アルア=ゾルディック   作:セイヘキ ✕ ト ✕ ソウサク

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やばい予約投稿出来てなかった・・・・・・・・・


遅れてすいませぬ。






フレアイ ‪✕ 二 ✕‬ タスケアイ

 

 

 

 

 

 

 

 

はろーみなさん。

 

 

 

ゾルディック家に産まれたと思ったら攫われたと思ったら転移したと思ったら落下して「死んだこれ」と思ったら生きてた、と思ったら流星街に流れ着いていた。そんでまた生死を彷徨いかけて、はや3ヶ月。

 

 

 

未だ自分の名前すら分からない赤ん坊の俺です。どうも。

 

 

 

 

もう二度と人間として生まれ直したくは無いね・・・・・・

赤ちゃん余りにも生命力が貧弱すぎて、ガチで毎秒苦しかった。

これは何の拷問ですか?と聞きたいくらいには酷かったぞ。ゾルディック家の拷問修行とどっちが辛いかな・・・・・・・・・

 

 

とはいえ、最近は大分安定したのか楽になってきたので、そんな苦労話もひとまず置いておこう。

 

 

話は若干繋がるが、どうやら俺救出のために子供達や大勢の大人が頑張ってくれたらしい。いやはやほんとすいませんね。命の恩人ですよ貴女方は、頭が上がりません。

なんて思ったのも束の間。

 

 

 

ある日俺の様子を見に来た子供達。その面影が誰かに似ていて、思わず観察してみればなんと──────

 

 

 

おいこいつらクロロやパクノダじゃね?てかもうほぼ幼き日の幻影旅団じゃね?じゃあここ流星街じゃね?という結論に早くも辿り着いた。

 

 

 

ゾルディック家から?流星街に?

 

 

 

いやどんな壮絶な人生だよ、ここまで来るともう笑っちゃうわ。

いくら何でもアクセルベタ踏みが過ぎるでしょ神様。

 

 

 

確かにHUNTER × HUNTERの世界は人間に厳しい所はある。だけど、全部が全部そうって訳ではなくて、少なくともオリンピックができる位には平和な地域もあって、なんなら普通に人々が生活して国も運営されてるんだから、実の所本編みたいな世界ばっかではないだろう。

 

 

 

なのにも関わらずゾルディック→流星街(幻影旅団付き)って・・・・・・

 

 

 

さては神も俺のこと弄んで楽しんでんのか?おい?

 

 

 

まあ、そんないるかどうかも分からない.......いや、流石に輪廻転生?を経験した俺が、神を信じないはだいぶ無理があるか・・・・・・

 

 

とにかく、よく分からない存在に文句を言ってもしょうがない。

早いとこ皆とコミュニケーションを取れるようにならなければ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

と、息巻いていたはいいものの─────────

 

 

 

 

まじで赤ん坊体なんも出来ん!!!!転生したんだから言葉とか話せるやろ!!!とか気楽に考えていた俺がバカでした。

 

 

みんな何話してるかほとんど分からんし、そもそも声もよく聞こえない。目もまだ完全には発達していないらしく。近くに来てくれないと誰か認識するのも不可能に近い。おまけに、随時あちこちが色んな意味で不快で、俺の意思には関わらず勝手に身体が泣き出す始末だし。

 

 

まあ俺赤ちゃんのフリとか意図してできないし、身体が本能で代わりにやってくれるならそれほど楽なことも無いけども。

 

 

 

しかしあれだなこれ。まず状況把握とか技術習得とか念を感知するとか以前の問題だわ。

 

 

 

もう完全乳児なことが確定したので、まずは自身の体や感情をコントロール出来るようにしてから、話は全てそれからになってくるだろう。

 

 

 

うむむ、早速出鼻を挫かれた気分だ。と言っても他に出来ることもやることも無いんだけど。

 

 

 

はぁ〜(特大ため息)

 

こういうのってさぁ、赤ちゃん時代はさっさと飛ばしてあっという間に過ぎ去るものなんじゃないの?なんで生まれて早々こんな苦労しないといけないわけ?俺前世でなんかした?寧ろされた側なんだけど?

