シャドウ様を殺りたくて!   作:海老天 進司

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自分都合で勝手に休載していたことをお詫び申し上げます。お久しぶりになりすぎました。海老進です。
この作品を覚えている人も少ないかと思いますが、自己満足で進めていきます。書けなくなった理由は普通にスランプに陥ったって感じなんで、今は多分大丈夫だと思います。


第3話 狂人だって友達はいる

気づけば15歳となってしまった。時の流れというものはなんとも残酷である。

 

学園に入学ともなると盗賊狩りも自由にできなくなってしまう。だが、学園にはシャドウ様(シド)がいる。となると、シャドウ様の活躍をこの目で見れるのではないだろうか……。

 

そう思うと、時の流れも悪くはないように感じる。

 

「アペル〜、王都の学園に入学するんでしょ?私はどうしていたらいい?ついていった方がいいよね?」

 

「んぁ……、え……、ええそうね。そうしてくれた方がありがたいわ」

 

1人で思い耽っている時に話しかけてくるとは、少し間抜けな声が出てしまったではないか。

 

クロアは初対面の時とは比べ物にならないほど砕けた口調になり、当初の凛々しいキャラはどこへやらと言った具合になってしまった。困ったものである。

 

それと引き換えと言ってはなんだが、たった2年でメキメキと実力をつけていった。

 

飲み込みが早いのも含めて、全てが高水準なのだ。天賦の才と呼ぶべきか……、私の積み上げてきた20年以上はなんだったのか、そう考えると悲しくなってくるので考えないことにした。

 


 

入学して2ヶ月たった。この2ヶ月の間、私は習慣としている鍛錬以外何もできていないといっても差し支えないだろう。

 

それに対してクロアは……、まぁ自由なのは羨ましい限りではあるが、この地位をみすみす手放すわけにもいかないのでがまんをするしかないだろ

う。

 

だが、それは学園でやることが多かったことの表れでもあるわけで。

 

残念なことに、シャドウ様……、いやシドくんと同じクラスになることはできなかった。

 

だからと言って接触するのを諦めたわけではないのだが、シドくん状態で接しても、それはシャドウ様ではなくシドくんなわけで……、結局シャドウ様活躍のイベントが発生するまでは大人しくしているべきではあるという結論に至った。

 

ひとまずの私の学園での評価はまあまずまずの可もなく不可もなくといったところに落ち着いた。

 

真面目であるから教師からの信用はあるが、成績はというと……。中の中である。なんとも言えない絶妙な立ち位置なのはまあ良いことであろう。

 

そのおかげなのか、せいなのかはわからないが友達をそこそこ作ることができた。友達がいない生徒というのも逆に目立ってしまうためだ。

 

最近は、友人の中でも個人的に気に入っているカナデという下級貴族の女の子とよく日替わり定食980ゼニー貧乏貴族コースを食べている。

 

「そういえばさ〜、知ってる?アヤメ〜。あのアレクシア王女に彼氏ができたんだって〜。なんか弱みを握ったみたいな噂もあってね、たしかシド・カゲノーだったかな?」

 

「へぇ〜……、へ?」

 

完全に忘れていた、シドくんは何故かいろんな子にモテるなんてこと読者なら覚えていて当然だろうに。

 

「意外だよねぇ〜、だって今までは告白なんて全部断ってそんなの興味ありませーんみたいな立ち振る舞いしてたのに唐突に、言い方悪いかもだけどよりによって貧乏貴族となんてねぇ……」

 

なんだ!よりによって貧乏貴族だなんて!失礼じゃないか!事実ではあるのか……?ただ、

 

「かくいう私たちも貧乏貴族でしょ。そんな喋ってばかりじゃなくてご飯も食べないとダメよ」

 

「ちぇ〜。アヤメはいちいち口うるさいんだから〜」

 

「いや……、だって私もう食べ終わってるよ?」

 

「えっ!?嘘でしょ!早くない!?」

 

「カナデが遅いだけ〜」

 

「むぅ〜」

 

ぷくぅと頬を膨らませる姿は非常に可愛らしい。本当にいい友人を持てたと思う。娯楽もなにもない学園でも意外と楽しくできているのは彼女のおかげと言っても過言では無いだろう。

 

「ほぉら〜、無駄口叩かないでって……、あれ?もう食べ切ったの?」

 

いつのまにか皿から料理が消えていたのだが……

 

ほふはほ(そうだよ)ふぁふぁひならふぉんふらい(わたしならこのぐらい)ほふうはほ(余裕だよ)

 

無理矢理口に押し込んだのか、頬がはち切れんばかりまで膨らんでいるのだ。

 

「ちゃんとよく噛んで食べなさーい」

 

ふぁふぁっふぇるよほのふらい(わかってるよそのぐらい)。ん……、ふぅ、食べた食べた」

 

