アルア=ゾルディック   作:セイヘキ ✕ ト ✕ ソウサク

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※11/13 後半を中心に、少し修正して話を追加しました。






注意!こちらは連続投稿の2話目です!!


ぜひ1話目をご覧になってからお読み下さい。




余談というか考察。長いので興味ない人は読み飛ばして。


本作ではなるべく時系列を大事にしていきたいのですが、どうしても不明なところに関しては、現在分かっているところから最低限推測していって有り得る年齢から平均をとって決めさせていただきます。

例:原作描写時、クロロは11才確定で、パクノダ10才程。サラサは9才以下。5~7才で間をとって6才とします。

根拠としては、クロロより下の年齢であるバクノダが居て、サラサの年齢がその上で最年少と言われているため。
ただあの人数の子供達の中でも最年少と言われるくらいなので、おそらくクロロと2個どころか、かなり年が離れていると思われる。
となるとだいたい3~5才下になる。
下限が5才の理由は、それ以上だと幼すぎるためという推測。
(なので明言されていない以上、実際は5才未満の可能性もありますが、原作の言動の描写的に、これくらいが違和感無いかなと)

以上を基準にした年齢として、本小説の現在はそこから遡ったものになります。

今現在のみんなの年齢が何歳なのかはこの先の展開予想に繋がってしまうため、あえて今は伏せさせていただきます。

一応作中で読んでいれば分かるようには書いていきます。


もし、あれ?これ違くない?と感じたら優しく教えてくれたら幸いです。
先の展開も、きちんと纏めながら今も書いてはいるんですが、年齢ホントに間違えやすいから.......




以上整理の為の難しい話終わりぃ!本編どうぞ。






ガクシュウ ‪✕‬ ノ ‪✕‬ ヨシュウ

 

 

 

 

 

 

教会の中を歩いていたら、なんだか普段は見ない、珍しい組み合わせに遭遇した。それは決して、いいものでは無さそうだったけど。

 

 

 

 

「だーかーらー!!ちょっと借りるだけだっつうの!!!」

 

 

 

「おい!言うこと聞けっての!おい!」

 

 

 

「なあ、いいだろ!どうせ持ってても読めないんだから」

 

 

 

「そうそう、さっさと渡すね。痛い目みたいか?」

 

 

 

なんかヤンキーみたいな奴らに絡まれている子が居ると思ってよく見れば、あの子が丁度本を取られそうになっていたし、その相手はフィンクスとフェイタンだった。

 

 

 

まだ奪われていない理由は、単純にその子が暴力を振るう相手としては躊躇われる程に幼いということと、ここが教会だからという理由でしか無いだろう。そこに具体的な優しさは存在しない。そもそも奪おうとしているのだから当たり前だけど。

 

 

 

最初にその行動に出た理由は全く不明だけど、まだ年端もいかない子に集るのは、いくら何でも同世代の子どもとして恥ずかしいからやめて欲しい。

 

 

知ってる人達が相手なのもあって───別に知らない子達であっても自分から首を突っ込みに行っていたかもしれないが───すぐさま止めに入る。

 

 

「ちょっと、2人とも止めなよ。本人が嫌がってるでしょ!」

 

 

そう、自分の中では強い語気で言ったつもりだったが……。

当の言われた本人達には全く覇気が感じられなかったのか。注意を直接受けたにも関わらず、自分達は悪くないとばかりにケロッとした反応で返してくる。

 

 

「おー、クロロ。

ちょうどいいとこに。コイツのこと説得してくれよ。全然本から手ぇー離さねぇからさ」

 

 

「んー!ダメ!フィンクス、やー!」

 

 

「面倒ね、別にムリに奪てもいいけど。大人達にガミガミ言われそう」

 

 

悪い事をしている自覚があるんだかないんだか。兎も角、このままだと可哀想なので、彼らから本を取り返そうとする。

 

 

「おいおいクロロ〜、いい子ちゃんぶってんじゃねーよォー」

 

 

「邪魔すぎ、お前舐めてるね?」

 

 

そう言われて心の中では少し怯んだが、それを臆面が無い様子で表に出さずに反抗する。

 

 

「言っとくけど、僕はやった事を撤回しないからね。こんなちっちゃい子に集った方が悪いって、そっちがわかるまで言い続けるから」

 

 

「けっ・・・・・・」

 

 

