Re:レイヨリトリツク異世界生活   作:キジユツニトリツク存在

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さてここから少しずつ話がスバル達との合流へと話が進んで行きます。
また、謎も少しずつ深まっていきます


『再開を目指して』②

「___ナツキ・ルナ。今、兄を探してる一騎当千のハンターだ。殺されたら七代先まで祟るつもりでいるからよろしく」

 

そう言って、肩にMP7A1を乗せて、そんな物騒でしかない自己紹介をする。

 

そんな自己紹介に、ラインハルト青年は何か引っかかったらしい。

少し考え込んだ後、こちらを伺うように話しかけてきた。

 

「…ナツキ・ルナ…兄を探してる…自己紹介の仕方。もしかして君のお兄さん、目つきが悪くて、黒い服を来てたりしてるかい?」

「まぁ、そうだな。あと更に付け足すなら、グローブをつけてて、腰に猫のポーチつけてるなら確実だ。もしかして兄を…スバルを知ってるのか」

「…なるほど、君はスバルの…。…そうだね、うん。知ってる。それどころか今居る場所もわかってるよ」

「本当か…!?」

 

…どうやら、早々に幸運が舞い降りたらしい。

異世界生活初日にして。スバルの居場所が判明した。

 

「ラインハルト青年、悪いが教えて欲しい!オレはあいつを探してここまで来た!」

「良いとも。だけど、教える前に少し教えて欲しいことがあるんだ」

「なんだ?」

 

「君は、一体何者なのかな?」

 

「…へぇ?」

 

…この時、オレは少しばかり驚いていた。

 

どうやら、目の前の青年は私の本性が見えてるらしい。と。

 

恐らく、それもある程度深いところまで。

 

「驚いた。あんた、どこまで見えてるんだ?」

「少なくとも、君とスバルの間に血の繋がりはないこと、その容姿が本当の君の姿じゃないこと、他とは少し違う、見えずらさを持った魂の輪郭をしていることまでは普通に」

「ふーん、ならまぁ話も早いか」

 

それを聞いて、少し考えを改める。

この相手には、自分の本性を隠し通すよりも話す方向にした方がいいと判断して。

 

「んなら、さっきの自己紹介に情報を付け加えるか。

確かにオレはスバルのことを兄といったがお前の言うとおり、血は繋がってない、義兄弟の関係だ。で、さらに言えば、オレはもうとっくのとうの昔に一度死んでる…

 

 

ナツキスバルの妹だよ

 

 

そういって、オレは…いや、私は男装する為に帽子に入れていた、黒く艶やかな長い髪を晒した___。

 


 

___あれは数年前…春の日のことだ。

 

あの日、私は近くの神社への道を散歩していた。

 

理由なんてものはない。

 

強いて言うならば『お日様がポカポカしてたから』とか『なんか神社に呼ばれてる気がする』というものだった。

 

だが、太陽も微笑むようなそんな日に…誰もが凍りつく悲劇は起こった。

 

神社を目の前にして、乗用車による交通事故にあったのだ。

 

その際、失われた命は一つ。

 

私である。

 

死因は、頭部の強打、全身内外部問わずの多量出血、刺突による穿穴、首の骨折。

小さな命を守るために身代わりとして、クルマの餌食となり、吹き飛ばされ、何度もバウンドし、神社本殿近くの薄い板状の石碑に叩きつけ壊し、その際、石の破片がいくつも私に突き刺さったのが理由であった。

 

【いやいや、君、めちゃくちゃ強かったよね?なのに、そんなことが起こったのか?】

 

先ほどの兎狩りを見た人にこう話したのならば、きっとそんな声が上がるのだろう。

だが、その時までのオレにはそんな力などなかった。

強いて言えば、他よりも倍、知識があっただけ。

肉体的には平均的なスペックしかないし、特異的(スーパー)能力(パワー)があるわけでもない。

極めて普遍的存在だった。

 

そんな存在が、死ぬ運命を避けるなど無理難題な話である。

 

当然一度死に…私はしばらく、魂のみの存在となった。

 

