感想、ここすきなど皆さんありがとうございます。頑張ります
『東京競馬場、第11レース。芝1600メートルで行われる、農林水産省賞典 安田記念。出走馬は10頭。馬場コンディションは良。20万人を越える多数の来場者が見守る中、春のマイル最強馬を示す重賞タイトルを手にするのはどの馬か? 左回りコースを使用します……係員が離れました。さあ、10頭ゲートに収まって』
快晴の空のなか響くファンファーレに合わせ、制限いっぱいの20万人の拍手が轟いてやんだ。
ゲートでも際立つ白毛の姿にファンは歓声を上げ、他馬と分からなくなる栗毛をファンは必死に探す。
誰もが知っている二強対決だと。
この二頭で勝負は決まると。
『スタートしました。各馬揃ったスタート! ホワイトグリントの白毛が際立ちます』
【半年間見れなかった白毛はやはり際立ちますね。誰の目にも彼女だと分かります】
『先頭は団子状態。ホワイトグリントとグラスワンダーは中段に控えるようです』
【もっとも得意とする位置を占めましたか。ホワイトグリント鞍上もグラスワンダー鞍上も愛馬を信頼してます。この馬が一番得意とする走りをすれば勝てると、この馬に乗っていると信じている】
奇しくもホワイトグリントとグラスワンダーは中段に控えた。
お互いが差しを最も得意とする馬たちは鞍上の手綱に素直に従い中段となった。
「ホワイトグリントと、グラスワンダーが良い位置で隣り合ったか。出し抜きは無くなったな」
「やってくれるよなあ。実力で何とかするしかない他の馬としては堪ったもんじゃないよ」
「隣り合ってる二頭が中段に控えてって状態か。包囲網したくとも二頭同時はキツイよなあ」
「先頭をエアジハードかよ。あいつ逃げ馬じゃないのに」
「逃げ馬は条件馬ばかりだし逃げても意味ないだろ。他の馬を度外視にしやがったからなホワイトグリントとグラスワンダー」
「タイムも遅めだ。絶好のポジションの差し馬が足溜めるだけ溜められてる」
「馬連元返しになるのは仕方ないな。コレは」
「あんまりな倍率よねえ」
「ギャンブルは胴元が絶対に儲かるようにするからな。国が胴元なだけあるよ競馬、情けも容赦もねえ」
「でも、面白いから馬券握るのよねぇ」
「だよなぁ、遊びで済ませないとな」
「…………ボーナス全額、有馬の三連複につっこんだのは何だったんだよ」
「あれはギャンブルじゃない投資だ。黄金世代のレースは投資なんだ! 証拠に今回は全財産半分に割って、ホワイトグリントとグラスワンダーの馬単と、グラスワンダーとホワイトグリントの馬単に突っ込んだ」
「お、おい」
「馬単は一着がホワイトグリントかグラスワンダーで割れたから、最低でも2.6倍ついてくれたからな。だから、最低でも3割り増しで帰ってくる。絶対損しねぇ」
「……そうか」
「頼む! ホワイトグリント! グラスワンダー! 同着で決着してくれ! セイウンスカイとスペシャルウィークはそうして全財産3倍以上にしてくれたんだ! 黄金世代らしく応えてくれ!!!」
「……春天の後の奢りはそうやって出したのか。あー、なんというか、気を付けろよ」
「もちろんだ! 黄金世代が関わらないレースはギャンブルだからな! 千円以上は絶対に賭けていない! 遊びで済ませている!」
(やはりこうなったか。仕方ないわな──やるしかない)
沙藤は腹を括った。
直線勝負。溜めるだけ溜めての直線勝負。
それをやるしかない。重要なのは位置取りだが、目の前にはエアジハードしかいなくなってしまった。
自分たちの脚が速すぎて他の馬が追い付けていないから。
目の前にいる一頭だけを進路に支障をきたさずに抜かす。
これが出来なければ競馬学校を卒業できる訳が無いほどの当たり前だ。
(まったく、何て馬だよグラスワンダー)
競馬学校と同じでは無いのは、横を走っている馬だけだ。
(だから、どちらの脚が切れるかだ──)
(まったく、何て馬だよホワイトグリント)
的羽もまた腹を括った。
直線正面勝負しかない。
今、日本で一二を争う末脚を持った馬での直線勝負。
放牧で良い意味で筋肉が付き──温泉から引き出そうとするオグリキャップと従業員との争いを経て──キレだけでなくパワーすら持つようになったグラスワンダーと、ダートをものともしないホワイトグリントの末脚勝負。
勝負を決するのに有利となるのは、進路の馬場状態だが──
未だ沙藤では持てない的羽が出来る馬場の見極めを持って見る。
(くそ、同じくらいだ。どちらの進路も荒れが少ない)
どちらも体が泳ぐような馬ではない。鞍上が気を配らなくとも斜めに進んだりせず真っ直ぐに突き進むという、気性の良さと鞍上への信頼を併せ持つ馬。
黄金世代らしい特徴にして、他陣営が嫉妬するしかない資質だった。後年、名手ラメールが愛馬イクイノックスに対して「ボクのポニー」と呼ぶほど騎手に勝つことだけを集中させてくれる希少な才能だった。
そんな馬たちが走る道が荒れていないと、直線直前になって見極めて確信した。
(なら、どっちが切れるかだ。府中の直線でどっちが切れるか──)
((それだけが勝負を決める))
『まもなく直線!』
((そして──))
『直線に入る』
((俺の馬が勝つ!))