ここが教会の中だってこともあって、大人にバレるのが嫌なのか。

あるいはやはり、多少は小さい子相手に遠慮があるのか(それならそもそもやらないで欲しいけど)。今日の2人は幾分か大人しい。

何時もそうだと有難いんだけどなあ。

 

 

 

ああそうだ。どうせなら2人が驚くことを言ってみようか。そうすれば2人も本どころではなくなって、注意を逸らせるかもしれない。

 

 

「そもそも、2人は勘違いしてるみたいだけど。この子はちゃんと文字が読めてるし、意味も多少は理解してるよ」

 

 

なんて、この事実は僕も最近分かって………ん?待てよ。

これじゃあ興味の対象が本からズレても、この子が絡まれ続けることには違いないんじゃないか………?

 

 

し、しまった。やらかした。

頼むどうか気づかないでくれ………!

 

 

 

「は?マジかよ」

 

 

「信じられないね」

 

 

2人とも驚愕の表情を浮かべている。フェイタンに至っては疑いの目線を向けてきている。

それはそうだろう。僕も最初の方は勘違いや思い過ごし、気のせいだと思っていたから。

 

 

ただ、ずっと傍に居て過ごしていたから、気づけたんだ。この子の可能性に。とはいえ、流石にまだそれぞれの本の全部の内容までは分かってないみたいだけどね。

 

 

 

それでも、2人を黙らせる良い材料にはなったみたいだ。

 

 

 

「へぇ〜。意味ねえと思ってたけど、お前ちゃんと読めてたのか。それならまあ、拘るのも分からなくねえかもなぁ」

 

 

するとフィンクスは本から手を離す。ホッと一息をついた僕だったが、どうやら安心は出来ないらしい。彼は僕を一瞥した後で、こう告げた。

 

 

「おい、もし面白そうな遊び道具作れそうなすげえ方法を思いついたらオレらに教えろよ。そういう約束なら、今日の所はカンベンしてやる。オマエでもクロロでもどっちでもいいからよ」

 

 

うん。ダメだった。やっぱり本人からの興味を無くさせそうにはなかった。完全にやらかした。ごめん………

 

 

「思いついたのに来なかたらシメるね。よく覚えとく」

 

 

「じゃーな〜!」

 

 

なんとも強引な脅迫であり、対価を出してこちらにメリットがあるかのように言っているが、そもそもこれはあっちから仕掛けてきたことだ。

 

こういうのは、本で見た知識だと“マッチポンプ”と言うらしい。

 

確かにここは流星街だが、しかし秩序が無いわけじゃない。そのやり方に、僕は憤っていた。

 

 

「もう集ったりしないでね!!!」

 

「場合によるかな〜!」

 

 

そんなやり取りをして、二人は去っていった。本当にはた迷惑な2人だ。まあウボォーさん程では無いのかもしれないが。

 

 

───っと、居なくなったのを確認しながら、すぐにこの子を助け起こす。

 

 

 

「大丈夫?立てる……?」

 

 

「うん……!」

 

 

バタッ

 

 

 

ん?これは………

 

 

 

立ち上がった拍子に、本を落としてしまったために、それを拾う。

すると、先程までは気にも留めていなかった本のタイトルが目に入った。

 

 

 

「玩具作りの………本?」

 

 

「ん!おもちゃつくる!そしたらあばれんぼな子も大人しくなるよ!」

 

 

 

………驚いた。普通これくらいの子達は、「目的があって特定の本を読む」なんてことはせずに。自身が読みたいと思った本を、それも多くの場合、絵本を思いつきで読むだけだ。

 

 

 

仮に目的が玩具作りであったとしても、目的意識を持って。それも、『乱暴者な子達を大人しくさせる』なんていう合理性の為に、自分の知識習得用に読むなんて。

 

 

 

明らかに幼児の思考ではない。精神性まで鑑みると、この子は最低でも5歳児程度の思考力が既に備わっていると見てもいいだろう。

 

 

 

なんて、ことだ。恐ろしくもあるかもしれないが、それ以上に期待が高まってしまう。この子ならばこの流星街の現状に対しても、何かしら有効策を思いついてくれるのではと。

 

 

 

「………そうだね。きっと皆も喜ぶよ。おいで?あっちで僕と一緒に何か作ってみようか」

 

 

「うん!やる!クロロといっしょにやる!」

 

 

「ふふ、まあでも最初は簡単なやつからね。僕もその本読んでやり方勉強しなきゃ」

 

 

