アルア=ゾルディック 作:セイヘキ ✕ ト ✕ ソウサク
大遅刻!!!!
投稿間隔空いてしまって申し訳ない。もし楽しみにしてくださった方が居れば、お待たせしました。
私生活で内定式あったりとか 卒論やったりとか、PC替えたりとか風邪引いたりとか新作ゲームやったりとか・・・・・・色々あってしばらく上げれませんでした。
今度こそ連続投稿するから....ユルシテ....ユルシテ...
というわけで連続投稿です。こちらの話からご覧下さい。
・・・・・・・・・・
パラパラと、本のページを捲る音がする。
その部屋には現在、大人が居ない。幼児の面倒を見なければいけないが、常にそうしている訳にもいかないからだ。
もちろんなにかあった時のために何人か大人が近くの部屋にはいるが、基本は常日頃からすぐ側に居ることは出来ない。
流星街は助け合い、支え合いによって成り立っている。逆に言えば、まともに生きていくには、それなりに生存のための時間が必要なのだ。
あと数年もすれば状況は変わるかもしれないが、少なくとも今はまだ、いくつかあるスラムの内の一つであった。
ゆえに、彼にとっては都合が良かった。
まだ齢2才になったばかり、与えられた本の文字をまじまじと見つめ考察している様を見られては、奇異の目で見られてしまう可能性があったからだ。それも大人の真似だと勘違いしてくれればいいが、必ずしもそうなるとも限らない。
もっとも、彼は言い訳として「クロロの真似!」というつもりであるが。クロロが本を読んでいる物知りであることなど、彼の活動範囲において知れるわけが無いので、その発言こそ重大な矛盾を生んで怪しまれることに気づくのは、もう少し後の話であった。
やっぱり、間違いない。
転生特典言語理解チートキターーーー!!!!!!
はい。
まさかこんな形で神様が手助けしてくれるとは思わなかった。
いや、考えてみれば俺が産まれたばかりの頃。あの誘拐犯から逃げ延びた時も、結局俺は幸運によって生きていた。
その後も、この世界で言語の聴き取りには苦労しなかった。まああくまで
喋るのも、少しの言葉に限定されるが、大分話せるようになってきた。
そしてどうやらそれは他の人に通じるらしい。
これらが神様由来のものだった可能性を思えば、もしかしたらずっと神様は助けてくれていたのかもしれない。
まあそれが本当に神様なのかは一旦置いておくとして。
神様ーーー!!!ありがとーーーう!!!!疑ってごめーーーん!!!
いや確かに最初はよくもって感じだったけど、ちゃんとアフターケアは考えてたんですねーーー!!!!
でもそれ出来るなら、前世の方ももうちょっとマシな人生が良かったなーーー!!!!て思うんですけどもー!!!!
おっと、感謝を伝えようとしたはずが思わず不満が溢れ出てしまった。
良くない良くない。一言多いぞ。
まあとにかく。晴れて転生特典らしきものを得られた俺なのだが、今の所分かっているこいつの使い方を、改めて確認しよう。
まずはこれ。このように俺が本の文字や文章を読み出すと、その上にまるで念の文字のように訳されたものが浮かび上がってくる。
もちろん日本語である。
どうやら俺に特典を与えた何かは、日本由来のものらしい。
いやさすがにね?これでドイツ語とかで書かれてても俺困惑しちゃうもん当然だよね。
あ、んーまだ確定したわけではないか。それ以外の存在が日本語に訳してるだけな可能性あるもんな。とはいえ、誰であろうと協力してくれてることに変わりは無いので、これ以上は突っ込むまい。
引き続きこれの使い方の話だが、他にはどんなものに適用出来るのかを考えた時に、物のラベルとか見たら分かんじゃね?ということで、瓶に貼られたら紙を見てみると、確かにこれもちゃんと翻訳がなされているようだ。
つまり、書物だけにだけ働く翻訳機能ではなく、言語全体に働いてくれるものと捉えて構わないだろう。
これに関してはかなり便利だ。
ふむふむ。いいじゃないかと満足気になって、当初はそこで調査を終えたのだ。
しかし、後から気になることが出来てしまった。
結局それは、結末が分かっても俺の行動に大きく影響を与えるものではなかったのだが。
