ジョジョノ奇妙ナ学園ボツ案シリーズ 見たい方だけ見てください   作:エア_

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サブタイ通り、回想にしてすっぽかし、挙句の果てにはキャラ崩壊。



これは、深夜テンションで書いたんです。決して本物の承太郎はこんな可笑しい行動をしません


第七話~回想とかにして話をすっぽかしver

 

 

旅館からIS学園へ向かうバスに承太郎の姿があった。窓側の席に座り何も語らずに外の景色を眺めていた。少し前の方では一夏が専用機持ちと騒がしいがそんなこと今の彼には関係なかった。あの謎の男、DIOとの戦闘。束を庇っていたとは言え、あそこまで歴然の差を見せ付けられては流石の承太郎も苦虫を噛みつぶしたように顔を歪ませた。パワーは世界最高とあの千冬からも称された程の力を持つスター・プラチナをあんないとも簡単にパワー負けするとは思ってもみなかっただろう。そして最後の一瞬で近づいて来たあの動き。もしもあの時、あの男が何かに動揺せずにその手刀を自分の体に突き立てていたなら・・・・・・。

 

(俺は確実(・・)に死んでいただろうな)

 

その事実が実に気に入らなかった。彼が今まで負けた事がないからという訳ではないし、別に勝利に酔っている訳でもなかった。そう、己自身の弱さが気に入らなかったのだ。

 

彼、空条承太郎は冷静沈着な性格だが、それに這わせるように「やる時はやる」な性格も持ち合わせているのだ。冷静を芯に勇気と熱意でコーティングしたような心を持つ彼は、あの戦いの時のあの一瞬が非常に気に食わなかった。

 

もっと強ければ、後ろにいた篠ノ乃束を守りつつもDIOと互角に戦えたはずだと。ISでの差は己の技術と根性で補えたはずだと。彼は今もなおその思考を止められずにいた。

 

「承太郎殿? どうかされたんですか?」

 

不意に声をかけられた承太郎はその声のしたほうへと顔を向けた。余程彼の顔が険しくなっていたのだろうか。行き同様に帰りも隣の席に座っていたラウラが心配そうに見つめていた。一度砂浜で精神的ショックを起こして倒れたと言うのに、自分よりも承太郎を心配していた彼女に承太郎は怪訝な顔をした。そりゃあそうだ。彼女には自分の心配をして欲しいと切に願う承太郎だが、その願いは届くのだろうか。

 

「・・・・・・俺のことより、テメェは大丈夫なのか? ラウラ」

 

「はい。今のところ落ち着いていますので・・・・・・それに自分よりも承太郎殿の方が大事です」

 

「テメェはまず優先順位を真面目に直せ」

 

そんな願いは通る事無く終わってしまった。

 

小さくため息を吐いた承太郎はラウラに大丈夫だと伝えると目を瞑り、とある事を考えていた。

 

 

そう、彼が起きた時に千冬と束と三人で話したあの内容についてだった。

 

 

―回想―

 

 

「承太郎。病み上がりで悪いが、今回戦闘を行ったDIOと言う男について何か知らないか?」

 

既に日は沈み、生徒達が自分の布団にもぐり寝ている時間。承太郎はコーヒーを飲む千冬と何故かその千冬によってボロ雑巾のようになった束を前に、目を覚ました。

 

DIOと自らを呼称していた謎の男。全身を黄色と黒で身にまとい、あの灰色のナニカを操っていた存在。これまで無敗を誇っていた承太郎に唯一膝をつかせた存在。それも圧倒的な力で彼を殺す一歩手前まで行った存在。

 

「俺はあいつを知らねぇ・・・・・・だが最初あいつと対面した時、咄嗟にDIOという文字が頭の中に浮かんだ。それ以外は何も知らねぇ」

 

「そうか・・・・・・ではもう一つ聞きたい。そのDIOが使っていたIS・・・・・・肉眼では確認できないとそこに転がっている馬鹿は言った。だが承太郎、お前はハイパーセンサーを起動せずにそのISを目視していた・・・・・・違うか?」

 

「あぁ、俺の目にはハッキリ見えてたぜ。だが、ハイパーセンサーを起動してそれをみりゃあ灰色に塗りつぶされた黒い輪郭の野箆坊(のっぺらぼう)にしか見えなかった。千冬こそ分からねぇか? あの正体」

 

「残念だが、私もこいつもあのISを全く認知していないし、作りそうな奴も見当がついてない。何処で開発されたのかも知らない。唯一の手懸かりと言えば、[ISのセンサーでさえも追いつけないほどの高速移動を生身で行った]ということ。自分の事を、[太陽を克服した存在][吸血鬼]と言ったことだ。お前の祖父、ジョセフ=ジョースター殿が以前戦ったと言う[柱の男]、もしかするとそれに類似する存在かも知れない。学園に戻った際、一度連絡を取ろう」

 

