勇者のお兄ちゃん的存在まもの使い 作:オルテガはへんたいだろぉん!?
勇者オルテガ。この世界に言われる『勇者』の語源。
子供はそれに憧れ、家業を継がないものはみな冒険者になると言われている。
実際、酒場に集まっている冒険者の人数がそれを指している。
だからといって勇者のように動けることができるか、とは思えない。
「…職業差別、ってのがあるからなあ」
職業によっては疎まれ続ける、という風潮がある。よい側面を酷評し、悪い側面を際立たせる。
特に俺の職業である『魔物使い』ならなおさらだ。大道芸人、遊び人よりまし…ともかく、こんなので選ばれるなんてことはない訳だ。
魔物使いはソロからパーティに移るぐらいには需要がない。しかも基本散々にメンタルをボコしてからの追放、がデフォルトだ。ここはラノベか。
ちなみにラノベよろしくその後仲間モンスターが超強化される展開はない。というか世の魔物使いは仲間モンスターがいない。
「現実って厳しいよなぁ…」
かくいう俺もソロパーティとして登録されてはいる。15歳で魔物使いのガキなんてそりゃあ誰も欲しがらないし、俺も他の人に知られたくないことがあるので秘密にしていた。
転生者であることだ。あまりストーリーに関わるものはしていない。そりゃだって変にヤバいモンスター来たら嫌でしょ?アークデーモンとかブリザードとかシャレにならんもん。
「アリアハンだよな?」
小舟を使ってアリアハンまでたどり着いた俺は、真っ先に王様のもとに駆けつけた。
「失礼します。勇者オルテガについての話でお目通り願いたいのですが」
オルテガの件、と言ってもそれらしい情報ではない。火口はとある剣を投げると洞窟になる情報だけだ。
ぶっちゃけこれくらいしかストーリーに関わらない情報がないし。
「ふむふむ…それはいいことを聞いたな。そのことはルーにも伝えさせよう。しかし、何を望みとするのかね?少なくとも、わが国よりも裕福な国に渡せば金になるだろうに」
「そりゃあそうなんですけどね…今代の勇者パーティ、ってのに入れさせていただけませんか?」
確か、リマスター版とやらに新職業として魔物使いがいたはずだ。物語に介入しても問題ないだろう。
「寧ろ経験を積んだ冒険者など願ったり叶ったりなのだが…裏とかないよな?」
「そんなものはあるわけないですよ。それより何年待てばいいですか?」
正直オルテガの話を聞いて思い出せたわけで、いつから旅なのかはわからない。
「では、3年後ルーに嫌われてなければパーティに入ってもらおう!」
3年。まあ、なんとかなる範囲か…?
できれば懐かれるといいんだけどな。