さて、ここからは完全に余談になる。
もし、俺の頭の中を覗いているような読者視聴者諸氏が居るのなら。「もう必要な事がわかったから、ひとまず長ったらしい話は良い」という場合に、ここから先の思考は飛ばしてくれて構わない。
・・・・・で、気になっている話なんだけど。
それは、これが転生特典なんかではなく、俺自身の念っていう可能性のことだ。自覚無しとはいえ、念能力っぽい形になってしまった以上は、“疑わない”ということは出来ない。
要は、勝手に付与された念能力にメモリの無駄遣いされるを心配しているわけだね。
ただ、この1年間で調べて見た感じ、その線は大分薄いことがわかった。
かと言って、他のものであるという確証が得られたわけじゃない。
俺自身、
それに関してこれから少し長くなるけど、順番に話していこうと思う。
この話をする上で。一つの大きな結論がある。
そしてその最終的な結論に至るまでに、必要な根拠が二つ程ある。最初はそれを話していく。
まず、時系列最初の念に関する出来事。
産まれたばかりの時に、俺を誘拐した奴。あいつが身にまとっていたのは、明らかに『オーラ』。つまり正真正銘“念”だった。
うん。他者のオーラが見えたのだ。
なんでそんな事わかるねんって言いたい気持ちはあるだろうけど、これは事実だ。
それに関してはもはや原因が分からないので、諦めた。それこそ、
あくまで不確定なものがある事を前提として、次の話を聞いて欲しい。
これに関して、俺は一つ仮説を立てた。ズバリ、これは他の人も見えるのではないか…………?と。
ただ単にあいつの念が凄まじい可能性もあったが、それならそれで話は終わりなので、わざわざ追求する必要は無い。
なので、まずは他の人の念が見える前提で意識して使おうとしてみた。
そして実際に証拠が……とまでは言えないが。
それっぽい理由として、以前俺の様子を見に来た長老の内の1人。
その人はフードらしき被り物をしていて、顔にもよく分からないマスク?をつけていたので、その素顔を拝むことは無かった。その上名前も分からかったにも関わらず、その人からは、見れば明らかなレベルのオーラが出ていた。
うむ。察しの良い人ならもう既に分かったかもしれないが、一旦結論に辿り着くまで待って欲しい。その気づきは後で触れるので頭の片隅にでも置いておいてくれると助かる。
つまり理屈はともかく、俺には
これで仮説は立証され、一時期は「マジかよ“凝”の修行無しでいいじゃんひゃっほい!!」と浮かれていたが、どうやらそう簡単な話でも無いらしい。
以前、見れるテープを手当り次第になんでも再生しまくっていく、“ フィンクス&フェイタンコンビ”*1という珍奇で面白いものを見たのだが。
そのうちの一つのテープが、実はカキン王族に関するものだった。
どうやらカキンの王族がメディアに出ていたことがあったらしく、そのテープの一部が再生されたのだ。
そこにはあのナスビー=ホイコーロが居たのだが、彼からはオーラが見えた。つまり念能力であるという証だ。彼は原作で、明らかに守護霊獣の存在を認知していたし、「先祖が壺を“具現化”した」とも発言していることから、彼は原作でもはっきりと念及び念能力者を知っている、と描写されていると言っていい。なので彼のオーラが見えるのは不思議では無い。
またこの時に、ナスビーの傍に守護霊獣が見えなかったこと*2も、単に俺が『念に目覚めた』訳でも、『“凝”が限定的に使えるようになった』訳でもないことは明らかだ。
そして、少し離れた位置にいたベンジャミンにもオーラが見えた。
彼も同様、
生放送ではなくテープ越しにオーラが見える、というのが少し引っかかるが、どちらにせよ彼らが念能力者であることだけは間違いないだろう。
そして1番の問題は、彼らと同様に映っていたおそらく私設兵かボディーガード、あるいは側近と思われる人物。
彼らからは念がある様子、つまりオーラを放出している様子が一切見受けられ無かった、ということ!!!
王位継承戦中では無いにしろ、流石にあんな思考の王が側近の1人も念能力者で固めていないなんて有り得るんだろうか?