 

 

・・・・・・・・・まーじで反応ねぇ。ガチで俺の身一つで何とかしろってか。あーハイハイ分かりましたよ。やればいいんでしょ、やれば。

 

 

 

 

 

ああやってやるよぉ!!!

 

 

絶対今世では夢のネクストライフを掴み取り!最高の人生を歩んでやるからなぁ!!!!!

 

 

 

「う・・・・・・あぁう.......」

 

 

 

 

う、でもその前に凄い眠気が・・・・・・・・・

 

 

 

 

ぐ、しょうがない。これは生理現象だから、赤ちゃんは寝るのが仕事だから。

 

 

 

だからうん、別に俺が怠惰な訳じゃないから・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

とりあえず・・・・・・・・・ひと眠り・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「んぅう..........ぐぅ.......」

 

 

 

 

 

 

あぁぁあぁ..........おふとんきもちいぃ.............Zzz

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モニター越しに、市民の暴動の様子が映る。

 

 

 

 

バイオリンなどの弦楽器や笛の()、ピアノによって奏でられる、聴く者が聴けば不穏な音で構成された優雅とも取れぬ不可思議な曲。

そのレコードが部屋に流されている。

 

 

 

装飾のなされた椅子に座ったまま、満足気にワイングラスを片手に持ち、中の酒をゆらゆらと傾ける男は、うっそりとその画面を見つめている。

 

 

 

時代的に最先端であろう、テレビのモニターを見ながら独り言ちる。

 

 

 

「・・・・・・・・・ま、こんなものか」

 

 

 

それは何に対しての言葉か。

 

 

 

言わずとも知れた言葉は、まだ紡がれない。おそらく未来のこともわかってはいないだろうに。

 

 

 

「一昨日、パドキア共和国にて大量の殺人事件が発生しました。

各地の現地警察は対処に負われており、政府の指示によって現在は、半ば立ち入り封鎖状態にあります。

事件の件数は約400件にも上り、何故これほど多くの殺人事件が同時多発的に起こったのか。現在でも詳しく判明していません。

 

警察は、巨大犯罪組織によって行われた、綿密な計画による一斉テロの可能性を視野に入れているとの見解を表明していますが、現在それに繋がる有力な証拠は発見されていません。それに伴って継続してこの大規模犯罪の首謀者を調査中、との事です」

 

 

 

あるいは────────────

 

 

 

手元にあったワイングラスをそっと机に起き、体を動かして目の前にあるPCに手をつける。

タンッタンッと軽やかにキーボードを叩く音が部屋に何度か響く。

その後のクリック音。

それぞれを数回繰り返した後、とあるサイトを開いたところで手が止まる。

 

 

 

男はスクロールしながら下の方までを流し見ると、再びワイングラスを手に取ってPCの画面を眺めた。

 

 

 

「ほう」

 

 

 

感嘆を上げる男の目線の先には、掲示板のようなもの。

 

 

そこにあった一つの投稿に、視線を奪われる。

 

 

 

『あの事件は、全部たった一人の犯行だよ!

俺は見たんだ!白黒の恐ろしい女が、現場に居たんだよ!

間違いない!あれが伝説の暗殺一家の暗殺者なんだよ!』

 

 

 

「..........」

 

 

少しページをスクロールすれば、やれ『都市伝説とか信じちゃうタイプ?そんなんいるわけ無いっしょ笑』だとか『今起きてる、市民の暴動騒ぎで便乗した荒らしでしょ。無視安定』などと、事実無根として扱われていた。しかし、中には驚愕して信じるような発言をしてしまっている人間も居るようだ。

 

 

どうやらネット上ではまことしやかに囁かれている噂のようだが、自分の直感が告げていた。・・・・・・これは事実だと。

 

 

 

そう、扇動家(芸術家)としての己の勘とプライドが、見逃さまいと警鐘を鳴らしていたのだ。

 

 

見れば段々と噂は大きくなり、次第に噂が本物になりかねないような程に情報は拡散されて行った。

 

