黄金世代の白雪姫   作:サリエリキキ

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 ハガネ黒鉄さん、オヤPさん、評価付けありがとうございます。やる気が出ます
 感想、ここすきなど皆さんありがとうございます。頑張ります。


ホワイトグリント産駒列伝~ホワイトスノー~⑤

 池柄調教師は困っていた。

 池柄調教師には計画があった。

『控えめかつ大人しいのに走るのが大好きで速いため、馬社会でハブられがちなディープインパクト。そんな彼のために、圧倒的なボス馬オグリキャップに帯同馬になって貰い、現地馬社会を制圧して貰ってから、その群れの一員として馬社会に受け入れて貰い馴染ませながら土地に慣らさせたい。

 だが、オグリキャップを帯同馬にして貰うことは難しい。大栗オーナーはオグリキャップの子と孫なら許可してくれるが、それ以外だと「ハツラツが喜びませんから」と断る。

 だから、愛孫ホワイトスノーにドバイ走らせてから欧州で走らせる。そうすればディープインパクトも一緒になれる。仲の良いホワイトスノーと併せながらオグリキャップに面倒見て貰えば、スノーもプイも絶好調。魔王でもなければ勝てるさ』

 という、気持ちは分かるけど虫が良すぎる計画があった。

 

 そして無くなった。

 

 大統領からの招待状が来た北野オーナーは、池柄調教師と相談したうえで予定を変えた。

 一度日本に帰ってオグリキャップ記念を走ってから、アメリカに行き8月頭のオグリキャップステークスを走り休んでから、G2グッドウッドBCハンデキャップをステップにしてブリーダーズカップクラシック。

 調教師として文句無しのプランである。

 色々あって、今年はサンタアニタパーク開催となったブリーダーズカップと同じコースのステップレース。充分な休みもある。文句のつけようがない。話し合い賛同した。

 

 当たり前だが、オグリキャップはホワイトスノーと一緒である。

 自分の顔がにこやかだったかどうか池柄調教師は自信がなかった。

 

 そして、ピカレスクコートを帯同馬として行ったディープインパクトが、予想通り現地馬社会と溶け込めてないから不調と知らされ頭を抱えた。

 

 5月になり、池柄調教師は閃いた。

 

 ならば、メジロガルダンはどうか。

 天皇賞春三連覇という日本競馬史に残る絶頂を先週くれた愛馬。

 揺るがない精神力で厩舎の穏やかなボス馬であるアイツなら、ディープインパクトの面倒を見ながら適応できる! 

 メジロ牧場も再建出来たし、メジロも夢を追えるはずだ!! 

 

「アメリカのステイヤーズミリオンは検討していますが、欧州の長距離レースは行きません。

 賞金安いし招待もされていないため、勝っても赤字です。

 牧場再建するまで頑張ってくれた従業員に対する牧場再建祝賀ボーナスが必要な時に、そんな事はしません。

 そういうわけで、体調が問題なければ宝塚前に金鯱賞出せますか? 従業員のボーナスに加算する為に6400万が欲しい」

 代が変わってもメジロは偉大なオーナーブリーダーだった。

 

 ある種の敬意さえ抱きつつ池柄調教師は諦めた。

 

 6月のプリンスオブウェールズステークス。

 欧州初戦をディープインパクトは勝った。

 不調といえど勝った。

 末脚が鈍りつつも、瞳に映るウォリックにかけて負けるわけにはいかないと、叩き合い勝利した。

 そして心身をボロボロにしたため、BHBサマー三冠制覇の予定を変更した。

「薄い蹄のディープインパクトには、遠征疲れが無くともあんな短い間隔の三冠は無理でした。達成したウォリックはタフ面でも凄すぎたと痛感しましたよ。あの時、遠征疲れで、ディープインパクトはレース後心身ともに限界でした」後年のインタビューで金児オーナーがこう答えたほどにディープインパクトは限界だった。

 ここに来て、金児オーナーも池柄調教師の悩みを痛感したのは僥倖だろう。

 渡英前に、自分の相馬眼に震えが来た父メイショウドトウの北野牧場牝幼駒(一番来たのは後のビャクウンだが駄目だった)を庭先で泣き落として、「プイくんの嫁さんにも成れる良い仔買えたな」ホクホク顔の金児オーナーだったが、愛馬ディープインパクトの弱りっぷりに頭を抱えた。

 ホワイトスノーと併せられず馬社会からハブられると此処まで弱まるとは思ってもいなかった。

 

