黄金世代の白雪姫   作:サリエリキキ

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 信剛機さん、king庭師さん、あっぷる⤴ぱい⤵さん、書完戒さん、タクマ1212050さん、サボ天さん、評価付けありがとうございます。やる気が出ます
 感想、ここすきなど皆さんありがとうございます。頑張ります。




 次のレースから、もうちょっとレースを短くしようと思います。流石に長すぎる。


1998/11/29 ジャパンカップ④

 

「きゃああああああァァぁぁぁ!!!???」

 

 馬主席で、閉鎖された空間で暴漢と二人きりになり衣服を剥ぎ取られた生娘のような悲鳴が轟いた。

 

 その人物が、つい二十秒前まで「正直、不完全燃焼でしたが勝ちは勝ちですな」と紳士的な余裕の笑みを浮かべていたのが信じられない悲鳴。

 

 勝利を確信していた。

 余裕の笑みで馬主席に来てもらい共に観戦する調教師と、ミネラルウォーターを一緒に傾けた程に確信していた。

 20馬身差の最後方で抜け出せない宿敵は来るはずがないと確信していた。

 無理だと、不可能だと、確信していた。

 だから、エルコンドルパサー✕ホワイトグリント産駒購入を断った北野オーナーに対しても、紳士的に健闘を称える言葉を用意していた。

 その姿はまさに紳士だった。

 そんな所に

 

 まだだ!!! 

 

 と、エルコンドルパサー以外を捲り抜いた怪物白馬に突っ込まれたのだ。

 ミネラルウォーターが入ったペットボトルを落とし、地面にシミを作ったのは仕方ないだろう。

 

 勝ったな!! から まだだ!!! 大外一気してきた白い怪物ホワイトグリントは、宿敵はそれ程に衝撃的だった。

 白毛という珍しすぎて際立ちすぎるが故に見間違えるはずが無い宿敵。

 最後尾からエルコンドルパサーの一馬身後ろまで迫り、なおも上回る末脚でガンガン距離詰めてくる怪物。

 流石に速度は落ちたが、エルコンドルパサーよりは速い。坂のある府中の直線をダッシュして尽きぬ末脚。

 

 ホースマンだからこそ、その怪物っぷりが良くわかった。

 

 このままではエルコンドルパサーさえも抜かしてしまう! 

 

 直線だけで全頭抜かす。見栄えはするが出来る馬は希少であり異質であり真の優駿である。

 

 招待された欧州の馬主が「ダンシングブレーヴみたいだ」とだけ呻いたあと絶句しているほど希少。

 

「ダンシングブレーヴの走り、か……息子のキングヘイローには出来ない。なのに、出来るのが同世代に……無理だ。逃げよう。敵わない。力が違いすぎる」キングヘイロー馬主が周囲に聞こえている事さえ自失するほど異質。

 

 ダンシングブレーヴのような真の怪物にして本物の優駿にしか出来ない事をしている。

 

 ホワイトグリントはそのレベルだった。

 

 一歩一歩、愛馬エルコンドルパサーを追い詰めていく宿敵。

 

 心が弱い人物ならば無言で崩れ落ちるほどのプレッシャー。

 

 だが、流石は渡辺オーナー。

 

「「凌げやァァァァァァ海老名ァァァぁぁぁ!!!??? 追うのを止めるミスしたんだからなぁっ!!!??? 凌げんと降ろすぅぅぅぅっっっ!!!???」」

 

 

 隣の三ノ宮調教師と全く同じ台詞を全く同じ鬼のような表情で、騎手への信頼を込めて咆哮する。

 

 

 

「「抜かせやぁぁァァァっっ!? シロぉぉぉォォォっ!!?? 沙藤っっっッッッ!!!???」」

 

 馬主席の離れた場所で、ホワイトグリントの満面の笑みに全ての懸念が消え、ただ勝利へと咆哮する北野オーナーと瀬戸内調教師。

 その咆哮と表情は、生娘の衣服を剥ぎ取った暴漢そのものだった。

 

 

 きっちり周りを空白にした両陣営は愛馬の勝利を咆哮する。

 

 

 

 頑張れ! ホワイトグリントっ! 