「そっか!じゃあねぇじゃあねぇ!やり方教えてあげる!クロロ嬉しい?」

 

 

「うん、ありがとう。嬉しいよ〜!ギュー」

 

 

「きゃ〜!」

 

 

ただでもそれは、現時点ではまだ早いかな。

いくら賢くても、この子はまだ3才にもなっていない。今はじっくりと、成長していくのを楽しみに待っていた方がいいだろう。

 

 

 

…………それと、危険に晒さないためにも。

 

 

この子だけじゃない。サラサ達もそうだ。

無垢な子達程狙われ易いのだから、やはり幼い子供の()()への外出と活動は制限するべきだ。

 

 

今でも制限自体はあるものの、集落があちこちに別れて点在する以上、移動の点で活動制限は合理的では無い。

 

 

その分勿論大人達も気を配ってはいるだろうが、彼らも万能ではないんだ。

それに、本当の血の繋がった家族でない以上、何処まで踏み込むかというのも難しいもので、完全に縛ってしまってはいけないという考えの人も居るんだろう。

 

 

しかし、最近のみならず、ここ数年は何かと物騒だ。

ただでさえ()()も安全とは言い難い。なるべく危険は遠ざけたいという思考になってしまうのは、当然ではないだろうか。

 

 

早急に対策案を立てて、実行する。ただしそこには、必ず大人の介入がどうしても不可欠だ。色んな面で。

 

 

もう少ししたら、僕も長老会に参加出来そうな予感がする。リゾルさんが最近、僕を見ていることが多くなった。

 

 

もしかすると、賢い子は優先的に長老会へと接触する機会が与えられるのかもしれない。ならば、これは好機(チャンス)だ。

 

 

 

この子も含めて優秀な子供たちの力を、大人と合わせられるのならば──────!

 

 

 

 

…………考えることは山積みか。

それでも、着実に一歩一歩進んでいるように、変わっていくように感じる。

この流星街に蔓延している、諦めのような雰囲気が。

 

近々変わる、そんな空気を。

 

 

 

 

 

その発端は、もしかしたら。

意外にもこの子のように、幼い子達が鍵になってくるかもしれないと。

 

 

───今日のことは、そんな予感を感じざるを得ないような出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅー………

 

 

 

あ、はろはろ〜

 

 

 

いつもの部屋からこんにちは。

 

 

どうも、ネームレスです。

 

 

 

特典を知って、最強の念能力者になろう(過言)と決意を固めたあの日から。

 

更に時間が経って4ヶ月ほど。もうかなり念の基礎はマスターしてきた。お陰で幼児の肉体でも念の修得自体は可能であることが分かったため、身体能力を阻害して悪影響を及ぼすようなことにならないように、慎重にオーラ量強化・・・・・・つまり“纏”や“練”の訓練の日々である。

 

 

以前からの方針や宣言通り、“纏”、“絶”、“練”、“凝”、“周”、“流”(“硬”や“堅”)あたりを系統別修行ができる程度までは仕上げられた。ま、完璧じゃないし独学だけどね。

 

 

見つからずにここまでやるのも大分苦労したっけな。まあ、漫画とかだと多分カットされてるだろうけども。見所無いからね・・・・・・・・・

 

 

 

それからさらに数ヶ月*1。その頃になると本を読みながら、様々な系統別の念修行をレベル1のみやれるようになる。

 

 

これならさりげなく自然に、かつ本を読んでいる間は目立たないまま行えるし、将来どの系統に目覚めても問題ない。

 

今のところ、水見式はもう出来る段階に来ているのだが、もう少し基礎を鍛えて“発”がきちんと行える状態でやろうと思っている。変な先入観で系統を偏らせるのは良くないと、直感で感じた。

 

それが本当に正しいのかは、きちんとした師匠がいないから確かめようは無いけどね。まあ、俺にとっての師匠は「HUNTER × HUNTER本誌」ってことでいいか。

 

 

 

つまりこのやり方は、効率良く言語の習得と知識の収拾、そして念の基礎を鍛えることが出来て一石三鳥なのだ。

 

 

 

そう。だから決してこれは、楽だからだとか。サボっているとかでは無いのだ。

 

念の修行楽しすぎて、もうレベル1はある程度全部の修行マスターしたけど、次に進んでないのは決してサボりではないんだ。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・と、思っていたのが今の2ヶ月前の出来事。

 

 

 

 

 

 

 

さらに現在。(つまり2才の頃から合計で、だいたい8ヶ月くらいってとこかな?)

