【リメイク版】不遇な朝田詩乃に寄り添いたい。   作:ヤン詩乃ちゃん( _´ω`)_

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朝田詩乃と原作主人公。

「それで、相手さんはまだ来てないの?」

 

 今日ここに集まったのは、原作の通り、スコードロン狩りである。名前は忘れたが、情報外のミニガンを持つ奴がいるというのは覚えている。

 今、俺達はそれを知り得る方法がないので、ダイン達にそれを伝える事は出来ないんだが……

 

「来てないが……おっと、話をすればって奴だな。来たぞ。」

 

 索敵していたパーティメンバーの見ていた方向を、双眼鏡を取り出して見てみる。

 

「7人……?ねぇ、先週は6人だったんだよね。」

 

「あぁ、先週は確かに6人だった。1人増えてるな。顔も装備も見えないが……ん?《ミニミ》持ちがいる。俺達対策に実弾に持ち替えてきたか。なら、第一目標はこいつにしよう。」

 

 ダインの言葉を聞いて、シノンちゃんが伏射姿勢になり、スコープを開き、覗いて目標を確認する。シノンちゃんはここから狙撃、俺達は下に降りて地上で戦闘になる。

 俺達地上部隊が下に降りようとすると、詩乃ちゃんが声をかけてくる。

 

「……あの男、嫌な感じがする。最初に狙撃したい。」

 

「何故だ?大した武装もないのに。」

 

「根拠は、無い。」

 

「…………いや、ミニミがやはり厄介だ。第一目標は変えない。第二目標をマントの男にしてくれ。可能なら、でいい。」

 

 納得はしているが、ダイン(他人)に言われて頷くのが嫌なようで、渋い顔をしている。俺の方を横目で見てきたので、ニコッと笑ってあげたら、一瞬歯ぎしりして溜息をつき、目標に目を向ける。

 

「了解。」

 

「ほら、ダイン行くよ。」

 

「あ、あぁ……」

 

 引いたような顔のパーティメンバーを連れ、地上に降りる。あぁいう顔しちゃうから、あまりパーティやスコードロンに誘われないんだよ……

 そのお陰か、大半のプレイヤーに声をかけられないのは嬉しいが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 下へ降り、シノンちゃんの合図を待つ。

 俺達は既に配置に付いており、目標を視認している。

 

「……勝てるかな」

 

「なんだ?《UNCHAIN》ともあろう方が、弱音とはらしくないな。」

 

「次その名前で呼んだらその首はね飛ばすからな。」

 

 ミニガン持ちがいると分かっているので、不安なのは当たり前だが、勝てる勝てないは別問題だ。

 原作ではシノンちゃんがアイツを倒していたが、今回もそうだとは限らない。

 

「さっきシノンちゃんも言ってたけど、嫌な感じがするんだよ……俺も根拠はないけどね。」

 

「お前もか?……確かにそこまで言うなら気になるが、不確定要素だからってだけで、優先する事は出来ないな。」

 

 ダインの判断は、リーダーとしては正しい。アイツがミニガン持ちだと分かっていたなら、ダインの選択も変わったのだろうが、それはifの話であってどうする事も出来ない。

 

『撃つわよ。』

 

 シノンちゃんからの合図を聞き、俺達も気を引き締める。

聞きなれた轟音が通信で聞こえ、敵の実弾銃持ちの上半身が吹き飛ぶ。同時に俺達が飛び出し、敵と交戦する。

 

 敵が持っているのはブラスターで、圧倒的に実弾を持つ僕達の方が有利だ。

 GGOの戦闘において、実弾は対人、ブラスターは対モンスターというように定められており、ブラスターが撃つ弾は防護フィールドによってほぼ無力化する事が出来る。

 普段ならば、こちらの勝利は確実である……一つの不確定要素によって、その確実な勝利は揺らぐ事になるが。

 

 敵の横に出て、P-90(P)で撃ちまくって殺し、リロードした後ミニガン持ちに銃口を向けたら、既にミニガンを構えていた。

 あ、しくった。

 

「っ!」

 

 慌てて横に飛び、ミニガンの射程外に逃げる。ミニガンはその重量故、即座に方向転換する事が出来ない。先程いた場所が穴だらけになるのを見てヒヤッとしながら、逃げる。

 