そう、『しばらく』…時間でいえば1日はその状態だっただろう。

その間、私は自分の本来の姿を忘れることがあったり、怪異の類と出会うことがあったり、何やらテロ事件に巻き込まれてしまったり…なんてことはあったが、そこは話し始めると長くなる為、省略させていただく。

 

で、だ。そうした経験故か、私には魂だけの存在になった際、複数のとある異能が目覚めていた。

 

便宜上、『死者のチカラ』と名付けられた、特別なチカラ。

 

このチカラ。四つの能力からの成り立っており、それぞれに安易ではあるが名前がつけられている。

 

人や物に憑依して、動かす『トリツク』。

二つの物を同じ方向から見た時、似た形ならば入れ替える『カエル』。

命のない物体を4分前の状態に戻す、『サイセイ』。

死ぬ4分前に戻る『ヨミガエル』。

 

それぞれ、一つ一つに制約はあり、決して無条件に強いと言うわけではない。

しかし能力の使い方次第では、人の運命を大きく変える事ができる力を持っている。

 

そんな力を得て、道中その際騒がれながらも、蘇り、今に至る訳である。

 


 

「___なるほどね。死者のチカラで蘇った…か。それがその魂の見えづらさの理由かな?道理で納得したよ」

「……まぁ、私の魂の輪郭が見えているラインハルト青年がそう言うならそうなんだろうな」

 

腑に落ちたように頷くラインハルトに対して、オレは肩をすくめるように、その言葉に返す。

なお、正直なところ、自分の魂が見えずらいと言われた時、実は他にも見えずらいと言われたその理由について、いくつか浮かんだのだが…。

これに関しては今はオレの心に秘めておくとしよう。

更にややこしくなるだけだろうし。

 

「それで?ラインハルト青年。納得してくれた所でだ。話の本題(先程の質問)を戻そう(を聞こう)か。義兄、スバルはどこにいる?」

「あぁそうだね…君はスバルを探してここに来たんだったね。……うん…どうしたものか」

「……ん?まさか、知らない…訳はないか。さっきの感じからしても恐らく本当に知ってる反応だろうし。となると、残りの理由は一つ。何かスバルの場所を教えられない理由でもあるのか?」

「うん、そうだね。先程教えると言った手前、申し訳ないのだけど…君の言うとおりだよ。居場所は知ってる。だけど案内が出来ない理由が、二つ。話すことができない理由が、一つあってね。『今は』少し話すことができないんだ」

 

少し困ったような、申し訳なさそうな顔をした様子で、ラインハルトは話す。

どうやら、私は、タイミングというか運が悪かったらしい。と、その様子から察した。

まぁ、それでも本音を言うならば、もう少し情報は知りたかったが、スバルの存在確認、生存確認できただけ、良しとするかという感じである。

スバルがこれで死んでいるなら、めちゃくちゃ急がないといけなかったしな。

 

「すまない」

「いや、ラインハルト青年が謝ることじゃない。今は話せないということは、少し前か後ならば話せたということだろう?ならば私の運とタイミングが悪かっただけの話だ」

 

チラリと周りを見渡す。

一見何かあるような気配はしないが…だが、オレは誤魔化されない。

(コア)の世界』『死者の視界(シシャノメ)」と呼ぶ、渦を見つけたあの赤い視界に切り替えれば、明らかに複数の存在がいることが視えた。

 

「さてと…それじゃオレは行くよ。ラインハルト青年。急ぐ用もできたしね。あぁ、そうだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そっちの方が色々得られるしね」

「!…うんそうだね。その時は是非」

「では、また」

 

そうしてオレは警戒しつつも、ラインハルト青年の元を静かに急がず、されど速やかに離れるのだった___。




やっとゴーストトリック要素をしっかりと出せた…。
なお、同時にルナの性別についても判明した模様。

次回あたりで『再開を目指して』が終わると思います。

スバルとの合流時期

  • 屋敷での一週間《始めから》
  • 屋敷での一週間《3日目から》
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