黄金世代の白雪姫   作:サリエリキキ

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 沢山の、感想、ここすき、高評価ありがとうございます。
 嬉しすぎて、蛇足だしもう要らないと思っていたのに、ついつい書いてしまいました。


ホワイトグリント産駒列伝~アリスワンダー~
ホワイトグリント産駒列伝~アリスワンダー~


 アリスワンダー(ホワイトグリント08牝)

 

 

 

 ~強く、速く、美しく~(JRAが付けようとした当たり障りのないヒーロー列伝)

 〜絡みつく 藤の蔦をば 踏みしめて 自由へ連れて ゆく天止雨〜(ヒーロー列伝より/詠み人今上帝)

 

 

 JRA『ヒーロー列伝コレクション』より

 

 

 

 

 

 

 認可・授与なさる国の重要書類は毎年1,200件以上

 ご覧になる宮内庁関係の文書は1,500件以上

 認証官任命式はあわせて年間40回以上

 大使・公使との挨拶と信任年間120回以上

 親電(電報)・親書(直筆お手紙)は、毎年数百通以上

 国賓の歓迎が年間50回以上

 食事を伴う行事(晩餐会、午餐会、茶会、御養蚕所の直会など)が年100回近く。

 勲章関係の拝謁はおよそ30回、褒章は10回

 直接お会いする褒章受章者は、年間15,000人以上

 1年間に直接お会いになる人の数は、褒章受章者や一般参賀を除いても、およそ50,000人以上

 宮中祭祀だけでも、儀式の数は年間400回以上

 そして、地方含めた「お出まし(行幸啓など)」40件以上。

 最近では、遂に各種イベントにオンライン出席までされるようになり、更に色々と増えてしまった。

 

 その上で、会う人の名前と簡単な経歴を頭に入れられ、儀式の練習なども行われる。

 

 さらに、これら膨大な公務の合間を縫って、ご自身の専門分野の研究も継続されておられるのだ。

 

 これが何を指しているかご存じだろうか。

 そう、陛下の年間スケジュールの抜粋である。

 これに、皇室外交や神宮での祭祀や国会への出席など様々な仕事が加わるため増えることがあっても減ることが無いスケジュールである。

 

 一年は365日しかないのに。

 

 端的に言おう、陛下には休みの日どころか休みの時間さえない、と。

 いや、お身体を壊さないようにと、強制的に調整される時間。それを休みの時間だとしている、と。

 日本で一番忙しいのは陛下だと断言しても過言ではない。

 かつて、藤原道長という魔人が呪って象徴になってから千年。高まり続けた皇室への人気により、民主化を果たした日本国民は皇室に対して純粋でそこはかとない敬意を抱くようになり「年に一回くらいは国の象徴である陛下のお顔をテレビとか越しでも見たいなあ。出来れば陛下にこのイベントに来て欲しいなあ。海外の偉い人を対応するなら日本で一番偉い陛下じゃないと失礼だよね」と一切の悪気なく望み願い認識した上で、「ここまで国民に人気のある王様に対してはまず敬意を向けなければならない」と海外の人々までもが外交の常識に従った末こうなってしまったのである。

 

 ──これが、この国の「象徴」が背負う日常である。

 

 かつて千年前に、藤原道長という魔人が敷いた「陛下に政治させないための象徴」という呪縛。

 しかし、そんな魔人ですら想像だに出来なかったに違いない。民主化を遂げた国民の「純粋な敬意」という名の善意と国際化が、これほどまでに無慈悲な過密スケジュールを陛下に強いることになるとは想像だに出来なかっただろう。

 藤原道長は、年間400回以上の宮中祭祀の儀式に加えて毎日の朝議だけ設定しただけで済ませたのだから。

 だから、泉下の魔人藤原道長ですら、「陛下を政治に関わらせ無いことで、権威を保ち中国王朝交代時の殲滅を日本で起こさないためだったのに! なんで全盛期アイドルを遥かに超える休みなしドブラック生活を強制的に一生送らせてるんだよ! これじゃ国家安寧のための生贄じゃないか! そこまでやれとは言っていない!」と青ざめドン引きするに違いない。

