黄金世代の白雪姫   作:サリエリキキ

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 感想、評価付け、ここすき、皆さんありがとうございます。 


 トウカイステージ編でディープスカイの種要らねえと言われたのは、半分はウオダスにボコボコにされたのと、半分は同世代にコイツが居たからです




ホワイトグリント産駒列伝~ウィンターウィーク~
ホワイトグリント産駒列伝~ウィンターウィーク~①


 ウィンターウィーク(ホワイトグリント05牡)

 

 

 

 ~白い雪の王者~

 

 JRA『ヒーロー列伝コレクション』より

 

 

 

 

 ホワイトグリント四番目の子。父はスペシャルウィーク。ホワイトグリントには珍しく、サンデーサイレンスの系譜を付けた形となった。

 これは、ホワイトグリントに勝った馬を優先して旦那にするという宣言に従ったのと──種付けした2004年の時はキングカメハメハがダービー制覇したこともあり「トニービンもブライアンズタイムも居るし、リーディング10位にサンデー系は三頭だけだ。大丈夫さ。今さらセントサイモンの悲劇もあるまい。てか、サンデー系譜やキンカメの値段が高いのが問題だ。安価で良い馬だしてくれるキングヘイローは良いよ素敵」という温い認識を生産界が抱いていたからである。

 デビューする三年後にはリーディング10位以内に六頭サンデー系が制して「サンデー系牝馬の種付けする相手が居なくなる!?」という危機感な状況になると読んで対処していたのは──サンデー系種牡馬の儲けで海外繁殖馬を買う自転車操業をしていた社大を始めとする極一部だったのが歴史が証明する皮肉である。

 

 ホワイトグリント種付け映像には、警戒心増々で現れたスペシャルウィークがホワイトグリントを見た途端「ヒッヒーン!!??」と咆哮し、ダッシュでのしかかってから何時も通りに噛み付いて白毛を血の朱に染めていく映像が収められている。

 

 あまりにもショッキングだが、愛の光景である。

 

 マゾヒストであるホワイトグリントにたいして、スペシャルウィークは正しいことをしたのだ

 そして、普段から交配時に牝馬に噛み付くため、お相手に首当てを用意される嫌われものだったスペシャルウィークが、首当てしないで噛み付くことを喜んでくれるホワイトグリントの愛によって救われる。

 

 そんな尊い愛の光景である。

 

 約一年半後、白毛の幼駒を含めた幼駒たちと一緒に歩くオグリキャップの姿が流される。

 

 乳離れした幼駒らしく、母を求めて泣き叫んでいた当時チーと呼ばれていたウィンターウィークを含めた北野牧場産駒たち。

 そんな彼らの元に、幼駒が飛び越えるのは戸惑う高さの柵を易々と飛び越えたオグリキャップがやってきて、幼駒たちが纏わりつき落ち着くと、再び柵を飛び越えるオグリキャップに続いて飛び越え群れへと案内されることで、アッサリと乳離れを終える。

 他の生産者に「ふざけんな! そんな手軽に完璧にすんな! ずるいぞ!」と怒号された北野牧場特有の光景だった。

 

 他の幼駒が何度か飛び越えるのに失敗するなか、ただ一頭一度で成功したウィンターウィーク。

 その光景を見ていた臼井調教師が「預託してくれるまで帰らない」という座り込み誠心誠意の頼み込みを2日間続けた結果、沙藤騎手を主戦という条件で臼井厩舎に入厩となった。

 

 

 

 …………ホワイトグリント産駒を語るスレ(2026)より抜粋

 

 :白雪姫同盟

 贅沢に回さず馬にカネ回す社大を悪く書いていないことも良いが、やはり2022年の春以降に書かれた文書は良い。ホワイトグリントをマゾとして書けている

 

 :白雪姫同盟

 三月にばらしたからね。冬アニメの12話で

 

 :白雪姫同盟

 そして死ぬホワイトグリントブランド。白雪姫イメージで衣装やアクセサリー作っていた所にドマゾ明かされたら死ぬわな

 

 :白雪姫同盟

 なお、本来の意味というか北野オーナーが許可した馬のホワイトグリントグッズは売れに売れた。

 

