「おい! あれ! サンデーサイレンスだぞ!」
「本当だ! 近年アメリカ一のウマ娘サンデーサイレンスだ!」
「アメリカの顕彰ウマ娘サンデーサイレンス!」
「20世紀アメリカ人気ウマ娘で21位のサンデーサイレンスが日本に!」
「何で日本に居るんだ!?」
「日本に来てくれるなんてっ!」
「スズカと一緒にいる!」
「スペちゃんのレースを見に来たんだ!」
「伝説のウマ娘が日本に来てくれたぁ」
「どうしよう! サイン欲しいけど! 手帳で大丈夫かな!」
「でも、怒ってない? 目が」
「うん。怖い。ちょっと近寄りづらい」
未だ日本語が拙い身だが、雰囲気で何を言っているのか何を欲しているのか理解して後悔した
「色紙を含めたサインの準備をしてオクべきだったナ」
アメリカウマ娘である己に、これ程のファンが居たとは迂闊だった。
このままでは「ファンサービスも出来ないとは、ね」と宿敵に、完璧なクイーンズ・イングリッシュで嗤われてしまうっ。
焦燥に駆られたところを
「あとで学園にお願いしておきますね」
可愛い可愛い教え子がフォローしてくれた←一時的な教え子? 何を不思議なことをサイレンススズカとスペシャルウィークはずっと私の教え子じゃないかbyサンデーサイレンス
「タノム、あのdaemonがイルところには近づきたくナイんだ」
「デーモンなんて、オグリキャップさんは優しく素敵な先輩ですよ」
「……ワタシにはわかる。アレはコワイヤツだ。絶対にオコラせるな。キケンダ。イノチガ危ない」
「……はあ???」
ああ、そうやって小首を傾げる姿は愛らしく頭を撫でてやりたいが。
お、そうか。さあ頭を出しなさい撫でよう。
柔らかくて温かく可愛いが。
それゆえの危機感の薄さと思えば悲しい。
反逆と逆襲への思いは危機感により育まれるのだから。
・そうだよ。なんで、日本に、おまえがby英語
・引退と同時に売り飛ばされてっ! 神よっ資本主義の豚に天罰をby英語
・信じられないよ。何故っ! ステイツから居なくなってby英語
・不完全燃焼に終わったお前とイージーゴアの戦いの続きが、子供世代で見れると信じてたのにby英語
・競馬から一度離れたのは、サンデーサイレンスがアメリカでパパになれないからだよby英語
・スペシャルウィークとサイレンススズカがステイツで走るまで、お前のことを忘れるように頑張ったよ。でも忘れることが出来なかったのがお前なんだ! サンデーサイレンスby英語
・卑劣な。サンデーがアメリカで種牡馬になると損をするヤツが東部に居たからby英語
・イージーゴアの馬主のような東部の金持ちWASPは汚いっby英語
・アメリカ人の悲鳴のコメントで画面が埋まった
・ヘイローの息子とはいえ母方が地味だから普通に嫁さんになれる牝馬いたものなサンデーサイレンス
・サンデーサイレンスはあまりにもアンフェアだったよ。チャンスさえ与えられなかったby英語
・馬体が悪いからってありえん
・ウォーエンブレムのように馬主さんが亡くなったから整理ならまだしも、馬主さんが最後まで諦めなかったのに
・馬主に愛されてクラシック二冠とってBCクラシック制した馬がステイツで種牡馬になれないなんて間違っていたby英語
・アメリカ産まれの息子レッツカウンターバックが同じオーナー調教師騎手でケンタッキー制した時に涙が出たよ。サンデーは逆襲したby英語
・さあ逆襲しよう。何て名前をつけたハンゴッグ氏よ
・ケンタッキーダービーって日本でいう日本ダービーなんだよ。普通は制したら祖国で繁殖入りするんだよ
・売っちゃ駄目だよなサンデーサイレンス。ダービー馬が祖国で種牡馬入り出来ないとか色々な意味でありえん
・サンデー系種牡馬に冷たい日本もダービー馬は絶対に日本で種牡馬入り出来るからな。結果出せなきゃ海外だけど
・女傑たちにボッコボコにされて危うかったディープスカイも日本で種牡馬になったからな。シンジケートは組まれなかったが(笑)
・アメリカ的にはダービー馬が種牡馬入り出来ないのが普通なのか?