いや、限りなくNOと言えるだろう。そしてそれはベンジャミンにも言えること。
まだ念を習得していない段階ならばいざ知らず。知ったのならば、あのベンジャミン王子が側近を非念能力者で固めるというのも、やはり考えにくい。
となると、より謎は深まる。
単に彼らの側近が、絶の達人であるという可能性や、物凄く念の練度が高いも考えられるが…………
原作を見る限りそれは怪しいし。
仮にそうだったとしても、王の護衛中に、しかも王本人はオーラを出しているのに、護衛だけが絶状態である状況なんて有り得るのだろうか。
そしてもう一つの現象により、一つの根拠をまず手に入れる。
それは、一瞬だけ映っている、第一王子私設兵のヒュリコフ───!!
彼のオーラは見えたのだ!もしかすると、バビマイナや他の私設兵が居れば更なる確証を得られたかもしれないが、ビデオテープに映っていなかったのだから仕方ない。
これが根拠であると断言する理由…………
それはなぜなら、他の護衛や私設兵と思しき人物からはオーラが一切見えなかったから。
そして、王や王子、俺が知っている人物からはオーラを視る事ができたから──────!!!
この時点で大分核心に近づいた気がするが、念の為に確認作業は怠らなかった。
さて、次にもう一つの根拠を提示しよう。
念が使えるのならば、俺自身もオーラが出ている筈。
そして、“その人が念を習得していること”がオーラを視る条件ならば、この力が俺の念由来であれば、俺は俺のオーラを視認できるはずなのだ。
ということで早速俺自身を鏡で見たのだが、なんと!!!
・・・・一切のオーラが感じられなかった。
俺自身の身体を何度も視ても、オーラが出ている感じはない。
単純に俺のオーラ量が少ないからか?とも思ったが、クロロやマチなどを見ても一切のオーラが見えなかった。潜在能力の塊である彼らからすら感じられないのは余りにおかしい。
今後も検証を兼ねて観察してみるが、何となく結果は同じような気がする。
一体これはなんの冗談だ?と問いたくなるが、その答えはシンプル。
『まだ習得していないから』説、に尽きる。だから見えない。
先程も言った通り、その人の“オーラ”というより念の習得有無だけが確認できて、守護霊獣が見えなかったのがその根拠の一つだ。
さて。以上を踏まえるのであれば、他の「この力でオーラが視えている人物は、全員きちんと念を習得している」と言えるわけだ。つまり前の説の根拠を補強し、裏付けるものとなる。
これはそして、少しの違和感を解消する手掛かりにもなる。
つまり何が言いたいかというと…………
要は、この特典によって見えるのは『俺が原作で念能力者だと確信が持てた人物のオーラが見える能力(ただし“発”やそれに類いするものは見えない)』である。ということだ。
・・・・・・うん。何に役立つねん、この能力。って感じだ。
というかさぁ!!!
大前提として話すんだけど、そもそも念って人によっては念修行をしてなくても、才能さえあれば自覚無しに覚醒する人たちも居るんだよ。そして覚醒した後もそれに気づいていない人達も居る。
つまり、原作では登場してなくても、あるいは登場していても。
何人かは念のオーラがはみ出ているから、関係無い一般人やスポーツ競技者とかからオーラが見えてもいいはずなんだよ。
だからそれが見えない時点で、薄々勘づいてはいたんだ。
あれ?これそんなに便利じゃなくね?って。
これさあ知らない相手に対してほぼ意味ねーんだって!!!
そんな中でさ。俺の
確かに言語翻訳機能に関しては、公用語だけでも習得スピードはかなり早くなるから、必要だしある程度使っていけるだろう。
だけど念の視認に関しては…………
そりゃ、原作で念を習得してる人に関しては。
ほとんど俺が原作の念習得展開に介入出来てないんだから、そうなるでしょうよ。としか言えない。
なんでこんな力なんだよ…………
もう知ってる情報を教えられても「あ、はい」としかならんのよ!!!
こんなの、ちゃんと自分が念を習得出来てるかってことと、クロロ達みたいな幼少期の人物が、いつ具体的に念を習得したかってことしか分からないじゃないか!!!
ん、なら良い……のか?いやいやいや!!!
ていうか前半はまだ俺自身の念習得までに使えるからともかく。
後半に至っては“凝”が出来るようになったらほぼ要らないじゃん!!!!