 :白雪姫同盟

 競馬場で「ドマゾのお孫さんサディストと一緒にがんばれー! マゾにされないでねー!」が轟いて、乗ってるサトテツが苦笑してたなあ

 

 :白雪姫同盟

 あのカミングアウト以来、サトテツへの依頼というかお手馬を預ける馬主と調教師が増えたのが吹く

 

 :白雪姫同盟

「コイツをマゾヒストにしてくれ。マゾヒストに出来なくともお前のサディスティックで屈伏させ、レースをマトモに走れるようにしてくれ」気性難というかレースをマトモに走れない気性の馬を預けられてたな

 

 :白雪姫同盟

 ヤンチャだったカムニャックちゃん「何故っ! どうしてっ! 優しい川他さんどこっ! こんなサディストがっ! ……あっ、でも、気持ち、いいっ」

 

 :白雪姫同盟

 マゾヒストとしてしつけられ、去年の秋華賞以降は二度とゲートで暴れることがなくなったなあ

 

 :白雪姫同盟

 川他「僕から沙藤さんに乗り替わりになった馬に「助けて」という目で見られる度に己の不甲斐なさを痛感し、2週間もすると調教され屈伏している姿を見て己の足りなさを認識し、先輩への畏敬の念を更新している……俺には出来ねえよあんなん。特に鞭」

 

 :白雪姫同盟

 川他はそのままでいてね。真似しちゃ駄目

 

 :白雪姫同盟

 サトテツの鞭打ちは芸術的にサディスティックな苦痛に満ちとるからな。暴れかけた馬が一発で大人しくなるくらい

 昨日より今日の鞭打ちに苦痛が無いと絶望するドマゾで鍛えられた。

 

 :白雪姫同盟

 ウィンターウィークはマゾではないけど、母親のホワイトグリントのドマゾっぷりはよう。

 

 :白雪姫同盟

「より揺るぎない愛を手に入れました」byゲームでホワグリクリ後の??? 

 

 :白雪姫同盟

 オグリの中の人っ

 

 :白雪姫同盟

「え? ドマゾの馬って普通じゃないんですか? 私は苦痛が気持ちよくて仕方ないけど、それを表に出さないようにしている。と演技指導されただけで」新人のホワグリの中の人との差よ

 

 :白雪姫同盟

 ホワグリの中の人は、ホワグリが現役時に産まれた子だからなあ。グッズ持っていても実馬を知らねえのが功を奏した。

 

 :白雪姫同盟

 ああ、そうだったんだ。と今までの謎が埋まっていく

 

 :白雪姫同盟

 交配時に首筋を噛むため、牝馬だけでなく牡馬にすら嫌われものだったから荒みに荒んだスペシャルウィークは漸く肯定されたのだ。

 ドマゾによって。

 

 :白雪姫同盟

 人間に育てられたから馬社会に溶け込めない自分以上の異常によって「あ、ボク普通だ」と素になった。が一番可能性高いらしいな。

 

 :白雪姫同盟

 真実は馬だけが知るのだ。

 

 :白雪姫同盟

 ゲームで、トレーナーにサディストゲージなんていうホワイトグリント専用システムを搭載させたドマゾは違うっ

 

 :白雪姫同盟

 しかし、臼井最強よくウィンターウィーク手に入れたな。他の調教師と争わずに、ホワイトグリント産駒が手に入るなんて信じられん。

 

 :白雪姫同盟

 乳離れした2005年の10月頃はまだマシだったんだわ。姉貴のホワイトスノーが丁度三冠牝馬になったけど、バレンティアは手頃な重賞なかったからまだオープン馬だったし、トウカイステージはまだデビュー戦前だった。

 だから、まだマシな時期。

 争うようになったのは、2006年の2月にライトニングSでテイクオーバーターゲットぶちのめして、バレンティアが三歳の身で初G1初重賞を海外制覇した頃辺りかなあ

 

 :白雪姫同盟

 いや、その頃は大丈夫だった。産まれたばかりのビャクウンを中央の調教師がみんな見に行って預託してもらえないか探ったくらいだ。

 初子から二頭続けてG1馬出した頃だから、その程度ですんだ。

 トウカイステージが三冠取った次の年、バレンティアが全戦全勝のパーフェクトホースとして、試しの距離延長のフェブラリーSも勝って、ラストランの高松宮記念を蹂躙して号泣する大里に送られながら引退した頃から争いが始まった。