 頑張れ! エルコンドルパサーっ! 

 

 白馬の大外一気などという際立つモノを観た者たちは皆虜になった。

 純白毛が栗毛鹿毛芦毛栃栗毛黒鹿毛14頭を大外一気する光景はそれほどのモノだった。

 皆ただ熱狂して叫ぶ。

 ファンも

 関係者も

 凌がんとするエルコンドルパサーと

 差さんとするホワイトグリントを

 ただ応援するなか

 

 

 

 

 

 

 きっっっっっっっっもちいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?? 

 

 ドマゾは達していた。

 府中の直線を初めての風車鞭で叩かれながら全力ダッシュする苦痛は、ホワイトグリントにとって完璧だった。

 

 

 満面の笑顔が咲き誇り瞳が輝く内面は喜びに満ちていた。

 

 何て愚かだったのだろう。こじゅじんとこすずんが裏切ったなんてありえなかった。

 

 はふぅ。

 恍惚の鼻息が漏れてしまう。

 このレースまでの気持ちよく無かったレースでさえ、今は愛おしい。

 あぁ、あの溜まりに溜まった欲求不満がもたらすネットリドロリとした日々よ。

 気持ち良いけど不快だった日々が、今はこんなにも愛おしい。

 

 そうアレは──焦らし。

 

 気持ちよくないレースを続けて私の欲求不満を爆発寸前まで溜め込ませて

 ──初めてのビシビシ鞭(風車鞭)で一気に解放する。焦らしという高度な技巧。

 

 焦らされた焦燥感と欲求不満からの解放感の気持ちよさを、鞭の痛みと同時に与えてくれるごすずんとごしゅじんの愛だったのだ! 

 

 気付かなかった私は駄目駄目だぁっ。

 

 ごしゅじんとごすずんを僅かにでも疑っていたなんて愚かすぎる。

 

 何時も苛め抜いてくれるごしゅじんとごすずんの技巧を知り抜いていたのに。

 今回は一風変えて、焦らしという技巧をしてくれていたのにっ! 

 そんなごしゅじんとごすずんを疑っていた! 

 私のバカバカっ! 

 焦らしが、溜め込んで爆発しそうな欲求不満が、一気に解放されるのが! 

 こんなにっ! 

 気持ちよかったなんて! 

 知らなかったぁぁぁぁっ!? 

 すぅぅぅっっって焦燥感と欲求不満が抜けながら爆発するのっ! 痛みが! 苦しみがっ! 

 初めてのごしゅじんのビシビシ鞭(風車鞭)で細かく! 丁寧で! 愛情篭って! すぅぅぅっっって!? 

 すぅぅぅっっって!? 爆発!? 凄いっ!? 

 ドバドバと多幸感が溢れて抜けながら爆発っ!? 

 

 ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!! 

 

 それに加えて全力ダッシュ最長距離の苦痛がっ! 合わさって! 

 ハーモニーィェーィ!! 

 

 たっまんねぇぇぇっっっ!!! 

 

 流石はごしゅじんとごすずん! レベルが違うっ!? 

 そんなごしゅじんとごすずんを疑ってたなんてぇぇ!? 

 つーんとしてるの、辛かったぁ!? 

 全然気持ちよくなれない系の心の痛みが痛い! 嫌だ! と思ってたら! 

 焦らしっ! 焦らしだったなんてぇ!! 

 

 だから、全部知ってるオーナーさんはニコニコした顔で焦ってたんだぁ。私が理解してないんじゃないかって

 あぁ、ごめんなさいオーナーさん。察しが悪くて。

 

 はっ!? 

 もしかして!? 

 ごしゅじんとごすずんは疑う辛さを、私に味合わせてくれていたのでは!? 

 あぁ!? そうだ!? そうに違いないっ!? 

 間違いないっ!! 

 だって、ごしゅじんとごすずんだもの!! 

