遠い昔遥か彼方の銀河を生きた少女、今度は学園都市を生きる   作:LemoИ

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お待たせいたしました、7話です。
色々内容進めました。
正直後半の描写は自信無いですが、暖かく見守って頂けたら幸いです…。


尋問官へ

ひび割れた漆黒の頭部の男は、ゲマトリアという集団?グループのメンバーらしい。

正直かなり胡散臭いし、私のこれまでの経験や本能に近いものが、やめておけと警鐘を鳴らしてきている。

 

確かに、もし今この場にマスターが居たら止めてきそう。

あの人少し過保護だったし…。

 

だけど何故か無視してはいけない気がしたので、一先ず話を聞くことにした。

 

万が一の時はぶっ叩けば良いだけの話だ。

 

彼?曰く以前からこのブラックマーケットで単騎で暴れていた私に興味があったらしい。

そして、私がブラスターを使っていなかったことが目を引いたと……。

 

「……で、何が言いたいの?」

 

「私たちは言わば『探求者』……このキヴォトスの神秘を追い求める者です。」

 

「ふーん……それで?」

 

「特に戦闘中にあなたが使っていたパイプの明らかに物理法則に反した動き……。」

 

「…………。」

 

「確かに、このキヴォトスの生徒たちには、神秘があります。それは、私の研究テーマでもあります。生徒の中には狙撃銃を頭に受けてもダメージを受けない者や、鉛玉とは思えない威力の銃弾を乱射する者、脅威の再生能力を持つ者…皆性格が違うように様々です……しかし、あなたを初めて見た時、私の目には特別な存在に見えたのです!!」

 

「え、えっと……」

 

これってもしかして前前世のマンガにあったナンパだったりするのかな…

 

「明らかに神秘とは異なる何かを全身に纏い、それによって戦う姿が非常に興味深かったのです……」

 

つまり、フォースについて気になったと。

 

「その力の正体を私は是非研究したい!!!!」

 

「そっちが変態で、私に興味があるのは分かったけど、私がそれに応じるメリットってあるのかな……。」

 

これじゃ、向こうにしか利益が無い……それよりそろそろ指名手配犯狩りに行きたいんだが。

 

「……義手の作成。」

 

「?!」

 

「クックック……原因や事情などは分かりませんが、片腕では日常生活も戦闘の時も不便では?」

 

「…………。」

 

そればっかりは否定は出来ない。

腕を無くしてから直ぐキヴォトスに来たから、実質隻腕生活は数ヶ月しか経ってない。

ぼんやりしている時に物を落とすこともあるし、ペットボトルを開けるのも若干めんどくさい。

 

「分かった……「では、」でも足りない……。」

 

「足りないとは?」

 

「〝あれ〟は腕1本なんかで教えられるほど安いもんじゃない……それ以上払えないなら、私はこのままで良い。」

 

「クックック……良いでしょう、他に何をご所望ですか?」

 

「これから私の部下に出来るド…ロボットを作ろうとしてる……でも行き詰ってるから協力して欲しい。」

 

「分かりました、伝手を当たってみます。」

 

「あと、何か契約書みたいの用意して欲しい。こんなの聞いて無いなんてことは嫌。」

 

「クックック…分かりました。そちらも用意しましょう。」

 

「そっちが私が必要としたものを用意してくれるなら、倫理に背かないなら実験みたいのでも協力してあげる……」

 

「ありがとうございます。こちらとしてはゲマトリアに入っていただけたら…」

 

「そういうの興味無い。これはあくまで契約に基づく公平な協力関係だから、勘違いしないで。」

 

「留意しておきます……次お会いする時には契約書と試作品の義手をお持ちします、これからよろしくお願いします……えっと」

 

「……ファースト・シスターって呼んで」

 

「分かりました、では私のことは黒服とお呼びください。」

 

そう言って一応握手だけしてこの日は終わった

ただ、夜スマホを見たら知らない番号が登録されていて、名前のところに〝黒服〟とあったのはかなり怖かった。

 

「そっちが私を利用するなら、こっちもあんたを最大限に活用してやる……」

 

◇◇◇

 

