アルア=ゾルディック 作:セイヘキ ✕ ト ✕ ソウサク
昨日投稿できず申しわけない。
急に忙しくなり、連続投稿どころか2日程更新できなくなる模様。
重ねて申し訳ないですが、少しの間お休みさせて頂きます。
多分3日後にはまた行ける・・・・・・はず、、
よいしょ、よいしょ。
ふぅー!これで良し!
とある全宗教会の一室。
玩具が散乱している、ふかふかな絨毯が敷かれている上にその足を踏みしめる。転ばないように慎重に動くだけでも結構神経を使うのだ。
一々動きに気をつけていたから、なんだか前世よりも、身体の部位一つ一つの感覚が研ぎ澄まされているように感じる。
これが達人か………(違)
ほんと赤ちゃんの身体、大変である。
……いや、この場合は幼児の身体と言うべきか。
相変わらず苦労しているのは変わりないが、大きな変化があった。
そう!俺!めでたく1才になりました!
(\\パパ〜ン//)
結構前に迎えてはいたんだけどね。
あれから進展という進展がほとんどなかったもので。その間の話は割愛します。
しかし、それももう終わり。
何も出来ずにヤキモキする時期はとうに過ぎ去ったのだ!!!
(ふらつきながらガッツポーズする幼児)
いや〜、まだまだ出来ないことはあるとはいえ、やっぱり違うね。
何を隠そう!ほら見て!こうやって掴みながらだけどちょっとだけ歩けるようになったんだ!
まあしばらくはほとんどハイハイで動くことにはなると思うけど、だとしてもこれは大きな進歩だぜ!
何故って、自分で高いところ()にある物を取れるようになるからなぁ!
まずは、どうするにも本が読みたいってことで。
これまでは、現在俺の面倒を見てくれている
まあ持ってきてもらうって言っても、そこにある棚の扉開けてから本を出してもらうだけなんだけど。まだ幼児(1才)にはそんなことできないからね、仕方ないね。
それを自ら取れるようになるのだから、大分話は変わってく…………取れ、あれ、取れない。あっ、力が足りな…………
「・・・・・・んわ」
うん。
さて、さり気なく原作でも登場したキャラを紹介しよう。
ここ全宗教会において、神父と保父さんの役目を持つ人物。それがこのリゾル神父である。
旅団過去編では、主に旅団の子供達含む、大勢の流星街の子供の面倒を見ているようだ。
いややってること凄くね?
一応他にも大人は居るだろうし、ある程度育って大きくなってきた子供は下の子達の面倒を見るから、全部の負担がかかっているわけではないだろうが。
原作での描写的に、教会は子供達の集まる集会所のような役割も担っているようだし、あの数を一人で捌くのは至難の業すぎる。まあ、見えてないだけで他にも神父さんだったりシスターさんが居る可能性はあるけどね。
どうやらフィンクスやフェイタンを始め、ウボォーギンですら
それと、当時は気づかなかったが、もしかするとこの人も念能力なのかもしれない。少なくとも長老は念能力が使える人のようだし、長老会と繋がる立ち位置の、結構重要そうな人物であるこの人が念能力を使えても、何も不思議では無い。
まそうは言っても、今の俺は念の感知すら思い通りにいかないんだけどね〜。
人生とはままならないものだ。
身の程を弁えて、大人しく本でも読んでいますか。
ハイハイして神父さんが地面に置いてくれた本まで近づき、開かれた1ページ目を覗く。神父さんに無垢な幼児アイを向けると、次のページを見せてくれるので、俺自身がページを捲るという天才ムーブをしなくて済むのだ。
いや、この時点で絵本じゃなくて文字が書いてある本を好んで読んでる時点で違和感は出てしまうだろうか。
まあそれでもどうせ「おやおや〜、もうこんな本を読むようになったのかい?すごいね〜」みたいな、あくまで1才の幼児にしては、という話だろうが。
まあ実際、俺のHUNTER × HUNTER世界の知識は別世界から来たが故に、現地人からしたらまじで幼児レベルなので、ある意味一から教育していったほうが効率はいいのかもしれない。流石に一般常識みたいなやつまで教えられても困るが。まさか一般常識まで違うことは無いだろう、多分。
いや、有り得るな..........
そんな風に考え事をしながら本を読み進めていたのだが、なんだか違和感を感じる。
今まではハンター文字があるものだけを読み耽っていた。当然HUNTER × HUNTER読者である俺はハンター文字の練習もしていたわけだが、完全にはマスターできていなかった。そのせいか途切れ途切れにしか文章を読めないという事態に見舞われる。
おまけに、一々紙に書いて覚えるというのもまだ出来ないため、遅遅として文字の学習やら本の内容を読み込むやらがほとんど出来ないでいた。
割とそんな不便で改善されない状況にイライラして、そろそろ我慢の限界が来ていたのだが。
今本を読み進めていると、あれ程読めなかった文字が嘘のように、スラスラと読めるようになっていた。
もしかしたら俺の幼児ブレインは天才なのかもしれない………
とも一瞬思ったが、どうやらそういうことでは無いらしい。
これは・・・・もしや。
(ん?)
