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皆さんの感想と高評価とここすきのお陰で書く気力が湧きます。本当にありがとうございます
ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリーターク。17〜18世紀、競馬が盛んになったイギリスでは、速く走れる馬を作るためにアラブ種をハンター種などの在来種と交配するようになり、特に際立つ能力を見せた前述の三頭を基に血統を固定した。
それがサラブレッドである。
足が長く、筋肉質で、持久力とスピードに優れる肉体的特徴は美しさを。
神経質で敏感にして知能が高い性格は愛らしさを。
人々に感銘させ、愛された。
エクリプスという稀代の暴れ馬のせいで気性が荒い馬が多くなってしまったが、本来のサラブレッドとはアラブ種やハンター種のように、もしくはオグリキャップ・メイショウドトウ・グラスワンダー・ミホノブルボン・マチカネフクキタルのような優しい気性の種なのである。
レースに勝つ。それを求めるあまりに本来の優しい気性が少数派になってしまったのは皮肉だろう。
そんなサラブレッドは人が生んだ最高の芸術とまで呼ばれ、日々理想を追及されている。
では、理想のサラブレッドとは何か?
それは──
うつくしいっうつくしいっ
白馬、あぁ、日の光を浴びた白馬とはこんなに
こんな馬がいるなんてっ奇跡だっこんな美しい馬が
素晴らしい肉体が鍛え上げられ脚も長くすばらしいっすばらしいっ
あぁ、そうだ、こんなサラブレッドが見たかったのだ、鍛え上げた肉体と類稀なバランスの脚と白毛、こんなサラブレッドをわれわれはっわれわれはぁぁぁっっっ
300年、300年の回答がここにいっ、こんなふうに回答がぁっ
鍛えあげているのに牝馬よ、色気さえ見える柔らかさがあるわっ。筋肉に汚されていない女の子よ
イギリスでっ、なぜっイングランドでっ、産まれずにっ
女王陛下万歳! 白馬に乗られた女王陛下! あぁっあぁぁっっ
描くんだ私は描くんだ今すぐにこの場面の絵をっ
何で女王陛下シロに乗ってんだ?
え? 親父が許可したって開催者に言われたんだけど。
あ、買い物していた時に御付きの方に頼まれたから私が父さんの名前で応えた。イイエなんて絶対言えないもの。
すいませんお義父さん。いきなりでしたので。
綺麗だし良いじゃないですか。あなた
──美しく
あ、子供がっ
馬の前にいくなっ危ないっ
あぁ、あぁ、止まって、転げそうになった子を、顔で受けとめて
ペロペロと子供の顔を舐めて
煮えたぎる蒸気機関車が、セントサイモンが失わせた優しいサラブレッドがっ
優しい馬だ。イングランドの馬、ハンター種たちが持っている優しさがサラブレッドにっ。
なんて愛らしいんだ
そうだそうなんだぁっサラブレッドは優しい種なんだぁ
何人も子供が纏わりついて、あぁ座り込んで
女王陛下がお手で私の子を白馬に乗せて
子供たちを乗せてたちあがってぇっ
おぉ、馬だ。人類の友たる馬だっ。
エクリプスが、セントサイモンが、ナスルーラが壊した優しさが。暴れ馬たちに優しさが壊されることなくっ
愛すべき馬が本物の馬がここにっ。
ま、シロが楽しそうだから良いか。次からは俺を呼べよ。
シロ楽しそうだな。
うん、そうする。ごめんなさい。
可愛いですよね。
人間が大好きだものシロちゃんは
──愛らしい
何よりも──
あれは速いぞ
間違いなく速い。
鍛え上げた肉体に牝馬特有の柔らかさ、モノが違う。
アメリカのG1を二つ勝ったわけだ
ダート馬だと思っていたが違うな。
芝でも速いですわね、あの歩様が魅せてくれるわ。
あのバランス、あの柔らかさ、一体どれ程の鍛錬を。
生まれついての馬体が素晴らしい上に、鍛練好きの身体だっ。こんなサラブレッドがっ、なぜっ
白馬の上に速い。素晴らしい。こんな馬が、極東でなんてっ
神よ。こんな試練を我々にっ。なぜっ。
極東に居ていい馬じゃない産まれていい馬じゃないっ。なぜだぁ。
くそっ。この馬を幼駒の時に見に行かなかったなんて、私の調教師は何をしていたんだ。酔っぱらっていたのか。
仕方あるまい。東洋やね馬だ。極東の馬だ。見に行かないのが普通なのだ。次から見に行かなければ契約を切る。それでいい──くそっ
……日本競馬の結果は無視かよ。
いや、ただ視界に入ってないだけだよ日本競馬の結果は。一切の悪意なく格下扱いが、日本競馬か。
パート2国だから、か。何か遣る瀬無いね。