・なわけねーだろ! サンデーがおかしいんだよ。馬主が亡くなったから売るとか、馬主が最初から売る契約していたみたいな事がない限り! ダービー馬はアメリカで種牡馬入りする! by英語
・日本で言えばクラシック期に皐月ダービー二冠馬が有馬とって年度代表馬になった馬だぞ! イージーゴア以外はミスでしか負けなかった馬だ! なのに売り飛ばされたぁっ! by英語
・イージーゴアはあの年サンデーサイレンスにしか負けなかった! 誰もが! あの二頭の子世代の争いを待っていたんだ! by英語
・一桁しか嫁いなくてもサンデーサイレンスならなんとでもなったby英語
・実際なんとでもしたしな! イージーゴアが世を去った後で! だからっ! 二頭の子世代対決は起きなかった! by英語
・アメリカ人の慟哭が凄まじい
・90年代はサンデーたちで客も売上も回復して、サンデー売り飛ばされた後に激減したからねステイツby英語
・客も売上もホワイトグリントとオグリキャップが来るまで落ちに落ちたからなby英語
・多分、あのままだとアメリカ競馬が死んでた。サンデー売り飛ばしたせいでby英語
・日本は痛しかゆしだったなあ。競馬のレベルを底上げしてくれたけど同時に外国馬産駒が活躍し続けて競馬が冷めた
・そういう意味でもこの時期は面白い。オグリキャップの娘であるホワイトグリントの活躍により変わった時代
・しかし、サンデーはやっぱりウエスタン英語だなby英語
・クイーンズ・イングリッシュで喋る東部の上流階級の連中が、「田舎者が」と嘲笑うウエスタン英語を喋るウマ娘が、東部の上流階級の代表であるイージーゴアを叩きのめしたのか。それでこそサンデーサイレンスだby英語
・ウマ娘でも人気あっただろうなby英語
・サイケは早くアメリカシナリオを作れよby英語
・スズカ甘えん坊だな
・厩務員さんどこー。とゲート潜り抜けた馬がモデルだからな
・なお、騎手は挟まれ振り落とされた
・慌てた厩務員さんが手綱を握った瞬間に落ち着くまでソワソワしてたからな
・タッケが乗るまで安定感なかったからなスズカ
・競走馬というより、脚が速くて人見知りするけど人懐っこい馬だものサイレンススズカ。周りの馬とも仲良しな良い子
・だから、タッケのように多忙な中を普段から乗ってくれる騎手じゃないと人見知りしてしまう
「デーモンってサンデー酷いな」
「サイレンススズカを庇おうとしとる辺り流石やが。ま、熊殺しやもんなオグリキャップ」
「いや、それは驚きましたけど怖くはないじゃないですかオグリ。暴れもしないし手綱に従順に従う器量良しですよ。
アニメで映している頃は矯正前のエアシャカールが怖かった。サンデー産駒の悪いところが全部詰ったような馬でしたからね。とにかく真っ直ぐ走ってくれないし振り落とそうとするし蹴り飛ばそうとしてくるし、乗りにくいことこの上なかった。
そんな頭の中見てみたくなる気性難を矯正してくれるのが、オグリキャップなのに。
産駒の傾向からして、間違いなくサンデーサイレンスの方が人間にとってはデーモンです」
「せやな。オグリキャップは人間には危害加えんからな。人間好きで人間が自分より力弱い事を認識してくれる馬の一頭やから怖ない。
それはそうと熊三頭と優勢に渡り合ったのはビックリしたわ。あの日の朝、テレビ観て呆然としたわ」
『我々創作に携わる者としては、あれだけの戦闘力を馬に持たせても現実的なのだと断定してくれた有難すぎる絵です。
会社でも熊と戦っている写真のポスターを飾っています』
「…………あの、少し良いでしょうか」
『はい、なんでしょう』
「馬が凄いんじゃなくてオグリキャップが特別なんです。馬は基本臆病なんで、母馬だろうとあんな風には戦えません。
サンデーサイレンスを始めとする気性難がオグリキャップによって大人しくなったのは、圧倒的な戦闘能力差に屈服したからなんです。
オグリキャップの戦闘能力を基準にしないでください。って専門家に、今回ちゃんと言って返答貰ってくれと頼まれたくらいに有り得ないことなんです」
『そのような象牙の塔の誇り被った本棚の本に載っているとしか思えない固い意見があることは重々承知ですが。
我々、市井の俗人は、動画という明らかな証拠があるので、サラブレッドには上限としてそれだけの戦闘力がある。という現実に重きを置いております。何よりも』
「何よりも?」
『面白いのです。素敵なのです。格好良いのです。
サメ映画で、堤防に掴まり必死で上がらんとする主人を襲わんと水面に顔を出したサメの顔面を後ろ脚キックして主人救う葦毛のサラブレッド! 「そんなんありえねえよ」という頭でっかちな反論に「オグリキャップなら出来るぞ!」と言える快感!
