ジョジョノ奇妙ナ学園ボツ案シリーズ 見たい方だけ見てください   作:エア_

2 / 5
もしDIOじゃなくて福音と戦わせたときはこうやって入ろうかなとか考えてました。

でもDIO様出すつもりだったし、でも束一人じゃ何にも出来ない、更に彼を止めるにはやっぱり承太郎しかいないと思い没に


第二章五話 銀の福音戦前までその一

 

 

束がそう叫びながら入ってきた直後、あたりは先ほどよりも静寂を強くした。それもそのはずだ。今作戦の方針が決まりそれからという所に邪魔が入れば誰だってそうなる。しかし問題を起こした本人はそんな事関係ないと笑顔のまま千冬飛びつこうとした。

 

千冬は飛んできた束にタイミングよくエルボーを腹に食らわせ、両肘を固めてそのままバックブリーカーを決めた。ジャージ姿の千冬が放ったバックブリーカーに一同唖然とする。

 

「・・・・・・それで、なんのようだ束。しょうもないことならこのままロメロスペシャルを食らわせるぞ」

 

「愛が痛いッ! 愛が! 愛がいだい!!」

 

流石にこのままの体勢でいるのは疲れるためか、束を解放すると先ほどの狼狽した態度などどこへいったのかと思わせるほど冷静な表情で未だ地に両手をついてる彼女を見下ろした。

 

「さっさとしろ。こっちは急いでいるんだ」

 

「だ、だから。紅椿が良いんだってちーちゃん。紅椿は束が作り上げた展開装甲を持つ第四世代型なんだから」

 

「・・・・・・何?」

 

承太郎だけが驚愕した表情をした。そう、実は既に周りの人間は第四世代については知らされていたのだ。

 

さて、第四世代型についての補足を入れておこう。

 

そもそもISとは本来宇宙への探索を目的としたMFS(マルチフォームスーツ)なのだが、軍事目的として転用が行われ、しまいにはスポーツの一環としてその姿を変えていった。そのことからISには自己進化プログラムが組み込まれており、その操縦者の戦闘経験に沿って自らの姿形を変える「形態移行」を搭載されている。

 

その過程の中で、IS自体の世代進化が現れたのだ。

 

兵器としての運用で作られた本来の目的から完全にそれた初期型IS「第一世代」

 

後付武装を用いて戦闘のバリエーションを多彩にする実用型IS「第二世代」

 

搭乗者の意思と接合させた特殊兵器を搭載した試作型IS「第三世代」

 

現在この三種類のISがこの世の中には存在しているのだ。学園で使っている打鉄やラファール・リヴァイブ。そしてシャルロットが使用しているそのカスタムⅡは第二世代。そしてセシリアの【ブルーティアーズ】、鈴音の【衝撃砲】ラウラの【AIC】など、精神力を酷く用いるISは第三世代の分類になる。ちなみに第一世代といえば、白騎士事件での不明ISはまさしく第一世代である。

 

では、第四世代とはいったいどのようなものをさすのだろうか。

 

第四世代の定義というものがIS業界では一部存在していた。

 

それは『装備の換装無しでの全領域・全局面展開運用能力の獲得』自律支援装備を有し、展開装甲が標準装備となっている、というものだ。

 

つまりどういうことか、それは『あらゆる戦闘場面においてその場に応じた戦闘を従来の装備だけで運用出来る能力が必要』だということ。昔の兵器を例にあげれば、銃剣なんかはその原型とも言える。近距離及び中距離に適した剣と中距離及び遠距離に適した銃をあわせた全距離をカバーした兵器。それをISで行ったのが理想型IS「第四世代」なのだ。

 

今目の前の天災は、新たな火種をこうも簡単に投げつけてきたのだった。

 

「・・・・・・てめぇ、関係者以外が入ってくるんじゃあねぇ」

 

「喋りかけるなよ暑苦しい。今まで無視決め込んでた癖に話しかけんなよ。それに生みの親である私ほど関係している人物はいないと思うんだけどね」

 

「てめぇの存在なんざ知ったことじゃあねぇんだよこのうすらとんかち。今ここでの関係者はこの旅館にISの研修に来たIS学園の人間のうち、専用機を持つ限られた人数のことを言ってんだよ。さっさっと失せろ。このスカタン」

 