 

 

 この悍ましい日々は「陛下がしたい事に儀式を混ぜればいい」という前例を作った天止雨ことアリスワンダー(※宮内庁などでは「災厄の獣」「奸馬」「天の斑馬*1の化身」と呼ばれる)が出るまでは変わらなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………

 

 

 むかーしむかし

 

 

 少し前まで江戸城と呼ばれたお城に天止雨という、それはそれは美しい白馬がおったそうな。

 天止雨はお城の人達と仲良く幸せに暮らしていたそうな

 そんなある日のこと。

 お城の若旦那さんの奥さんであるお妃さまが悲しそうな顔をしているではありませんか。

 速やかに近寄りスリスリしながら慰めようとした天止雨でしたが、直前で留まります。

 馬アレルギーというものがあるお妃さまです。スリスリしてはいけないのです。

 だから、近寄ってひん(どうしたの?)と嘶くとお妃さまは悲しげに笑いました。

「自分の世話になった方が亡くなって葬儀に行きたいがいけないのだ」と。

 賢い天止雨にはピンときました。優しい大好きなご主人たちを丁重に世話しながらも酷すぎるスケジュールを押し付ける訳の分からない変な人たち(お付きの人達)。その人たちが大好きなお妃さまを困らせていると。

 そう、馬術部部長だったご主人に人を乗せて跳ぶやり方を教えてもらってから、そのままぴょいぴょい色々な所──岩や池の中の岩や木のまたなど──を跳びはねて一緒に笑い合っていた楽しい時に血相変えて止められた時や、ひん(あっちに人が沢山いる! 行こ!)と一般参賀とかいうので来ている人達の所に笑顔のご主人乗せて駆けて行き、「きゃー! 陛下ー!」「写真撮ってもいいですか!」と大歓声浴びながら一緒に写真撮っている時に悲鳴上げながら引き上げさせられたり、他にも他にも……何時も変な人達はご主人たちを困らせ、楽しい時間を終わらせるのです。

 ご主人たちに害意を持つ人に天止雨は近付かない。ご主人たちがご存じな事を変な人たちは理解してくれないのです。

 まったく、本当に変な人たちなのです。

 

 だから、決めました。

 

 自分に乗って。とアピールしました。

 少し前に馬具を付けて人を乗せ始めた天止雨は、自分に乗ると大好きなご主人たちがニコニコになると知っているのですから。

 悲しんでいる自分を、少しでも楽しませようとしている。

 そんな可愛らしい愛馬にお妃さまは微笑まれ、周りの変な人たちに乗りたいと言われました。

 周りの変な人たちは「陛下個人に学術研究目的の理由付けて馬を献上なんてするからスケジュールが乱れて乱れて……こんなことになるから皇室財産法を盾に馬の献上避けてたのに。学術研究目的・血統保存理由つけて皇室財産法をかわしながら直訴しやがって。『戦後の混乱で散逸した御料ゆかりの血統を、満州事変と同年に導入された星旗から80年もの間ずっと日本で育まれた血統を、再び皇室の牧場に戻して保存する』なんてお題目で断れるわけ無いだろうが。その上で御料牧場ではなく皇居に贈るなんてあの君側の奸が」とか何とか言いながら不承不承頷きます。

 献上された天止雨にご主人たちが乗るというのは、体面を守ることになりますので、変な人たちも断りにくいのです。

 だから、忙しすぎるご主人たちが数少ない自由を満喫せんと毎日来てくれる日々が天止雨には幸せでしかたありません。

 直ぐにお妃さまも「アマちゃんは本当に良い子ですね」とアレルギー防護乗馬服を着て乗ってくださいました。

 

 もう、こっちのものです。

 

 ──「あなたは本当に賢いわねえ」と故郷の優しいお婆ちゃんの声が聞こえます

 

 天止雨にはわかるのです。

 

 ──「そうやってヤンチャする時に目を輝かせるところ、孫のなかで一番おまえがヤンチャだな」とグルーミングしてくれたカッコいい祖父の温もりを思い出します

 