 そこで、予定変更してアメリカに飛んだ。

 オグリキャップステークスと同週開催のアーリントンミリオンに登録した。

 ハルマン氏の牧場でホワイトスノーと再会したディープインパクトは歓喜の咆哮を上げ駆けよると、歓迎の歓声を上げたホワイトスノーとともに、牧草を食べるオグリキャップの周りを一緒に回りはじめた。

 心身ともに限界だったディープインパクトは急速に回復し、祖父が傍に居ても何処か寂しそうだったホワイトスノーも元気一杯になった。

 比翼連理。その言葉こそがこの二頭には相応しい。

 

 

 

 

 …………ホワイトグリント産駒を語るスレより抜粋

 

 :白雪姫同盟

 そして、ホワイトスノーに柵越しで色目使う牡馬を威圧するプイくん

 

 :白雪姫同盟

 オグリキャップの眼を盗んでホワイトスノーにちょっかいかけた牡馬に体当たりすらしたからなプイくんが。

 

 :白雪姫同盟

 プイくんこの辺りから露骨にホワイトスノーを俺の女扱いしていたからね。

 

 :白雪姫同盟

 ホワイトスノーがどれだけモテルのか外に行って理解して危機感を抱いたのよね。

 

 :白雪姫同盟

「僕だけがあの雄々しいと言われる子が優しい良い子だと知ってるんだ」

「うん、そうかもしれないね。それはそうと、めっちゃ美人だからモテモテだよ。アメリカの牧場を一瞬で再制圧した祖父オグリが居なければちょっかい出されてたよ。てか、オグリの目を盗んでちょっかい出す牡馬続出だよ」

「僕の女に手を出すな!」

 美しい流れだ。

 

 :白雪姫同盟

 こういう所を見せるから、両親ともに海外馬な高額馬なのに色眼鏡でみられなかったよなあ。普通に愛されてた。

 

 :白雪姫同盟

 性格良いホワイトスノーの旦那がプイくんである。

 

 :白雪姫同盟

 ホワイトスノーも満更じゃなさそうだった。

 

 :白雪姫同盟

 小柄な弟分だった男の子の男前に惚れ直してたな。繁殖期外で厩務員が見ていたとはいえ、放牧でも同じ柵の中で過ごせるとは。

 

 :白雪姫同盟

 オグリにも認められてたからな。ちょっと意外だった。エルたちの時みたく孫は渡さんとするかと。

 

 :白雪姫同盟

 だって、無理矢理しないものプイくん。

 

 :白雪姫同盟

 良い子で孫と仲良しなプイくんは、あっさりと認められるのだ。だから、常時穏やかで優しいオグリ。

 

 :白雪姫同盟

 これがオグリの普段なんだよなあ。穏やかな優しいボス。プイくんに対する態度が普通。

 

 :白雪姫同盟

 喧嘩売ったサンデーやヤンチャしすぎたゴルシの時みたいに、普通なら怒鳴りさえしないのがオグリキャップ。

 エルコンドルパサーみたいなことしない限りは、怒鳴る必要さえないともいう。

 

 :白雪姫同盟

 マジ? だってこんな怖い顔で怒鳴ってるじゃないか。怒鳴られた馬が怯えて震えて縮まってるんだぞ! ttp.douga

 

 :白雪姫同盟

 相手、クラシックのエアシャカールじゃねーかwww

 

 :白雪姫同盟

 それは怒鳴ったというか矯正したんだよぉっwww

 

 :白雪姫同盟

 北野牧場で意味もなく暴れて他の馬を蹴ろうとしたエアシャカールを怒鳴り付けて矯正したとこじゃんかwww

 

 :白雪姫同盟

 オグリに矯正されるまで、何となくで暴れて人も馬も怪我させる気性難の代表例だぞwww

 

 :白雪姫同盟

 それまで、厩舎が調教の時ローテで乗り役というか生け贄決めてた暴れ馬じゃねーかwww

 

 :白雪姫同盟

 誰も担当やりたくなくて、これまたローテで厩務員回したマジものじゃねーか。コイツに比べればステゴもゴルシもオルフェは勿論、サンデーやドリジャですら可愛げある馬だよwww

 

 :白雪姫同盟

 祖父のヘイローの域の気性難だぞwww

 

 :白雪姫同盟

 気に入らない。で斜行する暴れ馬。なんでデビュー出来たか分からん馬だよ。キチガイ呼ばわりされたマジキチだぞwww

 