 

誰もが噂を信憑性の高いものだと信じてやまなくなり、やがて否定の声すら聞こえなくなった。

 

 

まるで真実かのように、事件の真相に辿り着いたと言わんばかりの人々は、この騒ぎを利用して犯人を突き止めようと躍起になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────おかしい。

 

 

 

 

 

 

 

おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい

 

 

 

 

 

 

 

何故?どうして?全くもって不思議としか言いようがない。

 

 

 

あれだけの大惨事を引き起こしたにも関わらず、何故か上がるのは自身の名前では無く、何処ともしれない、眉唾な存在の暗殺一家の名前。

 

 

 

くくく、ククククククク──────!

 

 

 

 

ああ、実に可笑しい。

 

 

 

 

 

「ならば胸を借りることとしよう。此度の“戦争”。

お互いに手加減は不要。全力でやり合おうではないか.......」

 

 

 

 

 

名声、喝采。そんなモノはもう、必要無い。

その素晴らしい手腕、まさに。

 

 

 

ああ!まさに!

 

 

 

 

 

 

 

美しきィ........芸術作品ダァ・・・・・

 

 

 

目を見開いて手を広げる。

あまりにも昂ってしまい、ついワイングラスから手を離していた。

大きなガラスの割れる音と共に床に紫の液体が飛び散る。

 

 

 

しかしその耳を劈く音は、私を奮い上がらせる調味料にしかならなかった。

 

 

 

奏でられる狂想曲が、私を狂わせる。芸術の渦に、慟哭の海に、私の感情は引き込まれるのだ!

 

 

 

 

さあ!教えてくれ。私に!至高の殺人(芸術)と言うモノを!

 

 

 

 

 

「フフフフ.......フハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 

 

 

 

 

不敵に笑いながら、芸術家の男は嗤う。いずれ相間見える相手を想像して、心を踊らせながら。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・足を組み座る彼の背後に、筒の中に液体と詰められた双眸がある。

その眼窩は赤く紅く、まるで煌めきを放っているかのように、鮮やかに美しい瞳が浮いていた。

 

 

 

 

 

 

男ははにかむ。さあ、私の元へ来い──────と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モニター越しに、言語の教育番組のビデオテープが再生される。

 

 

 

 

天気の良いお昼過ぎの午後、原作にも登場した、全宗教会の鑑賞室。

 

 

今現在、俺はパクノダに抱かれてゲルマ語の教育ビデオが映る映像を何故か見せられていた。なんて、実際見てるのは俺じゃなくてクロロ達なんだけどね。

 

 

ん?原作よりパクノダが鑑賞室に来てるのが早いって?

そうそう、どうやら赤ん坊()という存在によって多少原作とのズレが生じたらしい。

まあ、ぶっちゃけここまでは俺自身が原作の内容き一切関与出来ないし、

生まれた事が改変とか言われてもそれはもうどうしようもないので。

しばらく俺という存在によって起こるズレは、もう受け入れるしか無いかな〜と考えている。

 

 

幸い今の所、大きく原作をズラすようなことは起きてないため、多分大丈夫だとは思われるが。おそらく原作でのクロロとパクノダの鑑賞室の会話が、多少変わる程度だろう。

 

 

 

..........最近は皆が俺の面倒を見てくれている。誰かと一緒に居た方が安全だっていう神父さんの案.......ではなかった。

 

 

 

 

実はこの話を提案したのはクロロとパクノダだった。

優しい二人に抱かれながら、俺はミルクを飲ませてもらったりと色々お世話をして貰ってる。

 

 

 

 

...................うん。みんなに色々とお世話されてるよ。うん。

 

 

 

 

いや仕方無いでしょうが。だって赤ん坊だもん。文字通り泣く以外なんも出来ないんだって。

 

 

はぁ.......幼い頃から幻影旅団に関われるのはアドかもしれないけど!

なんで赤ん坊からなんだよ!他にもあるじゃんか!

