あやかしライダー   作:chika6号型256番

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俺ってもう人じゃないじゃんね

 

「ようやく外に出られる!」 

あれからかなり走り回りようやく森の外の世界を目にする。

そこに広がっているのは随分と田舎臭い畑だった。

俺の予想では田舎は田舎でもアスファルトぐらいはあると思っていたんだが…舗装すらされてない。見える家も日本風じゃない。レンガが使われていてまるでヨーロッパだ。

 

嫌な想像が頭をよぎった。デュラハンはそもそも日本の怪物じゃない。ヨーロッパとかの海外の怪物だ。で、俺はデュラハンなわけでデュラハン生まれる場所=海外つまり日本語しか喋れないわけのわからんデュラハンしかも自分の能力を把握してない雑魚怪物が発生してしまった。

 

目の前にカボチャが成っているのを見つけた。これだ!カボチャをくり抜いて頭の代わりにしよう。変な目で見られるとは思うが無いよりマシだ。俺は大急ぎでカボチャを盗み森に戻った。

カボチャを盗むデュラハンなんてカッコ悪いなんて思ってはいけない。俺だってしなくていいならこんなことしないし、とれたてのカボチャを頭代わりになんてしたくない。

 

森で拾った石を使ってカボチャに穴を空け、どうにか中身をくり抜いてかぶってみた。いい感じ!これでオッケー!

 

そして人前に出たらどうなったか。まぁ内心予想はしてたけども

「えーと…ハ、ハロー?」

「ぎゃあぁあぁあぁ!!化け物でたあぁあぁ!!」

ワンピースを着たかわいらしい女の子が泣き叫びながらすっごい勢いで逃げていった…

ま、だよねぇ…化け物扱いは正直ショックだけど俺だって黒づくめの紳士服着たカボチャ頭なんて速攻逃げて通報するし。

 

「てかなんて言ってるか分かったな…」

あれか?悪霊の故に感情を読み取ってる的な?てかなんで口もねぇのに発声出来んだろ?不思議ボディすぎるなこの体。

それにあの子の格好随分と前時代的だったな。まさか年代も中世とかか?いや、勘弁してくれよ。魔女狩りだのなんだので俺みたいなのは生きづらい世の中最盛期じゃねぇか。はぁ森に帰るか…

 

 

森に帰った俺は唯一の楽しみとして乗馬を楽しんでいたのだが、ちょくちょく人間に目撃されては俺は化物狩りにあったり、焼き討ちされたり、浄化されかかったり色々なことがありました。なんならあの森戦争で焼けちゃった…第二の故郷として愛し始めてたんだけどなぁ。

 

だが!襲われまくった影響で俺のデュラハンスキルは上がった。

死の呪いは使えるようになったし、あとムチとか剣とか

鎧とかなんか影を操って色々出せた首無しとはいえ騎士は騎士って事だ。

あと何に使えんのか分からんけど血をぶっかけられるようになった。力は俺が使う気がなかったのが良くなかったみたいで全部本能的に使う方法は理解してたみたい。初めて使えたときは無意識に出せたしな。俺を襲ってきた聖職者連中には全員死の呪いをお見舞いしてやったぜ。あいつら俺のこと悪魔扱いで話を聞く素振りすらねぇのはいかがなもんかね?悪魔の誘惑を耳にするな!だってよ。

別に俺は特殊能力使えて興奮する子供じゃないんだ。戦いたいわけじゃないのに襲われまくるせいで戦闘能力が身についちまった。

 

そして段々現代が近づいてきている。正直中世は娯楽が少なくって毎日馬乗って能力で遊んでを繰り返してるだけだった。人間じゃないから腹も空かないし、睡眠欲もないしな。実に現代は楽しみだ。戦争は見てて気の良いものでもないし、さっさと故郷である娯楽あふれる現代日本へ行きたいもんだ。

自分の目で産業革命を見られたのは歴史好きとかではなくても興奮する。道で初めて車を見たときついに車が登場したのかとかなり感動したもんだ。

長い事自分が人間じゃないせいでずっとここは半ば実は地球ですらないんじゃないかとビクビクしてたが世界の歴史の流れを見てると地球と同じだとやっと確信できた。ただちょくちょく悪霊的なものを見かけるのがなんだか違和感でもあるんだが…

ま、生前の俺が全くそういったものと関わりがないだけで実は幽霊もUFOも実在してたのかもしれないしこの世界でも堂々と存在するとはされてないみたいだからあまり違いはないのかもしれない。

 

あと年々俺の姿を見られる人間が減ってきた。おかげで割と堂々と人前で活動できるようになった。それでも時々ぎょっとした顔でこっちを見つめてるヤツもいるからみんながみんな見えないってわけじゃないんだけど、魔力?霊力?的なものに目覚めてる人間が少ないみたいだ。俺からしてみるとありがたい限りだ。首無しのせいでどんなふうに関わっても化け物扱いだしな。

