは分からないが……

 

この2ヶ月、毎日のように歩いてるブラックマーケットも、頭の中に大まかな地図を広げられるまでになった。

指名手配の張り紙の写真の特徴と通行人と見比べながら徘徊する。

正直黒パーカー、黒マスクで隻腕で銃ではなくパイプを担いでいる人が道端にいたら怪しさ満点だろう。

実際、さっきから一瞬目が合ったが露骨に逸らされている気がする。

 

(まぁ、それはどうでもいいけど…)

 

◇◇◇

 

それから数時間歩き回ってやっと指名手配のヘルメットの集団を見つけた。

彼女たちの後をつけると、とある路地裏のさらに奥にある倉庫にたどり着いた。

軋む扉を開けながら入っていくのを離れた距離から目視する。

 

私は大きな音を立てないように静かに倉庫に接近し、割れた窓から中を覗くことに成功した。

 

(……敵は、12人。全員ライフルで武装。)

 

 

全員捕縛出来ればかなりの収入になるだろう。

出来るだけ多い人数を無力化したい。

 

彼女たちの会話の内容までは聞き取れなかったが、何やら会議?のようなことをしてることまでは汲み取ることが出来た。

 

(このまま待機してどこかに行かれるよりかは……)

 

私は、割れた窓に体をゆっくりと滑り込ませて倉庫の中へと侵入した。

アンバランスな身体に気をつけながら静かに木箱に隠れながら倉庫の中を移動する。

 

そのまま私は敵の1人が手の届くところまで接近した。

そして……

 

「ぐあっ……」

 

1番近くにいた敵を滑らかな動きの手刀で意識を刈り取った。

 

「なんだ?!」「敵襲だ!!」

 

その声に反応して敵たちがライフルを構えるよりも先にパイプを2人目の腹部に叩きつける。

 

「うぐっ……」

 

「敵は1人だ!さっさとやっちまえ!!」

 

数箇所から銃口が向くのを感じとった私は直ぐに飛び退き、パイプをその辺に転がし、腹部を叩かれて蹲る敵の首根っこを掴んで他の敵の攻撃を防ぐシールドにした。

 

「うがぁあ、やめっ、あぅ、あ!!」

 

「やめろ!撃つのをやめろ!」

 

リーダー格らしき1人の声で一斉に銃声は鳴り止んだ。

 

「この外道がぁ!!」

 

他の敵たちは味方を撃ったことに慌て、仲間を盾にした私へ怒りをぶつける、

 

「じゃあもうこいつはいいや。」

 

私は、盾にしていた既にボロボロになった敵を、足元に転がした。

そして足元に転がっていたパイプをつま先で蹴り上げて右手に収める。

 

「正々堂々戦ってあげる。」

 

そして私の蹂躙が始まった

ヘルメット団の銃撃が私に命中することはなく、全て躱すか、いつも通りライトセイバーの要領でパイプで弾く。

そして、懐へと潜り込みパイプで殴打し、順番に戦闘不能にしていく。

 

数えているわけではないが、段々とその銃声は減っていくのは分かった

 

気づけば立っている敵はあと1人だけだった。

部屋の端にいたその敵に向かって回転をかけながらパイプを投げつける。

その敵が沈黙したのを確認してからフォースでそのパイプを右手に引き戻す。

 

すると足を掴む者が居た。

 

「うぐっ…やっぱりお前……あの黒パイプか…」

 

顔を下に向けると、そこには呻きながら上半身を起こそうとしていた敵が居た。

何か気になることを言っていたが、私は冷静に頭部にパイプを振り下ろし意識を奪い取った。

 

その鈍い音を最後に倉庫の中には静けさが舞い降りる。

 

戦闘が終わったことを悟った私はゆっくりと溜息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

「すごい!ホントに銃使ってないんだね!」

 

 

背後から聞こえた朗らかな少女の声に反射的に私は真後ろへ振り返り、声の主にパイプを向けた。

 

 

そこには1人の少女が居た。

 

私とは対称的な真っ白な服に身を包み、その綺麗な空色の長髪で片目は覆われていた。

その表情に敵意などはなく、優しさとこちらへの好奇心が滲み出ていた。

私の前世の経験と勘が、彼女が敵では無いことを教えてくれた。

 

その証拠とでも言おうか…私が警戒心剥き出しでも、彼女はこちらに銃口を向ける素振りは全くない。

それどころか、両手は後ろで組まれている。

 

「あなたは……何者ですか?」

 

パイプを構えたまま私は尋ねる。

 

「こんにちは、謎の黒ずくめの少女さん?ごめんね、名前を知らなくて……私は███連邦生徒会のメンバーの1人だよ。」

 

それは予想外な人物だった。

 

「連邦生徒会……」

 

詳細を知る術は無いが、その名前は知っていた。

どこまで力があるかは知らないけど政府に近いものなのだろう。

だとしたら尚更疑問が生じる。

 

「……そんな人がどうして私なんかに?」

 

「うーん…少し前から話には聞いてたんだよね。パイプを持った真っ黒な服の少女が指名手配犯を捕まえてくるってさ。場所が場所だし、そういうのは珍しくは無いんだけど、うーん……」

 

「そのことが何か?」

 

