感想、ここすきなど皆さんありがとうございます。頑張ります。
夏。
ディープインパクトとホワイトスノーの二頭は北野牧場で過ごした。
ホワイトスノーの里帰りに「ウチのプイくんもお願いします」と金児オーナーが頼んだ形だった。
社大が業務提携するほど優れた医療技術と育成技術を持つ北野牧場なら、薄い蹄と小柄な体躯に似合わない脚力を持つディープインパクトを預けられる。そして、コネ作って自分も庭先で買うんだ。
そんなオーナーの判断は正しく報われ、ホワイトスノーは勿論ディープインパクトは楽しく健やかかつ走り回って適度に調教され過ごすことになる。
生来の性格の良さからボス馬のオグリキャップからも歓迎された。
ホワイトスノーと一緒にオグリキャップの周りを走り回っている姿が目撃されている。
結果、秋初戦の神戸新聞杯とローズステークスをあっさりと勝利した2頭。
牡馬戦線は勿論、ラインクラフトが回避しシーザリオは長期療養した牝馬戦線も三冠馬誕生を確実視された。
『さあ先頭はライラプス! ライラプス!
おぉ、外から外から、 これは自信を持って一番外からまくってきた! ホワイトスノーきた!
ホワイトスノー早くも! エアメサイアと一緒にきているぞ!
ホワイトスノー! 持ったまま! 持ったまま! 竹優まだ持ったままだ! ホワイトスノー! 持ったまま!
エアメサイア! エアメサイア! 竹優気合を入れた! ホワイトスノー! ホワイトスノー!
抜け出した! 抜け出した! 1馬身、2馬身、3馬身! 強いっ強いっ!
エアメサイアが2番手に上がる! ニシノナースコールも来ている!
しかしホワイトスノー強い! ホワイトスノー強い! 敵はいない! 5馬身差! 強いっ! ホワイトスノーは本当に強い!
お見事ですホワイトスノー! 首筋を竹優が優しく撫でます! 三冠! 母娘で三冠を達成しました!
この女帝が何処へ行くのか! 楽しみで仕方ありません!』
涙ぐみながら竹優は左手で3本指を掲げ。
翌週ディープインパクト鞍上で涙を流しながら右手で3本指を掲げた。
ウマ娘プリティダービーにおいて、牡馬モデルが右耳に飾りをつけ、牝馬モデルが左耳に飾りをつけるのは、これを元にしているほど有名な光景である。
日本史上初めて、牡牝クラシック同年三冠を果たした騎手と調教師が誕生した偉大な光景である。
その翌週。
竹優は池柄厩舎所属メジロガルダンによって天覧競馬となった天皇賞秋を制覇した。
「マックイーンの息子でありクリークの孫で春秋天皇賞を制覇出来るなんて。感激です。メジロのオーナーさんを含めた関係者の皆さんには何と言ったらいいか」
感涙の涙を流す竹優。
メジロ史上初の天皇賞春秋制覇。春の天皇賞は勝てても、ゼンノロブロイを避けるためメルボルンカップを走った昨年の秋天。宿敵ゼンノロブロイがいないとしても偉業である事は変わらない。
ターフで陛下へと片膝を着いて最敬礼しながら肩を震わせる竹騎手には、ファンから惜しみない大歓声と拍手が贈られた。
そして、竹騎手に対して挨拶しなくなる騎手が大半となり。
池柄調教師が調教師の会合に何度かハブられ始めた。
…………畜生タッケを語るスレより抜粋。
:タッケまじ畜生同盟
これは仕方ない。
:タッケまじ畜生同盟
年間でG1・8勝したらそうなるよね。まだ11月と12月あるのに。
:タッケまじ畜生同盟
お手馬3頭でG1・8勝。しかも、牡牝三冠と天皇賞春秋。騎手や調教師が喉から手が出るほど欲しいタイトルばかり。
駄目だろ(真顔)
:タッケまじ畜生同盟
引退した大僧正が夏に「気持ちは分かるけどさ。(プイかスノー)どっちかは他の騎手に任せた方が良いと思うよ」というわけだ。タッケの乗り癖付いた古馬のガルダンは兎も角、若馬はなあ。
:タッケまじ畜生同盟