愛馬を信頼する鞍上がステッキを振るったのは全くの同時だった
『グラスワンダー! ホワイトグリント! ほぼ同時に鞭が入った! 安田記念の直線を! 府中の直線をどちらが制するか!』
【こんなレースをするなんて、マッチレースそのものじゃないか】
グンと加速する二頭。
疾走する白。
疾駆する栗。
『速い! 速い速い速い! エアジハードを交わしてあっというまに後続に差をつけていく』
【直線の瞬発力で勝つ。サンデーサイレンスの血脈が日本競馬にもたらしたものです。一滴も入っていない二頭がサンデーサイレンスの血脈を置いていく、黄金世代がどれほどのものかを見せてくれますね
生産牧場は目の色変えているだろうな】
思わず呟いた解説の呟きの通りだった。
引退後のグラスワンダーを迎え入れる契約を結んだ社大は「ノーザンテーストもサンデーサイレンスも一滴も入っていないロベルト系の良血馬が、これほどまでに……一発600万からだな。宛がう牝馬は選りすぐろう」と決意し。
他の生産牧場は「エルコンドルパサーに加えてグラスワンダーまでもか。サンデーサイレンスのカネで取りすぎだろ社大」と苦い顔をした。
もう少し時代が下り、サンデーサイレンスの血が行き渡った時代ならば、初年度から300頭近いサンデーサイレンス系譜の牝馬を宛がわれたほどにグラスワンダーの末脚は目を焼いた。
当然、その末脚と渡り合うオグリキャップ×ホーリックスの白馬も。と言いたいがそれはなかった。
世界的なアウトブリードの血統であるため、血統の強さの裏付けが無いホワイトグリントのこの頃の血統評価は、2025年今日からは信じられないほど低かった。突然変異と断じられていたのである。
「もし牡馬だったとしたら、成績とスターホースを加味しても種付け料100万スタートで50頭嫁さん集まれば御の字ですね。それほどまでにホワイトグリントは零細血統でした。同時代ではセイウンスカイよりも血統評価は低かったのです……今からでは信じられない方が殆どでしょうが(笑)
もし、牡馬だったら今頃はどんな評価になるか? 北野さんは種付け制限されるでしょうから……2014年の今で種付け料6000万は確実でしょう。日本史上最高額です。間違いなくサンデーサイレンスを遥かに越える成績を修めていたに違いないですから」
ダービーオーナーとなった丘田氏が苦笑しながら言った評価が想像できないほど低かった。
ホワイトグリントの血統評価が変化するのは、同じオグリキャップ×ホーリックス産駒である弟ウォリック妹ラティーナが走り、その血統の裏付けが取れてからである。
が、それでも低かった。ノーザンダンサーもミスタープロスペクターもサンデーサイレンスもヘイルトゥリーズンも一滴も入っていないオグリキャップ×ホーリックスは、それほどまでに有り得ない血統だった。
トウカイステージの購入金額2億5000万が「ありえない額」と言われるのが、高すぎる意味でか、安すぎる意味かの違いは産駒が走りはじめてからだ。
内町オーナーが購入した未だホワイトグリント産駒が走っていない時、幼駒トウカイステージの評価額は「ウォリックとラティーナの甥であることと素晴らしい馬体を加味しても1500万」だったのだから。
ホワイトグリントとウォリックとラティーナの子供たちが走った結果を知る今日の我々には信じられないにもほどがある。
産駒たちにより血統の力が知れ渡り「オグリキャップ×ホーリックスの血の一滴は、同重量の黄金よりも価値がある」と呼ばれ、セリに出されたホワイトグリントの唯一の産駒が牝馬でありながら112億円という高額がついたことが今日の我々が知る常識なのだから。