 

 

 

と文句がもう既に数十回は口を吐いて出ている今日この頃。

早く大人になりたいです(幼並感)

 

 

 

しかしなんにせよみんなと行動できるのは、俺からすればとてもありがたい提案だ。何せ、あの原作の中でもかなりの人気キャラである、幻影旅団と幼少期から関係ができるのだから。

 

 

 

つまり、将来何をするにしてもだいぶ動きやすくなる。今の所幻影旅団に入る予定は無いが、それはそれ。

やっぱり原作キャラとの絡みっていうのは、とても心が踊るものだ。

 

 

 

 

前世はあまり良き人生とは言えなかった。だからこそ、娯楽にはまあ没頭していた。中でもHUNTER × HUNTERはお気に入りの漫画で、幻影旅団はもちろん好きだった。

 

 

 

俺的には幻影旅団よりもさらに好きなキャラが居たりするのだが、まあそれは一旦置いておいて。

 

 

 

彼らとの関係を築いておくことは、どんなパターンにしても得でしか無いだろう。大人になった時の彼らは、まさに一騎当千の強者揃い。

彼らとの繋がりがあれば、そう簡単にこの鬼畜極まりないHUNTER×HUNTER世界でも死なずに生きていけるだろう。

 

まあ、それでも死にかねない恐ろしさがあるのは、流石HUNTER世界と言うべきか。こわすぎ。

 

 

 

 

・・・・・・ん?はい。バリバリ依存していく予定ですが。

 

 

 

流石に大人なってまで頼る気は無いが、少なくとも子供のうちはガンガン頼らせてもらおうと思う。それなりに大きくなったら、ちゃんと原作知識で出来るだけ助けるからゆるして(懇願)

 

 

 

さて、そんな抱っこされている俺なのだが。

勿論、よその言語の習得なんて夢のまた夢である。

なんたって母国語すらまだ話せねぇからな!HAHA!

 

笑い事じゃ無いが。

 

 

 

くそっ!言葉が使えないから自然と脳内セルフツッコミになってしまう!

誰かー!俺の脳内覗いてー!誰も俺の言葉に反応してくれないの寂しいよ〜!

あっでも原作知識バレるやん。これってバレちゃっていいやつなのだろうか。よく見るオリ主ものの話では隠すパターンが多いけど......や、やっぱり見ないでー!!!

 

 

 

「あうぅ.......あーうぅ!!!」

 

 

「んー?どうしたのー?」

 

 

「さっきミルクはあげたし、オムツは変えたし....なんだろうね?」

 

 

あっ、違うんです!俺別に泣いてない!ちょっと力んだら急にこの体が泣き始めちゃったんですぅ!

 

 

 

「んー、乳母衆(めのとしゅう)に相談してみようか。ちょうど僕も用があるし」

 

 

「そだね。じゃあ行こう」

 

 

 

め、迷惑をかけます.......すいません.......

 

 

 

 

 

そんなこんなで、教会から乳母衆の居る場所まで移動して現在。

クロロの用はよく分からなかったけど、パクノダに抱えられたままテントの中へ。そこには、あらなんということでしょう。

原作でも見たようなお顔触れが。

 

 

 

「あれ、シーラちゃんにサラサ!」

 

 

「あ、パクノダだ」

 

 

「パクノダだー!」

 

 

 

おお!原作でも旅団の癒し枠である女子二人との遭遇である。うむうむ、確か乳母衆のところに居たよね。あの時よりも年齢が下ならば、なおさらここに居る機会は多いだろう。

 

 

 

「どうしたの?何かあった?」

 

 

「いや、この子が泣き出しちゃってさ。ミルクでもオムツでも無いみたいだから、なんだろうって。乳母衆に来ればわかるんじゃないかって来たんだよ。あ、それとクロロが別に用があってさ」

 

 

 

そーいや、クロロの別の用って何なんだろうか?

