数日がたった。彼女はいつのまにかいなくなっていた。正直どうでもいい。
数日間ずっと考え続けていた。私は何をしたいのか。それはもちろんシャドウ様を殺したい。だが、ここ最近の行動はそこから乖離している。
このままでは、だめなのだが……。どうすればいいのかわからなくなっているのだ。
シャドウ様を殺したい、けれど今のままじゃ何も成せない。かといって、今シャドウ様を本気で殺しに行ってもただ死にに行くだけ。
そして、その過程で美がなければいけないのだ。過程がないのはただの空虚に過ぎない。
極端な話、何も食べなかったけれどお腹は膨れたと同じようなものだ。
どうしようか……。
「残ってるやつは殺せ!」
トイレで思いふけていると外から声が聞こえてきた。
いわゆるテロリストといったやつか。ということはだ。シャドウ様が出てくるということだ。
ひとまずスライムソードを……。おっとこれは……魔力が上手く練れない。何かしらに阻害されているのだろうか。
少し時間が経てば魔力をうまく練れそうな感じはするが、外の奴らがこちらにくるまでの時間は僅か……。
人数は……、気配からして2人。ならば、先手必勝といこうではないか。
「一つずつ確認していけ!」
「わかりま……」
「おい!どうし……」
「これでよし」
気配を消して個室から出て、背後から2人に首元に手刀をいれて鎮圧することに成功した。
そしたら……、トドメをさしておこう。
「よいしょ」
首を踏んづけて骨をへし折る。トイレが少し悲惨な状態になった。
「さてと……アペルになりましょう」
針の穴に糸を通すかのように緻密に、そして綿密に魔力を練る。
そしてその魔力をスライムに流し込み、漆黒のスーツを見に纏う。
「シャドウ様を見つけいきましょうか」
◆◇◆◇
ニューが学園に潜入していたとき、教団による襲撃が発生した。
そして紅の騎士団のグレンの死体やマルコを見ていると、シャドウ様と出会った。その後、アーティファクトの調整のための道具をお渡しした。
そこまではまだよかったのだ。その後、命令を待つために移動していたら謎の黒ずくめの少女に遭遇してしまった。
教団の者なのかどうかもわからなかった。ただ、一つだけ言えたのはとてつもない実力を秘めていると言うことだけ。
情報を聞き出すための尋問官の剣を使うことも考えたが、その余裕があるほど彼女の実力は低くない。
ましてや、自分よりも格上の存在かもしれない。久しく感じていなかった身の危険というものをひしひしと感じるほどには。
彼女に敵対の意思があるかわからなかった。だが、ニューはやらなければやられると感じた。
それだけの覇気を少女は放っていた。
そして斬りかかった、本気で殺すつもりで剣を振るった。日々の鍛錬での全てを出していた。
だが、全てをいなされた。赤子の手をひねるように簡単に。
そしてできた隙には重たい一撃が飛んでくる。致命傷こそ回避できたものの、このままでは死んでしまう。
ニューは死を覚悟した。そして、彼女の刀による斬撃が胸元を深く斬りさいた。
致命傷ではなかった。あきらかに殺せるタイミングであった。だが、彼女は殺さなかった。
「貴方は観客としての価値がある。だが、今回は少しばかり大人しくしてもらおうか」
少女の言葉が理解できなかった。
意識が遠のいていく中、一つだけ彼女に問いかけた。
「貴方は……だれ……なのですか……」
「アペルピスィア。貴方達に絶望を与える者よ」
その言葉通り、この圧倒的な敗北はニューを絶望させたのであった。
案の定、日付をがっつり跨ぎました。学園襲撃編はまだまだ続きますので、何卒お気に入り登録や評価、感想などをいただけると投稿のモチベーションにつながりますのでよろしくお願いいたします。
次はもう少し長くなる予定です。それでは。