世界中の馬産家たちが「「「何で、オグリキャップ×ホーリックス産駒三頭だけなんだよ。しかも牡馬一頭だけっ! ブリカス規制された一頭だけ! せめて、あと一頭牡馬っ! いや、何故、ホワイトグリントとラティーナ牡馬じゃないんだ!? 競馬の神ぃ!?」」」と
『ホワイトグリント! グラスワンダー! 並んでいる! 並んでいる! 他の馬が止まってみえる二頭が並んでいる!』
【600から400までのタイムが10.6って、なんなんだよ。あんなの他の馬は無理だ】
そんな未来を予想だにしない人々は、ただ刮目して叫んでいた。
200m12秒台が「速い」と断定される府中の直線を、1秒以上縮めて白と栗は並んで駆けていた。
まるで、弾丸のごとく。
『ホワイトグリント! グラスワンダー! 競り合う! 競り合う! 競り合う』
「そんな白いの! 潰せ! 潰すんだぁ! グラスワンダー!」
「んな栗毛! 仕留めちまえ! 捩じ伏せろやぁ! シロぉ!」
馬主席では、出走前の紳士の態度を投げ捨てた二人の馬主が咆哮する。
『ホワイトグリント! グラスワンダー! 後ろは来ない! 決まる! この直線で決まる!』
頑張れっホワイトグリントー!
グラスワンダー! 勝って!
単勝! 応えて!
三連複だ! こいや! シーキングザパール!
がんばれーグリちゃん!
いけーおんせんうまー!
ドリフター◯のおうまさんっ走れー!
観客席では馬券やぬいぐるみなどを抱き締め握りしめた子供を含めた老若男女が叫ぶ。
かの人気グループのコスプレイヤー。
普段着の家族連れ。
馬のグッズを身に纏ったカップル。
そんな人々、みんなが叫ぶ
みんなが熱狂する。
白馬と栗毛馬の熱戦に熱狂する。
『日本一が! 日本で一番速い末脚が決まる! 最速の馬が決まる! ホワイトグリント! グラスワンダー! 最速はどちらだ』
一番速い馬を決める。
日本一のマイラーを決めるレースに熱狂する。
それに応えるように鞍上の騎乗は冴える。
流石のベテラン的羽。
「お前さあ」一緒になった時のトレセンで引っ付かれ続かれた大里に呆れ混じりの好意的な苦笑をされるようになった沙藤。
その騎乗技術は、この直線に関してはほぼ互角だった。
熟練の極みの騎乗に、飢えた若手はかろうじて喰らいついた。
全体では及ばないが、この直線限りとはいえ食い付けることが出来た
長距離では及ばなくともマイルならば何とかすることが出来た。
一年前にアメリカでクリス・マッキャラン騎手に歯が立たず愛馬の足を引っ張った沙藤は、ここまで腕を上げた。
(本当に、良い馬と巡り会えた若いのは腕を上げるのが早い)
笑みを噛み殺して的羽は勝ちに行く。
騎手として勝ちにいく。
愛馬と共に勝ちにいく。
鞍上の腕にも馬場にも優劣が無ければ、後は馬にかかっていた。
『内ホワイトグリントか! 外グラスワンダーか! どっちだ! どっちだぁ!』
満面の笑顔のホワイトグリントが脚を速める。
顔に血管さえ浮かべたグラスワンダーは猛る。
他の馬より速く駆ける本能が叫ぶ。
惚れた牝に勝つ牡の意地が吠える。
苦痛を味わい尽くす快楽が気持ちいい。
惚れた牝に優れた脚を示す愉悦が熱る。
『互角! 互角だ! どっちだ! どっちだぁ!!!』
あなたには!
温泉に入っては歌ってた馬には!
その時に何時も何時もお父さんに面倒見てもらって迷惑かけて
私と過ごす時間を盗った馬には
ぜったいっにっ負けないっっっ!!!
