アベリオンの大蛇 ※更新停止   作:お稲荷猫

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終わりよければすべてヨシ!

 あの吸血鬼(ヴァンパイア)が何故、精神支配を受ける事になったのか。

 吸血鬼(ヴァンパイア)の放った使い魔が現地の者と接触し戦闘になった事。

 それに気づいた吸血鬼(ヴァンパイア)がその者達と戦闘となり、その過程でワールドアイテムが使用された事。

 そして、彼らはそれがワールドアイテムであるということは知らず、六大神が残した相手を支配することができる聖遺物としか認識していない事など、質問に答えながら状況を詳細にアインズへと伝える。

 

「やはり無理がある。そんな話を信じるには―――」

 

「では我の記憶を見るか?我の記憶をお主に渡すこともできるが?」

 

「そんな魔法が……。いや、ワールドエネミーであればできるのか……?」

 

「スキルの様な物だがな?それでどうするのだ、見るのか?見ないのか?」

 

 アインズは手を横に振りながら「その様子を見れば分かる」と申し出を拒否し、これまでの話に理解を示した。だが、納得はしていないようだ。

 自分の配下の者が攻撃されて簡単に許すことができない事は理解できるが、今は納得してもらうしかない。

 攻撃した以上、反撃を喰らうのは道理であり、二度と同じ事態を起こさぬように気をつければよいと。

 

「ヨルが言いたいことは分かる。だが、今後もその者達が私達に手を出すかもしれない」

 

「手は出させぬ。もし攻撃を受けたのであれば直ぐに報告に来るがよい。我はお主達『来訪者』とこの世界を調停する役だからな」

 

「というと、他のプレイヤー達にもヨルが手を貸したのか?」

 

「話の通り今のところ二人しかおらんがな?互いの目的のために協力し合う関係というのが正しい」

 

 話を終えると、少しの間をおいて「ヨルの言葉を信じよう」とアインズが頷いた。

 もし話がこじれることがあれば、ツアーとの契約を守るためにここで手を下さなければならなかったが、話が通じたことでひとまず安堵する。

 見た目は恐ろしいアンデッド、それも死の支配者(オーバーロード)だが、やはり牛頭人(ミノタウロス)と同様に中身は人間と変わりはない。

 

「お主が話の通じる者でよかったぞ。これでようやく本題へと入れる」

 

 防音の魔法を解除し、側で気絶しているロケシュを無理矢理起こさせると、地図を持ってくるように指示を出す。

 用意された地図が机の上に広げられると、アインズはその地図に思わず目を丸くした。

 

「どうだ、驚いたであろう?」

 

「これは……、この世界の地図で合っているのか?ここまで詳細な物は見たことがない」

 

 各国の都市から始まり、街道、地形、そして距離に至るまでが事細かくまとめられている。何より驚くべきことは地図がこの辺りの国家のみならず、更に東の地域まで広く描かれていることだ。

 

「この地図は我と……、そうだなお主が知る名で言えば『口だけの賢者』、そして旧友の竜と共に作り上げたものだ。まぁ、提案したのは賢者なのだが……」

 

「この地図をコピーさせてもらうことはできるだろうか?」

 

「構わんよ。ただし、これは原本のため貸し出すことはできぬ。今ここで書き写すなら構わんが」

 

「ありがたい!デミウルゴス、この地図を正確に書き写すのだ」

 

 椅子に座って居た悪魔が直ぐに返事をして、異空間から取り出した羊皮紙に書き写し始める。先ほどまで来ていた装備はどこに行ったのか、いつのまにか赤いスーツに着替えており先ほどまでの印象とは違って見える。

 

「素早いながらも正確に書き写しておるな。流石は世話人(ケアテーカー)とでも言うべきか?」

 

「そうだろう!デミウルゴスはナザリック随一の知者だからな!私も頼りにしている所だ」

 

「アインズ様に賞賛いただき、恐縮の至りです」

 

 言葉では冷静さを保っているが、尻尾は嬉しそうに大きく揺れている。その見た目からは考えられないほど、純粋な悪魔なのだろう。

 

