遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる 作:LemoИ
部屋の中に軽快な電子音が鳴り響く。
数秒経ってから、それがインターホンの音だと私は思い出した。
決して快適とは言い難い起床をした私は寝返りを打って窓の方に目を向ける。
視線の先にある窓の外には、既に太陽は上っていて部屋に暖かい光を注いでいた。
若干重い体を起こして枕元にあったカイバークリスタルをパーカーのポケットに仕舞ってチャックをし、玄関の方に向かう。
ガチャリと金属の扉をゆっくり開けるとそこに居たのは予想通りの人物だった。
明日も来ると言っていたので、疑問は全く無かった。
「おはよ〜!」
「……お…おはようございます。」
「何か食べたりした〜?一応おにぎりとか買ってきたんだけど……。」
そう言って彼女は左手に持っているビニール袋を私に差し出した。
「あっ、ありがとうございます……。」
お礼を言って私はビニール袋を受け取る。
その中には違う具材のおにぎりと緑茶とパンが入っていた。
「うーん……なんか固いなぁ。」
「あの……それで、今日は何をするんですか?」
「そうそう!今日はね……。」
そう言って彼女はポケットから金属の板を出した。
その見た目は前前世では非常に馴染み深いものだった。
「スマートフォンを買いに行きます!!」
◇◇◇
DU地区内のモールをやってきた私たちはまず、携帯ショップでスマートフォンを契約した。
前世では全くしなかったプロセスで混乱している私を見て、彼女が基本的にやってくれた(端末の色は黒一択。そこだけは譲らなかった)。
昔聞いた頭が上がらないとはこのことなのかもしれない。
そのまま隣にあったスマホグッズ専門店で、対応機種のケースとフィルムを購入した(当然ケースも真っ黒)。
お昼時になって私たちは、色んな制服の学生たちに混じってレストランに入店した。
大半が白い学生服の中で、1人黒ずくめで目元しか露出してない私の格好は不審者でしかない。
なんなら、左袖には中身が存在していない。
若干視線を感じるのはそれが原因なのかもしれない。
◇◇◇
「それでね!リンちゃんたら〜」
料理が届くまでの間、ただひたすらに彼女が自分の日常を楽しそうに語り続けた。
連邦生徒会の同期たちの話しがメインだった。
無愛想な私相手に楽しいのか疑問に感じてはいたが、決して不快な時間では無かった。
◇◇◇
心配する彼女に近くまで送り届けられて、まだ慣れてない部屋へと帰宅する。
私以外誰も居ない静かな部屋。
視線の先にある大きめの窓からは傾いてきた太陽が見えた。
部屋の片隅に今日購入したものを置いて床に座り、真っ黒の小さめのカバン(サコッシュと言うらしい)からスマートフォンを取り出した。
そして、初期設定した後にインストールしたモモトークというアプリを起動する。
そこには彼女の名前の表示と「お疲れ様!ゆっくり休んでね!」という言葉が数分前に届いていた。
「ありがとうございました。」と返信をし、私は、スマートフォンを手から床に置く。
「……疲れた。」
体力には自信があったが、かなり歩き回ったのは精神的にもまぁまぁ疲れたみたいだった。
そして、体育座りをして頭を膝に乗せて、窓のの外を眺める。
夕陽が優しく差し込んできて、暖かいけど少し眩しかった……。
その雰囲気に呑まれてしまったのか、私は、彼女と出会った時言われたあの言葉について思い巡らした。
「切り札ってなんだろう……。」
◇◇◇
疲れていたからなのか、そのまま寝落ちしてしまったらしい
目を覚ますと既に陽は沈んで、夜の帳が降りていた
私は特に理由も無く、窓を開けて裸足のままベランダに出た。
程よく吹いている風が白髪を揺らし、心地良かった。
「ふぅ……」
スマホの時計では、日付が変わる手前くらいと表示があったが、それでも街中はまだまだ明るかった。
遠くの方では爆発音と銃声まで聞こえてくる。
この感じも、段々と慣れてきた。
キヴォトスではいつも通りの夜を眺めながら私は再度、先程考えていたことを思い起こした。
調子に乗るわけじゃないけど、少なくともこの世界にきて、今のところ敗北を喫してはいない。
ブラスター相手に金属パイプで勝てたのがその証拠だと思う。
今世では、生身で対処出来ないスターファイターやクルーザーはない。
居たとしても戦車くらいだ。
フォースも、ライトセイバーを扱う人もいない。
そして、ブラスターでは死なない身体になってしまったこと。
その辺りが原因だろう
「でも……」
この先も絶対に負けないと証明出来るものは何一つ存在しない。
大勢にリンチにされた時。
あちこちで複数のトラブルが起きた時。
タラレバでしかないけど、絶対なんてものは存在しない。
私一人だけの戦力……。
それは果たして切り札と呼べるのだろうか。
何か考えなければならないということだけは明らかだった。
◇◇◇
夢を見た。
それは前世の記憶をアルバムみたいに掘り起こすものだった。
ジェダイ聖堂での生活のこと。
まだパダワンだった頃、マスターと修行をした時のこと。
優秀とは言えなかった私のことを拾い、根気よく鍛えてくれたこと。
マスター以外にも沢山のジェダイと交流したこと。
マスターと一緒に、平和の守護者としての任務を遂行するために様々な惑星に降り立ったこと。
そんな修行の生活を続け、いつか自分もナイトへと昇格し、自分のパダワンを持つ日が来たら良いなと頭の片隅にほんの少しだけ期待もあったこと。