 ご主人に、人を乗せて跳ぶやり方を教えてもらった今の自分なら、このお城の塀と石垣を人を乗せて超えられると輝く瞳は見極めているのです。

 

 ──「あんまり人間さんを困らせちゃ駄目だよ」脳裏に浮かんだ大好きな母親に「今から正しくて良いことをする」と返したら「頑張れ」と笑ってくれました

 

 

 

 たたったたたたぴょいぴょいいいい

 

 

 

 疾走して天止雨は跳びました。

 リズムよくぴょんぴょん飛び跳ねます。

 もちろん、驚くお妃さまが落ちないように出来る限り揺らさないのは当たり前です。

 ご主人に優しく教えてもらった天止雨には当たり前に出来るのです。

 あっという間に塀を越えて外へ。

 ぴょんぴょん飛び跳ねて下って。

 堀の中に溜まった水へすいッと入ります。

 そうしないと、お妃さまを濡れさせてしまいますからね。

 

 何て天止雨は賢いのでしょうか。

 

 鶏が絞殺された時のような悲鳴が後ろで轟いていますが、知ったことではありません。

 声からして大好きなご主人たちに殺人的なスケジュールを強いている変な人たちに違いありませんし。気にしない。

 何よりも、お城にいるご主人たち、そして、背中のお妃さまは、とてもとても喜んでいらっしゃるのですから。気にしない気にしない。

 だから、後ろで笛の音がしたり怒声と悲鳴が聞こえても天止雨は止まりません。スイスイ泳ぐのです。

 堀を渡り切ってしっかりと水を払います。

 勿論、お妃さまには水滴一つ被らせません。

 

 凄いでしょう。天止雨は凄くてカッコいいのです。

 

 後ろでは「凄い」「アマちゃんお見事」と褒めてくださりながら大きな拍手をしてくれるご主人たちと、変な人たちの断末魔のごとき絶叫が轟いていますが。

 天止雨の心にはご主人たちの賞賛の言葉と拍手しか響きません。

 

 ご主人たちがほめてくれているならば、天止雨は正しくて良いことをしているのです。そう、笑顔の母を思い返しながら天止雨は確信しました。

 

 天止雨は本当に家族好きな白馬ですよね。

 

 さあ、背中で大声で笑いながら撫でてくだされるお妃さまをお葬式に連れていこうではありませんか。

 道は分かりませんが、きっとお妃さまが何とかしてくださります。

 今までずっとやりたかったご主人たちを乗せてお城の外へ行く。その最初に天止雨のやる気は最高潮です。

 

 ハイ・ヨー  ひひーん

 

 だから、「せっかくだから」といたずらっぽく笑うお妃さまの掛け声に元気よく鳴いて駆けるのです

 

 

 

 

 たたたったたた

 

 軽快な脚音を立てながら天止雨は駆けます。

 道行く人に道を聞いたお妃さまに導かれながら駆けます。

 ちょっと地面が硬いですが、このくらいなら大丈夫なので駆けます。

 右を走る鉄の箱を抜かすと、むふーと得意気に鼻を鳴らしながら駆けます。

 後ろから「とまってくださーい、うまぁとまれー、とまってぇくださーい」と小さい鉄の箱にのった変な人が小声で泣き叫んでますが気にしません駆けます。

 歩道では「何かのイベントかしら」「お妃さまが白馬に、綺麗ねえ」「絵になるわあ」暖かな歓声と暖かな拍手が轟いてますし、何よりも乗っているお妃さまはゴーサインしか出してませんから駆けます。

 

 天止雨は馬の理想と言っていいほど、主人に対して従順なのです。

 

 ああ、勿論、主人はご主人とそのご家族であって変な人たちではありませんよ。だから、天止雨的価値観において変な人たちに対しては従う義務も義理も無いのです。

 ご飯や寝藁の用意や日々のお手入れもご主人たちにして貰っている天止雨にとっては当たり前なのです。

 

 チカチカした建物や変わった建物を横目に見ながら天止雨は駆けます。

「秋葉原に白馬かぁ。こんなイベントやるなら事前に公表しろよ」「まぁまあ、綺麗ですねえ。銀座に皇室の方が白馬に乗って。何時以来でしょうか」「日本橋の上を白馬が、汽車が走る前の絵のとおりだ」「せっかくだし、旗振りましょう」大歓声を浴びながら駆けます。