 サディスティックなニコニコ笑顔の素敵なオーナーさんだもの!! 

 大大大好き。

 

 もうっ! 絶対! 疑わないっ!! 

 

 ああっ、ああぁっ、たまらないっ!? 

 

 まさに──そう、ドマゾのドマゾによるドマゾのためのサディスティック! 

 

 あぁあぁぁっ、オーナーさんとごすずんとごしゅじんの愛を感じるよぉぉっ。

 

 焦らしぬいてから、疑う辛さを味合わせて欲求不満を溜めに溜めてくれてから

 一番長い距離全力で走る痛苦をくれながら、こんなにビシビシ初めて叩いて(風車鞭)くれるなんて──愛。

 

 愛しかない。

 

 もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっとぉぉっ

 ──叩いてっ!? 

 

 ビシッビシッ

 

 ひぃぃんっ! ひぃぃんっ! 

 

 強請る必要もなく絶え間なく叩き込まれる鞭。

 一発一発は普段のモノより痛くないが、絶え間ない痛みは素晴らしい。

 

 そう、普段の一発に精魂込めた鞭は──究極! 

 今回初めてのビシビシ鞭(風車鞭)は──至高! 

 

 究極と至高! 

 流石はごしゅじんっ! 

 すばらしすぎるっ! 

 ビシビシ鞭なんて技巧を秘めていて、魅せて叩き込んでくれるるのが、2回も気持ちよくないレースでの焦らしの後だなんてぇ! 

 

 レースの時のごしゅじんこそ至高にして究極であり最高だよおおおおおおおお!!!??? 

 

 愛っ! 

 

 これこそが愛っっ! 

 

 愛って最高だよぉぉっ!! 

 

 

 きっっっっっっっっもちいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?? 

 

 溢れるまでの愛によりホワイトグリント(ドマゾ)は更に伸び続け、エルコンドルパサー(性癖ノーマル)の半馬身差まで迫った

 

 

 

 

 

 

(なんなんだ!?)「おまぇはぁぁぁァァァ!!?」

 

 海老名は悲鳴を上げた。

 最初は心で、途中から声に出して半分泣きながら悲鳴を上げた。

 

 訳が分からなかった。

 何で伸びるのか訳が分からなかった。

 

(府中だぞ! 日本で一番長い府中の直線だぞ! 坂がある府中の直線だぞ!? 直線最初から此処まで何でそんな末脚が発揮できるんだよ!? 20馬身差だぞ!? 詰めるので精一杯だろ普通!? で、体力の限界になるだろ!? いや、限界だろ! だったら、エルコンドルパサーから一馬身まで来たら速度落ちるだろぅっ!? 

 なのに! 何で伸びるんだよぉぉっ!?)

 

 騎手になって12年。その間に培った常識が、白き雪の女王により凌辱される悲鳴だった。

 今のホワイトグリントの伸びが、《天使の笑顔と飛躍》《白雪姫の奇跡の一歩》《最後の直線に生まれる芸術》《神秘の末脚》こんな呼び方されているひと伸びだとはわかる。

 それは分かる。

 

 でもどうして出来るのかサッパリ分からん!? 

 満面の笑顔で目をキラキラ輝かせている白馬がどうして出来るのかサッパリ分からん!? 

 体力の限界のはずだ! 間違いなく限界だ。

 ホワイトグリントはガクガク震えている。

 逃げてスタミナが尽き、軽くふらついている此方よりも酷い状況だ。

 カブラヤオーみたいな状態のエルコンドルパサーよりひどい状態なのにっ。

 

 なのに──エルコンドルパサーより末脚で上回っている!? 

 

 あり得ない! 

 

(まさか、肉体の限界を、精神で超えたとか言わないよな!? 