怪物から逃げている途中で燃料が尽きるというバットエンド直行な危機的状況で、脚音高く駆けてくる葦毛馬! それによりグッドエンドになっても、お客様がご都合主義とあざ笑うことなく「オグリキャップならやってくれる! 勇敢な馬ならやってくれる!」と納得して拍手してくださる!
クリエイターの幸せが詰まっているのです!』
「………………そうですか」
・オグリが怖いのだ
・熊殺しだからね熊殺し
・矯正される前のエアシャカールは周りの人間殺しに来るからな
・あの斜行馬もウマ娘になるらしい
・どんなキャラにするのかな
・だからタッケ、オグリに激重すぎ
・臼井最強のツッコミ
・返答がひでえ
・象牙の塔って世間知らずってことだぞw
・専門家が何言っても、熊に襲われるベルノライトを助けるオグリキャップの動画があるものby英語
・ベルノライトに飛び掛かるグリズリーを、画面外から疾走して体当たりで吹き飛ばすオグリキャップ。ふぅ。濡れるっby英語
・雄の強さが詰まってるわ。ベルノライトが惚れたのは当然by英語
・専門家の意見って視野が狭いよねby英語
・面白いからこのままでいきます
・めっちゃ小さい声で上限って言うなよwww
・明らかにオグリキャップを基準にしてんじゃねーかwww
・一応、サメが水面から顔を出した状態では500kgある馬の後ろ脚キックには耐えられない。という科学的な証明はしたとはいえwww
・そもそもそんな状況が有り得るのか。がクリエイター界隈から消えたwww
・オグリキャップなら出来るでしょだって熊3頭に勝ったオグリキャップだもの→だから馬はサラブレッドは出来るんだ
・一頭の例外を種の基準にすんなwww
・アメリカ人と共に開拓した真の馬があの瞬間あそこにいたんだby英語
・夢物語だと思っていたんだ。熊と戦える馬と共に開拓したってby英語
・西部開拓の物語は物語じゃなく史実だったんだby英語
・馬が活躍しすぎて西部劇扱いされた事象が、西部開拓史として教科書に載るようになってくれたんだby英語
・フロンティア精神と夢を育んだアメリカンドリーム、西部開拓時代に幾つもあった伝説は史実なんだよby英語
・アメリカの人は脳が焼けたよなあ
・真面目な話、アメリカ人の建国神話や国是に絡む幾つもの物語扱いされてた話が。んな馬居ねえよ信憑性無し→そんな馬は居たんだ! 史実なんだ! になったし。
・昔は西部劇扱いされた西部開拓史って、人と銃と馬の話だからな。馬の出来ることが想定していたことより上回ると、劇ではなく歴史になる
・オグリキャップに大統領自由勲章が与えられた理由の一つは「アメリカの歴史を明確にした業績」だからね
・ホワイトグリントはそこまでじゃないけど、オグリキャップは全ての州の教科書に載っとるからな
・「オグリキャップのような熊と戦える勇敢な馬は、たまに居るから記録された」でアメリカの歴史を確定させたから、そこを否定するとアメリカは大混乱になるぞ(滝汗
・サイケの女の人、営業系じゃなくクリエイター系っぽいな
・実況生放送にクリエイター系を。サイケだなあ
・クリエイター界隈はオグリキャップに焼けてるからな
・アメリカが特にな。田舎では馬を飼っている家がまだまだあるし
・五代前がオグリキャップであるウチのピーターはコヨーテから私を乗せて逃げきってくれたのよ。競走馬としては未勝利でも素敵な家族の一員by英語
・だから、オグリの血(笑)
・wwwww
・未勝利でもそんな勇敢で気性が良い馬が多いからな
・ある意味で競争に特化しすぎたサラブレッドから退化したというか。馬としての強みを持ったというか
・何時の間にかCM
・アカン。タッケと臼井最強の話しに夢中でアニメ見てねえ