「シノンちゃん!」

 

『何?』

 

「俺がアイツを引きつける。1分くらいしか持たないと思うけど、こっち来れるかい?」

 

『…………40秒で済ませるわ。』

 

 頼もしいな……

 アイツが俺達を探してキョロキョロしている時、丁度目が合うように飛び出し、銃口が向いたらまた物陰に隠れる。を繰り返し、シノンちゃんに背を向けるようにして、柱に隠れる。

 ミニガンの弾で削れていく柱を振動で感じる。もう周りに物陰がないので、動けない。

 

『……』

 

 シノンちゃんの息を呑む声が聞こえ、発砲音。ミニガンの音が消える。柱から顔を覗かせると、アイツが爆散する瞬間が見れた。

 

「ナイス。」

 

『ん。』

 

 その後、ダイン達と軽く話した後、ログアウトする。原作名言の「せめてゲームの中でくらい、銃口に向かって死んで見せろ!」はアイツが強敵足り得なかったので、そもそも俺達パーティの欠員は1名しか居ない。故、その名言は吐かれなかった。ちなみにこちらの欠員はモヒカンの……アラ……ア……うん、名前は忘れた。

 アイツの初動でやられてしまった。申し訳ない。

 

 それから数日。いつも通り、詩乃ちゃんと共にGGOを起動する。

 

「今日はどこ行く?」

 

「そうねぇ……あっ、そうだ。前からしてみたかったのだけれど、この街を探検してみない?」

 

 随分と子供っぽい事を言うものだなぁ……と心の中で苦笑すると同時に、確かにそれはいい案かもしれないと思った。

 GGOは一般的に言われるオープンワールドゲームであり、オフラインプレイというものがない。つまり、遠い場所や裏路地なんかは「行こう」と思わなければ、行く機会もなければ意味もないのだ。

 その癖作り込まれているので、マップを歩き回るだけでも面白い。

 

 

 そして、探索を進めているうち……

 

「はぐれた。」

 

 はてさて。はぐれたのは俺なのか、シノンちゃんなのか……結婚している故の機能である、パートナー位置表示を見てその方角に歩いていっているが、いかんせん先程言ったように作り込まれているので、グダグダグダグダ、グダグダグダグダして一向に会える気配がない。上下もあるので、目視で見つけても降りる階段がわからなかったりする。もどかしいな。

 

「あのー……すみません。ちょっと道を……」

 

 うん?なんだ?こんな裏路地に女の子なんて居るとは思えない……が……

 

 ふぅ。お初にお目にかかりますな。原作主人公桐々谷和人ことキリトくん。いや、今はキリコちゃんか。

 マジかー。そっかー。はぐれた辺りで「もしかして原作なのでは?」とは思ってたけど、まさか俺の方に来るとはなー!

今シノンちゃんが1人だから、そっちの方に行ってるかと思ってた。

 

「……あー。うん、いいけど……」

 

「(あ、マズイ……この状況、完全にナンパだ。どうしよう……!)」

 

 キリトは勘違いしているが、シュウは紛うことなき男である。声も見た目も中性的なので、キリトはシュウの事を女性と勘違いした。

 

 

 一方、シュウはというと……

 

「(この後のシノンちゃんの反応が怖いなぁ。まぁ、俺はキリコちゃんが実はキリトくんなのは知っているから、大丈夫でしょ。楽観視と言われても否定出来ないけど、ぶっちゃけ原作主人公に会えて少しだけ、ほんの少しだけ興奮してる……)君はこのゲームは初めてかい?さっき始めたの?」

 

「はい。つい先程、他のゲームからコンバートしてきて始めました。」

 

「そっかぁ……それじゃあ、このゲームの通貨や武器もないんだよね?いつも俺達が行ってる武器屋行こうか。」

 

「ありがとうございます(俺()……?俺っ娘?)」

 

 ここまでの会話全部茶番です。

 原作でシノンちゃんと行った武器屋に行き、まずどの項目の武器を持つか考えるが……

 