まだこの時期は原作で描写されて無いから、よく分からないことが多いなぁ。

 

 

 

「ふーん。ねえ、私も抱っこしていい?」

 

 

「うん。お願いしていい?私はクロロと一緒におばあちゃんに話を聞きに行くから」

 

 

 

パクノダからシーラに優しく毛布に包まれた俺が受け渡される。

だが、なんと言うか。すこし寒気というか。なんだか心がちゃんと抱かれることを受け止められていないような感覚に陥る。

あー、これ。もしかしなくてもあれか。シーラ、おっかなびっくりになっちゃってるのかも。

 

 

まあ、それは仕方無い。まだこんな子供で、赤ちゃんのお世話なんて経験も無いし大変だろう。むしろまだ10才にもなってないであろうクロロとパクノダが、あんなに子守り出来るのがおかしいのだ。

 

 

 

「わたしも!わたしも?」

 

 

「サラサは危ないからまだね、来ないだ一人で歩けるようになったばっかでしょ?」

 

 

「うんー!」

 

 

「シーラも気をつけてね。あ、また転ばないように気をつけるんだよ!」

 

 

「さすがに赤ちゃん抱えながら転んだりしないよ」

 

 

 

少しやり取りを交わしたあと、テントをくぐってパクノダもクロロの歩いて行った方へ消えていった。

 

 

 

ん?おや、おかしいな.......なんか急に猛烈な泣きたい衝動に駆られて.......

ま、まさか。また?もしかしてパクノダが離れたから?

 

 

「久しぶりだね〜、確か前に教会で赤ちゃんの部屋に行った時ぶり?」

 

 

「いったときぶりー?」

 

 

あっうん確かにあの時シーラも見に来てたよねってそんなこと言ってる場合じゃねえ!もうこれ泣く!やばい泣くっ!

 

 

「ふ、ふぇぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ん!!!!!!」

 

 

「うわわ、泣き出しちゃった」

 

「どーしたのぉー?イヤなのー?」

 

「ゔぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

おうおう近所迷惑だから止めてくれ.......

 

ああもう最悪だ。まさか赤ちゃんになって皆さんにご迷惑をかける立場になるとは。以前は赤ちゃんが泣いてても「おーよしよし、大丈夫?」って言って泣き止むまで構っていたものだが。

いざ自分がそれをやられるとなると.......こう.......小っ恥ずかしいとかの感情しか湧かない.......

 

 

基本的に赤子は泣くのが仕事だし、俺は全然迷惑とかも思わないタイプだったから苦痛では無かったけど、今すげえ自分にイラついてる。

うるせぇなこのバブちゃん..........

 

 

なんか段々と気分が落ち込んできた。俺自身は何も気にしてなくとも、体の感情に引っ張られてるんだこれ。

くっそ、どうしたらいいんだ。何か心が不安で埋め尽くされて、もうどうしようも無いくらい掻き乱されてるんだけど.......!

 

 

「あ、あわ.......泣き止んでぇ..........!」

 

 

「どしたのー!どっかいたいー?」

 

 

あ、これなんかマズイ。本当に心やられる..........

 

 

 

 

「ハイハイ、どうかしたかい?」

 

 

「あ、おばあちゃん!この子が泣き止まなくて.......」

 

 

お?これはもしかして.......

 

 

「ほら、おばあちゃんに任せなさい。シーラ、ちょっとこっちにその子を寄越してくれるかい?」

 

「はい、どうぞ.......」

 

 

来た!メイン乳母(うば)来た!これで勝つる!助かった!

迅速に赤ちゃんを楽な体勢で抱き抱えると、慣れた手つきで俺をあやしていく。あっという間に俺、というか俺の赤ちゃんボディは泣き止み、俺もシーラ達もほっと胸を撫で下ろす。

 

 

「はーい、よぉしよぉし」

 

 

さすが乳母衆やでぇ.......一瞬で赤ん坊を泣き止ますとは。これが匠の技ってやつですか。

 

 

 

「すごいね、おばあちゃん」

 

 

「おや、パクノダお帰り」

 

 

「うん」

 

 

気づけばパクノダが戻って来ていた。用、とやらは終わったのだろうか。

どっちにせよ、いつもあやしてくれている人が来てくれて助かった。なんだか俺の心が多少なりとも軽くなったような気が──────

 

 

「ふぅぅ.......!ぇぇえぇ.......」

 

 

!?や、やばい。またチャージが始まったっ.......!?