1週間後、私は連絡を受けて再び黒服の元を訪れた。

添付されていた位置情報に従って向かうと、そこには薄汚れたビルが建っていた。

中にある、若干薄暗いオフィスみたいな部屋で彼は私を待っていた。

 

「クックック、お待ちしていました。」

 

「では、まずこちらをご確認ください、問題なければサインを……。」

 

そう言って黒服は、私の方にタブレット端末を差し出してきた。

幾つか箇条書きで契約内容が書き記されていた。

 

「うん……。」

 

一読したけど問題は無かったので、下の空欄にサインを記しタブレットを黒服に返す。

 

「クックック……これからよろしくお願いしますね、ファースト・シスターさん。」

 

◇◇◇

 

 

「いかがでしょうか?」

 

サインをした後は、黒服が用意してくれた義手の試作品を装着した。

 

「……悪くない。」

 

久しぶりの左腕……。

 

試しにグルンと回してみたけど、特に違和感は無かった。

 

本来の腕みたいに動かすために神経接続した瞬間には、針が指すような痛みが走ったけど、その後は違和感なく動かせている。

黒服曰く、オーパーツ?みたいな珍しくて貴重なものが組み込まれているおかげで脳からの電気信号をダイレクトに反映出来ているらしい。

そんなのを使っていいのか気になったけど、タンスの肥やしみたいだったらしい……。

 

気になるのは、若干右腕より重いくらいか……。

 

後、前世と違ってどうしても無骨なデザインになってしまう。

見た目も金属そのままで、ドロイドそのものだ。

その辺は、少しずつ自分でも改造していこうかな…。

 

 

その日は検査とかは無くて、採血だけされて終わった。

ぶっちゃけもっと何かあるかと思った。

 

◇◇◇

 

「そう……こっちの命令を理解してある程度は自分で思考して行動出来る知能とかが欲しい。」

 

別日には2人で同じパソコンに向き合って、ドロイド開発についての議論もした。

 

「ふむ……」

 

「とりあえず最初はこの、シーカードロイドって子を作りたいんだよね、そこから種類を増やして行こうかなって。」

 

「私の知り合いに、この手の技術に精通した者が居るので聞いてみますね。」

 

「うん、よろしく……後さ、相手に顔とか声でばれると後々面倒だから、変声機付きの仮面作ってもらうことって出来たりする?」

 

「えぇ、そのくらいでしたら可能ですよ。」

 

「デザインは真っ黒でこんな感じで、それに合わせた装備も……。」

 

 

◇◇◇

 

「でさ〜カヤがまた変なことしようとしててね、リンちゃんはそれ見て爆発しそうだし笑笑」

 

「……そ、それは大変ですね。」

 

私の目の前には今、カフェオレの入ったグラスをストローで啜る水色の髪色の彼女が居る。

初めましての頃より段々と会う頻度は減ったが、それでも予定が合えば時々会っている。

 

「てかホント、今日はビックリしたよ〜数週間ぶりくらいに会ったら、左腕があってさー」

 

「……そ、そうですね。」

 

ちょっと気まずそうに返事をして私は固い左腕を袖の上から撫でた。

 

「ミレニアムに作ってもらったの?」

 

「ミレ…?いや、あのこれは、少し前にとある人に……。」

 

みれにあむ……確か学校の名前だった気がする。

 

「え、ファーストちゃん知り合い居たの??」

 

「⋯⋯知り合い……知り合い?まぁ、知り合いですね…。」

 

嘘は言ってないが、若干気まずくて私は視線を逸らしていた。

 

「大丈夫?変な人に絡まれたりしてない?」

 

「大丈夫ですよ、なんかあったらぶん殴るので……。」

 

「ファーストちゃんさ、やっぱりハンドガンでも良いから買わない?」

 

以前モールに行った時にも同じ質問をされたら。

そして、私はその時と同じ返事をした。

 

「前にも言いましたけど、これまで私はずっとこれでやってきたので……今更その戦い方をしようとは思えないんですよね…それが例え非常識であったとしてもです。」

 

「そっかぁ……。」

 

「後それに…」

 

「それに?」

 

「いずれは、本来の武器も創る予定なので…大丈夫です。」

 

「え、どんな武器???」

 