「それでだ、この地図を用意したのはお主に自慢するためではない。我の願いを一つ聞いてもらえぬか?」

 

「要件にもよるが……、まずは話を聞かせてもらおう」

 

「一つはこの地に国家を建設するための支援だ。ここに住む亜人達は我の下で人間達とも遜色のない産業や文化を持っておる。この者達が安心して暮らせる環境を作りたいのだ。お主の話を聞くに、それだけの組織を運営しているのであれば優秀な人材がおるはず……。亜人達に知恵を授けてやってほしい」

 

「国家か……。先ほど一つ目といったな。二つ目はなんだ?」

 

「二つ目は地図を用意したのに関係があるのだが……」

 

 地図に書き記された『アベリオン丘陵』の文字をたどりながら東に手を動かし、ある一点で止まるとそこにある国を爪で指し示しながら「この国を知っておるか?」と尋ねる。

 

「確か竜王国だったか?ビーストマンの侵攻を受けていると記憶しているが」

 

「その通りだ。この国の女王とは『個人的に』仲が良くてな。賢者がいなくなってからは、関係を持つ機会も少なくなったのだが……。近頃、ビーストマンの攻撃が激しくなり、その付近にある牛頭人(ミノタウロス)の国も危ういと聞く」

 

「それらの国々を助けるために兵を出せと?」

 

「出してほしいのはそうなのだが……。あまり目立たないように支援はできないかのう?相手をゆっくりと撃退していく程度に……」

 

 アインズやその配下の者であれば、ビーストマン如きは一瞬で葬り去ることができるだろう。しかし、極端な実力行使を続けさせていてはあの牛頭人(ミノタウロス)の時と同様に、ツアーからまた苦情が寄せられることになってしまう。

 

「何か理由があるのだろうが、その理由を聞いてもいいか?」

 

「そうだのう……、お主にも関係してくることであるから予め言っておいた方が良いだろう。我も含め、この地にやってきた者達はこの世界の中では圧倒的強者であることは理解しておるな?」

 

「まぁ、そうだな。これまで出会った人間の中でも、興味がわいたのは数える程度だ」

 

「故に我等が振るう力は大きな影響を及ぼす。その行動に悪意がなかったとしても、辺り一面を傷つけ全く予想していなかった事態を引き起こすかもしれない。我等にとっても、この地に住んでいる全ての者達にもだ」

 

 この言葉をアインズだけでなく、後ろに控えている世話人(ケアテーカー)達にも聞こえるように話す。

 

 空を覆っていた雲が突如として消え失せ、周囲には太陽の光が戻った。

 しかし、白蛇の頭上だけは雲が残っており、ゆっくりと開かれた目の中で怪しく光る赤い瞳がより一層不気味に感じられる。

 アインズ達も言葉では言い表せないような威圧感に近い、不気味な感覚を全身に感じていた。

 

「だから、行動一つとっても冷静に、そして慎重にならなければならない。分かったか?」

 

「あ、あぁ。気を付ける……」

 

 アインズが冷静な態度を崩さぬよう取り繕いながら返事をするのを見て「そうか」と呟き、ニヤリと笑う。

 白蛇が話を終えるのとほぼ同時に、空を覆っていた最後の雲が四散し、再び鳥のさえずりが聞こえるようになった。

 

「そういう訳であるからな。お願いする側としては申し訳ないが、過度な戦力を送らずにうまく事を進めてほしい」

 

「……要望は分かったが、その見返りとして私は何を貰える?」

 

「それは要相談だ。我はお主が望むものを可能な限り与えることができるが、何かあるか?」

 

「そうだな……。少し部下と話をしても構わないだろうか」

 

 この申し出を拒否する必要もなく、ただ黙って頷いた。すぐにアインズはアルベドとデミウルゴスを集め、話を始める。

 今回の来訪者は随分と慎重な性格のようだ。もはや慎重を通り越して臆病と言えなくもないが……。

 

(あまり協力的ではないな……。何か刺激となる物があれば良いのだが……)