 漫画じゃないんだぞ!!?? そんな奴が現実に──)

 

 あぁ

 そういうことか。

 居た。

 そんな馬は居た。

 

 この白馬の父親だ。

 

(これがオグリキャップ、か……優、お前の情緒がやられるわけだ)

 

 類稀な脚とそれよりも類稀な精神を併せ持つ乗りやすい馬。

 初経験の自分でさえ沙藤に「その馬寄越せ!!」と絶叫したくなる精神による末脚。

 こんなのに何度もやられ、自分が乗れば勝率100%。

 竹優の情緒が崩壊するのは仕方ない。

 

 現在進行形でやられている自分の情緒もかなり不味い。

 

 だって、また更に伸びているもの。

 訳が分からない。

 ガクガク震えているのに伸びてる。

 そんな事をしたら身体もキツイが、何よりも心がもたない。

 辛くて

 苦しくて

 痛いから

 

 もたない。

 

 苦痛のあまり心がへし折れてしまう。

 

 普通ならそうだ。

 普通のサラブレッドならそうなるはずだ! 

 そうしてくれっっ!! 

 頼む! 

 お願いしますっ! 

 神さまっ! 

 

 海老名は祈った。真摯に祈った。競馬の神に真摯に祈った。

 ──サディストである競馬の神は、ホワイトグリントが更に伸びるという結果で応えた。

 

 やめてくれっ! 

 神さまやめるんだぁ! 

 もうひと伸びするんじゃない! 

 満面の笑顔で目をキラキラして伸びるな!! 

 バケモノ白馬ぁぁぁ!!!??? 

 

(なんなんだっ! 本当にこいつはぁぁぁっ!? 

 そして──)

 

 ビシッビシッ

 

 ガクガク震える白馬に鞭打つ後輩騎手

 

(何、風車鞭してんだぁぁぁ!? テツぅぅぅ!!?? そんな事しても加速しねぇよ!!!??? 

 痛いだけだッッッ!!!??? 

 限界超えて、ガクガク震えてんだぞ!? なのに風車鞭っ!? 壊す気かぁ!!?? んなことしたら、身体が無事でも心が壊れちまうっ!!?? 壊す気だろ!!?? そんな馬っ、そうそう居ねぇぞ!!!??? 後で説教──)

 

 故障させる気かそんな名馬を! 

 騎手の常識が絶叫する。

 あまりの酷さに、一騎手としての義憤に駆られる海老名。

 先輩として一言言ってやらなければ! 使命感に駆られる。

 

 そして、踏み躙られた。

 

(──え???)

 

 使命感を踏み躙るのは、騎手の常識ではあり得ない光景。

 更に伸びるホワイトグリントという摩訶不思議な光景。

 

(ヒッ──)

 

 キラキラと輝く眼差しの満面の笑顔を深めて更に伸びる。

 加速するはずがないのに。

 痛いだけのはずなのに。

 

(ヒィィィ! なんなんだっ!? そいつはぁぁぁっ!? 何考えてるんだよぉっ!?)

 

 海老名の騎手としての常識は凌辱の限りを尽くされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 勝とう。

 

 ホワイトグリントは決心していた。

 

 さあ、勝とう。

 

 勝てば

 

 絶対に

 

 もっと

 

 もっともっと

 

 ううん!? 絶対!? 

 

 みんな喜んでくれるからっ

 

 ビシッビシッ

 

 ひぃぃんっ♪ ひぃぃんっ♪ 

 

 きっっっっっっっっもちいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃものぉぉぉぉぉぉぉぉっ♪♪♪ 

 

 沙藤騎手の鞭により、ドマゾは更に伸び性癖ノーマルに並び追い詰めた。

 

 

 

 わああああ!? 

