「男の玉探すってなんか嫌だなー」
ババァから話を聞いてすぐに高架下周りを探しにきたオカルンと桃と俺である。そんな俺の正直な気持ちでは金玉探すのなんか生理的に嫌ていうのは言わないが、正直な気持ちである。逆に女の子の桃が全く気にしてないってのは桃の善性故なのか、今時のJKはませてるだけなのかちょっと気になる。
俺は2人とは反対側に見に来て30分くらいは直径5センチほどの金の玉らしいんだがそれらしい物は何もない。仕方ないから2人に合流するとベンチの上の猫を2人して踏んづけていた。おおかたまたババァが余計な事言ったんだろう。
「おい、2人とも落ち着けよ…見つかったか?」
「なんにもな〜いもしかしたらもう誰かが拾ったかも…」
「金色に輝く玉らしいからなぁ。男の玉とは思わねぇだろうし人間視点、金目の物に見えるだろうなぁ。」
「やめてくださいよ!僕の玉ですよ!」
オカルンは流石に勘弁してよといった顔だ。まぁ俺も自分がオカルンの立場になれば冷静でいられるかは怪しいところだしな。
「てか、あんたも妖怪でしょ!生命力の塊的なのなんか感じないの?」
「あー何も?」
「使えねぇ〜」
使えなくて悪ぅごさんしたね。しょうがねぇだろ。生まれてこの方生命力に対して飢えたことなんざねぇし。不貞腐れてるとババァが口を開いた。
「そりゃそうさ。そいつは妖怪かどうかも怪しいヤツだからな」
「え?なんですかそれ?」
「なにそれ?」
なにそれ?俺も初耳なんだけど…
「そもそもワシの知ってる首無しライダーはこんな奴じゃねぇ。それに昔っからいる妖怪にもこんなヤツいねぇ…最近生まれたにしては強すぎる霊力、のくせに血生臭さを感じねぇ…オメェこの世に残した後悔だの心残りだのってのがねぇんだろ?」
ババァにそう見つめられるて俺の心残りってのを考えてみても、ずっと乗りたかったバイクは乗れたし、人と関わりたいっていう寂しさも桃たちのおかげでなくなった。何が心残りなんだろ?
「思い当たるのはねぇな」
「そらな。星子が祓わずにいんのは霊力の強さもあるが、妖怪のくせに気持ち悪いくらい無害ってのと正体が不明ってのが大方の理由だろうよ」
「あんた、どっから来たの?てか未練ないならさっさと成仏したら?」
「そうですよ。もしかして宇宙人ですか?」
つい先日宇宙人に襲われたってのにオカルンの目はキラキラと輝いていた。根っからのオカルト好きはそう簡単には変わらないってことらしい
「ちげぇよ。俺はアイルランドから来たんだよ。」
「えぇ?どうやって来たんですか?まさか泳いできたんですか!?もしや…UFOですか?」
「俺は宇宙人じゃねぇって、普通に飛行機に乗ってきたけど」
「えぇ?妖怪がなんで飛行機に乗れるわけ?海外だと化け物でもチケット買えんの?」
「さらっと化け物呼びすんなよ。買えるわけねぇだろ。誰にも見えないんだから無賃乗車に決まってるだろ。ビジネスクラスは良い座り心地だったぜ?」
2人とも呆れたような顔をしていたがそんな顔を無視してもう収穫は無いことを確認して2人と一匹をバイクに乗せ一度帰ることにした。
「婆ちゃーん帰ったよー」
「あった?」
「全然ねぇっす」
「手がかりがねぇんじゃ仕方ねぇな。わしも知り合いに玉情報ねぇか聞いてみるとするぜ」
「…玉情報…」
「あぁあとてめぇ、まだてめぇの中にはターボババアの力が残ってる事忘れんじゃねぇぞ。本来危険な力に変わりはねぇんだ。今は暴走してねぇみてぇだがじっとしとけよ」
「はい!」
そう言って星子は腕を組み、ずんずんと歩き始め居間へと戻ろうとした。
「あ、そうだ。婆ちゃん、この首無しアイルランドから来たってー」
「アイルランドぉ?なんだてめぇこの国の妖怪じゃねぇのかよ」
「悪いかよ?」
星子も俺が海外から来たことは想定外だったらしく怪訝な顔をした。そしてこちらをバッと睨みつけて言い放った。
「てめぇ自分がなにもんか言ってみろ」
「…デュラハン?」
「なんで疑問形なんだよ。自分のことなんだから把握しとけや」
星子も海外の妖怪と対面した事は無いのか、一瞬悩んだような様子を見せたように感じたが実際はどうだったか正直わからない。
「まぁ良い。首無し野郎てめぇも妙なことすんじゃねぇぞ」
「わあってるってば」
そうしてこの玉探しが始まった夜は朝を迎えた…
次の日の朝から一日暇だった俺は玉探しのために街に繰り出した。とはいえ、5センチ大の金の玉なんてそう簡単に見つかるわけもなく途方に暮れていた。
「やっぱもう誰か拾っちまったんだろうなぁー。俺だって金色の玉なんて見かけたら、物珍しさに拾って持ち帰るだろうし…どうしたもんかねぇ」
このあとの流れってどんなふうだったっけなぁ…ターボババアの時は時間はかかったもののぱっと思い出せたが…この先の物語の流れを俺は一向に思い出せずにいた。なんであのときは思い出せたんだろうか?
ふと視界の端に真っ赤なドレスが映った。それを着ていた者の全貌は見えなかったがそれでも人が着ているのはあまりに大きい事がわかった。あれも悪霊、妖怪だ。
「怖えぇ…あんなのもいんのかぁ」
てかあいつが拾ってる可能性もあるんだよなぁ。て事はあいつを調べなきゃいけないわけで…追跡するか?まぁバレて襲われてもよっぽど逃げ切れるだろうし何とかなるか。
「フラフラしててもしょうがねぇし尾行すっか」
バイクを降り、影の中へしまうと俺はその赤いドレスの女が通っていった先へついて行きどこへ向かうのかを調べた。ドレスの女はアクロバティックに移動しまくるせいで俺も影を使ってスパイダーマンのヴェノムみたいな感じで移動する事になった。正直能力を使った移動は普段してないし訓練もしていないせいで、隠密性を優先してバイクを使ってないせいでかなり苦労した。
ようやく目的地に着いたらしくあいつは動きを止めた。着いた場所に覚えがあった…
「ここってオカルンたちの学校じゃね?」
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正直オカルン喋らせるの難しいっすねぇ 桃ちゃんはなんか動かしやすいんですけどねぇ。