バタンッ!!!
「ぴゃっ」
「おおっ!ホントにいるぜ!!!」
「ちょっと、うるさい」
「こらウボォーギン、そんな大声を出してはいけません。幼子が驚いてしまうよ!」
「チッ、うるせえな・・・・・・・いでっ、何すんだマチ!」
「うるさい、しずかに」ゲシッ
「二人とも!暴れたら怒るよ!」
「おーう」「ごめんなさい」
アレアレアレ!?
これはもしかしてなくてもあのウボォーギンとマチじゃないか!!!!
まさかこんな所で会うとは!
二人に会うのはもう少し先だと思っていたから驚きだ。なんと今まで顔すら見たこと無かったからね。
うーん、そういえばなんでなんだろ?
「ちょっと!待ってよ二人ともー!!!……あっ。
も、もう。止まってって言ったのに走り出しちゃうんだから」
「はぁ?お前らが毎回毎回通せん坊しやがって、新しい子供に会えなかったから無理やり突破したんだろうが!
全く、よくも俺らに内緒にしやがって!!!」
と推察を巡らせていると、追いかけて来たであろうクロロが廊下から部屋に入り、その後気づいたように声を抑え目にして顔を出した。
あぁ……………だいたい分かったわ。
でもいくらウボォーギンが乱暴だからって、さすがに幼児に手は上げないと思うけどなぁ.......マチっていうストッパーも居るし。
とはいえ今は、あの時よりも皆まだ幼いみたいだからなぁ………
………大丈夫だよな?
「はぁっ、はぁっ、皆待ってって!足速い………」
お、パクノダも後から追いかけて来た。なるほど、足留めならずってところかな。ということは、もしかするとフランクリンやシャルナークはもうボコボコにされた後なのだろうか。可哀想に。
彼らはちょくちょく、それこそ暇があれば俺の様子を見に来てくれて、お世話の手伝いをしてくれるので感謝しているのだが。
ヤレヤレ仕方ない、日頃のお礼も込めて、俺がもっと育ったら色々と便宜を図ってあげるから、それまで我慢してね(何様)
ん。なんかリゾルさんに抱き上げられている。そのままベビーベットにシューッされた俺は(投げられたわけではない)、再び監獄の中へと収監されたのであった。うわー!本が〜!俺の知識のオアシスが〜!
「んーまー!うあー!」
「ん?これが欲しいのかい?はい」
なんてグズっていたら、神父さんが中にあの本を入れてくれた。
ふう、全く。幼児から物を取り上げるなんて酷いぜ!もうしないでね助かった。
「きゃっきゃっ!」
「お!嬉しそうだな!これがお気に入りなのか」
「!ウボォーさん!?」
え、ちょっとウボォーさん?なんで俺の本取り上げたんですか?ちょっ、やっぱりこの人血も涙もない極悪人ですー!!!!
訴えるように泣き喚いて不満を漏らしてみる。
「うぇぇぇぇえええ!!!!」
「ほうら、お気に入りの本だぞ〜!どうだ?嬉しいか?」
え、あそういうこと………。
ウボォーギンくん。それね、世間ではマッチポンプって言うんですよ。幼児だからってなんでも騙されると思ってない?
仕方ない、ここは幼児ボディに任せて………
「ウワアアアアアン!!!」
「あ、あん?泣き止まねえな………」
「当たり前だろ!」ゲシッ
「痛ぇ!さっきから何すんだマチぃ!!」
お、マチがいい蹴りをウボォーギンくんのお尻にぶち込んでいる。
うん、ちょっとスッキリしたわ。仕方ない、鬱憤も晴れたし許してやろう。
「きゃっきゃっきゃっ!!」
「あれ?喜んでるみたいだね」
「……………なるほど」
「あ?お、おい。マチ、何しようとしてやがる。
ちょ、待て。やめろ!俺のケツを狙うんじゃねぇ!!!」
「おらっ!!!」ゲシッ
「ぐああっっっ!!!」
草。おもしろ。
どうせならこの流れに乗ってやるか。
「きゃっきゃっ」
「あ、ほら喜んでる」
「て、てめぇら………」
「………まあ、物を取り上げるより全然マシか」
「よ、よし!ウボォーさん!もっとお尻蹴られて!!」
「ぶっ殺す!!!!!」
「静かにする!!!!!」
「「「ごめんなさい」」」
と、リゾル神父の一喝により再び皆は静かになった。
いやー、今のは中々面白かったね。もっと見たかったわ。
ま、ひとまず落ち着いたみたいだし、俺は本の続きを見ますか〜ね〜〜あ〜れ〜今度は何〜〜。
「もう、全く皆うるさいんだから。ごめんね?騒がしくて」
あっ、パクノダに抱き上げられたのね。まあ本は後で見ればいいか。
俺はもうこの状態でそこそこ長い時間を過ごしているので、当然クロロやパクノダとも触れ合う時間が多くなっていた。
こうして抱き上げられるのも、最初は遠慮がちになっていたせいでぎこちなかったが、今やクロロとパクノダの腕の中は俺の指定席である。
フハハハハ!!!どうだ。羨ましいだろう!!!!できれば俺も赤ん坊状態じゃないときが良かったぜ!!!