ワアアアッッ
『ホワイトグリントぉぉ! ホワイトグリントだぁぁっっっ!!!
僅か僅かにホワイトグリントぉぉぉっっっ!!!
沙藤が! 鞍上沙藤が吠えました!
府中の! 府中の直線を白い閃光が制したぁぁぁっっっ!!!
有馬記念の借りを返しました!
グラスワンダーの黄金の脚を! 白い閃光が破りました! 父娘二代安田記念制覇!
日本一です! 日本一の末脚です! 日本一速い馬です!
上り3ハロンのタイムは31.9!
日本史上最速の上がり3ハロン!
遅れて、三着はシーキングザパールか!』
ワアアアッッ
『そして、そして、あまりにっ! あまりに偉大な記録が生まれました東京競馬場!
八冠です!!!
八冠馬が誕生しました!!!
シンボリルドルフが七冠馬となってから14年!
ついにルドルフを超えた馬が現れました!』
ワアアアッッ
『その馬は外国産馬でも輸入種牡馬の仔でもありません。
サンデーサイレンス旋風が吹き荒れ、輸入種牡馬に敗れ去った内国産種牡馬の仔です。
父は種牡馬として大失敗だったオグリキャップ。
母はジャパンカップを含めたG1を6つ制するも非主流血統故に評価が低いホーリックス。
そして、開業したばかりの牧場。
故に産まれた幼駒は忘れ去られていました。
父オグリキャップの調教師以外は、誰も見に来なかったほど忘れ去られていました。
幼駒の頃の評価額は、希すぎる白馬ということを加味して500万に届かないと断定された低評価。
4000万が最低ラインの輸入種牡馬御三家産駒ではなく内国産種牡馬産駒500万の馬!
そんな馬が並み居る優駿を破り八冠を制しました!
よっしゃあぁぁっっ! クソッタレのサンデーの系譜に七冠を更新されなかったぁぁっっ!!!
信じてたっ! 日本の血は! オグリキャップやホーリックスみたいなサンデー前に活躍した血は強いんだって! しんじてたぁぁっ!!!
ざまぁみろ! 輸入種牡馬御三家! お前らのせいで平成三強が呼んでくれた客が居なくなって視聴率落ちて幾つもの競馬番組が終わったんだよぉ!
去年まで俺たち競馬部門がどれだけ肩身狭い思いをしたと思ってんだ! 海外から高いカネでやって来て頑張る日本馬を隅に追いやりやがって!!!
だが、それも去年までだ! 去年からは競馬番組幾つも再開して! 新しく初めて! 視聴率も良い! やっぱりスターホースは! アイドルホースは違う!!!
ありがとう! 全部、君のお陰だ! 本当にありがとう!!!
誰もに感謝される白馬! その名は』
ホワイトグリント!!!
周りから一切制止されなかった実況が咆哮する言葉に合わせて、馬の名が観客全員に歓声とともに叫ばれるなか。
八冠馬が生まれた。
なお、実況深山氏は注意処分を受けたのち、実況を継続した上で夏から始まる新たな競馬番組のアナウンサーとなった。
実質的にお咎めなしどころか、良く言ってくれたと評価されたのである。
※作者注
Q:こんなに恨まれるなんてサンデーサイレンス何したの?