それくらい日本って下に見られて当然なんですよ。年月と血統の積み重ねが違いすぎるのです。だから、こちらから見れば、ホワイトグリントはアメリカG1・2勝馬なんですよ。でも、ここまで──私たちに聞こえてしまうような大きな声を出してしまうなんて冷静じゃありませんね周り。
シロちゃんが走ってくれれば変わりますよ間違いなく。
──何よりも速い
それが理想のサラブレッドだ。
警官が馬に乗るほど馬と当たり前に生活するイギリス人は認めた。イギリス人だからこそ認めざるをえなかった。あまりの驚愕と感動により外面を取り繕うのを短時間とはいえ忘れてしまった馬主達は、イギリスの上流階級の紳士淑女は認めるしかなかった。
ホワイトグリントとは、理想のサラブレッドだと。
感動と熱狂が過ぎ去ると、イギリスではない極東の地で人が300年も追い求めていたサラブレッドが生まれてしまったのだと、神をあらゆる言葉で内心全力で罵りながら認めた。
これが、ホワイトグリントショックと呼ばれるイギリス競馬界を揺るがしに揺るがし抜いた事象である。
そして
(なんで! なんでイギリス馬じゃないんだ! ファック! ファーック! 神よ! これが試練か! ファーック!! こんなのおかしいだろぉ!!!)
そのうちの一人であるセミル調教師も全力で神を罵りながら慟哭していた。
(あんな馬がいると知ったなら! イギリスの調教師ならっ! 誰もが見にいってぇ! 預託を依頼して──ん?)
「ミスター、確か、あの馬を幼駒の頃に見定めに行ったのはあなただけでしたか」
「ええ、そうです。一目見て預託を願いました。いやぁ、アイツがあのままだと地方行ってたと聞いて背筋が寒くなりましたよ。ははは」
通訳を介して話しかけた瀬戸内調教師と笑顔で話ながらセミル調教師は右手を差しだし握手した。
「
「ええ、お互いに」
「あれほどの馬を幼駒の頃に見に行かなかった瀬戸内調教師以外の日本の調教師はレベルが低いな。低すぎる。俺たちイギリスの調教師とは比較することさえ出来ないほどに。はっ、パート2国の調教師だけある。所詮は二流どもよ。だから神が哀れんであれほどの馬を誕生させたのだな」と、『あなたは素晴らしいトレーナーのようですね』の裏に込めるイギリスしぐさすることでホワイトグリントショックを受け止めたセミル調教師は握手した。
「「敵はコイツの馬だけだな」」瀬戸内調教師と同じく全く目を笑わさずに。
十数年後には自らのラストサン・フランケルと唯一競り合った白馬の母になるとは知らないがゆえに、「ダンシングブレーヴを日本に売った奴はロンドン橋から飛び下りろ!!!」と後年咆哮するセミル調教師は、この日はホワイトグリントが日本馬であるという現実を受け止めた。
他のイギリス紳士淑女もそれぞれなやり方で受け止めた。
『ラムルマ先頭! ホワイトグリントは抜け出せない! ラビット戦術だ! チームで妨害して! 壁を作って潰しにきた! ヨーロッパお得意の戦術だっ!』
そういうわけで、イギリス調教師達は外国強豪馬が挑んできた何時も通りにラビットによりホワイトグリントを妨害するように騎手に指示し、騎手は当然のように応えた。
自分の馬ではなく同国馬のラムルマを勝たせることを。
日本馬にオークスを獲られるよりも、イギリス馬であるラムルマをオークス三冠馬にする方が良いと割りきって。
家臣団で戦い味方を勝たせる。それが欧州競馬の根幹であり普通である。
賞金が高くなくとも、騎手や調教師への給金支払を馬主が行うので勝たなくても問題ない。その一面が出ていた。
勝負事なのに勝たなくて良い。妨害は立派な仕事。だって騎手が貰う給料ほとんど変わらないもの。
同じ競馬でも、最早日本競馬とは根本から違っていた。
『エルコンドルパサーが散々やられたチーミングがホワイトグリントにも牙を向いた! これだから欧州は糞なんだぁぁぁっっっ!!!???』
だから、チーミングは誰にも責められはしない。
チームを編成しない陣営が愚かなのだ。
他国馬なら母国陣営が手を組んで潰すのは当然。
だから、他国馬は欧州競馬に対してチームで挑む。
だから、勝つ馬は最初から限定される。
『あんまりだろぉぉっ! 競馬を何だと思ってんだイギリスぅ!!!』
欧米の競馬においてそれが常識である。
女王陛下ですら「セイウンスカイや日本のお嬢さんはどうしてチームで来ないのだろ? 趣味なのかしら???」と内心思うほどの当たり前である。