 

「ロケシュよ。『妖精』と『ミリア』は今何をしておる?」

 

「妖精達はいつもの場所にいるかと。ミリア様は鍛冶屋で作業をなさっているかと思います」

 

「ならば呼んでまいれ。客人に会わせたいとな。妖精達には心配しないようにとも伝えておくのだ」

 

「かしこまりました」

 

 こちらの用が終わるとほぼ同時にアインズ達も話を終えたのか、二人の悪魔を引き連れて机へと戻って来た。

 

「話は終わったようだな。ではそちらが必要な物を聞かせてもらおう」

 

「欲しい物は多数あるが、大きくまとめれば素材と資金だ。素材の例の一つとして、スクロールの媒体となりうる羊皮紙又はその代わりとなる素材の発見に手間取っている。それに、こちらのスクロール作成技術はユグドラシルの物と大きく異なっていた。これら素材の確保と技術の獲得に協力してほしい」

 

「技術に関しては伝手がある故何とかなるが……、素材か……。こちらの魔獣の素材では駄目なのか?」

 

「こちらの技術を使えば魔法を込めることも可能だろうが、私達の技術では低位の魔法を込める前に灰になることも多い。スクロールを安定的に生産することは難しいな」

 

「ふむ……。であればこれを試してみるがよい」

 

 アインズと同じように異空間から素材を取り出すと、机の上へと置く。

 白く光を通す程度の透明感を持ちながら、ある程度の厚身を持つ不思議な素材を前にアインズも興味を隠せない。

 

「これは何の素材だ?鱗のような模様があるが……」

 

「我の抜け殻だ」

 

「ん……?抜け殻……?」

 

「我が脱いだ皮だ。何度も言わせるな、恥ずかしいではないか」

 

 アインズは唖然とした様子を見せたが、すぐに特性によって落ち着きを取り戻す。

 そんな主人を後に、デミウルゴスが眼鏡を整えながら口を開いた。

 

「それは要するに脱皮をした後の皮と言うことでしょうか」

 

「だからそう言っておるであろう。はよう確かめるがよい」

 

 デミウルゴスは素材を手に取ると、物珍しそうに皮を見ている。

 そうまじまじと見られると恥ずかしく思えてしまうのだが……。

 

「どうだデミウルゴス。使えそうか?」

 

「一度ナザリックに持ち帰り調査してみなければ何とも……。しかし、羊皮紙の代わりにはなりそうです」

 

「そうか……。ヨル、これが使えると分かればまとまった量で欲しいのだが」

 

「それはほんの一部だ。我はおよそ50年ごとに皮を変える故、これまでの分もある程度はあるが……。古いものはあまり質が良くないかもしれぬぞ?」

 

「ならば古い物から新しい物までそれぞれサンプルが欲しい。こちらで調査してみよう」

 

「そうか、我も興味がある故、話が終わった後に持ってこさせよう。古い皮はこの地の倉庫にあるからな」

 

 この地の魔獣でない我の皮がアインズ達のスクロール作成に利用できるかどうかは、我にとっても非常に興味のあることだ。

 とりあえず、素材の面に関してはこれで何とかなるのを願うしかない。資金に関してはこれまでと同様に現物でも宝石を渡す形でも対応可能だろう。

 話がまとまりつつあったところへ、妖精とミリアを連れたロケシュが戻って来た。

 

「白蛇様、妖精とミリア様をお連れしました。妖精達は宝石の採取中であったため、手の空いたものを連れてまいりましたが」

 

「あぁ、構わん。こちらに来るのだ」

 

 天幕に入って来た妖精とミリアの姿にアインズは目を丸くした。

 その妖精はユグドラシルでは名の知れた存在であり、多くのプレイヤ―がドロップアイテムを狙って我先にと狙っていた。

 

「まさか、宝石妖精(ジュエル・フェアリー)か!?それも上位の!」

 

「やはり知っておったか。ではその特性も知っておるな?」

 

「ユグドラシルで金策の手段として利用していたからな。だが、何故ここに……」

 