・生放送後に30分空けて再放送だからそれみよ
『大歓声が響き渡ります! 日本史上初の10冠ウマ娘が! 日本一のウマ娘が! ターフに姿を現しました!』
いつ観ても、美しかった。
北海道の大地に初めて舞い降りた雪。その中でも最も純粋で、汚れなき一片だけを集めて紡いだかのような、果てしなく白く透きとおるような髪。
一切の感情を映さぬ無表情の美貌でありながら、その瞳には不思議な温度が宿っている。それゆえに、世界的な人形師がその姿を一目見て「理想だ!」と慟哭したのも無理はない。
肩から流れるように覆うワンピース型の勝負服は、もしマネキンに着せたなら「地味」と評されるだろう。だが、その布がわずかに淡い青を帯びていることで、彼女の肌の雪のような白さと、髪の純白がいっそう際立ち、まるで氷晶の女神が纏う儀礼服のように、荘厳な美を放っていた。
わぁっ。
その声は歓声ではなかった。
コースをゆるやかに一歩、また一歩と進むたび、彼女の美は静かに、確実に周りへ沁み込んでいく。
沁み込まされた観客たちは声を失い、ただ息を呑み、感嘆の吐息だけが広がった。
あまりにも神々しく、あまりにも完成された芸術な美を持つ存在を前にして、人々が無言で感動に震えるなか。
「「「お姉ちゃんがんばってー」」」
幼い子たちの声が響き渡り
パアア。と輝くような無表情で可愛い子供たちに手を振るホワイトグリント。
ドサリ
芸術がただ美しい生きたウマ娘と変わった衝撃に何人もの観客の腰を砕かせながら。
白雪姫はターフに降り立った。
『6番! ホワイトグリント! 先月、世界で最も美しいウマ娘に選ばれた彼女がどのような走りをするのか! 楽しみで仕方ありません!』
その顔がカメラ構えられた時にできれば、ファッション雑誌や番組に引っ張りだこなんだけどな。いや、そうでなくとも引っ張りだこなんだけど、絶対に断るんだよなトレセン学園。プライベートは沙藤トレーナーとオグリキャップとホーリックスがガードしてるし。少しくらい撮らせてくれても良いじゃないか。
視聴率なんてどうでもいい、最も美しく速い三冠ウマ娘の絵が撮りたいんだ。
内心の嘆きを押し殺した実況の声に、入場出来た22万人の大歓声が響き渡る。
「そろそろスペシャルウィークさんが出てきますね」
「そうだね。ドトウ。ボクが戦って乗り越えるべき騎士たちの内の一人がどうなのか見せてもらおう」
「流石ですぅ……それにしても、ホワイトグリントさんは完璧ですね。オーラさえ見えます。やっぱり凄いですぅ。圧倒されます」
「……うん、本当、だね。でも、レースでは、ボクが勝つ」
・やっぱりホワイトグリント美人だな
・画力が違うんだけど
・だって、ホワイトグリントは専用チームが描いてるし、何人もの専用チームが
・簡素なワンピースが素材を際立たせるって凄いby英語
・白雪姫、本当に美しいわby英語
・ホワイトグリント本人は目立ちたくないから地味な勝負服選んだんだけどね
・逆効果だったな
・菊花賞組はみんな観戦か
・オペラオーが遂に地上波でシーン与えられた
・今まではレースで走っているワンカットかアリスワンダーのお茶会モブだったオペラオーが
・独立したシーンが無いかと不安だった。オペラオーをそんな非道な扱いしないと信じてた
・大ファンとしては嬉しいっ
・オペラオーのラストランで競馬から一度離れた身としては感動しかないわ
・結構な人がそうだったよな
・うん、本当、だね~。で余裕の笑みを消したドシリアスな顔で、誰にも聴こえないように静かに誓いながら、誰にも見えないように拳握りしめる辺り凄くオペラオー
・今じゃ違うけど、現役途中までの愛称は『闘士』だったからな