でも大きくなったらそれはそれで恥ずかしいからやっぱいいぜ!
なんて馬鹿なことを考えていたら、今度はクロロに渡された。思ったら次はマチ、そしてウボォーギンと。
何?爆弾渡しゲームでもしてんの?それ普通幼児でやることじゃないと思うんですけど。
「おぉ〜、これが赤ちゃんか」
「もう1才だけどね、どっちかって言うと幼児に分類されるんじゃないかな」
「へー、やっぱりクロロは物知りだねー!」
「えへへ、いや、それほどでも。
たまたま育児の本を読んでて、それで分かっただけだよ」
いやたまたまて。偶然で読む本ではないでしょそれ。
やっぱりクロロは色々と俺のために調べ物をしてくれているみたいだ。
まあ他にもあの時、赤ん坊があの部屋に何人か居たと記憶しているので、もちろん俺のためだけでは無いだろうけども。
それでもなんだか申し訳ないな。という気持ちはある。
クロロだけじゃない、他の皆にも随分迷惑を掛けているようだ。
そりゃあ、幼児なんだから迷惑かけちゃうのは当たり前で、仕方ない事ではあるんだろう。
それでも。一応前世では、なってから間もないとはいえ成人していたのだから、やっぱり気になってしまうものはある。
あと前に、赤ちゃんの時に結構恥ずかしい目にあったせいで、俺の羞恥心は既に半年くらい前から死んでいるということも、ここで伝えておこう。
赤ちゃんでいる時に恥を持っていたら生きていけない。うん。
俺本来の羞恥心が活躍できるのは5歳くらいからだろう。自我の芽生えおせぇ〜!
「と、そうだ。今日はこれを持ってこようと思ってたんだよ。色々あって忘れちゃってたけど」
「ん?なんだそれ」
およ、なんだろ。小瓶?みたいな……よく分かんないな。なんかが入ってる?再びパクノダに抱かれた状態の俺は、謎の小瓶を見つめる。
「なんだ?哺乳瓶か?」
「なんでだよ、もう離乳食だろ」
「いや、離乳食はこないだ卒業してたよ。ね?神父さん」
「ええ、となると。クロロ、それは………」
「はい、赤ちゃんがケガしないように、開け口が柔らかい素材でできたお菓子入れです。こないだ工場長に頼んで造ってもらいました。
本には、そろそろ離乳食が終わって、食べやすくしたものなら普通の食事もできるみたいって書いてあったんですけど。
その時に、栄養補給として柔らかめのお菓子も食べるって書いてあったので、しっとりしたクッキーも、別で神父さんに頼んで作ってもらったものを、中に入れてきました」
えっ!お菓子ぃ!?やったぁ!!!
「あの時クロロがやっていたのはこれだったんだねぇ。流石、賢い子だよ。私は誇らしい」
「そんな、僕はできることをしただけです」
「………ふん」
おいおーい!クロロくんめっちゃすげぇじゃん!ウボォーギンくんさぁ、嫉妬は良くないぜー?素直にクロロっちが凄いって認めちゃいな〜?
あーでも、もしかしたら認めているからこそ、気に食わないのかもね。まあこの時期の子供なんて癇癪をいくらでも起こすものだし、むしろ抑えられてる分、ウボォーも充分大人なのかもしれない。ていうかクロロが賢すぎるだけなんだけども。
「はい、どうぞ。ゆっくり食べてね」
わ〜い!ありがとう!
うへへ、ようやくまともなお菓子にありつけるぜ。こないだまでベチャベチャ離乳食しか食べれなかったからな。まあ実の所、こんな場所で食べさせてもらえるだけ有難いんだけども。
「んぅんぅ、まぁー!」
う、うまいっ.......!味がするっ!まだ柔こいけど確かに食感があるっ....!食事ってこんなに素晴らしいことだったっけ.....!
久々に食べた食事と言える食事に、俺は今感動している………!!!
ありがとう、ホントにありがとうっ!!!