なお、タッケが調教乗りすぎて、その頃にはプイもスノーもタッケの乗り癖がもうついていた模様。
:タッケまじ畜生同盟
タッケ、手垢付けやがった(戦慄
:タッケまじ畜生同盟
流石はド畜生竹優。
:タッケまじ畜生同盟
一人でG1取りすぎなんよ。一人で。これで嫉妬するなは無理。
:タッケまじ畜生同盟
これでエージェントから依頼されて〜。とかならまだしも、3頭とも入厩して直ぐの時には唾つけてたからな。畜生すぎる。
:タッケまじ畜生同盟
こういうヘイト躱すためのエージェントなのに。この3頭に関しては使わなかったからなタッケ。
:タッケまじ畜生同盟
「マックイーンの息子にしてクリークの孫の素質馬が入厩! 乗りたいなぁ……あ、良いんですか! ありがとうございます! ……おぉ、凄い。良いなぁ。この馬良いなぁ。マックイーンとクリークを思い出す……よし、本番も乗らせてもらおう。お願いします」
一番大人な態度だったガルダンですら、こんな畜生っぷりである。
:タッケまじ畜生同盟
メジロガルダンの素質を感じたら仕方ないよ。と言えるのが、また。
:タッケまじ畜生同盟
そんな凄いの? メジロガルダン?? テイエムオペラオーの引退からホワイトスノーまで一度競馬から離れたから知らないんだけど。
:タッケまじ畜生同盟
凄いよ。コイツ一頭産んだだけでメジロマックイーンの種牡馬評価が跳ね上がってサンデー系牝馬との相性が発見されたほどの歴史的名馬。
:タッケまじ畜生同盟
メジロマックイーンって、大失敗って言われてたのに?
:タッケまじ畜生同盟
それだけ凄いんだ。
参考までに、この時までにメジロガルダンの制したG1。
03ダービー、03菊花賞、04春天、04アスコット金杯、04メルボルン、05春天、05秋天。
七冠馬である。晩成だからまだまだ走れるが続く七冠馬。
:タッケまじ畜生同盟
03有馬でシンボリクリスエスの2着に入り、「とんでもない馬が出てきたなあ」大僧正に戦慄させたヤベエの。なお、それからも暴れる晩成馬。
:タッケまじ畜生同盟
ゼンノロブロイの秋古馬三冠において出走したレースでは常に2着になっているように、長距離以外もやれる高速ステイヤー。それどころか成長途上の頃でさえも馬券に絡まなかったこと無し。
:タッケまじ畜生同盟
成長途上と言われていた時でさえ、青葉賞勝ちからダービー制したからな。
2月デビューして3連勝で青葉賞制覇。そして「青葉賞勝ち馬はダービー馬に成れない」という青葉賞の呪いを打ち破り、旦那さんの遺影抱えたメジロのおばあちゃんを号泣させた。
紛れもなく最強クラスの馬である。
:タッケまじ畜生同盟
メジロのステイヤー血脈の結晶と呼ばれる怪物。長距離だと敵う馬が居なかった。最後にして最強のステイヤー。
:タッケまじ畜生同盟
ガルダンまで最後のステイヤーと呼ばれていたライスシャワーと絡ませるあたり、サイケは分かっている。
巨乳お嬢様だしな! 最高だぜサイケ!!
:タッケまじ畜生同盟
つか、間違いなく日本史上最強ステイヤーだろ。3000以上で負け無しじゃん。イギリスやオーストラリアでも負け無し。魔王にすら勝った。
欧州芝大丈夫なんだから、凱旋門賞走るべきだったよ。クラシックディスタンスで魔王に挑んで欲しかった。
:タッケまじ畜生同盟
凱旋門賞よりもメルボルンの方が手厚く誘ってくれた上に、賞金はほぼ変わらんからなあ。
1着確実なメルボルンと魔王が待ち構える凱旋門賞では、メルボルンを選ぶのがオーナーブリーダーメジロだ。
生活かかってるからな。
:タッケまじ畜生同盟
加えて、メジロ牧場を立て直すのに金が必要だったから仕方ない。
「噴火のダメージが無ければ夢を追えたんですが」メジロの3代目も嘆いてたよ。タッケも池柄調教師も嘆いた。
:タッケまじ畜生同盟
金杯は? 賞金安いじゃん?