「そうか! 大金を賞金とする凱旋門賞ではチーミングするんだな!! 汚いぞ!! 日本人!! させるか!!!」とフランスギャロがセイウンスカイをハブいたのはそんな背景によるものだ。
なお──
「まあ、最後の直線まではお互いに邪魔しないようにしようや。それまではカバーし合おう」「ですねノリさん。いやぁ、チーミングやられっぱなしで辛かったんです」by騎手
「関東同士何よりも日本人同士のアレコレがありますからね。やっぱり」「当然です。そういう義理人情大切ですよね」by調教師
「日本馬同士ですもの。大切な事を忘れてはいけませんよ」「まったくです。向こうが組んでてこちらは無しなんてたまりませんよ。併せ馬しながらチーム戦に慣れてもらわないと」by馬主
──当然、エルコンドルパサー陣営とセイウンスカイ陣営は
そして、後にセイウンスカイが卑劣な手段で追い出されたことを知った際には「「「我々は手を組むつもりなど全くなかった。何故ならば日本競馬ではチーム戦はあり得ないからだ。日本競馬だけしか知らない我々は急に手を組むことが出来るほど器用ではない」」」と全員で口裏合わせて隠しとおしてから被害者として非難したのも言うまでもない。
社会人として当然である。
まあ、ハブられたお陰で「私を完敗させた雄と併せ馬すると! 負けた悔しさとリベンジへの逆襲が心を責め立てて! ハードトレーニングが肉体を責め立てて──たまんねぇぇぇ!!!???」と新しい扉を開いたドマゾは絶好調になり。
そんな彼女に対して「さにーぶらいあん以来の強い併せ馬だ! 負けるか! 何よりも牝に負けるもんか!」と奮起するセイウンスカイも絶好調になるという事象が起きたので悪いことばかりではなかった。
そして
『何をホワイトグリント以外で当たり前に組んで妨害してるんだよぉ! 恥知らずどもがっ!』
そんな欧州ルールは日本からしてみればこのようにしか見えない。
『勝たなくてもカネ貰える連中はこれだからっ! 競馬しろよっ競馬ぁ!?』
イギリスの大衆が、宿敵フランスの地にてチーミングにより最後尾に追いやられながらも果敢に直線で全頭抜かし勝利した勇者ダンシングブレーヴのような例外を除き、チームで最初から勝たせる馬がある程度決まっている──障害競走を除いた──イギリス競馬を「家臣団ごっこの貴族様のお遊び」と嫌悪し背を向けているのはここにある。
『これがイギリスの競馬だ! 勝ち馬をハナから決めているイギリスだ! アメリカよりきたねぇっ! だから、凱旋門賞に皆行くんだよっ!!!』
凱旋門賞が欧州一のレースとなった最大の理由も此処にある。
大金を賞金としたために、チーミングはあれど誰もが勝ちにいく。
純粋に面白いのだ。
ヨークシャーオークスのような非高額レースは、G1なのに勝ち馬というか陣営がある程度決まっている出来レースになってしまうのに比べて。
『くそがっ! これだから欧州はっ! 出来レースな上に! アジアが強くなるとすぐこれだっ! こんな連中から高いカネ出して輸入したクソッタレな御三家産駒が活躍するから皆嫌になったんだよぉ!』
安田記念同様実況深山氏が思い切りぶっちゃけた絶叫をするが、生放送を観る日本の誰もが賛同する。
日本競馬は大衆のモノなのだから。
このっ!!! ブリカスが!!!
日本人の絶叫が轟く中、レースは進む。
チームを組めるレベルの同馬主の馬が居ないため、常に単騎で正々堂々勝ちにいき数多の卑劣な手段にも屈せず正面から打ち破る。イギリス競馬が、そんな騎士そのものの、たった一頭の馬により大衆化する四年前のことである。
「アイツの勝ちだな」と最後まで勝とうとせず脚緩めるから、大差勝ちが当たり前にあるんですよね欧州競馬。それもあって、つまらないと言われるんですが。
未だにキングヘイロー関連のメッセージが何人かの方から来るので多数決で決めます。キングヘイローの気性を改善するために去勢しますか?去勢したのならキングヘイロー関連の文章書き直し1999帝王賞に勝利したことにします。代わりにカワカミプリンセスやイクイノックスが生まれなくなります。あまりの事に書けて無い状況ですので、する・しないどちらかが7割以上、300人以上の方が投票して白黒付けてください
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去勢する(非史実)
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去勢しない(史実)