 お妃さまと自分への大歓声にむふーと誇らしく駆けます。

「もう……だめだ。もう……どうしようもない」白バイとお妃さまが呼んだ乗物に乗って、4台で自分たちを囲みながら絶望してる変な人たちを気にせずに駆けます。

 

 かくて、お妃さまの道案内の元、お妃さまをお葬式にお連れした天止雨は、褒めてもらえながらお饅頭を食べさせてもらいました。

 美味しい。久しぶりに食べた。とても美味しい。

 

 天止雨の事を毎日記録されるご主人たちに似た気配の人たち(学者)が「小麦粉と餡で作られた饅頭を馬が平然と……馬鹿なっっっ」と戦慄してますが、少量ならイケると天止雨は美味しく頂くのです。

 

 モグモグと、お葬式にきて(暇して)いた子供たちに撫でてもらえながら食べさせてもらって天止雨はご満悦です。

 此処までの道のりで、沢山の人達がお妃さまを乗せた天止雨に暖かで優しい拍手をしてくれたのだからご満悦の中のご満悦です。

 貪るようにお饅頭を食べたいですが、それは我慢です。

 どうしてかって? ほら、今のように小さい子供は天止雨の美味しそうに食べる姿に夢中になって口に手を突っ込んでくることがあるからです。

 そんな時にガブリと噛んでしまっては大変なことになるのです。

 だから、こういう時は、産まれ故郷の優しくて強いおじいちゃんが言ってた通り手を舌で絡ませて口の中から出しながらものだけを食べるのです。

 うーん、お饅頭美味しい。

 

 天止雨は家族に教えてもらったことをちゃんと覚えて守る良い子なのです。

 

 美味しいお饅頭を堪能しながら子供たちと遊んでいたら、ニコニコ顔の若旦那さんが血相変えたお付きの人達と一緒に来てくださいました。

「アマちゃんは本当にヤンチャですね。まだ身体が出来てないのだから無理してはいけませんよ──お忍びとはいえ、私たちを此処に来させてくれてありがとう」と優しい若旦那さんに褒めてもらいながら優しく撫でてもらえたのだから、自分は正しいことをしたのだと誇りながら、ひんっ(分かりました。これからもこうします)と嘶きます。

 変な人たち以外のみんなが喜んでいる。間違っているのは、変な人たちだ。とちゃんと覚えたのです。

 

 一度覚えたら忘れない馬が覚えました。馬は凄いですよね。

 

 かくして、この件をきっかけに天止雨は、ご主人のご家族を乗せてぴょいぴょいとお城から抜け出して楽しく素敵な時間を過ごすのでした。

 

 

 めでたしめでたし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このクソ白馬ぁ! 天の斑馬のように生皮剥いでやる!!!  

 

 

 ──せめて、お忍びということにしようとしたのに、みんなと写真撮るために若旦那さんとお妃さまが乗り、写真撮影終えた瞬間に走り出し、都心のド真ん中である永代通り経由で大手門から帰って来た白馬。

 ひん(道でたくさんの人達がニコニコの若旦那さんたちと自分に大歓声上げてくれながら旗振ってくれた。よーし、明日はご主人と奥方さま乗せて行くぞ)と、得意げな天止雨に、凶器片手にそう叫んだ侍従の人たち(変な人たち)を誰が責められるでしょうか

 

「アマちゃんは本当にヤンチャですねぇ」

 ひーん♪ (きもちいー♪)

 愛妻の願いを聞いてくれた愛馬を、そのまま馬房に連れていき自らの手で優しくブラッシングしてシャワーする満面の笑顔の若旦那さんの前に断念しましたが。

 

 この日から暫く後に、調教師の先生が「預託してください」というお手紙を送った時に、変な人たちが「競走馬たるもの競馬場へ行くべきでありそれが返還された体面を護る云々かんぬん」と嫌がるご主人たちを説得し、満面の笑顔で嫌がる天止雨を馬運車に乗せて(叩き出して)塩まいたのは仕方のないことなのです。