 

 

最初は楽しかったが、なんだか最近は単調すぎて逆につまらなくなってきた。いや、本当に心の底からつまらないとまでは言わない。

念の修練なんて前世では出来なかった事なので楽しいは楽しいし。

それに一応、目に見えて自身の“念”というかオーラに違いが感じられるので、日々進歩してはいるし。

だから全く変化がない訳では無い。

 

 

ただ.......なんというか、そう。やる事が変わらないのだ。

 

 

毎日ご飯以外の暇な時間に本を読みつつ鍛錬、その繰り返し。

まだこの年なので、仕事などのやらなければいけないことはないし、かと言って常に見ておかなければいけない訳でもない為、大人が傍で見ている訳じゃない。つまり、何かイベントが起きたりもしない。

 

 

まさに平凡な日々と言うやつである。普段の俺的には願ったり叶ったりだが。人とは強欲なもので、何も起きないとそれはそれで不満が出始めるのだ。

罪深いなぁ・・・・・・

 

 

このまま進めば“発”も充分な練度で行えるだろうし。流石にもう水見式で系統の判別をやっても良い筈だ。

そこから今度はその系統を中心にして、それと両隣の系統の修行レベルをどんどん上げていけばいい。

 

 

 

我ながら順当で慎重だな。

・・・・・・まあ俺も俺で急いでいるとはいえ、本編ほど時間制限が切羽詰まってないってのもあるけど。

それにしたって悠長だ。多分俺が原作時空に飛ばされなかった理由な気がする。だってこんな奴漫画に出しても見所ないもんな。

 

 

少なくとも、強化系じゃないんだろな・・・・・

その方が色々とやりやすくて助かったんだけど。

 

 

 

ちなみにこの思考は、本を読みながら内容を理解しつつ、さらに念の修行も並行して行いながらやっている間にしている。

マルチタスクもびっくりの作業である。

 

 

幼い脳ってマジで吸収が早くて、この身体の性能も優秀*2なのかどんどんと成長していく。このペースでいけば、俺も末は大臣になれるだろう勢いである(無理)。

 

 

 

と、冗談はこの辺にして。いや、本当にこのくらいにして。

 

 

 

 

さっき巫山戯たばっかりで言うのもあれだが。

実は最近、俺は超焦っている。なんなら、焦り始めたのが遅すぎるくらいと思っている。さっきの時間制限ってやつもそれの事だ。

 

 

 

 

 

というのも・・・・・・・・・

 

 

 

 

タッタッタッ

 

 

 

 

おっと、足音が聞こえてきた。念の修行を中断し、その辺に寝っ転がりながらお菓子を食べる体勢になる。大分幼児のフリも板に付いてきたな。いずれは常に修行しつつフリを出来るようにしたい。あとは“絶”をマスターして、念の使い手にもバレないようにしないとな。

 

 

 

 

タッタッタッ

 

 

 

 

ふー、あぶない危ない。

もうどっか行ったらしい。ここに来てたわけじゃなかったか。

いやー最近は来客が多くってね。他人の目を欺くのも一苦労ですよ。

 

 

 

 

っとそういえば、そろそろ時間的に誰かが様子を見に来る頃だ。

最近は俺がクロロやパクノダに懐いているのが知れ渡っているのか、よくその2人が来る。

 

 

彼らが来れない時は推定劇団メンバーか、少し成長している原作では登場しなかった子供達や、手の空いた大人などが来ている。

 

 

俺としては劇団メンバーとコミュを取っておきたい気持ちもあるが、流星街を知っておくには他の子供たちや大人達の情報も欠かせない。

早く自分であちこちへ情報収集しても問題無い年齢にまで育ちたいところだ。

 

 

 

ああ・・・・・・しかし。いや、でもな・・・・・・

 

 

 

実はそこに至るまでで新たな問題・・・・・・というか、流星街の全部を通して最大の問題が存在する。

 

 

 

それが、サラサに関する人攫い屑共の事件である。

 

 

 

ここに来てから、俺は勿論サラサにも会っている。原作では最年少なこともあってか、どうやらありがたいことに年下の俺が大層気に入ったらしく、お姉ちゃんぶっているのを他の大人や子供達に微笑ましい目で見られていた。

 

 

・・・・・・ぶっちゃけて言うと。

 

 

俺としても、もう既に流星街の人達には大分情が湧いてしまっているため、何としてもあの事件を防ぎたいと思っている所存なのだが。

 