だけど、クローン戦争のせいでそれどころじゃ無くなってしまったこと。
平和の守護者が役割だったジェダイの騎士が、戦士になってしまったこと。
戦争中にパダワンからナイトになり、マスターと並ばずにスターデストロイヤーの艦橋に立って、数多の惑星でドロイドと戦ったこと。
私の得意分野でもあるスターファイターでの戦闘も沢山したこと。
その戦闘中、通信機越しに数え切れない程の撃墜されたクローンの断末魔を聞いてきたこと。
沢山の敵……パイロットの居ないドロイドのスターファイター、ドロイドの戦車、ライトセイバーを防げる武器を持ったドロイド、エネルギーシールドで覆われたドロイド、痩せっぽちのドロイドと相対したこと。
そして、その戦争の結末が予想だにしないものだったこと。
共に切磋琢磨してきた彼が暗黒面に堕ち、生きたいという欲故に、私も後に続いたこと。
かつての同胞たちを斬ったこと。
だけど最期……ほんの少しだけ、暗黒面に抗えたこと。
◇◇◇
私は目を覚まし、真上にある天井を見つめた。
片方しかない掌を天井に翳す。
そして、まず思い出したのは、かつて私が率いて共に戦場を駆けた兵士たちのことだった。
「彼らが居たらな……。」
(……このキヴォトスにおいて、前世のカミーノのようなクローン技術が発展している様子は全くない。私と共に戦ってくれるクローン・トルーパーみたいな兵士を再び生み出すなんてことは出来ない。)
じゃあどうするか……
皮肉にもその答えは、意外にもあっさり出てきてしまった。
それに似たものは、今世でも既に何度も目にしていたからだ。
それは……
「……彼女の期待に応えるために、切り札となるために……あの……ブリキ野郎たちを作ること。」
私たちを何年も苦しめ、数え切れない同胞の命を刈り取った、あの忌々しい分離主義派のドロイド。
「……私たちの敵だった連中。」
ねぇ……誰か教えて欲しい。
「これが、正解なの?」
寝転んだまま私は、絶対に返事の無い問いかけを宙に放った。
そして、この考えが思いついてしまった自分を何度も呪った。
その日私は、PC関連の機材を使いたい旨を彼女に連絡した。
◇◇◇
数日後、彼女はPC関連の機材を持ってきてくれた。
自分のお下がりだが性能は申し分ないらしく、返却はいつでも良いと言ってくれた。
本当に、いつかお礼がしたい……。
あと、彼女の様子がいつもより嬉しそうだったのはどうしてだろう……。
私がPCを借りてまでしようとしていること。
それは……
「ドロイド用の人工知能OSの作成……。」
最初にどんなドロイドを作るかは既に決めてある。
流石にいきなりドロイデカみたいのを作る気は全く無い。
最初に作ろうしているのは、私を含めた尋問官たちが使用し、パシリに近いことをさせていたドロイド。
……ID9シーカードロイドだ。
◇◇◇
「うーん……」
彼女は、腕を組んで街中を練り歩く。
服装はいつも通りで、当然肩には護身用の棒を提げている。
悩みの原因はシンプルで、今の彼女が置かれている環境で一からドロイドを製作するのは不可能に近かった。
確かに前世ではジェダイの責務を全うする傍らで機械いじりが趣味となっていたし、戦時中も自分の相棒のアストロメクとは非常に親しくしてた。
しかし、彼らの人工知能を創り出すとなると話は別だった……。
その上手くいかないストレスの気分転換に部屋から出てきた。
特に目的あっての外出では無かったけど……。
「鈍っちゃうし、戦いに行くか……」
直ぐには出来なくてもいずれ必要になることを見越して、久しぶりに資金集め(指名手配狩り)をすることにした。
フードを被って黒マスクで目元以外を隠して、ブラックマーケットの方向に足を進めた。
◇◇◇
ブラックマーケットへの再訪を歓迎するかのように近くで手榴弾らしいものが爆発した音が聞こえた。
近くでは数人のヘルメット団がたむろしている。
スマートフォンで調べるとヴァルキューレ公式サイトの方に指名手配犯の一覧が掲載されていたので、それを参照にしつつ、私は獲物を探すことにした。
そんな連中は目立つ表通りを歩くとは思えないので、多少見覚えのある裏通りの方へと足を進めた。
裏通りの方は当然治安が悪くて、印の付いたマスクのチンピラや、ヘルメット団が仲良く喧嘩している。
でも、指名手配すらされていない小者に時間や労力を割くのも馬鹿馬鹿しいので、目をつけられないように足を進めた。
出来るだけ目を合わせないように……。
そして、裏通りの中でも特に薄暗い角から声がした。
「クックック…………こんにちは、お嬢さん、少しお時間よろしいでしょうか?」
最後のはいったい誰服さんなんだ?!?!
彼女がドロイド軍ってゆー答えに辿り着くの無理矢理だったかな……
でも、さっさと原作開始したいのが本音でして……主人公組織発足までトントン拍子に行きたいんですよね……
ID9シーカードロイドについては是非ご自身でググってみてください
続き読みたい??
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読みたい!
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別に無くても良い
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さっさと書けコノヤロー