み、みんな逃げてぇ..........!!!

 

 

 

と、その時。新たに私の頭に手が乗せられて、いい子いい子された。

誰だ!?とそちらを見上げれば他の乳母衆のおばあちゃんたちがそこに居た。

 

 

「はいはい、今やりますからね〜。大丈夫ですよぉ〜」

 

 

どうやら周囲で見ていた人達が見かねて助けてくれたようだ。優しい。

 

 

「あぁ、なるほどねぇ。たしかにこれは気づき難いかもしれないねぇ」

 

 

「よしよし、良く泣けたねぇ.......偉いねぇ」

 

 

「すぐに手当するからね〜」

 

 

「ほら、2人とも、見てご覧。

ここ、見えづらいけど擦り傷があるだろう?おそらくこれで痛みを訴えていて、怪我を教えてくれてたんだろうねぇ」

 

 

一人がダメなら複数人でかかるまでぇっ!!!とでも言わんばかりに見事な連携で赤ちゃんを翻弄する乳母衆達。おかげですっかり大人しくなった。本当に流石である。

 

 

「そ、そうだったんだ.......!気づかなくてごめんね....!」

 

 

いやいやこれは大人達が凄いだけで、パクノダさんは悪くないっすよぉ!いやほんと。いつも面倒見てくれてるだけでありがたいわ。

 

 

「ほら、ちゃんと抱いておくんだよ。抱いている方が不安になってしまうと、赤ん坊にもそれが伝わってしまうからねぇ」

 

 

「そっか、うん。ちゃんと抱きしめておかないと!」

 

 

今度はシーラの手元に返された。先程よりもさらに慎重に俺を抱っこする彼女は、もう腕の震えはない模様。無理やり抑えたのか。どちらにせよ、強い子だと思った。

 

 

「ふふっ.......ほら、パクノダお姉ちゃんだよー。ね、サラサも撫でてあげて?」

 

 

「うん!よーしーよーしー!」

 

 

「きゃっきゃっ!」

 

 

なんだこれあったけぇ.......泣きそうだった赤ん坊の俺は、いつの間にか泣き止んでいた。思わず、中身である俺すら安心感で泣きそうになる。

 

 

「優しく揺らしてね。激しく揺らすとびっくりしちゃうから。あと、手で撫でて上げるといいよ」

 

 

「こう?よしよし」

 

 

パクノダのアドバイスでシーラが恐る恐る俺を撫でる。俺も根性で心を制御し、その手を受け入れる。うぉぉぉ!!!泣き虫バブちゃんに身体の制御権は渡さねぇぇ!!!

 

 

「うん、そうそう.......ほら、だんだん眠たくなってきたねー?」

 

 

なんてしてたら、暖かい手が俺の頭を優しく撫でてきた。先程とは違い、慈しむような心を込めた、シーラのその穏やかな手に、今度こそ赤ちゃんソウルは屈服したらしく、俺に制御が回ってきた。……というより、単純に身体が泣き疲れて根負けしたと言った所だろうか。

 

 

 

なんだか、とても。凄い気持ちがいい。

 

 

 

「よーし、よーし」

 

 

 

ゆらゆらと、まるで揺籃の中に居るようにあやされて、もうほぼ俺の赤ちゃんソウルは機能していなかった。シーラは悪しき泣き虫ベイビーに勝利したのだ。

 

 

 

なんて、脳内で1人漫才を繰り広げながらしばらく、俺自身も心地いい微睡みに、瞼が重くなっているのを感じた。

 

 

 

なでなでなで。

 

 

 

ああぁ.......溶ける、ふわふわしてきた.......