「最初のうちは、1000クレジットしかないから中古の武器でレベルの低いモンスター狩りとかかなぁ。そうだなぁ……ソロで行くなら、1ヶ月くらいそれ続けてれば、アサルトライフルくらいなら運用出来ると思うよ。メインウェポンともなると、武器の維持費や弾代もかかってくるから、時間はかかるけど楽しい。そこからはプレイヤースキル次第だしね。」

 

「い、1ヶ月ですか!?……あ、あの、もっと簡単に、早く、クレジット?を稼げる方法とか……ない……ですかね?」

 

 あー……なんだっけなぁ……カジノ?だっけ?原作でもあそこに向かってた気がする……前世は「シノンちゃんまじかわええ」としか思ってなかったから、言っちゃなんだがキリトくんの事よく覚えてないんだよな……

 

「カジノならあるけど……」

 

「そこ行きましょう!」

 

 

 

 

 

 と、言うわけで、やって来ました大型カジノー……ではなく、先程から居る武器屋に併設された小規模カジノ。

 お互い名前だけの自己紹介は終えた。性別はあえて言ってない。ワンチャンキリトくんが俺の事女の子だと思ってるかもしれないし。*1

 

「キリトくんって、前は何のゲームを?」

 

「ALOをやってました。」

 

 ALO……ネコミミシノンちゃん可愛かったなぁ。ALOやりたいな……いつやろうか。とりあえず次のB.o.BまではGGOに専念したいなぁ。

 

「あーALOかぁ。あれも楽しそうだよねぇ。GGOが落ち着いたらシノンちゃんと始めてみようかな……それじゃあさ、運で一発逆転を狙うか、自信があるなら実力で大金をもぎ取るか!どうする?」

 

「そうですね……実力で大金をもぎ取ります!」

 

「お、おおぉ……やるねぇ。そんじゃー……」

 

 辺りを見渡し、いい感じに参加料が安い実力機を探すと、「ガンマン・タッチ・ゲーム」を見つけた。安直な名前である。ちょうど挑戦者が現れた直後だったので、「あれ見てやるか決めなよ。」と指さす。

 

 結果から言うと、失敗である。キリトくんに弾道予測線の事を教えたり、クリアすると約30万クレジット全額バックな事を言って驚かれたり。

 

「つまりは、弾をかわしてガンマンに触ればいいわけですね?」

 

「そうだけど、気ぃ付けなよ。近くなるとインチキ早撃ち3点BURSTしてくるから。」

 

「はい!」

 

 うむ、元気な返事でよろしい!流石は食べ盛りの男子高校生なだけはあるな!俺もだけど!

 

「あ、いた。いきなり離れるんですもの。心配したわよ。」

 

「あやや。見つかっちった。」

 

 お互い場所わかるんだし、見つかるのは当たり前っちゃ当たり前だけどさ。

 

「こんな所で何をしているの?賭けなんて、滅多にやらないじゃない。」

 

「さっき迷子の初心者の子に会ってね。案内を頼まれたから、こうやってレクチャーしていたわけさ。」

 

 事実である。嘘はついてない。

 

「……それで?なんでここに来るのよ。」

 

 ジト目になる。まだキリトくんの事はバレてないか……よし、帰ってくんな原作主人公ォ!今考えたらやべぇ!あ、でも、男だよーって、俺気付いてたよーって言ったら大丈夫……だよ、な?

 

「いやー。ほら。初期金額じゃん?そんで、なんか早めに強くなりたいらしくって、手っ取り早く金稼ぎたいって言ってたからここに。」

 

「貴方も鬼畜ね。カジノなんて、クレジット溶かすもんじゃない。」

 

「まぁー自信あったし大丈夫じゃない?」

 

 俺のクレジットじゃないし。

そんな事をシノンちゃんと話していると、大音量のアラームと共にガンマンが発狂し、家が金をドバーッ!と出してきた。

 

「お?お?」

 

「シュウさーーーーん!!私!!やりました!」

 

 おお!やったな!来んな!*2

 

「ありがとうございます!30万クレジットGETです!」

 

「マジか……凄いな君……全く見てなかったけど……」

 

 ごめんよごめんよ。最後のインチキ3点BURSTとか、どうやってかわしたのか凄い気になるけど、まっっったく見てなかったよ。シノンちゃんがかわいいのが悪いんだ。俺は悪くないで。

 

「ねぇ、シュウ。()()、女よね?浮気かしら?」

 