「秘密です」

 

「えぇ〜〜」

 

こっちの技術で〝あれ〟をもう一度作れるかすら怪しいし。

 

◇◇◇

 

「各駆動部、反重力装置などのチェック完了です、OS等のインストールは後10分程で終わります。」

 

「うん、分かった……。」

 

パソコンに文字を打ち込む黒服からそう告げられた。

そのパソコンの脇からは数本のコードが伸びていて、一体の小型のドロイドに繋がっている。

 

「それとこちらを……。」

 

そう言って黒服は黒光りする大きめのアタッシュケースを私に差し出してきた。

 

「これは?」

 

「以前、要望いただいた装備一式です…リクエストに沿いつつご用意させていただきました。」

 

ロックを外して開けるとそこには……

 

「……。」

 

真っ先に目に入るのは、赤い一本線が丁度目の部分に横に走っている艶のある漆黒の仮面。

その周りには胸部と、各関節に装着するものと予想されるプロテクターが幾つか並べてある。

一緒に前腕部に取り付ける簡易的なコンソールも入っている。

 

私は、ゴクリと唾液を飲み込んで、仮面を両手でケースから持ち上げた。

 

「お気に召しませんでしたか?」

 

「ううん、大丈夫…考えごとしてた。」

 

「そうでしたか、では最後にこちらを…」

 

黒服の方を向くと、彼は一本の杖をトロフィーの様に両手で持っていた。

 

「あなたの戦闘スタイルを崩さずに、より理想的な動きが出来るようにご用意しました……材質は銃弾では凹まない貴重な金属を使用しています。」

 

「……うん、ありがとう。」

 

私がお礼を言って受け取った数秒後、パソコンからシーカードロイドの全てのダウンロードが完了した通知が鳴った。

そして、その前面に付いているレンズに光が点った。

 

◇◇◇

 

ブラックマーケットにある飲食店を爆破した私とアカリさんは今、予想外の強敵と対峙する羽目になっていました。

 

 

 

今日も今日とて最高の食を追い求めてお昼時に気になったお店に入店しましたが、明らかに金額に対して料理の質や店員の対応が酷かったため、予め用意していた爆弾を起爆させました。

 

その騒ぎに乗じて私とアカリは退店して、マーケットガードが来る前にその場を去りました。

 

しかし、この日はいつも通りにはいきませんでした。

 

少し後ろを走っていたアカリが急に呻き声を上げてつんのめって倒れたのが始まりでした。

 

「いたた……」

 

「アカリさんっ?!」

 

「……大丈夫。」

 

アカリさんの足元には金属製の杖の様な棒が転がっていた。

キヴォトスではなかなか見ないものです。

それと同時に嫌な予感もしました。

 

「面倒事になる前にここから離れましょう。」

 

そう言って、アカリさんに右手を差し出そうとした時、転がっていた杖が、ひとりでに動き出しました。

 

「えっ?」

 

数回金属音を立てながら動くパイプは浮き上がって、10m程地面と平行に移動していきました。

私は思わずそのパイプを目で追ってしまいました。

そしてパイプは、離れた所にいた人の手に収まりました。

 

視線の先にいたのは漆黒という言葉が歩いているような方でした。

仮面で表情は全く分かりません。

ですが、膝まで届く真っ黒なロングコートのフードの端から出ている白髪が、ロボットではなく、人であることを証明していました。

 

「黒舘ハルナ、鰐渕アカリ……ヴァルキューレからの手配により一緒に来てもらう。」

 

機械越しの感情が抜け落ちた不気味な声で、私たちは名前を呼ばれました

 

「申し訳ありませんが、私たちはあなたに用はありませんの。」

 

「そうか………」

 

不気味さを覚えた私は、愛銃の『アイディール』を構えてスコープを覗いた。

そして、真っ黒な頭部に照準を合わせて引き金を引く。

 

聞き慣れた銃声と共に放たれた銃弾は、敵の頭部に命中してそのまま意識を刈り取れるかもしれない思ってましたが……

 

「なっ?!」

 

敵は、右手に持っていた杖で私の銃弾を弾いてしまいました。

キンッと甲高い音を立てて銃弾は明後日の方向へ飛び去って行きました。

 