承太郎と束の視線が火花を散らす。片やISの生みの親、片や現世界最強有力候補No1。互いの険悪なムードが辺り一面を覆い隠した。仮にも天才であるのに間違いがない束に頭の回転が鈍いという意味のうすたとんかちと罵れる辺り、流石は承太郎といったところじゃないだろうか。そして、そんな空気に耐えられなかったのか、それとも純粋に疑問に感じたのか、一夏がふと思い出したように声を上げた。

 

「た、束さん。承太郎のISって、俺見たく近接だけだけど、全距離に対応してるし、第三世代みたいなの必要としてないし、第二世代みたいに後付け兵器も不必要って事はつまり箒の紅椿と同じで第四世代ってことですかね?」

 

「何言ってるのいっくん。こいつのISが全方向に対応できるからって、自律支援兵器も展開装甲も持ち合わせていないから第四世代じゃないよ」

 

「そ、そう言えば私たちと2対1をした時、それぞれが相手をしてましたわよね。これで2対2(タイマン)だと仰っていましたし。自律支援はなさっていると考えてもよろしいのでは?」

 

「それに、スター・プラチナの登場自体が空条の中から展開されていってるから、実は【憑依型】って、第四世代と考えてもいいのかもしれないわね」

 

一夏と束の会話に続き、セシリアと鈴音がそう付け足した。その内容に束の顔が歪んだ。まさか自分がやっとの思いで作った完成型が既に別の人間が完成させているなどと思っても見なかったのだろうか。それともまた別の意味で驚いているのだろうか、それは彼女以外誰にも分からない。

 

「んな事どうでもいいだろうが。今の問題は、ユーロから正式な要請がオルコットに言い渡された。どこの国の代表候補ですらねぇ篠ノ乃にやらせるわけにはいかねぇだろうが」

 

しかし、当の本人の“んな事”発言に周囲の人間は流石だなぁと思った。

 

箒の件で正論を吐いた承太郎だが、そこで一夏はどうなのだと言う人間も勿論いるだろう。だが、彼は既に世界初の男性操縦者ということもあり、彼の国籍は日本ではあると同時に自由国籍を持っているのだ。そのことにより今の所属は“日本”のIS学園となる。ただ、未だに彼には言い渡されていないだけで彼の一言で好きな国に所属することが出来るのは確かだ。承太郎は既にユーロ代表という地位についており、自由国籍はジョセフとその友人のシュトロハイムの都合、何よりもパートナーのラウラとの連携の関係からドイツに在籍していた。

 

今回はヨーロッパの代表候補生及びユーロ代表で占めているこの会議に当然ヨーロッパIS委員会も口出しをしてくるというもの。自分たちを主軸にしたいというのもおかしくはない。アメリカに恩を売っておこうと考えるのは間違いじゃないからだ。だが、そこでさらに口を出したのが我等の承太郎だった。彼の権限はまさに鶴の一声と同等の権限を持っていた。その事により、いまだにヨーロッパからの主導権の譲渡は求められていない。いや、彼にいわれたのにそれをすれば二度と議会に顔向けできないだろう。なんせ【空条承太郎自身から活を入れられる】のだから。

 

「そこの奴よりかは箒ちゃんのほうが作戦の成功率は上がるに決まってんじゃん」

 

「てめぇの勝手な決まりなんざ端から興味ねぇんだよ。もし篠ノ乃が失敗した時のリスクは考えてんのか? そしてその時の尻拭いをするのが攻撃力しか持ってねぇ一夏だ。オルコットと篠ノ乃、場数は間違いなくオルコットのほうが上、なら作戦遂行率が高いのは明確だろうが。俺は態々両方(ふたり)にかけるのはごめんだね」

 

「じゃあ成功したらそのISを貰うよ。そこまで私に啖呵を切ったんだ。それくらい賭けてもらわないとね」

 

高圧的な態度を取る二人に千冬は頭を悩ませる。苦悩が続く、それはさすがの彼女にも堪えるものがあった。

 

承太郎は箒とあまり関わりを持っていない。精々放課後の自主トレ(という名の一夏の手伝い)か、あの一夜限りだ。対してセシリアのほうは専用機を持って長い上、さらには自分と一戦交えた間柄なのだ。実力も分からないつい最近専用機を貰った生娘(実践という意味で)と専用機を長く持ち、代表候補生としての責務を全うするために今まで努力を怠らなかった実力のあるエリート生。はたしてどちらを選ぶだろうか。もちろん、承太郎はセシリアを選んだ。

 