「え……あっ。え、えっと、その。違うんです!」

 

 なんだなんだ何を言う気だキリトくんや。面白そうだから黙っとこ。1回は合いたいシチュエーションだね。

 

「何が違うのかしら?シュウから誘うなんて思えないし、貴女が彼を誘ったのでしょう?初心者で迷子なんて、彼の良心を揺するような汚い誘い方をするものよね。あの実力機をクリアする時点で、初心者じゃないじゃない。まぁ貴女みたいなクソビッチはそうでもしないと彼に振り向いてもらえないものね。」

 

「クソビッ……!?だ、だから違うんですってば!クリアしたのは、コンバートだからです!えーっと、その……私は……いや、俺は!」

 

「もういいわ。2度と私の【夫】に近付かないて頂戴。」

 

「ちょぉっ!だからぁ!俺はァ!男だ!」

 

「……はァ?」

 

 なんだい?そんな「こいつどうしようもないクサレビッチ女郎よ。帰りましょう。」みたいな顔しないで貰えるかな?

 でもそろそろ可哀想になってきたなぁ。ネタバラシしよっか。

 

「シノンちゃんや。彼が男なのはマジな話やで。」

 

「…………何言ってるの?」

 

「まぁまぁ、そんな目しないのー。 あれは公式の男の娘アバターだよ。よくネットで高額のGGOアカウントが売られているだろう?アレなんかが売られてるんだよ。」

 

「そう……なら信じるわ。」

 

「マジか。」

 

 なんとか……いやなんとかじゃないか。普通にネタバラシ成功。キリトくんもホッとした模様。

 

「っていうか、シュウさん!俺が男だって気付いてたんですか!?…………てか夫!?え!?男ォ!?」

 

「まーねー。ガチのネカマさんか、()()()()プレイが好きな変態さんなのかなって。」

 

「気付いてたならなんで自分が男だって言わなかったんですか!!」

 

「勘違いしてるだろうなぁと思って。」

 

「うーわ!うーわ!!性格わっる!!」

 

 あーあー!と唸って頭を抱えてしまった。シノンちゃんもキリトくんが男の娘だと知り安心した模様。

 しかし相手が男とは言え自分より優先された事で、嫉妬しているらしい。

 

「まぁまぁ、キリトくん落ち着いて。」

 

「それより、30万クレジット手に入ったのでしょう?さっさと武器買ってあげないと、B.o.Bエントリー出来なくなるわよ。」

 

 あぁ〜、忘れてた……

 ……ってマジじゃん!そうじゃん!あ、いや、今からジープを運んで貰ったら、間に合う……ジープの配送中に武器選んでたらギリかな……うぬぬ。ここまで来たら最後までキリトくんに付き合ってあげたいしな……

 確か原作では……覚えてないな……でもシノンちゃんが、キリトくんの運転するバイクの後ろに乗って、クッソかわいい笑顔を浮かべているシーンは覚えているぞ……

 

「B.o.B……御二方も参加するんですか?」

 

「まぁね。」

 

「……参加して欲しくない、って言ったら、参加をやめてもらえたり……」

 

「いやー……理由がなければ、なんとも。」

 

 「理由は話せません。」て……俺は知ってるけどさ。キリトくんさ、それで「じゃあ参加やめるかー!」なんていう人いないと思うんよ。しかも俺達は一応トッププレイヤーぞ。

 

「それじゃあ……そのB.o.B、俺も参加したいです!エントリー方法教えて頂けます?」

 

「……貴方ねぇ。コンバートとは言え、まだこのゲーム始めたばっかでしょう?そんなのでB.o.Bは難しいんじゃない?」

 

 せやせや。

 原作の都合上仕方ないとは思うがね……シノンちゃんには全面同意だよ。

 

「さて、B.o.Bの話はとりあえず後回しにして、まずは武器を選ぼうか!時間もないしね!」

 

 手を叩き気分を変えて、キリトくんの武器選びに行く。

*1
大正解。

*2
辛辣。




【小説情報】

 初夜ヤンデレシーンはリメイク版では既に初夜を迎えているのでカットされました。
 今は原作を準っているので、ヤンデレ要素少なくてすみませんが……これから増やそうとは思っています。
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