如何せんその為の手段が乏しいのが現状である。

 

 

 

まず、目下最大の俺自身が使える手段として“念”があるが、これを活かそうとするのは大分厳しいものになる。

 

 

というのも。現在は“纏”を覚えて、“絶”の感覚をほぼ掴んでいる状況な訳だが、“錬”と“発”は未だ遠い。

 

 

そして偶然こないだ目撃したカレンダーを確認してみれば、何ともう既に『1983年』であった。

俺の記憶が正しければ、丁度1年後の『1984年』頃にはサラサが例の事件によって死亡してしまうことになる。

 

 

あ、ちなみに今の時点でクロロは10才。俺は推定2才。サラサは推定5才、ということまで把握出来ている。他は正確な推測が出来ないので一旦保留で。

思ったより原作時期が近いことを、こうして並べると実感する。猶予は幾許も無いようだ。

 

 

と、話を戻して。

とにかく、そんなことにはさせまいと息巻いたはいいが、まだ力も知恵もない幼児(ということになっている)の俺では、本当にどうしようも無いに等しい。

 

 

やはり多少無理やりでも神童ムーブをするしかないか。と判明当初は投げやりな感じだったが、少なくとも他の手段が無いわけではない。

諦めるなと奮起し、当面は作戦立案に方針を固めていた。お陰で、多少は成果が出たと思っている。

 

 

 

つまり………

まず先にそれらの『他の手段』を試し、本当にそれがダメなら神童ムーブ。それでもダメならやけくそ念能力でなんとかなれーっ!をするしか無い。という結論の流れにまで一旦は落ち着いた。

 

 

 

うーん。

こう上げてみて振り返ると、なんとも頼りない。しかし、今俺に取れる手段などこんなものなのだ。

幼児の体が憎い・・・・・・・・・

 

 

 

 

気を取り直してと。

では具体的な手段はどうするか。上で言った後半二つは置いておいて、前半の『他の手段について』を考えてみた。

 

 

 

ということで。具体的に今は3つ程案が浮かんでいるんだが。

 

 

 

他の手段まず1つ目は、クロロ達を利用する事だ。

というかまあ、これに関してはもう既に半分実行済みなのだが・・・

 

 

順を追って話そう。

 

 

究極クロロ達の行動さえ変えれば、サラサが被害に遭うことは無くなる。他の子供達は助けられないが、まあそれは結構前からそうなのでもうどうしようも無い。

 

 

 

最近の不穏な噂は、流星街に居れば嫌でも耳にするだろう。俺としても、情報収集の傍ら。不幸な(そういう)話を聞くことはあった。

なんともまあ、やるせないものだ。

 

 

………うん。言いたいことは分かる。さっきあんなこと言っておきながら、サラサ以外は見捨てるのか?というのは。

しかし、考えてもみて欲しい。

 

 

つい最近ようやくはっきりと意思表示が出来るようになったばかりの俺では、対策のたの字も提案出来ないのだ。言い訳でしかない、というのは、俺も解っている。

 

 

だがクロロですら、原作の11才というタイミングで呼ばれたのだから。こないだまでまともに言葉を話せなかった幼児が、長老会に呼ばれるなど夢のまた夢である。俺だって、何度やるせない気持ちになったか。

 

 

しかし、それは裏を返せば。

原作通りであれば、そろそろクロロが長老会に呼ばれるということでもある。そう、呼ばれるのだ。

 

 

案の定クロロは流星街には見合わない賢い子として、周囲からかなりの評判のようだ。ならば、彼はそのまま劇団の興行の事を込みで長老会に参加して、色々と方針決めにも参加したりするのだろう。

 

 

・・・・・・と思っていたのが2ヶ月前。実は、ちょこちょこクロロとは以前からやり取りしており、それは今でも変わらない。

 

 

しかし、驚きなのが。

クロロはもう既に、長老会に参加していたのだ。

 

 

何の因果か・・・・・・っていうか多分俺のせいだが。

原作よりも1年ほど早い時期に、クロロが長老達と関わっているというのを本人から聞いた。

 

 

え?なんでそんな事聞けたのかって?

 

 

・・・・・・さあ⋯⋯⋯なんででしょうね?