「それなら、負けた時の言い訳でも考えておくんだな。とりあえず、俺は出られねぇ。後は任せるぜ」

 

その言葉を境に、彼はその場から消え去った。それはまるで束と入れ替わるように消え、入れ替わるようにそこで先ほどまで啖呵の切りあいをしていた彼女が千冬に話を通していた。既に周りの人間など蚊帳の外。天災と現最強。その会話にあの代表候補生の皆もついてはいけなかったのだ。

 

結局、束の言い分が通り、箒が一夏とともに空を駆けたのは、承太郎が消えて数分とかからなかった。

 

 

 

 

「承太郎殿」

 

「・・・・・・どうした、ラウラ」

 

「一夏が作戦を決行しました・・・・・・箒と共に」

 

岩場にて、承太郎はまた観察をしていた。ラウラもそれを見越してからか、作戦室への収集に買って出たのだ。自分ならすぐに承太郎を見つけられる。彼を探し出せる。そう確信していたからこそ、彼女一人、岩場へと足を運んだ。

 

「作戦室にはモニターが存在します。そこで状況を見守るとの事です。行きましょう」

 

「視なくても分かるだろうが・・・・・・作戦は失敗するだろうよ」

 

手に取っている貝殻を眺め、それをスケッチする。その工程をやめない彼に、ラウラは何もいえなかった。自分自身も同じく、この作戦が成功すると思ってないのだろう。しかし、彼女は表情を変えはしなかった。

 

「それでも、どのような兵装なのかは確認できます。それなら」

 

「ここからでもスター・プラチナを使えばよく見える。お前たちの協議用とは違って俺のは完全な観測用だからな・・・・・・まぁ、このパワーで観測用なんてのも虫が良すぎるがな」

 

「先生方も心配されております。顔を出すだけでも」

 

食いつくラウラに流石の承太郎も観念したのか、いつもの口癖を呟きながら三度目の別れを岩場にいる海洋生物にした。名残惜しそうに見えるのはまず間違いない。

 

「・・・・・・あの海域はもう封鎖されてんのか?」

 

「はい、すでに撤去していられる思われます」

 

「なら今すぐ本部に戻りな。俺はあいつなの元へ行く」

 

「な!? 承太郎殿!?」

 

不意なその発言に、ラウラは対応できず、飛んでいく彼の後姿を見ていることしかできなかった。そして気がついた。彼の前後の言葉を思い出し、彼が伝えたかったことを知ったのだ。

 

「もしそうなら・・・・・・急がなくては!」

 

ラウラは本部へ駆けた。いつもよりも早く動く彼女は肉体のATPを今まで以上に使用し、エネルギーを使っていった。

 

[本部へ、こちらラウラ=ボーデヴィッヒ。教官、至急お伝えしたいことが]

 

[織斑先生だ・・・・・・それで、なんだ?]

 

[はい・・・・・・・・・・・・目標付近の海域に船がまだ残っているそうです。承太郎殿がそちらの救出のために、今飛びました]

 

[・・・・・・何?]

 

 

 

視点は、我等が承太郎へとシフトチェンジする。彼は今、海上を超高速で移動していた。紅椿が如何ほどの速さかは彼自身知らないが、今まで彼とであった人間で彼ほど機動力のあり、敏捷性に長けた存在は彼を覗いて他ないとまで言われるほどだ。それほどの速度を出して、彼は飛翔している。

 

[ジジイ、海域に船だ。回収に行くぜ?]

 

[まぁ、それでいいじゃろう。お前が海域に行く理由となるからな]

 

[そー言うことだ]

 

承太郎とスター・プラチナの速度が増した。間近で見ているものがいるとすれば、目を疑うだろう。何度か目を擦り、もう一度視ようとするだろう。

 

彼等の体がぶれたのだ。

 

速度を上げたと同時に、彼等の体は視覚的にもセンサー的にもぶれて動いた。まるでそれは光速を超えた時に起こる時間の停滞のようにも感じられる。彼等だけが、その時間を生き、その他全てを置き去りにしたように。だが、彼はその時間すらも置き去りにしたように加速した。

 

「・・・・・・ん?」

 

スター・プラチナのセンサーにISの反応を見つけた。その数は3。勿論、一夏と箒、そして暴走ISだ。

 

承太郎はすぐに周囲をセンサーで散策した。目標は船一隻。センサーに反応が少ないことから、小さな小型の漁船だと思われる。

 




時間とか一切考えてなかったものですからこうなりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。