ま、まあ?これはあくまで副次的な効果であって、本命は言語理解能力だからね、うん。
ただまあそのチート?の言語理解能力も、それはそれでちょっと懸念事項というか、弱点があるんだけどね…………
あぁぁ、やばい。せっかく手に入れた力なのに、どんどんネガキャンが増えていく…………!!!違うこんなことをしたいわけでは……!
つーかさぁ。
特典くれるならくれるで、もっと早い時期にくれません?
最初の方、大分読書に苦労したんですが?
おっと、ついまた余計な一言が。
貰えるだけでも感謝しないとだよね〜ウンウン。
いや、嘘。
出来ればもっと、もうちょっと凄い力欲しかったなぁ〜って。
まあ産まれちまったもんは仕方ないんですけども。
うん、切り替えていこう。
話を戻して、そんなこんなで。
「くっっっそ微妙、もはや必須インフラだろ本来これ!!!*3」みたいな僅かな利点を活かすため、今日も今日とて本の虫となる俺なのであった。
え?念の修行はいいのかって?
・・・・いや、流石にまだ2才の身体で修得するのは危険がすぎると思って、まだ本格的な修行はしていない。
流石に念系統くらいは、水見式で調べておきたいとは思ったのだが。
そもそもあれは“練”が使えなければいけないので、まだ“纏”すらマスターしてない状態では調べようが無い。使えない訳じゃないけどね。
一応水見式は、あれが系統が分かる最もポピュラーなやり方で、それが心源流に伝わる方法だったというだけであり、調べれば他にも方法はあるかもしれないが。その調べる方法がまず自分には無いので、現状はこうして、それ以外の知識を蓄える方向にシフトしたというわけである。
一応長老あたりが念については詳しそうだが、自身の行動範囲的にも、まだまだひよっこの子どもという立場的にも、そうそう会いには行けそうにない。
というかまずこんな幼児が、「念を知りたいので長老に会わせて下さい」なんて言ったら怖すぎるし。
すぐさま忌み子ムーブ不可避である。
しかし全く手を出していないという訳でもない。
丸1年間ずっと念の精孔を開く特訓をしていたおかげで、だいたいではあるが自身の分くらいは視認出来るようになった。他人のもある程度は見えるようになったし。まあ特典無しでまだはっきりと他人の念は視認できないが(というか覚醒者がほとんど居ない上に、長老みたいな逆に分かり易い人は、特典が邪魔して正確な把握が困難)、しかし訓練する分には、これで充分だろう。
うーん、果たしてまともに念の修行が出来るのは何時になる事やら、系統修行ですら、最低でも“纏”、“絶”、“練”、“凝”、“周”あたりを最低限使えるくらいまではマスターしなきゃいけないからな・・・・・・。自身の系統も把握しておかないといけないし。
・・・・・・・・
まあ、それはそれとして。
ついにっ!ついに念能力を得たぞ俺はぁ!!!!!!!
いやー、念能力ってやっぱ楽しーわ!!!!!
一生これで時間潰せるわ。娯楽無くてもこれで生きていける。
前世から念能力を使う妄想をしては色々と落ち込んだものだけど、実際使えるようになるとワクワク感が段違いだね!!!!!