 

 

ともかく、原作よりも早くクロロが長老会に参加できた。これは朗報だ。

 

ならばここで俺がクロロに色々提案して、防衛面等を改善してもらえば、もしかすると原作の未来と結果が変わる可能性がある。

 

 

そうすれば、全員とはいかずとも。原作よりも助けられる子はきっと多くなる筈なのだ。

 

 

 

ただ、これはあくまで長期的な改善策であり。今すぐ問題を根本的から解決する糸口には、残念ながらなり得ない。あくまで、「いずれは解決する見込みが出来た」というだけだ。

 

 

 

もちろん、もっとグイグイ()という存在を押し出して、段階を早めることは可能だろう。

 

 

軋轢を避けていると言われればそれ迄だが、しかし。

 

 

俺という「特異性を持つ子供」のカードを、そう無闇矢鱈に切るべきではない。

最大効率で、より多くの人間を助けられる絶好のタイミングまでは、大人しく策を練って静かにしておくべきなのだ。

 

 

これの懸念点はクロロ達には正体がバレそうなのと(てかもうクロロにはバレてたりする?・・・・・・まだバレてない・・・・・・よな?)、将来幻影旅団が生まれなくなりそうということであるが、そんなものは知ったことでは無い。

 

 

俺はもう彼らに絆されてしまっているのだから、そこに妥協は存在しないのである。

原作の幻影旅団ファンよ、悪く思うなよ。ククク・・・・・・

 

 

 

 

話を戻して2つ目だが、これはレンコや野良の流星街の念能力者に弟子入りするという方法である。

 

 

これなら俺一人で鍛錬するよりよっぽど効率的だし、何より本人達とのコネクションが出来る。

 

彼らが強いかは現状では定かでは無い。が、あの悪人どもが念能力者では無いのなら。

レンコのような念能力者か、あるいは念を覚えた流星街の住民の手によって、物理的に葬れる可能性がある。

 

 

 

要は俺自身が危険を冒すよりよっぽど合理的なやり方なのだ。

 

まあ本人達が協力してくれるのかということと、そもそもキャラの性質的に、まだ2歳でペラペラ喋るような人外染みた幼児を信用してくれるのか、という課題はあるが。

 

 

どうしようも無くなれば、彼らには転生の事を話すことも視野に入れていこう。

 

 

どうせクロロ達にはいずれ多分バレるのだ*3

遅かれ早かれの違いである。

 

 

あと、2つ目には大きな問題がもう1つある。

それはそもそも、レンコを含めた念能力者(そんなやつら)、どうやって見つけんだよ問題である。

 

 

俺の活動範囲はわざわざ語るまでもなく、そもそも俺の活動範囲なんてまだこの子供部屋と食堂。

よくて赤ちゃん部屋やらと、長老?らしき人物の応対を神父さんと一緒にした応接室くらいだろうか。

あとはその他の生活に必要な、トイレなどのエリアしか無い。

 

 

詰まるところ、なんちゃら谷をバスで行く。なんて芸当はまず無理なのである。誰かに着いてきてもらうか、代わりに行って貰うならば話は別だが。

とはいえ、やはりそれには“念”について説明する必要があるだろう。

 

 

申し訳ないが、俺は自分のことを本気で天才だとは思っていないので、幼児のたどたどしい語彙内で彼らを上手く説得出来る自信が無いのだ。すまぬ。

また、何やかんや言っているが。俺も結局は念のプロという訳では無いので、変な説明が広がって。無闇に念という力が広まるのを恐れているのだ。

流星街には割かしいい人達が多いとはいえ、悪人が全く居ない訳でもないのでね。

 

 

そして唯一居所がわかっているレンコにすらコネクションが無いため、現状では彼女に会うことすら不能。であれば他のよく知らない人はもっと無理だろう。長老に頼むのも、結局今までの話通り待つしかない。

 

 

 

ハンター協会に助けは・・・・・・無理だろうなぁ。

 

 

出来たらとっくのとうにやっているだろう、多分。

今そうじゃないってことは、そういうことなのだ。所詮は数百人の組織。いくら凄腕が沢山いるとはいえ、世界を転覆させる程にはどうやら至れないらしい。

 

 

そもそも現状のハンター協会って、ネテロ会長が居なかったら、ほぼ民間企業だからね・・・・・・。

その辺の他の企業とは隔絶した差があるっていう但し書きはつくけどさ。

 

 

 

まあその分、慈善活動をしてるハンターとかも居そうだから。

内緒で流星街とかに物資を捨てると見せ掛けて横流ししてる人は居そうだけどね。表立ってやってないだけで、そういう人が居るといいな。

 