・昭和の頃の、若手の鞍上とレースで戦い抜いて一緒に強くなるタイプの馬だし、人気あったわあ
・同世代も上の世代も勝負を諦めた黄金時代に、闘士テイエムオペラオーたち下の世代は果敢に挑んでくれた
・99牡馬クラシック世代は非サンデーなことも良かったよ。ダービーで、アドマイヤベガをメイショウドトウがぶちのめした時の大歓声は忘れられない
・一時期、ステイヤーズステークス走ろうとしてたのは陣営の黒歴史(笑)
『続いては! 8番! アメリカにその脚を刻みました! 日本総大将! す……ぺ……しゃ…………え?』
修羅がいた。
黄色を基調とした上着、灰色を基調としたズボン。
その礼服を纏う姿は、もはやウマ娘のそれではなかった。
極限まで研ぎ澄まされた肉体を包むその衣装は、戦場に立つ修羅を飾る鎧そのもの。
服装が似合っているだけに鋼鉄のごとき無表情が際立つ。
鋼のように動かぬ無表情。
その沈黙が、雄弁に語る。
勝つためだけに生き、勝つためだけに存在する者の静けさを。
一歩、また一歩。
踏みしめるたび、そのウマ娘が発する冷気により空気が凍る。
畏怖。ウマ娘が発する冷気により誰も声を出せず、ただその呼吸の音だけが、ターフの上に響く。
観客席に静寂が満ちた
それらよりも、恐ろしいのは、その瞳。
鋭い刃のような光を宿した眼差し。
勝利以外のすべてを削ぎ落とした、純粋すぎる狂気のガンギマリ。
その目を見た者は、思わず息を呑み、心のどこかで呻く。
あれはウマ娘ではない。修羅だ。
誰かの声が響く。
斬るために鍛え抜かれた日本刀。
それがもし心を持ったなら、きっとこんな瞳をしている。
修羅の目をしている。
そんな声が。
日本総大将・スペシャルウィーク。
そんな名を持つ修羅がターフにその刃を閃かせ、
戦慄と、ドン引きを叩き込みながら、伝説の頁に刻まれる一歩一歩をターフに刻みながら向かう。
ゲートへと
「え? スペちゃん? エ?」
「山籠りするとか言っていましたが、まさか直接、ここへ?」
「いや、それはないでしょ~、あはは、ね、ないよね? ないっていって」
「いや、私に聞かれてもわからないわよ」
エルグラススカイキングもまた茫然とドン引きする。
『え? ……あ、7番、スペシャル、ウィークです』
「何て身体してるんだ」「服で隠れていてもわかるヤベエ」「鍛え上げすぎだろ」「日本刀だよマジで」「斬れるけど、直ぐに折れそうな危うさがある」「それよりも精神がヤバイ。ホワイトグリントから逸れない視線に勝つ以外の感情が無い」「ウマ娘ってこんな精神に成れるんだ」「いや、なんかもう洗脳というかそういうヤバいことしてないか」「なに考えてるんだトレーナー」「トレーナーを信じてたのに」
否、レース場にいる全員が茫然とドン引きし
「やっぱり、トレーナーはヤバい状態だったな。何かに取り憑かれていたんだ──スペシャルウィークが修羅にさせられる前に止めるべきだった」
「あなたはよく頑張りましたよゴールドシップ。気付いた時には置き手紙一つで山籠りしていた二人なのですから、学園に連絡して探す以外に、我々にはどうしようも」
「いや、それでも、山籠もりの前になんとかすべきだった。あたしたちはチームメイトだから」
「ええ、そう、そうですわね」
今。レース場にいるチームスピカメンバー二人はシリアスに哀愁を漂わせていた。
ドン引きした観客たちの例外は
「かっこいー」
「すごー」「わあっ」「すばらしいですね」「ふへー」「みしみししてる」「あんなふうになれるんだ」「きんにくすご」「王子さまみたいです」「むっきむきぃ」
「ああ、鍛え上げたな。心身ともに極まっているぞ」
「ええ、見事ね。精神を特に鍛えてる」