異世界からきた感覚のお陰か、本来は感じづらいであろう念もかなり早い段階で認識出来たし。やっぱ転生が最高なんだよなぁ!!!(手の平返し)
「ふっふっふっ。例えしょぼい特典だったとしても、俺は自分の力で切り開くのだ。目指せ!!!最強念能力者ァ!!!!!」
スタスタスタスタ
おっと.......足音がするね。
冗談はさておいて、気持ちを切り替えていかないと。
今のこの素晴らしい環境を、自ら手放す訳にはいかないからね。
ふふふ・・・・・・将来が楽しみだなぁ。
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転生した後で、念が本当に習得できたこともあって。おそらくこの時は、前世も含めて俺が1番浮かれていた時期だったんだろうと思う。
“転生の自覚”………みたいなものが薄かったとも言える。
だって俺は.......この時の後にも先にも、二度とここまで心の底から明るく元気に振る舞えることが、向こう10年先は無かったのだから。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
「おーい、お菓子持ってきたよ〜」
「あっ!クロロ!!」
時間が出来たので、見回りがてらこの子の様子を見に来た。
扉を開いた時には、可愛らしい子ども服でありながら、子どもっぽくないきちんとした体勢で柔らかい丸椅子に座っており、その手には幼児には似つかわしくない装丁で彩られた物があった。
どうやら本を読んでいたらしく、何を読んでいるのだろうとよく見て見たら、何と僕どころか、大人でも読まないような難しい本を読んでいた。
「え!?凄いね。もうこんな本を読めるようになったの?」
とは驚いたように言ったものの、実際に本当にこの本を読めているとは思っていない。
9割くらいは、リアクションによる問いかけだ。まだ文字もあまり分からないだろうし、会話もマスターしていないのだから。
きっとこれは僕か、他の大人の真似をしたのだろう。
自意識過剰かもしれないが、この子はよく絡みに行っている子どもの中では一番僕に懐いているように感じる。本当に、ただの自意識過剰なら恥ずかしいが。
「んー?」
「はは、まあ・・・・・・だよね」
首を傾げて、不可解そうな反応をする。
やっぱり本の内容はよく分かっていなさそうだ。僕の問い掛けにもなんだか微妙な反応だし。
とはいえ例えその動機が、カッコイイからとか、単に好きな人の真似をしたからというものだったとしても、この年で本を自主的に読んでいるのは、大分知的好奇心が旺盛だ。
もしかすると、もう少し大きくなれば僕以上に賢くなるかもしれない。
まだまだ幼いが、これからの事を考えると楽しみな気持ちが湧いてくる。
こんなことを子供ながらに思うのだから、我ながら僕も子供っぽくないなと自嘲してしまう。
皆は僕が頭のいい子供だと言うけれど、きっとそれは良い事ばかりでも無いのだろう。
「クロロー?」
それでも、こうして自分の知識が役に立って、新たな命の役に立っている所をまじまじと見て実感すると、感慨深いものである。
だからこそ、もっと早く。この子の名前を見つけてあげなければ。そうすればきっと、今以上に喜んでくれるだろうから。
「絶対に、僕が君の名前を見つけてみせるから。だから、もう少しだけ待っててね」
「ん!」
知ってか知らずか。元気のいい返事をしてくれる。何となく、子供なりに何が伝えたいか分かったのだろう。
本の件は兎も角、やっぱり賢い子だ。
流星街で育ったとは思えない程に。
だからこそ、捨てられていたと思われるあの時が、とてつもなく不自然に感じる。その度に、もしかして───と。
・・・・・・少し、気掛かりなことが頭に過ぎるが、無視する。
嫌な想像を振り払うように別の話題へと移る。尤も、幼児に話題も何も無いだろうけど。
「おいで。皆食堂でご飯を食べてるんだ。一緒に食べよう?」
「んー!」
本を置かせて、そっと抱き上げる。そろそろ皆も集まっている頃だろう。遅れると
ふと、腕の中の存在を見る。サラサや他の子供達で、小さい子は見慣れたと思っていたけれど、やはり小さい子供はいつ見ても可愛いものだと、そう本能が訴えかけてくるのだ。
「えへへ、可愛いねー」
「クロロー?」
僕がふとこの子を抱き締めると、その小さな手で僕の頭を撫でてくる。なんだか、こそばゆいな。小さい子に撫でられると、照れくさい。
「らー!かわいいねー?」
「あはは!」
お返しに僕の方からも優しく撫でてあげると、嬉しそうにしながら身を委ねてくる。
僕はそのまま、子供部屋を後にした。
そういえば。最近色々と忙しくて、新しいテープを取りに行っていないな。サラサやこの子が大きくなったら、新しい楽しみとして見せてあげるのも良いかもしれない。そんな風に未来の計画を立てて、僕はゆっくりと廊下を歩いて食堂の方を目指して行った。
理屈屋っぽくて頭でっかち。そんな深く考える必要無いのにね。そのせいで1番重大なことを忘れているのに。
感想など頂ければ嬉しいです。
以下余談ですが。
そういえば、サラサを攫った奴らって、現在の原作の描写からして、今もう現在では幻影旅団が復讐を成して殺されてる⋯⋯ってことでいいんですかね。
でも、同じような目立つ特徴を持つ別人を、たかがモブ一人のために冨樫先生が書くとも思えないので⋯⋯
わざわざ書いてるってことはそういうことなんでしょうね。
つまり死ぬのが確定してるけど死に方は書かれてないから、どうやって殺してもいいってこと・・・・・・?(暴論)