 

 :白雪姫同盟

 2008年、後のアリスワンダーが産まれた年か

 

 :白雪姫同盟

 うむ、誕生からしばらくは献上を発表してなかったからな。

 発表した後は、競走馬にする予定ないということで調教師が去っていった

 後に「競走馬にしましょう」とお手紙書く臼井最強も。

 

 :白雪姫同盟

 この頃は平和だったんだなあ

 

 

 

 

 6月初戦の芝に出走してブービーで大敗したウィンターウィーク。

 だが、陣営は焦らなかった。

 調教師と騎手が断言したとおり、どう見てもダート馬なのがウィンターウィークなのだから。

 トウカイステージがクラシックを制したことに、牡馬クラシック走らせたいという欲望を刺激された北野オーナーのたっての頼みで芝を走ったのだった。

 駄目なら仕方ない。とカラリと笑った北野オーナー。

 7月の未勝利ダートレースを圧勝したウィンターウィークを笑顔で撫でながら

 

「よし、アメリカ牡馬クラシックいこう」と言い放ったのである

 

 騎手も調教師も場長も、いや陣営の誰もが一切反対しなかったため、アメリカに渡航。

 環境適応力を一時期心配されたが、ニンニク味噌付ければアメリカの野菜だろうが食らいつくすウィンターウィークは半月もせずに適応。

 9月15日ベルモントパーク競馬場で行われた昨年G1になったばかりのフューチュリティステークスを圧勝した。

 

《サンデーサイレンスの孫にしてオグリキャップの孫にしてスペシャルウィークとホワイトグリントの子がアメリカに帰ってきた!》と実況に絶叫されたのである。

 当然、沢山のファンが出来、気性が良いウィンターウィークはファンサービスもバッチリなため更に人気を集めた。

 

 因みに沙藤騎手がやったアイハブリターンは、「マッカーサーの黒歴史をアメリカのニューヨークでする日本人の見事な皮肉」「アイシャルリターンと昔言わなかったのは慈悲」「そもそも遅えよ」と散々な評価だった。

 

 

 

 

 …………ホワイトグリント産駒を語るスレ(2026)より抜粋

 

 :白雪姫同盟

 なんでマッカーサーしたんサトテツ

 

 :白雪姫同盟

 1944の頃は本流から外れ始めていたマッカーサーの黒歴史を。わざわざアメリカはニューヨークで。

 タッケに呼び出された焼肉屋でOB含めた先輩騎手全員に囲まれても、「俺の可愛い可愛いドマゾを譲れるわけないでしょうが」一歩も引かなかったテツはどこ? 

 

 :白雪姫同盟

 極東委員会ならともかくGHQだからなマッカーサー。ぶっちゃけ左遷されてた。

 

 :白雪姫同盟

 当時のアメリカの本流通ってたら、アイゼンハワーか少なくともニミッツみたく本国で出世しとるからな。そんな奴が政争に負けた頃のセリフ使ったのは、アメリカ人が受け止めたとおり皮肉か? 

 

 :白雪姫同盟

 やはり知らなかっただけなんじゃね。私は帰ってきた。を直訳したら偶然マッカーサーの黒歴史だっただけで。

 

 :白雪姫同盟

 まあ、サトテツが語らんというか黒歴史扱いしてるから良い

 しかし、懐かしいな。

 まだウィンターウィークを日本馬扱いしてくれてた。

 

 :白雪姫同盟

 ああ、アメリカ人が偉大な挑戦者扱いしてくれた貴い頃だ

 

 

 

 

 

 

 次走、2007年10月27日。モンマスパーク競馬場はブリーダーズカップ・ジュヴェナイルにて、ウィンターウィークは躍進する

 

《ウォーパス! ウォーパス逃げきるか! 押し切るか──白だ! 純白だ! 他が止まっているかのような脚でウィンターウィーク! ウィンターウィークが差した! 抜かした! 差を広げる! 差を広げる! 四馬身差でウィンターウィーク! 