 :白雪姫同盟

 サンデーがもう少し広まっててサンデー系種牡馬に困らなかったら間違いなく去勢された気性難だぞwww

 

 :白雪姫同盟

 矯正したオグリに、林調教師と竹騎手が態々にんにく味噌持ってお礼しにきたほどの本物のキチガイエアシャカールwww

 

 :白雪姫同盟

 まあ、こんな風にサンデーサイレンスの系譜をはじめとして周りを傷つけようとする気性難は怒鳴ってワカラセ続けたから誤解されがちだけど、オグリキャップはボスとしてめっちゃ温厚だよ。

 

 :白雪姫同盟

 わからされた気性難たちに非があるからなあ。人や馬をワザと傷つける連中だったから。

 

 :白雪姫同盟

 外敵が来るか、攻撃的な気性難な馬が来ない限り温厚な理想的なボスなのだ。

 

 :白雪姫同盟

 だから、性格の良いプイくんはオグリじいじに気に入られてた。

 

 :白雪姫同盟

 サンデーの息子とは思えん本当に。

 

 :白雪姫同盟

 馬は母子でしか基本親子にならんから、ウインドインハーヘアの教育と遺伝が良かったんだ。本当に。

 

 :白雪姫同盟

 基本的に馬の性格は母馬に似るからな。気性難の遺伝子が主張しない限り

 

 :白雪姫同盟

 インブリードにし過ぎても不味いよな。気性難もそうだけど身体が弱くなる

 

 :白雪姫同盟

 ドン引きインブリードの結晶エルコンドルパサーも早死にしたしな。

 

 :白雪姫同盟

 だから、日本競馬界はサンデーが行き渡ったこの頃の強い非サンデー血統に目を輝かせた訳だし。

 

 :白雪姫同盟

 サンデーの血に優るナニカを持つからね。そういう馬は、特に牡馬は。

 

 :白雪姫同盟

 シンボリクリスエス・キングカメハメハ「死ぬ、助けて、新しい生け贄速く来て」

 その代わり労しいことに。

 

 :白雪姫同盟

 サンデーサイレンスが200頭でもいける! と常識を破壊してしまった頃に種牡馬になった不幸を恨むといい! 

 ……時代が悪かったよ。

 

 :白雪姫同盟

 サンデーも早死にしたじゃん。いけなかったじゃん! 

 もう少し後の時代ならオーナーたちの常識が変わってたのに。

 

 :白雪姫同盟

 ホワグリの系譜を除いてこの頃の人気種牡馬は気の毒なことに。

 

 :白雪姫同盟

 グリントの系譜は海外に拐われようとも種付け制限して貰えるからな。

 

 :白雪姫同盟

 そして、皆長生きして健康。ノーザンテーストたちのように。

 

 :白雪姫同盟

 ノーザンテーストみたく最大年100頭がギリギリだろうな。一度に精液0.1L、人間の数十倍出すのが馬だもの。

 

 :白雪姫同盟

 2ヶ月くらいで100回出すと考えたら10l。バケツ2杯分。制限してもらってもキツいわぁ……キツすぎるわぁ

 

 :白雪姫同盟

 サブちゃんもキタサンブラックのシンジケートの時に種付け制限したからな。

 

 :白雪姫同盟

 制限して元気一杯長生きなグリントの系譜と、種付け期に疲れきり寝藁に息も絶え絶えで倒れ伏して大抵20になる前に死ぬ200の大台人気種牡馬の姿見くらべたらね。今の個人馬主は殆どはそうしてる。

 

 :白雪姫同盟

 イクイノックスくん「引退したら、僕も父さんみたいに制限して貰えるよね?」

 

 :白雪姫同盟

 そんな希望と願望と恐怖と絶望が入り混じった目で見ないで……

 

 :白雪姫同盟

 クラブ馬って悲しいことなの。

 

 :白雪姫同盟

 農林水産という人類の容赦なさの極み。

 それから護ってくれるのは、個人馬主の愛しかないのに、クラブ馬イクイノックスくんには無いからね。

 

 :白雪姫同盟

 まあ、初年度は様子見で200頭くらいの地獄ですむだろ。

 結果だしたら250頭という死が見える数字になるが。

 

 :白雪姫同盟

 250頭も種付けするとなると、2ヶ月くらいで精液25lを吐き出す。体重の二十分の一を搾り取られる。

 死しか見えねぇ。てか、大形草食獣でも出ねぇだろ。渇れてインポになるだろ。

 

 :白雪姫同盟

 精力剤含めて医療技術は日夜進歩してるから安心しろ。渇れた雑巾から無理矢理液体を絞り出せるようになったんだ。

 馬は息も絶え絶えで寝藁で倒れ伏していても! 立ち上がらせ勃たせて交配させて精液を絞り出せるのだ!! 畜産業は進歩している!!! 