「捕まりたくないなら、私を倒すんだな…」

 

近くに居たアカリさんの表情も険しいものに変わり、右手に持っていたライフルを膝立ちのまま構えました。

 

「装填完了。照準合わせます……!」

 

私もアカリさんも目の前の相手が一筋縄ではいかないと認識しました。

 

そして、私の射線と被らないように斜めに動きながらアカリさんも『ボトムスレス』を撃ち始めました。

しかし、その銃弾も器用に左右に避けるか、杖で弾かれてしまいました。

 

不味いことに今の私たちは銃を撃つくらいしか出来ません。

グレネードも使い果たしてしまいました。

 

マガジンの中身を撃ち果たしたのかアカリさんの銃が突然静かになりました。

持っていたマガジンをリロードしようとしたら…

 

「では、私の番だ。」

 

そう言って敵は私たちの方へ右手を翳しました。

次の瞬間、突如アカリさんの身体が浮き上がって、敵の方へと吸い込まれていきました。

明らかに物理法則に反した動きに本人もかなり慌てています。

 

「わっ、ちょっ!!」

 

「アカリさん!!」

 

私も本能的に、彼女のことを捕まえようと手を伸ばしました。

しかし、その手は何も掴むことはありませんでした…。

磁石のように吸い寄せたアカリさんに、敵は杖を思いっきり振り下ろしました。

 

「痛っ!!」

 

その衝撃に耐えきれず、四つん這いになったアカリさんに今度は、膝蹴りを顔面にお見舞いしました。

そして、アカリはその場で崩れ落ちるように地面に伏してしまいました。

 

「くっ…許しません……。」

 

その言葉を最後にアカリさんが起き上がることはありませんでした。

決して弱くはないアカリさんがこうもあっさり戦闘不能に…。

ほんの10秒ほどの出来事に、私も援護することすら出来ませんでした。

敵は今度はお前の番だとでも言うかのように私の方へ向き直って来ました。

 

冷や汗をかきながら、私は再度スコープを覗いてライフルを撃ちました。

照準は敵の頭部に合わせ、ブレることなく引き金を引きました。

 

先程と同じ発砲音を立てながら銃弾は敵へと吸い込まれていきました。

 

しかし敵はそれもあっさり弾き、大したことをしてないかのように涼しそうな雰囲気で佇んでいます。

 

「……やれ。」

 

突如背後で機械音がして、全身を針が刺すような痺れが襲い、動けなくなってしまいました。

 

「うぐっ!」

 

後ろを振り向く暇すら無く、硬直している私に敵は異常な速度で距離を詰めてきました。

その勢いのまま敵の左拳が……

 

「かはっ……。」

 

拳が鳩尾に命中した瞬間、予想外の鈍い痛みが走りました。

まるで棍棒で殴りつけられた様な痛み……

そして、余裕の無くなった私に回し蹴りをお見舞いしてきました。

その攻撃を受け止めることなど出来ず、地面に転がってしまいました。

 

「げほ、げほ…。」

 

全身に激痛が走る私は、なんとか身体を起こすことしか出来ませんでした。

 

そして、敵は右手に持っていた杖を構えます。

仮面で視線や表情は見えません。

ですがそれでも、目が合っているのだけは分かりました。

 

「くっ……。」

 

もう決着はついたようなもの。

一矢報いることすら難しそうです。

差異はあれどほぼ全員が頑強なキヴォトス人を金属の杖一本でここまで圧倒しますか……

それだけ目の前の敵が強大だったということだ。

容赦ないとても厄介な相手に目をつけられてしまったということですか…

 

「ここでこんな困難に遭遇するだなんて…。」

 

「……それは、残念でしたね。」

 

そう言って敵は杖をバットのように振りかぶり、私の頭部へと杖を叩きつけました。その激痛を最後に私の意識は暗闇に落ちていきました。

 

意識を失う直前、ぼやける視線の先には、真っ黒なシルエットと、空中に浮かぶ蛸みたいなロボットの姿がありました。




ちなみに、後の美食研究会には、PFDとの接触は極力避けるという暗黙のルールが存在しているとか。

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