「あ、それをやめて欲しいとかじゃないよ?うちも、ヴァルキューレも万年人手が足りないし。ただね、私から見て君は……」

 

彼女は後ろにあった手を前に組み替えて、考え込むポーズをとる。

 

「私は……?」

 

すると、彼女は先程までのおっとりした雰囲気から一転、これから戦いに赴くかのような真剣な眼差しへと変貌した。

 

「ううんごめん、回りくどいのは嫌だろうし、単刀直入に言っちゃうね。」

 

「君にはね……」

 

ほんの数秒の沈黙にも関わらず緊張した私は唾を飲み込み彼女の言葉の続きを待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界を……キヴォトスを護る切り札になって欲しいんだ。」

 

◇◇◇

 

 

「コーヒーで良かったの?」

 

「……はい、ありがとうございます。」

 

彼女の真剣な眼差しをどうしても無視することは出来ず、倒した敵(ヘルメット団と言うらしい)をヴァルキューレ生に引き渡し、場所をブラックマーケットの端の方にある公園に移した。

そして、自販機で購入した彼女からの奢りの缶コーヒーのプルタブを器用に片手で開け、顔を隠していた布をほんの少しだけずらし、ゆっくりと缶を口元へ傾ける。

 

缶から注がれた液体から、遠い記憶の奥底に深く刻まれていた安っぽい苦味と酸味が口の中へ広がっていく。

 

目だけ隣に視線をずらすと、彼女も私と同じ動きで、缶のカフェオレを飲んでいた。

 

数分間、私たちは誰もいない午後の公園を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先に会話を切り出したのは私だった。

 

「…………それで、切り札とは一体。」

 

 

私のその問いに対して彼女は少し考え込む表情をした。

 

 

「うーん、文字通りの意味なんだけどなぁ……あっ、キヴォトスの仕組みとかは何となく分かるかな?」

 

「一応は。数千の学園が運営する自治区と連邦生徒会の運営する自治区によって構成される巨大学園都市だと……」

 

「すごい、教科書のお手本みたいな回答だね。」

 

(……)

 

「それら学園は基本的に各々が治安維持部隊を所有してて、自治区内の問題解決に尽力している。あ、君がいるブラックマーケットはかなり例外かな。」

 

「だとしたら私は必…「でもね、それでもこのキヴォトスは決して平和とは言えないんだ。」……。」

 

「毎日どこかしらで、強盗とか暴動、銃撃戦が繰り広げられてる。」

 

今世においての歩みが始まってから決して長い月日が流れた訳では無いが、それでもこの世界の治安が異常なのは既に分かりきっていた。

コンビニやスーパーに当然のように並ぶ銃火器類。キャッチボール感覚で飛び交う手榴弾。

数多の戦場をくぐり抜けた前世と比べると、銃弾で命が失われない今世は生温いものだが、それ故に銃を撃つことへの抵抗が少ないのだろう。

 

 

「初めて遠目で君の戦いを見た時、確信した。全てがイレギュラーな『君になら』って。」

 

 

「この際、あなたを信用して、ハッキリ言ってしまいます。こんな形で私のことを頼ってくださったことは嬉しいです「じゃあ……」ですが、もう私は、誰かを護る、平和のために生きることは出来ません…その歩みを私は一度自ら斬り捨ててしまった身です。」

 

 

手元の缶を見つめる私の脳裏には、前世の数多くの分岐点の瞬間がフラッシュバックしていた。

もう、平和の守護者としての私は存在しないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつか……この世界を災厄が襲う日が来る。」

 

 

「……えっ?」

 

 

「これ以上は何も分からないし、話せない。だけどその時、君には……」

 

 

(そういうことか…)

 

 

私はゆっくりと瞼を閉じて、記憶を掘り起こす。

その記憶の中では、何度も目の当たりにした焼け野原が思い浮かんでいた。

 

 

ライトセイバーで斬られた肉の焦げる臭い

 

おびただしい数のブラスターの発砲音

 

クルーザーが撃沈する轟音

 

コクピットの外から見えるファイターの爆発の閃光

 

痛みに叫ぶトルーパーの悲鳴

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬眉間に皺を寄せた私はゆっくりと瞼を開ける。

 

 

「分かりました。」

 

「まだ分からないことばかりですが…嘘じゃないことは分かりました。その話に乗ります。」

 

「えっ、良いの?」

 

「そちらから提案してきたのに、何で疑問形なんですか……ただ、平和の守護者としてではなく、一先ず雇用関係ということでいかがでしょうか…詳しい内容はおいおいとして。」

 

「分かりました、とりあえず私たちの関係はそのような形でいきましょう。」

 

まだ何か言いたげだったけど、一先ず納得したようだ。

 

「あぁ、それと自己紹介がまだでしたね。」

 

私は缶コーヒーを脇に置いてゆっくりと立ち上がり、彼女の前に跪く。そして、顔をゆっくりと雇い主となる者へ向ける。

 

 

「尋問官ファースト・シスター。かつて暗黒に堕ちた身なれど、この先待ち受けている災厄がなんであれ、それに立ち向かうキヴォトスのひと振りの刃となることをここにお約束いたします。」

 




連邦生徒会長の口調とか雰囲気が全く分からん……

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