 

 :白雪姫同盟

 身体が頑丈ではないイクイノックスくんは、15歳まで持たんだろうな。いや、ドゥラメンテくらいかもしれん(諦観)

 

 :白雪姫同盟

 個人馬主の愛が無い時価数十億の人気種牡馬は、家族の一員でもペットでもない──家畜なのだ(号泣)

 …………

 

 

 

 

 

 

 オグリキャップステークス。

 スプリント、マイル、中距離、長距離の計4G1レースが二日間で行われるアメリカ芝招待G1の祭典ことアーリントンウィークにおけるマイル戦である。

 1着賞金250万ドル。総賞金500万ドルという当時マイルにおける世界最高額。いや、芝世界最高額である。2022年では1着賞金500万ドルで総賞金1000万ドルとなっており芝世界最高額に揺るぎはない。

 2003年から始まり、スプリンター王ステートキャップや我らが騎士王ウォリックなど名だたる優駿が制し、近年ではグランアレグリアが死闘の末制覇した記憶が新しい。

 賞金の高額さと8月第1週に行われる遠征費用が自己負担ではない招待レースのため、各国の優駿が集う世界最強マイラー決定戦ともいわれるほどに格が高いレースである。

 

 此処までは良い。此処までは。

 

 アメリカの英雄馬であるオグリキャップを讃えるために作られたレースである。

 アーリントンパーク競馬場にあるオグリキャップが戦った熊の剥製とその場面を描いた大絵画がライトアップされるレースである。

 レース前には熊と戦うオグリキャップの動画が、迫力ある生演奏とともに映されるレースである。

 レース前には葦毛馬(2003年とこの2006年などはオグリキャップ本馬)がガンマンの服装をした演者(2003年と2006はアーノルド氏)を乗せて熊を模擬した人形を撃つショーが行われるレースである。

 それらの演出時に、コーラか日本茶と(笠松競馬場及び岐阜県から購入した)オグリキャップせんべいとオグリキャップ饅頭が配られるレースである。

 30万人近い客が入るアーリントンウィークを目処に、オグリキャップたち馬を主役とした漫画やアニメや映画やゲームをそこかしこで見ることが出来るレースである。

 だから、日本の馬を描いた同人漫画や漫画が英訳されて其処らで見かけるが、驚いてはならないレースである。

 サイケがウマ娘プリティダービーを日米同時発表したレースである。

 競馬場の画面という画面でオグリキャップとホワイトグリント親子に新笠松音頭を踊らせ、アメリカにウマ娘を周知したレースである。

「馬を女の子にするなんて日本人は流石だなぁHAHAHA!?」という目で見られながら距離を置かれたが、悲しんではならないレースである。

 それはそれとして、漫画3話を先行公開したシンデレラグレイとゴールデンプリンセスの小冊子(同人誌)が飛ぶように売れたレースである。

 

 許可貰ったしインパクトがあったとはいえ、サイケぇぇ。サプライズするなよ恥掻いたじゃないか。

 

 かのごとく、一般的な日本人として突っ込みどころしかないが、これら全てがオーナーの許可があってのことであるので、突っ込んではならないレース。

 それがオグリキャップステークスであり、アーリントンウィークである。

 

 改革後は、乗馬など馬だけではなくボーリング場やゲームセンターを内包した総合アミューズメントパークとなったアメリカ競馬場。

 ギャンブルが出来なくとも、様々な規制により遊び場が限られているティーンエイジャーの少年や少女の遊び場にもなっているアメリカ競馬場。

 そのアメリカ競馬場における一種の祭りとなるアーリントンウィークは、オグリキャップの名を冠したレースがあることもあり一風変わった光景が見られる。

 アーリントンパーク競馬場全体が日本の祭となるのだ。

 浴衣を貸し出し、レース場中心に日本の職人による櫓が組まれ、祭囃子が響き、幟や提灯が散らばられ、伊奈波神社・金神社・橿森神社等の岐阜県に所縁のある山車や御輿を担いだり、共に新笠松音頭を踊り、屋台や出店で買い物して、独楽や花火や凧上げなどの日本の伝統的な遊びをして、最後に打ち上げ花火という、日本式の祭を楽しむことが出来る。