 

 まさか、調教師の先生から「重賞ならぜひとも直に見るべき、英国王室がそうしているから云々かんぬん」と言われたご主人が何かを思いついた顔をしていたのなんて知らないのですから仕方ありません。

 

 ああ、ご主人たちと離れ離れになったからショックに俯いて泣いていた天止雨は入厩してから一週間もせずにデビューして勝ってご主人乗せて駆け回って小料理店まで行き、「お外(競馬場とその周辺)でご主人たちと遊べて楽しいなあ」と幸せ一杯になりますから、大丈夫ですよ。

 

 めでたしめでたしなのです

 

 

 

 ……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 開幕から飛ばしているが天止雨。すなわちアリスワンダーの話である。

 信じられないだろうが、騎乗訓練二週間後にこんな事をしてのけたバグの話である。

 アレルギーがあるため、馬に乗ったのはアリスワンダーが初めての人物を乗せて東京の大通りを制限速度の車より速く駆けた馬…………現実に居たから現実を見よう。乗馬経験2週間未満の女性乗せて、中央通りのアスファルトの上を時速40km以上で駆けた馬の形をしたナニカの話である。

 入厩してから憂鬱になっていたため初戦はろくに調教も出来なかったのに、競馬場で馬主さんの姿を見てテンション最大値になり圧勝。それから始まった数々の伝説により競走馬時代に「現代競馬のバグ」と呼ばれたUMAの話である。

 饅頭食っても疝痛引き起こさないどころか好物な、祖父オグリキャップから脈々と続く馬ではなく別種と思われる存在の話である。

 同世代のオルフェーヴルを「競馬場など限られた場所や池園騎手などの限られた人にしか被害を与えない良い子ではないですか」と宮内庁から断定されるようにした気性難ではないモノの話である。

 子孫の現状に嘆き悲しんだアマテラスが子孫を慰めるために送り込んだ。と言われても信じるしかない、神話生物が現代に適応したとしか思えない天の斑馬の生まれ変わりの化身の話である。

 グラスワンダー×ホワイトグリントなどという時価数億は下らない『皇室経済法の規定および管理上の理由により丁重にお断りされる』存在を、「白毛は非常に珍しく、遺伝学的な研究対象として価値が高い。星旗の血統から突如現れた白毛の変異個体(※ホワイトグリント産駒の大半は白毛だが)として、学術的に保護・観察する必要がある。かつて下総御料牧場が育んだ至宝(星旗)の血を、あるべき場所にお返しする」と、北野オーナーが宮内庁が認めざるをえない理由付けて返還(※公式文書では献上とは書かれておらず。あくまでも返還としか書かれていない。皆が皆、献上と口にするが)した馬の話である。

 何故か──そう何故か(※関係者が沈黙してるため本当に不明)、皇室用の乗馬や儀馬(馬車を引く馬)の生産・育成が行われている宮内庁が管理する「御料牧場」ではなく皇居に直接送り届けられ、その情報を知った万を超える人々の拍手で迎えられた。最初からツッコミどころ満載の獣の話である。

 これから先、入厩するまでの1年くらいの間で74回に渡って皇居を脱走して後半には公式イベントにして儀式の一部にさせてホースブーツはいてのけた白馬の話に行くのだが、一つ注意を

 

 この話の地文では、国賓が来ないときは一度も貴賓室使わずに馬主席で観戦されたこともあり、アリスワンダーの馬主さんは『馬主さん』と呼称し、ご家族を『馬主さんのご家族さん』と呼称いたします。

*1
日本神話(『古事記』)に登場する、高天原の太陽神アマテラスが所有して可愛がって乗っていた斑毛(白毛ともいわれている)の馬。スサノオがこの馬を逆剥ぎにして「姉ちゃん、いい革取れたから着物作って」と機屋に投げ込んだことで、嘆き悲しんだアマテラスが「私の可愛い可愛い愛馬が、乱暴者の弟にっ。もういやぁ」と天の岩屋に引きこもり泣いて過ごす原因となった神聖な馬




 続きは何時になるか分からないので気長にお待ちください。
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