 

とまあこういった理由があるが故に、この2つ目選択肢は1つ目と3つ目には大きく劣る。

 

 

やっぱ、自分で何とかしないとダメってことだね。

 

 

 

ということで3つ目。次が本命である。

それはサラサと攫われ候補の子達()()を連れて、俺ら自身の方が奴らから逃げるという方法である。

 

 

現状はこれと1つ目が、1番可能性があるんじゃなかろうか。

 

 

結局のところ、クロロを通しての長老会の参加も、半分くらいはクロロ自身の判断で行われている。提案する内容に関してもそうだ。スケープゴート?あるいはゴーストライターのような立ち位置である俺だが、別に俺が一時的に居なくなろうが成立するもんではあるんだよね。

 

 

だから、例え一時的に逃げたとしても、そこまで違和感は無いはずだ。

ただ、そうなるとクロロ相手にだけは絶対に誤魔化しが効かなくなるから。そこに関しては、もう堪忍するしか無いけどね。

 

 

どちらも言ってみれば、こちら側から事件の現場に近づかないという形態の作戦だが。違いとして、サラサ1人や普通の子供達を誤魔化す程ならば、言い方は悪いが「クロロ達含めた旅団メンバー全員を騙すより遥かに簡単」という点があげられる。

 

 

 

さらに、クロロ達に話すのと違って「前世バレ」をしない、という混乱を防止する策としてもそうだが。まずもって上手く誘導すれば成功率が100%というのが大きい。

 

 

 

サラサはその年のくらいの子にしては賢いが、そうは言っても結局子供の領域は越えないだろう。

 

 

 

前世では成人まで経験した俺なのだから、言葉に気をつけて説得すれば、流石に上手くいくだろうとは思いたい。

 

 

 

まだ齢5才程の子を騙すのは忍びないが、彼女達の命を守る為。

卑怯とは言うまいな。

 

 

 

懸念点としては、そもそもあの人攫いどもの発言的に()()()()()を見つけるまで帰らなそうな所か。

もしかするとその日は帰っても、未練がましく別の日にまで来て、結局歴史の修正力的に、サラサやそれに類する子供が被害に遭う可能性も捨てきれない。

 

 

 

となればここに関しては1つ目との合わせ技で、クロロを介して長老会に意見を通し、子供達の安全の為の見回り等をピンポイントの場所に敷いて貰って、次善の策を取るしかない。

 

 

 

こればっかりは例え俺が大人だろうが難しい問題だと思うので、その当時の判断で動くしかないだろう。我ながら本当に、俺は無力だ。

 

 

 

 

 

タッタッタッ.......

 

 

 

 

しかしだからこそ、前向きに燃えるというものだ。俺はもう護ると決めたのだから、今更意見を曲げはしない。これが曲がる時が来るとすれば、それはもう、何も守れなかった後であるだろうから。

 

 

 

タッタッタッ.......!!!

 

 

 

お、来たk──────

 

 

 

バタンッ!!!

 

 

 

「おーい!弟居るー!?⋯あでっ!?!?」

 

 

 

噂をすれば、であろうか。なんだか妙な事を言っているが、これはスルーした方が良いのだろうか。あとおでこをぶつけている。

 

 

 

「おとうと?」

 

 

「うん!私より年下だから弟だよ!」

 

 

「えー」

 

 

・・・・・まあ、いいか。相変わらずこの体はあまり言うことが効かないが、それでも大雑把にやりたい事は遂行できる。

 

勢い余って扉にぶつかった所を痩せ我慢しているサラサに対して、もどかしいくらい辿たどしい動きだが、近くの救急箱に入っている湿布を取り出す。

 

 

台を使うという屈辱っ....!(身長が足りねえ。)

 

 

「わー、凄いね。私なんか未だに怪我しても手当の仕方分からないのに、もう覚えたの?なんだか面白い!クロロみたい!」

 

 

なんやかんや手当をしていると、ニカっと笑った彼女の眩しい笑みが、俺の心を擽るように捉える。

 

 

「たいしたことありますけどね」

 

 

「あっ、本当は大した事ないって言うんだよー?賢くてもやっぱりまだ赤ちゃんか〜」

 

 

「むっ」

 

 

「あっ、そうだ!!!あのね!!!きいて!!!!!」

 

 

 

「⋯⋯きこえてる、うるさ」

 

 

み、耳が⋯⋯至近距離でのばくおんぱは禁止技では?