「この妖精は賢者が大陸中央で発見してきたのだ。詳しく言うと懇意にしていた妖精の村の近くで発見したそうだが……」

 

 妖精はアインズの様子に驚き、思わず白蛇の後ろへと隠れた。

 発せられた狩りのオーラに生物としての直感が反応したのだ。

 

「アインズ、よもやこの妖精を殺すつもりではないだろうな?オーラが出ているぞ」

 

「ゴホン!これは失礼した……。そのようなつもりはない」

 

「だそうだ。安心するがよい」

 

 妖精は黙って頷くも、背後から出てこようとはしない。

 恥ずかしがりやというよりも、目の前のアンデッドに対する恐怖は依然として残っているのだろう。

 

「ではこの者の事も知っておるか?賢者も知らぬ存在だったのだが……」

 

「その人間は……、いや人間ではないようだな」

 

「この者は体の全てが鉱石で出来ておる。所謂、鉱物生命体とでも言うべき存在だ。元々は小さな欠片だったのだが、賢者と我でこの者に体を与えたのだ」

 

 爪で優しく髪をなでると、人間と同じように髪がなびく。

 体の全てが鉱石で出来ているのにも関わらず、驚くほどの柔軟性を持ち、言われなければ人間とほとんど変わりがないように見える。

 黒く染められた髪と宝石のように輝く黒い瞳。そして、この世界では見ないようなブレザーにネクタイを締め、黒いスカートをはいており、衣服からはみ出る肌ともいえる部分は白い粉で覆われていた。整った顔も合わさればまさに美少女だ。

 

「白蛇様、この者達は?」

 

「あの牛頭人(ミノタウロス)と同じ場所から来た者達だ。悪い者ではない」

 

「そうですか、初めまして皆様。僕はミリアと申します」

 

「言葉が喋れるのか……?」

 

「最初のころはまともに喋れなかったがな。賢者が『俺の理想の子育成計画』を掲げ熱心に世話をしたのだ。この子の容姿を決めたのもあの者だ。この体を作るためにわざわざミスリルとアダマンタイトの原石を集めてきたのだぞ?」

 

「理想の子育成計画って……。しかし、その牛頭人(ミノタウロス)のプレイヤーは何故大陸中央に?」

 

「あの者が転移したのが牛頭人(ミノタウロス)の国であったからだろう。だが、それ以上にあの者が探検を望んだからだ。我も知らぬ大陸中央に魅力を感じたのだろう」

 

 アインズは「未知への探検か……」と呟くと、どこか寂しそうな様子を見せた。

 何か思うことがあったのだろう。

 

「あの者はこの世界を楽しそうにしておったぞ?まぁ、口だけの馬鹿ではあったのだが……。それ以上に自由を謳歌したいといつも言っておった。お主もそのような生き方をしても良いのだぞ?」

 

「私は皆から託されたNPC達を守らなければならない。それに―――」

 

「この世界にいるかもしれない仲間を見つけたいならば悪い手ではないのではないか?あの牛頭人(ミノタウロス)が転移したのは牛頭人(ミノタウロス)の国、我の母が転移したのは深い海の底。お主が転移した先は沼地の南方であり、アンデッドの巣くうカッツェ平野の北方。どれも関係のある場所だ」

 

「それはつまり皆がいる可能性があるということか?」

 

「賢者ともよく話していた。この世界に訪れる者……、いやモンスターも含め、何かしら関係のある場所に転移する。であれば、お主の仲間が転移した場所も関係のある種族の地かもしれぬ。大陸中央は亜人だけでなく、様々な種族がおるからな」

 

 アインズが動揺しているのは間違いない。いや、アインズだけでなく世話人(ケアテーカー)達も少なからず、先ほどの我の話に混乱しているようだ。

 

「お主が仲間達を探したいと思うならそれをするのも良い。探検をしたいのであればするがよい。我との約束を守る限り、お主の自由を保障し続けよう。それに我の名が世界に広まれば、お主のように興味を持つ者が我の下を訪れるかもしれぬ」

 