「ほんとカナデったら……。午後の実習に遅れるよ。早く行こ」

 

「あっ、待ってよアヤメぇ〜」

 


 

実習も終わり、寮へ帰ろうと持ったらカナデが話しかけてきた。

 

「あのさぁ〜カナデぇ〜、今話題のミツゴシ商会って知ってる?」

 

「ああ、最近よく話を聞くよね。それが?」

 

「そこのちょこれえと?っていうお菓子がものすごく美味しいらしいの。食べたくない?食べたいよね!」

 

「ま、まぁ……。そうね」

 

正直言ってしまえば、非常に食べたい。前世で食べたきり15年間、1度も口にしてないのだ。ただミツゴシと言ったらシャドウガーデンが運営している商会……、今後敵対する予定の組織の店に易々と入るのは少し抵抗があるのだが……。

 

「よし!それじゃあレッツゴー!」

 

結果的に言えば、無駄な心配だった。待ち時間は150分、並んでていたら門限に間に合わないという理由よりかは、カナデがそんなにも待てる性格をしていないので私たちはミツゴシ商会で買い物をすることは叶わなかったのだ。チョコ食べたかったなぁ。

 

「うへぇ……、150分も待てるわけないよぉ〜」

 

「残念だったね、カナデ。って言っても待てたとして、門限に間に合わないからどのみちダメだったね」

 

「はぁ……、超ショック。食べたかったなぁ、チョコレート」

 

全身を使って気持ちを表現するカナデ、かわいい……。可哀想だし、クロアに頼んで買ってきてもらおう。寮に着いたので各々の部屋に分かれる。

 

「アヤメ〜、また明日〜」

 

「うん、カナデもまた明日〜」

 

自室に戻ると、窓の方から気配を感じる。振り返ってみればクロアがいた。

 

「なんの用かしら?」

 

「なんの用って……、毎日ひどいじゃないか。部屋から閉め出してさ」

 

「あなたが私のベットに潜り込んで睡眠を妨害してくるのが悪いのよ。どうせ、朝になったら私の部屋にしれっと居るんだから」

 

「まぁそれもそうなんだけどさ〜、仕方ないじゃんねぇ。住む場所っていったらここぐらいなんだからさ」

 

「はいはい……、あと一つ頼み事があるんだけど」

 

「お、ようやく動き出すのかい?」

 

「いや、ただのおつかいよ。ミツゴシ商会でチョコレートを買ってきて欲しいの、2人分」

 

「なぁんだ……、それだけならアペルが買ってくればいいのに……」

 

「私はこの寮の門限を守らなければならないという使命があるからね。本当は買いに行きたいんだけどねぇ〜」

 

「その顔、絶対に思ってないよ。確かにミツゴシ商会は待ち時間が長いけどさぁ。その……、部下に頼むようなことなの?」

 

「そうよ!これは命令!」

 

「はいはい、了解いたしました」

 

そして、そのまま窓から彼女は飛び出していった。

 

「はぁ……、そろそろ動き出したいんだけれどなぁ……」

 

王都に来て2ヶ月も経ったのに、いまだにシャドウガーデンに関わることができていない。いや、厳密に言えば関わりに行っていないというのが正しいだろうか。

 

ミツゴシ商会に潜入することはできるが、それをしたところで何かが変わるかと言ったらそうではないだろう。逆に変に目をつけられて行動が制限されてしまっては本末転倒である。

 

だからこそ、シャドウガーデンが大きなアクションを起こさない限りはこちらからはどうすることもできないのだが……。

 

一通り考えた後、結局待つことしかできないという結論に至ったので日課のトレーニングを済ませて寝ることにした。

 

毎度の如くではあるが、チョコを買ってきたクロアがベットに潜り込んでそのままベットを占領してきた。

 

寝るに寝れなくなったので結局日課のトレーニングをもう何周かこなしていたら朝を迎えた。

 

ベットを我が物顔で専用しているクロアを無視して、身支度を済ませてカナデと合流して日常に戻る。

 

2週間経ったある日、カナデとご飯を食べていた時のこと。

 

「協力してくれるかね?」

 

シドくんがゼノン先生達に連れていかれたのだ。




はい、ということで日常回でした。友達の彼女はもちろん原作の5巻から登場している根っからの貧乏人ことカナデちゃんです。すごく可愛いんですよね。いや、本当に。
現在、カゲマスで3周年イベントが開催中です。今はカゲマスのモチベーションが非常に高いんですね。本当に楽しいんですよ。まじで。七陰列伝も最新まで読んで、いろいろと陰実の世界を理解してきたところでしたので、ふとこの小説のことを思い出して今なら書ける気がするということで復活することになりました。不束者な私の作品、良ければ評価や感想等いただけるとありがたいです。では、次回でお会いしましょう。
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