うっとりと尊敬したウィンターウィークを皮切りに感嘆の声を上げる孫たちに応える、ウマ娘生経験豊富なオグリキャップとホーリックス夫婦と。
「excellent。スバラしい(日本での一時的な)トレーナーだ」
「ほんとうですか……スペちゃんだいじょうぶですか」
「アア、スペシャルウィークのキレとメンタルをカンペキにtraining。スバラしいっ」
「…………サンデーサイレンスさんをしんじます」
後輩のあんまりなガンギマリっぷりにトレーナーへの信頼を無くし顔面蒼白にしたサイレンススズカに、力強く頷いてやる同じく経験豊富なサンデーサイレンスと。
「良い感じだな。お前のビジネスパートナー、は」
「そちらも、先輩」
周りを空白にしたトレーナー席で、バチバチと闘志をぶつけ合う沖野トレーナーと沙藤トレーナーたちだけだった。
・BGMがボス系統なんですけど
・何かオーラ漂ってるんですけど
・視線がヤバイんですが
・顔つきもヤバいぞ
・ホワイトグリントの無表情って柔らかいよね
・鬼気迫るとはこの事
・実馬通りに鬼が宿ってしまってる
・修羅がいる。ターフに修羅が。
・関係者一同真っ青。実況が番号呼び間違えてるくらい
・サンデーサイレンスの勝負服を仕立て直した逆襲スペが地上波で流れてドン引きすることになるとは
・男装してることがどうでも良い扱いか
・ウィンターウィークぅwww
・オグリキャップに抱き上げてもらいながら全身をキラキラさせとる
・パパンを純粋に尊敬しとる
・ホワイトグリント産駒はみんなキラキラしとるぞ
・やっぱり違うよなコイツらは
・流石はサンデー。
・サニーブライアンに対する君の姿だよスズカ
・サニブが姐さんキャラで受け止めて流してくれたからスズカは良かった
・グリントは無表情だからな。スペが更にガンギマリに
・グラサンの形い
・グラサンかけてスーツ着るな沖野トレーナー
・一見してヤバい人なんだが
・マフィアのゴッドファーザーみたいby英語
・子飼いのスペを日本刀にして敵の玉取らせようとする親分の風格
・離れた所で、ハナさんが滝のような汗流しながら明後日の方を向いとる
・あの頃の沖野トレーナーなにしてたんだ。堅気じゃねーだろどう考えても
・若い女性なのに、よく横に立ってるよね沙藤トレーナー
・若い女性を見つめながら顎を上げるだけで、何人もの黒服が若い女性を水商売に沈めそうな気配を漂わせてるのに
・どう見てもスペシャルウィーク陣営がラスボスなんだが
「おっ! 擬人化してもちゃんと可愛いスペちゃんやな。青梅の山行ってよかったわ」
「いやあ、本当ですね。青梅の山で乗ってから、鬼が宿ったかのような仕上がりで、肉喰いそうなあの可愛さをこんな風に……プロって凄い」
『お褒めに預かり光栄です』
「ホンマ可愛いなあ」
「僕にブリーダーズカップ初めてくれた可愛さが詰まってます。あの殺気さえ込めた闘志を湛えた目をホワイトグリントから離さない所が特に。可愛いなあ」
・何言ってんだ騎手と調教師
・お前ら、青梅に行ったのかよ
・目が少年のようだ。本気でほめてる
・やっぱあれだな。年収で億超える額を稼げるスポーツの関係者はガンギマリだ
・騎手と調教師も売れれば稼げるからな。結果出して売れれば
・臼井インストールされた沖野トレーナーが魔人になるわけだ
・タッケもインストールされとらんか沖野トレーナー
・なら魔人だな。当然だ
競馬が下り坂になっておらず、覇権獲った黄金世代への挑戦者なので、テイエムオペラオーたちはとてもとても人気あります。
前年比で馬券売得5%・2000億円減、年間観客8%・80万人減。という絶望的状況の悪もの探しで運営や報道に嫌われて悪評を擦りつけられた姿は欠片もありません。公平に評価されていますので、大人気です。