 強い! とてつもなく強い! これは! これはあり得る! 1978年のアファームド以来があり得る!!!》

 

 BC勝利後、アメリカの沢山のファンと触れ合い涙ながらの見送りをしてもらいながら、日本に帰国して検疫を終えた後は北野牧場で休みに入って訪れた日本の沢山のファンへのサービス生活に入ったウィンターウィーク。

 日米二歳最優秀馬に選ばれた彼は、自分や母ホワイトグリントたちに会いに来る沙藤騎手に母より先に真っ先に駆け付ける姿を見せる。

 困ったなあ可愛いなあと、ホッコリする母が見守るなか乗ってもらった沙藤騎手に遊び倒して貰うのだった。

こういう母性溢れるところを母親になってから沢山見せたから、引退後もドマゾだと知られなかったんだよなあホワイトグリント。母性でドマゾを隠しやがった。そういうところも大好きだ

 

 オーナーと調教師が、次戦どうしようと頭を悩ませているのを知らずに。

 

 先ず、日本のレースは論外だった。後の中央重賞レースをステップレースにして遠征するフォーエバーヤングたちとは違い、この頃の日本競馬には春に3歳牡馬が出れるダート重賞が無かった。

「あんな馬が! ホワイトグリント産駒の白馬が! 客を呼べる馬が! 日本のレース走れないなんて!」とJRAが悲鳴を上げて、当時のヒヤシンスステークスや昇竜ステークスを重賞にしたのは、ウィンターウィークの大活躍後なのだから当然ではある。

 そのため、3歳牡ダート馬が走れるのはオープン戦だけなのだが。

 オープン戦ならば斤量が60kgを越えてしまうため、馬の為にも走らせる訳にはいかなかった。

 ドバイはUAEダービーを一時期検討した陣営だが、アメリカ競馬界の「クラシック走るなら早くからステイツで身体を慣らすべき、滞在費はこっちで持つから」という有難い一言に2月にはアメリカに渡った。

 去年と同じく、ニンニク味噌を付けた食べ物により半月もしたら適応。

 サンタアニタはG1サンフェリペSを勝利、G1・3勝馬としてアメリカクラシックに挑む。

 

 

 

 

 最初のケンタッキーダービー。16万人というチャーチルダウンズ史上初めての観客はずっと白馬を、唯一居る白馬をその眼で追った。

 

《先頭はウィンター! ウィンターウィーク! 抜け出した! 抜け出した! 完全に抜けた! 

 さあ~そして、外から、外から来た! 外から20番のビッグブラウン! ビッグブラウンだ! 

 ビッグブラウン! 20番の外枠ビッグブラウン!

 だが広がる! さらに差が広がる! 

 勝ったのはウィンターウィーク! 

 ケンタッキーダービー史上初めて制した! 白馬が制した! 

 サンデーサイレンスの孫の白馬だ! オグリキャップの孫の白馬だ! 

 ウィンターウィークだ! 

 勝ったのはウィンターウィークだ! 

 ウィンターウィーク圧勝! ウィンターウィーク圧勝! そして2着にビッグブラウン! 

 サンデーサイレンスとオグリキャップの孫だ! スペシャルウィークとホワイトグリントの子だ! やはり強い! ウィンターウィークは強かった! 

 おそるべし日本から来たウィンターウィーク! まずは1冠!》

 

 

 三馬身差の圧勝。あまりの偉業に日本のファンは絶叫し、指を一本立てながら沙藤騎手は絶叫し、臼井調教師はウィンターウィークを思い切り抱きしめて肩を震わせた。

 誰もが祝福した。「短いスパンの三冠レース最初のレースであれだけ馬に負担をかける騎乗をするとは、皆さんと違って僕は称賛できないですね」と苦笑いした父の主戦もその偉業を認めた。

 次走は二週間後のプリークネスステークス。

 出走間隔の短いアメリカクラシック。その疲労で未だ若い三歳馬は力を発揮できず、プリークネスステークスから走る馬が制することが多い。

 果たしてウィンターウィークはどうなるのか。

 そんな疑問と不安を抱く人々は──祖父そして母親譲りのタフさが、出走間隔の短いアメリカクラシックでどれ程の意味を持つかを知る。

 

 

 

 

《残り2ハロン! まもなくピムリコの直線! ここから直線だ! 直線だ!! さあウィンターウィークくるか! 

 ビッグブラウンからウィンターウィーク! ここで先頭に立った! ウィン先頭か! 