金杯は向こうが「我らが騎士王が走るんだ。だから、せっかくだから最強ステイヤー決めないか。経費は全てタダにするから来てくれ」としてくれた上に、副賞で牧場設備や火山灰に関する特殊設備安くしてくれたから行った。
宝塚走るよりもメジロからしてみればお得だったんだ。
:タッケまじ畜生同盟
魔王呼びはイギリス人の前ではするなよ。決闘騒ぎになるかもしれないからな。
:タッケまじ畜生同盟
それほどに、この頃のメジロは牧場立て直すのに必死で、メジロガルダンは立て直す金稼いでくれた優駿なんだ。
:タッケまじ畜生同盟
オーナーブリーダー理想の馬だよなメジロガルダン。
種馬としても成功してメジロの黄金期を再興してくれた。
メジロのおばあちゃんの遺産と呼ばれるだけある。
:タッケまじ畜生同盟
サンデーが行き渡った時代にアレだけのG1獲る馬だからな。種付け依頼が飛ぶようにきたよ。
:タッケまじ畜生同盟
で、そんな馬を竹優って畜生はエージェント通さずに口説き落としたのだ。
:タッケまじ畜生同盟
ガルダンだけなら未だ納得して貰えただろう。が、ホワイトスノーとディープインパクトの時も同じことしてしまったから、な。
:タッケまじ畜生同盟
鬼畜とかド畜生とか呼ばれるのは仕方ないわ。
:タッケまじ畜生同盟
だよな。
この竹優って人、酷くない。ダメでしょbyラメール
なんというか、空気読めてないよねbyデローム
いいな。ユキに乗れて良いなぁbyケイン
この年の此処までの纏めを見た日本で大活躍している3大騎手からのお言葉。
:タッケまじ畜生同盟
ラメールですらドン引きの所業である。
:タッケまじ畜生同盟
知らない人扱いするほどに畜生だもんタッケ。
:タッケまじ畜生同盟
田柳慣れしているデロームが真顔で突っ込むなんて。
:タッケまじ畜生同盟
田柳の所業の数々を笑って受け止め応えるあのデロームが。
:タッケまじ畜生同盟
ケインは安定だな。お前さんはそうでなきゃ。
:タッケまじ畜生同盟
ホワイトスノーから、毎年日本来てデビュー前のホワグリ産駒に乗り続けた漢は違う。騎手デビューしてからもやりやがったからな。
………………
1ヶ月後
ジャパンカップ。
ゼンノロブロイやハーツクライやスイープトウショウやコスモバルクなどの優駿の姿が見えず、招待馬を含めて8頭しか集まらなかったG1にディープインパクトは居た。
日本馬唯一のG1馬として居た。
2番人気として居た。
無敗三冠馬が2番人気となる。
例年ならば異常とさえ呼べる状況だが、誰もが当然と捉えていた。
ジャパンカップにはとある外国馬が来ていたからだ。いや、来ていた外国馬はその一頭だけだった。
その一頭があまりにも突き抜けていた。
「挑戦です。偉大な挑戦です。ディープインパクトは適正距離の彼に挑みます。勝つつもりですが、厳しいでしょう。しかし、敵わなくとも一矢を報いてみせます」
ディープインパクトを称賛しかしない主戦竹優をして、勝算は薄いと硬い表情で断言した存在。
ウォリック。
5歳の葦毛牡馬である。
イギリス女王所有馬である。
オグリキャップとホーリックスの息子である。
ニュージーランドの馬主からイギリス女王に献上された馬である。
イギリス女王から騎士爵を授与された馬である。
ニジンスキー以来のイギリスクラシック三冠馬である。
現地で初めて欧州三冠馬と呼ばれた馬である。
凱旋門賞を史上唯一三連覇した馬である。
火事により家屋に閉じ込められたイギリス王家の少年を助けた馬である。
その火事の火傷も生々しくBHBサマー三冠を初めて達成した馬である。
全世界にその蹄跡を刻み込んだ馬である。
ドバイワールドカップとBCクラシックを同年制した馬である。
フランス、アイルランド、イタリア、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港のG1を現地最強馬を打ち破り制した馬である。
成長途上・初ダート・超長距離を原因として、これまで無敗ではない。しかし、二度同じ場所で負けたことはなく、二度同じ馬に敗れたことはない馬である。