A:今で言うと、競馬ファンはイクイノックスやドウデュースやパンサラッサの子供たちの走りを楽しみにしているのに、突如として現れた外国産種牡馬によってイクイノックスたち日本馬の子供たちが全然活躍できなくなるような事をしました。
親子で継いでいくのを楽しむブラッドスポーツでもある競馬を破壊したのです。
史実だと「オグリキャップたちの子がレースに居ない」と観客が遂に諦めた1998年だけで、中央競馬で約2000億円の馬券売上が減り約80万人の客が居なくなった要因の一つです。
当然、沈む船を見極める嗅覚が優れている報道界は1997年までにオグリブームで作った番組などを終了したので、何人も同僚をクビにされ給料も減った競馬部門の方は実況氏並みに恨みを抱いています。
なお、史実では遥かに大きな被害を被った競馬界全体では恨みでは済みません。
「サンデー血統でなければ競走馬にあらず」とまで言われるほど日本競馬の覇権を制したディープインパクトデビュー時の2004年には1998年と比べて約9000億円の馬券売上が減り約400万人の観客が居なくなりました。
そして、過剰に持ち上げてでもスターにしようとしたディープインパクト引退時の2006年までに、更に約1000億円の馬券売上が減り約50万人の観客が居なくなりました。
哀しいかな、一時的なブレーキにもなりませんでしたディープインパクト。一時的に減速しただけです。
「ディープインパクトは強いだけで愛されなかった。広報のカネを無駄にした」とJRAの偉いさんに罵られたのはこの為です。
そして、10年で中央競馬だけでも馬券売上が4兆円から2兆8000億円へと1兆2000億円減り、観客が1400万人から750万人へと650万人以上減った競馬界は半壊しました。
冗談抜きで半壊しました。
以上の数値が比較的客とカネが集まる中央競馬だけであり、地方競馬は消滅した競馬場が多く数値がわからないほどに半壊しました。
馬主は去り、売れないため年11000頭を数えた生産馬が7500頭になるほど牧場は潰れ、競馬場周辺の商店は潰れ、競馬場自体も幾つも潰れ、幾つものレースを減らし、幾つもの厩舎が閉鎖し、携わる人間の給料は制度として減り何人もクビになりました。
健康な馬が何頭も殺処分となっただけでなく、過労死や自殺などの貧困死が千人以上にも上るとさえ言われています。
2007年にパート1国。つまりは世界一流と認められた日本競馬は、その実、様々な物を切り捨て犠牲にして規模縮小することで生き残ろうと喘いでいたのです。
コロナ前の2019年に、中央競馬の馬券売上2兆9000億円観客数620万人だったので生き残りには成功しましたが、全盛期と比べてその規模は半減したと断言せざるを得ません。
このように、日本馬が世界レベルに達した代わりに日本競馬界が半減した一因がサンデーサイレンスです。
サンデーサイレンスが高過ぎるからその産駒を早めにかつ多く種牡馬にして馬産家皆に安価で血を回そうとした社大の好意が、サンデー血統飽和へと繋ってしまったために。結果的に社大が独り勝ちになってしまった事を合わせて、怨念を抱かれました。
サンデーサイレンスは何も悪いことをしていないのに、功罪大きすぎる馬がサンデーサイレンスです。
一方、JRAの神オグリキャップは中央デビューしてから3年で馬券売上を約1兆1000億円増やし新規観客を300万人以上呼び込みました。加えて2兆円の各種グッズを売上ました。
同じアイドルホースのハイセイコーでさえ、2年で馬券売上1000億増、観客数変わらずグッズはほぼ無しであるため、神としか評価出来ない存在です。
そして、1997夏の終わりまでに前年比観客数70万人減という「「「減るのは覚悟していたけど、ここまで破滅的な数字なんて覚悟できるもんか!!! たすけてぇ! たすけてぇぇっ! オグリキャップぅぅぅ!! 今こそオグリキャップが!! アイドルホースが必要なんだぁぁっ!!!」」」と競馬界が上から下まで絶望の中で祈っている時に、この世界線ではホワイトグリントがデビューしました。
去りつつあった客の足を「オグリキャップの娘の白馬」として止めさせ、4連勝でG1を制した頃には新規客さえ呼び込み始めました。
共同通信杯のエルコンドルパサーとの激戦から本格化した第三次競馬ブームにおいて、父と共にアメリカでもブームを起こしました。
結果、こちらの世界線では、1998年の中央競馬売上は6000億増しの4兆6000億円、観客数200万人増の1500万人と、どちらもJRA史上最高値となりました。
新規馬主が大挙し、生産馬も完売したため、牧場も競馬場も厩舎も潤いに潤っています。
オグリキャップ・ホワイトグリント景気を起こし、景気までも良くしました。
神様仏様オグリキャップ様。
血統評価はとてもとても低くとも、日本競馬界はホワイトグリントの八冠制覇をみんな笑顔で祝福しています。
次回は、感想とここすきが多かったゴルシちゃんのその後を書きます。
この世界線では、ギャンブル以外の競馬を知らしめたハイセイコーからギャンブルからスポーツへと形作ったオグリキャップへ、そして賭けのあるスポーツにしたホワイトグリントへと続きました。
こちらの世界線では、ディープインパクトはとても愛されてます。ホワイトスノーとのアレコレと反逆で愛される存在になりました。