 外のほうからマッチョアゲインもやってきている! 内のほうからビッグブラウンが立て直そうとしている! 

 だが! 残り1ハロン! ウィン先頭! ウィンターウィーク先頭! 

 ビッグブラウン! マッチョアゲインがきている! 

 しかし先頭はウィンターウィーク! ウィンターウィーク先頭! 白馬が先頭! 

 これは完勝だ! ウィンターウィーク誰も追い付けない! 一人旅! ちぎった! ちぎった! ちぎった! 

 完勝だ!! 2冠達成した! 2着にマッチョアゲイン! ウィンターウィークやりました! 

 サトテツ、左手を上げた!

 強い! 強い! 強い! 一頭だけ違う! 

 タフさが違う! スピードが違う! パワーが違う! 強い! 本当に強いウィンターウィーク!》

 

 

 五馬身差の圧勝。

 社台代表吉沢氏が号泣する北野牧場場長錦田を抱きしめながら号泣し、二本指を立てた沙藤騎手が肩を震わせ、臼井調教師と北野オーナーが抱き合いながら咽び泣いた。

 日本ではお祭り騒ぎだった。「ボクに依頼というか。こう、話さえなかったのはどういうことなのかなと。人として間違ってないかなと」と半眼な父の鞍上含めてその偉大さを認めた。

 だから気付かなかった。

 この時、アメリカの実況が日本からの挑戦者だということを言わなかった意味を

 

 

 

 

《間違いない! 間違いない! 30年ぶり、30年ぶりの3冠馬! アファームドと同じくネイティブダンサーの血を引いた三冠馬! 

 制覇することは間違いない! 

 ウィンターウィーク! そして2着はビッグブラウンで堅そうだ! ウィンターウィーク! ウィンターウィーク! 30年ぶりのアメリカ三冠馬~! 

 史上12頭目の3冠馬! 史上12頭目の三冠馬! ヘイルトゥリーズン系初めての三冠馬! 30年ぶり! アファームド以来の三冠馬! 

 白馬だ! 白馬がアメリカ三冠馬になった。

 サンデーサイレンスとオグリキャップの孫にして! スペシャルウィークとホワイトグリントの息子だ! 

 何という! 何という偉大な記録! 

 ミスプロを経由していないネイティブダンサー系の血! 売り飛ばされたサンデーサイレンスの血! クラシックではまず見かけない血統! そんな白馬! 

 蔑まれ価値無しと見捨てられていた血が! 白馬が! 今! アメリカンドリームを掴みました! 

 まさにアメリカの誇り! アメリカ馬とはかくあれたし! ウィンターウィーク! 

 ベルモントパーク、ウィンコール!》

 

 

 ナリタブライアンみたいだ。

 ケンタッキーダービーで三馬身。プリークネスステークスで五馬身。ベルモントステークスで八馬身。それだけの差をつけてアメリカクラシック三冠馬となったウィンターウィークを、日本のファンたちはそう呼んだ。

 彼は全盛期のナリタブライアンの再来だと。

 日本の競馬ファンたちは、否、飲んで踊って狂喜する日本競馬界は、そんなウィンターウィークがこれからどのような走りをするのか胸を期待で膨らませていた。

 

 

 

 ウィン! ウィン! 

 

 24万人。ベルモントパーク競馬場史上最多の観客数。

 

 ウィン! ウィン! 

 

 それだけの人々がその名を略した綽名をコールする。

 

 ウィン! ウィン! 

 

 ベルモントパーク競馬場史上最多の大観衆が見守るなか、アメリカクラシック三冠馬が30年ぶりにアメリカクラシックを制覇したことを喜びコールする。

 

 ウィン! ウィン! 

 

 こののち、トラヴァーズステークスをも制して、ワーラウェイ以来に67年ぶりに「スーパーフェクタ」と呼ばれる偉大な白馬の名を

 

 ウィン! ウィン! 

 

 思えば──熱狂するアメリカ競馬ファンたちは、あの競馬場でウィンコールをしたアメリカファンたちは

 

 ウィン! ウィン! 

 

 三冠を制した時には、ウィンターウィークが日本馬ではなくアメリカ馬であると確信していたのだった。




 忙しくなるので次回遅くなります
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