33戦30勝33連対うちG1勝利数28、本格化した3歳から3年間で31戦、それも世界中を巡るという過酷なスケジュールでありながら、一度も故障も病気もしたことがないどころか、食欲が落ちたことさえない馬である。
2004年に名称が変わったワールド・サラブレッド・レースホース・ランキングにおいて、147ポンドという史上最高値をつけられた馬である。
147ポンドという桁違いの数値に対して、誰も女王陛下への忖度だと言わなかった馬である。
騎士爵持ち。競馬発祥の地の誇りそのものの強さ。遠征どころか火傷をものともしない精神力。性格の良さ。それらから、アーサー王は馬になって蘇ったんだと冗談交じりにロンドンっ子が『騎士王ウォリック』と歌にし、面白がった女王陛下が『我らが騎士王』と呼び始め、何時しかイギリス人みんなが呼ぶようになった馬である。
あまりの人気からイギリス競馬に大衆を呼び込んだ馬である。
ニュージーランドから献上された事もあり、英連邦の誇りと呼ばれるほどの馬である。
これらすべてがこの馬を一言で表すには不足している馬である。
この馬を表す一言は──『世界最強馬ウォリック』
それでいい。
それだけでいい。
日本に無敗三冠馬が誕生した事を知った女王が、世界最強馬のラストランに選んだのはジャパンカップだった。
「イギリスでラストランという声もあったけど、父オグリキャップの祖国であの子を走らせてあげたいわ。イギリスでは、盛大な引退式をやりましょう」
そんな女王の優しさにイギリス人は感動し、日本の競馬界は崩れ落ちた。
『魔王が来るっ!? 来ないでっ! 来ないでよぉっ魔王!! 今まで通りに、凱旋門賞勝って、チャンピオンステークスで凱旋して、ブリーダーズカップ走った疲労を一休みして、香港で良いじゃないかっ!? 今まで通り日本を見逃してよ!!!』と悲鳴を上げて崩れ落ちた。
そして、アメリカは『よっしゃぁぁっ! 魔王来ねぇぇっ!! 枠埋めるために優駿を生贄にしなくて済むんだっ!!!』と歓声を上げ、香港は『よしっ! 今年は魔王来ないんだ。招待状をバラ撒け!! みんな来てくれるぞ!!!』と涙した。
上記の2国と英連邦以外の競馬界は『可哀想に日本も魔王から逃げられなかったか』と同情しながら解体される豚を見る目をした。
そう、こんな怪物を『我らが騎士王』と誇りを持って呼ぶのは英連邦。というよりイギリスとニュージーランドだけである。
全ての優駿が敗れレースを焼き払われた欧米を含めた他国の競馬界は違う名で呼ぶ。
『魔王』。『魔王ウォリック』と。
ジャパンカップで、一番人気。それも1.1倍の一番人気になった魔王ウォリック。
オグリキャップとホーリックスの息子でもあるため、ファンからは人気があった。
世界最強馬を見たいとファンが押し寄せ、入場規制をするほど人気があった。
そうファンからは。
悲痛を通り越して絶望の表情一色の日本競馬関係者は(((魔王だ。本当に日本にいるんだ。何で! 何で日本にいるんだよ魔王! 何で日本に来るんだよ魔王!! 頑張れっ!! ディープインパクト頑張れぇっ!!!)))と貴賓室で陛下と一緒に観戦する女王陛下に万が一にも聞こえないように内心で絶叫した。
「日本に三冠馬がうまれるなんて、それも2頭。しかもハイクレアの末裔が無敗三冠馬なんて素晴らしいわ。
先達として、競馬発祥の地である我がイギリスの三冠馬がどういうものか教えてあげないといけないわね」
女王陛下が来日前にこんな発言をしたというのは、あくまでも噂である。
ディープインパクトの挑戦が始まろうとしていた。
ウォリックは、イタリアのミラノ大賞走って勝って、フランスのサンクルー大賞走って勝って、ドイツのベルリン大賞走って勝って、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス走って勝って、一休み。など頭おかしいことしてます。
欧州で回ると検査ほぼ無し、かつウォリックはレースを調教半分で余力残して勝つし医療体制万全とはいえ、中1週で欧州のレースを蹂躙するとか女王陛下脳焼かれすぎです。
そんな事したから、世界中周ってウィンクスよりG1勝ってます。3年で。