 

 

 

不安だった心も溶かされていく。.......よく考えたら、前世では既に少し前に成人済みでも、今世ではただのエケチェンなのだ。少しくらい甘えたっていいだろう。

 

 

「ふふっ、こうして見ると本当に可愛いね。手もちっちゃくて、なんだか本当に愛しいよ」

 

 

「ほっぺとかぷにぷにしたくなっちゃうね」

 

 

「よーしーよーしーよしー」

 

 

「ほほ。みんな、仲良くしてあげてねぇ」

 

 

なんか、もう。中身が俺でごめんなさいとか。騙してるみたいで申し訳ないみたいな。いやこれ悪いの本当に俺か?とか。色んな思考がぐるぐる頭の中を駆け巡っているけど.......

 

 

だんだん思考まで溶かされて、どうでも良くなってきたような..........

 

 

 

「よーしよーしぃ.......眠くなったら寝ていいからねぇ〜.......」

 

 

 

んみゃ.......みんなやさちい.............赤ちゃんになる.......いやそういえば、俺今赤ちゃんじゃん。じゃあいいか!ママッーーー!!!!!

 

 

 

──────────────────

 

 

 

────────────

 

 

 

──────

 

 

 

───

 

 

 

 

 

はっ!

 

 

 

あ、あれ。俺は今何を。気づいたら寝落ちしてた。いやさせられたんだけど。体はどうやら毛布と誰かの腕の中に収まっている。

 

 

 

すると、目の前に私を抱いたまま一緒に眠りこけてしまっているパクノダとシーラ、そしてサラサの姿が目に入る。

 

 

だ、大丈夫だろうか。という疑問は、近くに居た乳母衆のおばあちゃんのおかげで解消された。なるほど、保護者が見てるのね、それなら安心か。

 

 

 

 

 

 

.................................................

 

 

 

 

 

 

なんだか。とても落ち着くし、暖かい。

こんな瞬間が一生続けばいいなと思ってしまうくらいには、心がポカポカする。

 

 

前世のこともあって。人肌恋しい状態だった俺にとって、この体温の暖かさはまさに本当に欲しかったものだった。

例え流星街という裕福では無い地域だったとしても、心はこんなにも満たされているのだ。

 

 

 

「んぅぅ.......クロロ、そっちは危ないよ.......

シーラ.......転ばないで..........」

 

 

「ディノはんたぁ.......」

 

 

「うんぅ.......おかし.......」

 

 

 

「ふふ.......みんな楽しそうな夢を見てるねぇ....」

 

 

 

 

 

 

 

........................................

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、決めた。

 

 

 

今はまだ何も出来ないけど.......でも。

 

 

 

 

俺は、この人達の助けになりたい。将来、降りかかる事件からも、この心暖まる優しい人達を守ろう。そうしたい。

 

 

 

 

 

 

 

さて。

 

 

 

 

そのためにはやっぱり──────“念”、覚えないとだよなぁ.......

 

 

 

 

赤ん坊で果たして念を覚えて良いのかとか色々知りたいことはあるのに、あいにくと今の状態だと会話もままならないので何とかしたい所存である。意思表示がそもそも出来ないのは大分問題だぞこれ。

 

 

不自然では無い程度にさっさと言語習得して、念も早い時期から習得したい。あの事件がこれからどのくらいで起きるかも分からないから、その辺も調べないと。

 

 

ふー、やることは山積みだけど。でもなんか、以前よりも活力は湧いてきたような気がする。

やっぱり、生きる原動力みたいなのは大事なんだな、と実感する。

 

 

 

前世はそれはもう酷かったからね.......まるで生きる屍だった。

 

 

 

 

そう考えれば、確かに環境は悪い。かもしれないけど、今世の方が恵まれてはいるのかもしれない。少なくとも、俺自身はそう思ってしまったのだ。

 

 

 

ならばもう、気持ちは固まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

よっ〜し!!目指すべきHUNTER × HUNTERライフのために!!!

そして、幼き幻影旅団の皆や流星街の皆を守るために!!!

 

 

 

 

 

 

 

これから頑張るぞぉ〜!!!えいえいおぉぉ〜!!!.............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Zzz‥・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued.......

 

 









なんでこんな回に1万文字も書いてんだ(困惑)。



次からは時間が多少飛んで、本格的に主人公が活動し始めます。さすがに0才だとマジでなんも出来ないのでね.......。



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