 

 

「あっ、ごめん!それでね!こないだムーイと砂集めしてたんだけど!」

 

 

「砂・・・?なに・・・?」

 

 

砂・・・?なに・・・?

 

 

「砂集め!!!ほら見て!!!ちょうきれい!!!」

 

 

「?????」

 

 

「あー、わかんないかー。やっぱりまだおこちゃまだからなー」

 

 

「っ!!!っ!!!」ポコポコ

 

 

「あははー!やめてよ、くすぐったーい!!」

 

 

あ、一応言っとくと。これは俺の意思じゃないですからね。

その証拠にオーラは出さないようにガンバって調整して加減してるんで。

こう、勝手に動くマシンのコックピットに乗ってる感じというか・・・・・・

なんかこれ言い訳しない方がいいな?多分。

 

 

 

「うーん⋯⋯⋯そうだ!!!

ねえ弟。わたしこれからムーイと秘密の場所にこの砂隠しに行くから!

来たかったら着いてきてもいいよ?とくべつに!」

 

 

「え?砂を・・・・・・?そのまま・・・・・・?

えっと・・・・・・しんぷさんとかにおこられるとおもうよ」

 

 

「あーそっかー。全然気づかなかった!おこられるのは、まずい!

じゃあどうしよう・・・?」

 

 

「・・・・・・ふくろとかに、入れたらいいんじゃないですかね」

 

 

「それだ!!!弟てんさいか!?!?」

 

 

「えてかほんとに砂のまま持ち歩いてたの・・・?

・・・・・・うわあ、ろうかやばい」

 

 

ごそこそ

 

 

 

おや、何かやっているが・・・・・・。

──────ああ、袋に砂を詰めているのか。

 

 

 

「よしっ!これで大丈夫!!!」

 

 

 

 

ボロ....ボロ....

 

 

 

・・・・・・・・・えー。一応口を紐で結んどいてやるか。

 

 

・・・・・・・・・うん、よし。

これでちっちゃい砂袋みたいになった。玩具にもお手玉とかもあるし、砂袋くらいまあ⋯⋯⋯うん。大丈夫やろ。

 

 

「おおーーー!!!!ありがとう弟よ〜!!!!!」ギュッ

 

 

「うギュッ」

 

 

 

もう一度言いますが!!!今俺操縦してないです!!!!!!!

これ不可抗力です!!!!抵抗できません!!!!!

てか無理に抵抗しようとすると殺しちゃうので、

無理です!!!!

 

 

 

「えへへー!おとうとー?」

 

 

「な、なに・・・・・・くるしいんだけど・・・・・・」

 

 

「あのねー。

 

・・・・・・ありがとう」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どういたし、まして」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・それは、何に対するお礼なんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおーーーー!!!!よっしゃ行くぞ弟ーーー!!!!」

 

 

 

ほぁ!?、?いっ、痛いっ!?腕がちぎれるわ!!!

・・・・・いや、さすがに大丈夫か。むしろ俺の方こそ念で強く握りすぎないように気をつけた方がいいな。

 

 

それはそれとして。

 

 

「いたいうでひっぱんなぁ!?!?」

 

 

「あははははははは!!!!!!!」

 

 

「あーーー!!!もう!!!!!おこられても知らないからね!!!!」

 

 

「その時は弟がなんとかして!!!!」

 

 

「やぁ!!!!!!!」

 

 

「えーーー!!???」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・ふふっ。

 

 

 

ああ、神様どうか。余計な邪魔だけはしないでくれよ。

本当に、このままで⋯⋯いいからさ。

 

 

「⋯⋯⋯ねえねえ」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「ぼくがね、みんなをたすけるの。サラサちゃんもいっしょだよ」

 

 

「そうなの?なら、私もあなたを守ってあげる!」

 

 

ありがとう。そして、約束するよ。皆を、流星街を。

悪意の脅威から護ると。そう、彼女の笑顔に誓って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────そんな今考えたら恥ずかしい台詞(願い)に。

 

 

当時を忘れないよう、今も想いを馳せている。

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued..........

 

 

*1
2~3くらい?

*2
ゾルディック家産の肉体なので、当たり前と言えば当たり前なのかもしれない

*3
まだバレてない....!まだバレてない....!たのむ....!







フェイタンの口調、訛らせるか普通の口調にするかで一生悩んでた。


これで結局、昔は普通の喋り方だったとかなったら知りません。(後でこっそり直すかも)




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