「ふふ、喜んでくれて良かった。まだあるから、お腹減ったらまた食べようね」
「んぁー!!」
いやーほんと、まじでクロロには頭が上がらんなぁ。パクノダ達も俺の面倒を見てくれて、本当に助かっている。ありがてぇ..........
もう皆には足向けて寝れないな。当たり前だが。
んー、とはいえなぁ。
結局、俺は皆に何も出来ないんだよな………
俺がある程度育った頃には皆もっと大きくなってるだろうし。
てか、下手したら今のまま10歳くらいになっても、クロロの方が賢いかもしれんとかどういうこと。
なーんか。俺がこの街の人の為にしてあげられることなんてあんのかな?第一、俺はそんな凄い人間じゃない。きっとクロロと同じ年齢の時、俺がやってたことと言ったら図書館で勉強してたくらいだぞ。
好奇心で色んなこととか調べなかったぞ?まじで。
くっ、己の不勉強さが憎い………
「よーし、よーし。ちゃんと食べれたねー。
偉いね〜!可愛いねぇ〜」
………まあ、後悔するのは、別の時でいいかな。
結局なるようにしか人生というものはならないのだ。
なら、今は皆に甘えてスクスク育って、1秒でもすぐ皆に追いつけるようにならねば(使命感)。
「ふふ、こうしてると。ちゃんとした家族みたいだね、私達」
「何言ってやがんだ。ここに居るやつらはみんな家族だろ。
………なんだよ」
「いや、そういうこと言うんだと思って」
「ウボォーさん………!」
「ほほ」
へぇ〜いいこと言うじゃんウボォーギィン。
このツンデレめ!
「ああもううるせぇ!こっち見んじゃねぇ!」
「………。」
「ん?どうしたの、クロロ」
「うん。そうだよね、僕らは家族なんだ。
だから、守って行かなくちゃ。この子も、皆も」
そう言って、俺の頭を優しく撫でるクロロ。
・・・・あんまり抱え込みすぎないでね。
あ、そうだ。いいこと思いついたわ。練習なら充分したし、多分もうできるよな・・?
・・・うん、いける。よし。
「ん、うううう」
「?どうしたんだろ」
「もう1回あのお菓子食べたいんじゃない?」
「うーん、でも食べ過ぎも良くないから………」
「んあんあ、うー」
「待って、なにか………」
「お?」
「う〜
うろぉろぉ」
「えっ!?」
「あれ?もしかして」
んのー!!!!もうちょい!!!動け俺の口ーー!!!!
「うろぉろぉ、うろぉろぉ!」
「ねえ、クロロって言おうとしてるんじゃない!?」
「ほんとだ!頑張れ!もうちょっとだ!」
「うー………“くろぉろ”!!!」
「わー!!?凄い!やったー!!!名前呼んでくれたよ!」
「うん!聞こえたよ!やったねクロロ!」
お?おぉ!?なんかめっちゃ
よ、よし。ならもう少し頑張ってみようかな。
「あ、あぷや、あぷちゃ、
わふちゃ、ぱぷ、“ぱくちゃ”!!!」
「!?!?ね、ねぇ今のって!?!?」
「うん!!パクちゃんのことも呼んでるよ!!!」
「わあ………!なにこれ、すっごい嬉しい!ねぇ、もっと呼んでみて!」
「ぱくちゃ!ぱくちゃ!くをろぉ!くろろぉ!」
「わー!やったよパクちゃん!呼んでるよ!!」
「うん!わ〜!偉いね〜!よしよし〜!!」
へへへ、どうだ。やってやったぜ!
こんなに喜んで貰えるなら練習したかいがあったってもんよ!
絶対最初に話す言葉はこの2人の名前って決めてたからね!!幼児()でもやれば出来るってことを証明したようだな。
「おい!俺の名前も呼べよ!俺はウボォーギンだ!
「言えるわけないだろ、あ。私マチ。
お、なんだなんだ。二人も名前呼び希望か。
だが残念だったな。俺の名前呼びはそんな安売りしてやらないのだ。わはは!まだクロロとパクノダだけしかダメでーす!(喋れないだけ)
「ふふふ、最初に呼ばれたのがクロロとパクノダの二人とは。納得だね」
「なぁー!!おれ!うぼぉーぎん!ほら!」
「なぁ!まち、マチだ!ほら!」
「二人ともちょっと静かに……!」
「あはは、必死だね!」
皆の笑顔と笑い声が、この部屋に、俺の耳に木霊する。
──────ま、こういう平和な日々なら。いくらでも過ごしていいよね。
そのまま、この日は騒がしい子供達の声と共に過ぎ去っていった。
何気ない日々の1ページだけど、こういう日が思い出の一つ一つとして大事に残っていくのだと、そう思った。
なんともセンチメンタルな最後の思考を止めて、俺はお布団の上で意識を落としたのだった。
ちょっと短め。
実は赤ちゃんについて調べるのが1番時間かかった。