「この地に国家ができれば、その支配者であるヨルの名も広がるか……」

 

「まあ他の手段もあるがその通りだ。しかし、あくまで協力し合うというだけだ。互いに支配下に置かれることは望まないだろう?我が支配下にある者達の安全を望むように、お主もその者達の安全を願っている。その願いを協力して守ろうではないか」

 

 アインズは振り返り、守護者達を見る。

 

(この世界蛇に逆らうことはできない……。だが、話をしてみてヨルが嘘をついている様子もない。少なくとも悪いやつではないはずだ。過去のプレイヤ―達とも協力してきたのであれば、この申し出を断る理由もないか……?)

 

 近くに控えているアルベドとデミウルゴスを見ると、おもむろに口を開く。

 

「それで皆の安全が守られるなら悪い提案ではないか……。デミウルゴス、お前はどう思う?」

 

「私はアインズ様のお決めになったことに異を唱えるつもりはありません」

 

「アルベドはどう思う」

 

「デミウルゴスと同じです。アインズ様の御心のままに……」

 

「そうか……。ヨル、先ほどの提案の全てを受け入れよう。これからよろしく頼む」

 

「そうかそうか!今日は新たな来訪者を迎える良き日だ!今後の話についてはロケシュに任せるとしよう」

 

「ではこちらはデミウルゴスを代表として送ろう。うまく話を進めてくれ」

 

 二人はそれぞれの主人に返事をすると、ロケシュの案内の下その場を離れた。

 アインズがまだ疑いを持っているのは事実だが、この世界で生きていくために必要な知識を与える事が出来たのは大きな進展だ。これまでの者と違い、プレイヤーだけではなく異種族のNPCも多いことから、関係を持たぬまま放逐しておけば危険な状態になっていたかもしれない。

 そういった点から見ても、協力し合う体制を整えながら監視をつけることができたのは安堵するところだ。

 

(これでツアーにも良い報告ができる……)

 

「アウラ、どうかしたか?」

 

「い、いえ!世界蛇(ヨルムンガンド)を初めて見たのでその……」

 

「興味がわいたか?ふむ……、ヨル。少しアウラの研究に協力してもらっても構わないか?」

 

 アウラと言うダークエルフは目を輝かせながらこちらを見ている。この視線は以前にも同じダークエルフ達から送られたことがあった。

 

「構わないぞ。乱暴な事でなければ協力しよう。お主の様なダークエルフは初めてではないからな」

 

「初めてではない……?ダークエルフが他にもいるのか?」

 

「ここから東に行ったところにダークエルフや闇小人(ダークドワーフ)が住む地域がある。知らんかったか?」

 

「他にもダークエルフが……。情報に感謝する」

 

 何気ない話だったが、アインズにとっては大きな情報のようだ。個人的にはアインズがこれまでにたどって来た冒険譚の方が興味があるのだが、今日は一先ず関係をもつにとどめておいた方が良いだろう。これから長い時間をかけて信頼関係を築いていけばいい。

 我もこのアンデッドも他の者とは違い、寿命に縛られることは無いのだから……。

 

「わぁ!すごい!固そうな見た目なのに柔らかい!」

 

「ひゃん!どこを触っておる!女の子の体をそのような手つきで触るな!」

 

「ん……?女の子?」

 

「なんだアインズ。知らなかったのか?鑑定の魔法でとっくに知っておったと思ったぞ」

 

「……あ、本当だ。ゴホン、世界蛇(ヨルムンガンド)に性別があったのか……」

 

「そうだ。お主達が我の皮をまじまじと見ていた時は恥ずかしかったぞ……。お主にそっちの気があるのではないかと思ってしまったわ」

 

 我の言葉にアインズは瞬時に沈静化が発動された。

 後ろで待機していたアルベドとシャルティアは怒りの矛先を白蛇に……向けるわけにもいかない。

 その実力差から喰ってかかることもできず、どうしようもなく地面へと拳を叩きつけている。

 

(この者達……個性的すぎる……。思った以上にいじりがいがありそうだな……)

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