 

 「オグリキャップの出身地です!」と、大栗オーナーにだけ話を通して他の自治体や競馬場を出し抜き、日本の祭の代表面してアメリカでの日本祭関係のシェアを掴んだ笠松競馬場と岐阜県は他の県や競馬場に仁義欠きすぎているだろう。これは。

 オグリキャップ饅頭やオグリキャップわたあめやオグリキャップ清酒やオグリキャップ椀やオグリキャップ柿やオグリキャップ美濃焼だのオグリキャップ紬等々、アメリカで受けるからと、自分たちの産物に尽くオグリキャップを冠して大量に売り捌いて外貨稼いでいるのは良いが。独占しすぎだ。

 みんなのアイドルオグリキャップを岐阜が第一で名前を使うのは占有と言うんだ。

 そんなことだから、やらかしてオグリキャップ記念をJRAに没収された時に岐阜県以外誰も庇わなかったんだ。

 

 

 毎日解放され馬中心の総合アミューズメントパークとなっているアメリカ競馬場の一つ、アーリントンパーク競馬場の祭りことアーリントンウィーク。

 良くも悪くも競馬場で完結している日本との違いを肌で感じられるし、治安が極めてよく清潔なため、是非とも一度観戦するのをお薦めする。

 

 

 

 

 

 

 オグリキャップステークスは何時も以上に観客で一杯だった。

 何と言っても英雄オグリキャップが来てくれたのだから。

 この当時はまだ勲章を受け取っていなくとも、オグリキャップは40万人以上の観客を集めるほど大人気だった。

 満面の笑顔の大統領が、オグリキャップに乗りながら開会宣言したほどだった。

 ガンマン姿のシュウちゃんがオグリキャップに乗っての演劇に観客は拍手した。

 オグリキャップへの餌やりは、子供たちが並び、毎度毎度感謝してくれるオグリキャップに歓声と拍手は収まらなかった。

 そして、ホワイトグリント以来のアメリカに来たG1白馬ホワイトスノー。

 母譲りの美しい白馬に観客が興奮するなかレースは始まった。

 

 

 

『オージールールズ先頭! フランスG1馬が先頭! ゴレラが次! フランスの優駿が自国のタイトルを奪ったオージールールズに襲いかかる! 

 ミエスクズアプルーヴァル! ミエスクズアプルーヴァル! 

 魔王に昨年敗れた古豪が抜け出す! 

 ホワイトスノーやってきた! ホワイトスノーやってきた! リブレティストもやって来た! 

 白馬がやってきた! 

 ゴレラと叩き合う! オージールールズ! ミエスクズアプルーヴァル追い付いた! オージールールズが二の脚! リブレティスト! ホワイトスノー並んだ! 

 5頭横に広がった! 叩き合いが続く! 叩き合いが続く! 200を切った! ゴレラが崩れた! 

 5頭が4頭に! 3頭になった! オージールールズ崩れた

 ミエスクズアプルーヴァル凄い、ミエスクズアプルーヴァル凄い脚だ! さあミエスクズアプルーヴァルか! リブレティストか! ホワイトスノーか! 

 リブレティスト崩れた! 落ちたリブレティスト! 

 ホワイトスノーか! ミエスクズアプルーヴァルか! 2頭が並んで! ミエスクズアプルーヴァル崩れた! ゴールイン! 

 ホワイトスノー! ホワイトスノー! ホワイトスノーだ! 

 祖父の名を冠したレースを制しました白馬! 

 白馬が初めてオグリキャップステークスを制しました! 

 白雪姫がアメリカに再び帰って来てくれました! 

 その名はホワイトスノー!!』

 

 

 5頭が並び、一頭一頭が白馬に潰される光景は心臓を鷲掴みされるほど熱狂させられた。

 マイル最強クラスの優駿たちを潰して勝利したホワイトスノー。

 大歓声が迎えるなか大好きな祖父オグリキャップのところに、スキップして白馬は向かった。

 これでG1·6勝となったホワイトスノー。

 アーリントンミリオンを3馬身差で制してウイニングランをせずG1·5勝となったディープインパクトとともに、アメリカの牧場で軽い調教を受けながら秋を目指す。

 

 

 

 なお、宝塚2着から長距離部門の3400mステイヤーズミリオンに招待され勝利しG1·10勝馬となったメジロガルダンは、一着賞金150万ドルを咥えて日本へ凱旋していった。

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