今のところ、対策の術がない。その事実が三人のモチベーションを下げた。千冬と同程度の力を持つ承太郎が圧倒的な力の前に敗北した。即ちそれは今のIS界にDIOを単騎で相手取ることの出来る存在がいない事を証明しているのも同じだからだ。千冬はその事実を目の当たりにした二人に何も言う言葉が浮かばなかった。

 

束は束で、自分の所為で対等に戦えるはずだった場面を自分の所為で一方的にやられ敗北した事について酷く落ち込んでいた。千冬に承太郎が無敗のヨーロッパを背負った存在だと言うことを聞かされて余計にその落ち込みようは凄かった。

 

すると、そんな彼女の顔が気に食わなかったのか、承太郎はいつもの口癖を呟き、そして言った。

 

「篠ノ乃束。テメェが自分の所為で負けたと思ってるんなら勘違いも甚だしいってもんだぜ? 俺は本気だった。テメェが居ようが居まいが変わらねぇ。だがよ。俺は確かに本気だったが、全力じゃあない。俺のスター・プラチナを甘く見てもらっちゃあ困る」

 

立ち上がった承太郎はそのまま医務室を後にしようと歩き出した。流石の束も今の彼が危険だと言うことは分かっているのか千冬と共に制止をかけた。

 

しかし、そんな事で彼が()まるはずもない。扉の前まで行くと、二人のほうに振り向き、二人を指差し、こう述べた。

 

「あいつはこの空条承太郎が直々にぶちのめす。絶対だ」

 

それは宣言であり、誓言。これが意味するのはただ一つ。

 

[二度と敗北はしない]

 

それこそ、今の彼が不安がっている二人に送る最大限の言葉だった。

 

 

―回想終了―

 

 

「それにしても承太郎殿。お怪我のほうは大丈夫でしょうか。何やらトラブルがあったとのことですが」

 

「その事については悪いが国家機密に該当するらしいんでな、知りたいってぇなら千冬に直接聞くんだな」

 

「了解しました」

 

ふぅ、と小さくため息をつくと、承太郎は背凭れに深く座った。疲れがドッと出たのは見るからにわかる。あの戦いの後は死んだように眠っていた彼だが、やはり疲れと言うものは取れていなかったのだろう。体中の細胞を休ませるように、彼は意識を手放した。

 

今はただ、この疲れを取ることが先決であるのは間違いでないのだから。

 

 

 

 

夏休み、人々はこの言葉を聞いて喜怒哀楽的表現を数多くしている。勿論、それは空条承太郎も同じことだ。相も変わらず学ランであるのは実に彼らしい。それはもう途轍もなく彼らしいのだ。そんな彼は、本来なら実家に帰って畳の自室でゴロゴロしているはずなのだがそうはいかない。今、彼はとても積極的な行動をしていたのだ。

 

「さっさと行くぞ、刀奈」

 

「私の覚悟を返してよ承太郎(ジョータロー)!!」

 

「残念ですが生徒会長殿。承太郎殿はとても真っ直ぐな方なので私が止めても止まりません」

 

「それって所謂頑固ってやつよねぇ!? 止めてもないのに何で諦めるのよ!! やってみなきゃ分かんないでしょうが!」

 

生徒会長更識楯無の首根っこを掴んで引きずっているのだ。傍らにはラウラが控えており、すれ違う人間が等しく二度見するということがおきるほどの光景だ。それもそうだろう。【IS学園生徒会長は常に最強であれ】それがIS学園生徒会長の絶対なる条件と言っても過言ではないのだ。そんな彼女を悠々と首根っこ掴んで歩く彼の存在を、生徒達は目撃してしまったのだ。二度見してしまうのも無理はない。

 

「うわぁ~~ん! 仕事が残ってるんだから離してよぉ~!!」

 

「テメェが仕事する玉かよ。黙って連れてかれろ」

 

「副会長の布仏虚殿は『どうせ仕事をしないからかまいません』とのことです。良かったですね。生徒会長殿」

 

「悪意がある! うちの生徒会に悪意があるぅうううううう!!」

 

普段見られない光景がそこには存在した。女生徒の首根っこを引っ張る長身でがたいがとても良い見た目不良が、見た目小学校高学年の少女を控えさせて歩いているのだ。完全に誘拐現場と間違われるだろう。

 

着いたのはアリーナ。それもいつも彼等が訓練をしている第3アリーナであった。楯無を放り入れ承太郎も下を確認し、アリーナ内に降りた。開放された彼女は尻餅をつきながら悪態をついた。

 

「流石の私でもこの高さから落とされたら死ぬわよ!!」

 

「IS起動してんだから死んでねぇだろうが」

 

「では承太郎殿。何をするのか説明をお願いしてもよろしいですか? 流石に何をするのか理解していないと、身構えてしまいます」

 

「え? 何するかも教えてもらわなかったのについてきたの? この子大丈夫!? 将来が非常に心配だわ」

 

 


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