 

 

『大歓声が轟く中! ホワイトグリント! エルコンドルパサーに並んだっ!』

 

 

 ガクガク震える馬が僅かにふらついているだけの馬よりも速い。

 全てのホースマンの常識を破壊し尽くす光景だった。

 これこそがマゾヒスティックパワー。

 ホワイトグリント陣営がマゾであることを秘匿し続ける理由たる鬼札。

 ドマゾであるが故の反則的な強さだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いぃやぁぁぁァァァっっっ!!!???」

 

「差せやァァァぁぁぁっっっ!!!???」

 

 常識がドマゾの白馬により蹂躙され破壊し尽くされた馬主席で、衣服を剥ぎ取られ暴漢に押し倒された生娘の悲鳴と、生娘を押し倒した暴漢の咆哮が轟く。

 勿論、表情もそのものである。

 エルコンドルパサー馬主とホワイトグリント馬主は、そんな様相だった。それぞれの隣にいる調教師と同じく。

 

 馬主という社会的地位が高い人々が、馬主席という隔離された場所で観戦するのは何故か? 

 偉ぶっているから──なわけがない。

 安全と、この様な世間様には絶対にお見せ出来ない姿を隠すためである。

 

 だから周囲の馬主さんたちは見なかった事にしてくれるのだ。

 

 自分たちもするから。

 

 互いを尊重し合う、馬主とは紳士淑女の皆さまである。

 

 

 

 

 

 

 ふっふっ

 

 汗だくのエルコンドルパサーは、鼻息も荒くふらつくほど追い詰められていた。

 スタミナは尽きていた。

 意地も尽きていた。

 体力も精神力も使い果たしていた。

 それでも走った。全力で走った。

 初めて惚れた雌に良い所を見せたいから走った。

 交配したいからこそ、自分が優れた雄だと示したかった。

 今度こそ勝って優れた雄だと証を立てたかった。

 

 惚れた雌より脚が遅いなんて雄ではない! 

 

 その意地もとっくに尽きていた。

 それでも足掻いた。

 先にゴールして勝つために必死で逃げた。

 本当に惚れたから。

 

 だが、もう無理だ。

 

 もう──

 

 力が

 

 

 入らない

 

 

 

 

 

 

『エルコンドルパサー崩れたっ! ホワイトグリントの脚色が良いっ! ダンシングブレーヴのように直線だけで全頭抜かす!?』

 

 ホワイトグリントは遂にエルコンドルパサーより体勢有利になった。

 性癖ノーマルはドマゾに敗れたのだ。

 

 

 よっしゃぁぁぁっっっっっ!!?? 

 ちくしょおおおおおおおお!!??

 

 ホワイトグリント陣営の歓喜の咆哮を塗りつぶす断末魔が馬主席で轟く。

 

 残り100m無い。

 もう無理だ。

 根性負けしてしまった。

 エルコンドルパサーは負けた。

 

 また、負けたっ!! 

 

 ちくしょうっ

 ちくしょうっっ

 

「やっぱり海老名じゃ駄目だったんだぁっ!? アイツが途中で追うのをやめなければァァァ!!??」

「クソッ! 何で断ったっ! 大里! そしてっ! 

 何で俺たちを捨てたぁぁっ!? 的羽ァァァ!!?? グラスワンダーを捨てろよっ!!?? グラスワンダーをぉぉぉっ!!!???」

 

「「何故!? 引退したんだっ!? 田柳ぃぃぃっ!!?? お前ならっっっ!!!???」」

 

 海老名騎手の騎乗ミスによりエルコンドルパサーは負ける。窓に張り付いた調教師と馬主は慟哭した。

 中京のオープン特別を管理馬が大里騎手騎乗により制し、「ホワイトグリントブームで来てくれた馬主さん達は、殆ど全部のレースを観に来てくれる馬好きな人達だから話してて楽しいな♪ よーし調教師頑張るぞ♪♪」顧客を含めた馬主たちと和気藹々。

 競馬場の部屋を借りてジャパンカップの解説をしながら談笑。つまりは、営業をかけるほどに調教師の仕事を楽しんでいる東京に居ない田柳調教師にまで嘆きを向けていた。

 

 

「シロぉぉぉぉっっっ! 沙藤騎手ぅ! 信じてたぞおおおおおおお!!」

「流石はグリントとテツやぁぁっ!」

 

 バンバンと窓の強化ガラスをぶっ叩きながら歓喜の咆哮をするホワイトグリント陣営とは天国と地獄だった。

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