 

そろそろ日本行ってみようかなぁ、ホームシックが酷くてうずうずしてられないんだよな。いやでも流石に大戦が終わってからにしよう。大戦中に日本なんか居たらやばいしな。噂で霊的な力を戦争に利用しようとしてたみたいな話、生前に怪談で聞いたし。

俺が捕まるとは思わないが一応まだ行くのはやめておこう。

 

いやぁまじやることないんだよな。人間に見られる事もなくなったからエクソシスト的な連中も来なくなったし、見えるやつも減ったし…かと言って馬に乗ったり影操って遊ぶのも流石に数百年もやってたら飽きてきた一旦冬眠するかー?

第二次はまだ起きてないから大体6,70年くらい冬眠したらバイクも走る現代になるだろ。ま、問題はどうやって俺がバイクを入手するかってことなんだけど…そん時になったら考えればいいや。じゃおやすみなさい

人に見つからないように山に入ってしばらくして見つけた洞窟の中で影を繭のように体に纏い少しの間眠りについた。

 

 

そうして彼が眠っている間に時は流れ人は大量の血を流した。彼のいた山でも血は流れた彼のいる場所はアイルランドとある山脈ドイツからの侵攻を受け、アイルランドは交戦し撃退した。その時に流れた血や軍人の後悔の念は怨霊となったが彼らの魂は貧弱で数百年生きたデュラハンにはまさにおやつだった。無意識にテリトリーを侵された事を感じとった眠っていた彼の影は彼ら怨霊たちを喰らい尽くし、悪霊としての格を一段上げていた…

 

 

 

 

「ふあぁあ随分寝た。なんか腹の調子が…」

もう数百年も何も食ってないのに、変なところで寝たのが良くなかったか?うーん?まぁ良いか。どんくらい経ったか確かめたいし大きな街目指して移動するか。

なぜか不調を訴える腹を無視して洞窟から歩き出し影から馬を呼び出して街へ向かった。

 

「おぉ~ついにか…ッ」

黒いアスファルト、その上を走る現代の車、太陽の輝きを反射するビル。ついに世界は俺の知ってる現代に突入したようだ。喜びのあまり泣き出しそうだぜ

早速どうにかこうにか日本に帰りたい。俺のホームシックは限界をとうに超えてるんだ。海外のわけのわからん森で一人で数百年とかもうまじむり。せめてバイクに乗って楽しめるならまだしも。

俺の寂しさを多少埋めてくれたこの馬にもかなりの愛着が湧いてるし名前までつけたけど、流石にこのホームシックを押さえつけるには至らない。

 

「先ずは空港を探したいところだけど人には聞けないしな…」

どこに観光案内的な建物があれば地図が見つかると思うんだが…

ふと道でスマホを触ってる男が目に入った。

(スマホ!おぉ~スマホ懐かしいなぁ…って懐かしさに浸ってらんねぇ。どうにかこう借りられねぇもんかな)

誰にも自分の姿を見られないことを利用してスマホを借りる(盗んですぐ返す)事を計画した。これならわざわざ地図を探す手間を省けるし何より楽だ。

 

目の前の男がスマホをポケットにしまったことを確認して影を触手のように操りポケットからスマホを盗み出した。

(おっけぇー。悪いね。ロックかけてねぇのかよ。不用心だとは思うが、ラッキーだ。神様ありがとー)

ロックもかけてないらしい不用心な事だったが自分には都合があまりにも良い。デュラハンに生まれ変わってしまった事には未だに複雑な気持ちを抱えているが今だけ神様の存在を信じて謝をした。

 

「よしささっとスマホを返してっと道は分かったしあとはさっさと向かうだけだな」

盗み出したときと同じ手を使いポケットにスルリと戻し、馬に飛び乗り空港へ駆け出した。

 

空港に着いてすぐ電光掲示板を見て取り敢えずアメリカに行ったら日本行きあるだろなんて逸る気持ちを抑えられずに楽観的に考えて人に見えないのを良いことに飛行機に乗った。

みんなに俺の姿が見えたら表情は見えなくとも俺がウキウキしてた事分かっただろうな。行くぜ!故郷!

 

 




読んでいただいてありがとうございます!またこここうしたほうが良いよとかあれば感想にお願いします!その時は優しくしてください^^;

一応アイルランドってイギリスドイツ両方から攻められるの警戒してて一応中立ではあったんですけど、ドイツからの誤爆?とか商船の撃沈もあったらしいんでイギリス連邦の一員だった事もあってイギリス爆撃後ならついでに攻められててもおかしくないんじゃね?くらいのテンション感です。私、世界大戦は完全ににわかなんでこの世界ではそういうもんか位に思っていてもらえると…
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