シャドウ様を殺りたくて!   作:海老天 進司

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どうも海老進です。執筆スピードが上がったのは良いことなのか、悪いことなのか……。今回も楽しんでいってください。


第6話 アーティファクトが気になるお年頃

少しずつ夏が主張をし始めている今日この頃。

 

ぼんやりと空を見上げて思い耽る。

 

あの夜以降、クロアが私の部屋どころか、私の前に姿を現さなくなっていた。私が何かやらかしてしまったのだろうか。

 

戦いの後の記憶は何かと曖昧で、興奮でゾクゾクしていたのは覚えているのだが……。部屋に戻ったらクロアがいて……。

 

思い出せないことは割り切るしかない。クロアはどうしているのだろうか。私は所詮は一匹狼といったところなのだろう。

 

誰かが隣にいてもいつのまにか離れていってしまって……。前世でもそうだった。命を救った恩人になったとしても別れてしまうならどうしろと言うのだ。

 

今の所はなんとかカナデと仲良くいられているが、嫌われてしまうのではないか。そんな予感がしてならない。

 

「おっはよ〜」

 

「ッ!?」

 

かなり驚いてしまった。思考の海に潜っているとつい周りが見えなくなる癖をどうにかしなければ。

 

「ああ、カナデ。おはよう」

 

一緒に学園へと歩き出す。毎日一緒に登校するのがルーティンとなっている。

 

「アヤメって選抜大会ってエントリーしてたっけ?」

 

「してないけど」

 

「なんでさ〜。せっかくのお祭りのようなものじゃん。あ、エントリーが面倒だからだったりして」

 

「そんなことはないけど……」

 

「だったら、私がアヤメの分もエントリーしとくね」

 

「しなくていいよ」

 

普通にやめてほしい。どこまでの力加減でやればいいのか迷うのと、あまり目立ちたくないのもあって。

 

「そんな遠慮しなさんなって〜。じゃ、エントリーしてくるね〜」

 

そう言い残してカナデは走り去っていった。これは……よくないパターンだ。

 

無理矢理止めることもできるが……、そんなことしてしまった暁には……。

 

考えたくもない。

 

 


 

 

「こんにちは。シェリー・バーネットさんでよろしいでしょうか?」

 

今、私は桃色の髪をした可愛らしい少女に話しかけている。

 

「そうですが……」

 

シェリー・バーネット。王国一の頭脳を持つと言われている学術学園の生徒で、特にアーティファクトの分野で優れている。

 

「少しお話をしたいなと思いまして……」

 

「わ……私とですか……?」

 

「ええ」

 

「あなたは?」

 

「申し遅れました。魔剣士学園1年生のアヤメ・シヤトと申します。アーティファクトについて興味がありまして、少しお話をお伺いできたらなと」

 

「そ、そういうことでしたら私の研究室でよろしいですか?立ち話もなんですし」

 

「ありがとうございます」

 

彼女に先導され研究室に向かった。

 

「で、お話というのは?」

 

「最近、アーティファクトの本を読んで興味が湧いたので、わからないところをお聞きしたくて……」

 

嘘ではない。だが本当とも言えない。私の目的は、アーティファクトの魔力の巡り、制御などを知って戦闘に転用できないかと思い立ったからである。

 

アーティファクト自体を使うつもりはない。そんなものを使っていてはシャドウ様に顔向けできようものか。

 

そんな外部の力を使うなど邪道極まりない。

 

「そうなんですね!」

 

彼女はキラキラと目を輝かせている。

 

「ええと、このアーティファクトなのですが……」

 

「そのアーティファクトでしたら……」

 

いろいろと話してるうちにあたりはすっかり暗くなってきていた。

 

「シェリーさん。本日はありがとうございました」

 

「いえいえ、私でよろしければなんでも聞いてくださいね」

 

「では、またのお機会に」

 

そのまま研究室を退出して、寮への帰路へつく。

 

彼女は、私が見えなったあとも手を振っていた。

 

今日は、かなり興味深いことを聞けた。ただ、アーティファクトによって魔力を制御しているものも多かったりと、戦闘に転用できないようなことも多くあったのが残念だ。

 

しかし、アーティファクトの機能を自身で再現することもできるのでは……?自室に戻っていろいろと実験してみようか。

 

いろいろと考えていると、路地の方から剣がぶつかり合う音が微かに聞こえてきた。

 

何かしらのイベントかもしれない。ひとまずは人目のつかないところに移動し、スライムスーツを身にまとう。

 

路地に向かうと魔剣士学園の制服を着ていた生徒が殺されかけていた。

 

トドメの一撃を入れようとする全身黒ずくめで仮面を被った男。

 

一瞬思案したが、意識はないようで見られる心配はなさそうなので止めることにした。振り下ろされる剣を吹き飛ばす。

 

「ッ!?」

 

「こんばんは。貴方は何を為そうとしているのかしら?」

 

「我らはシャドウガーデン……」

 

思い出した。そうか、この頃はディアボロス教団のチルドレン3rdがシャドウガーデンを騙って人斬りをしていたのだ。

 

「へぇ……。そんな下賎な方法をとるのね、ディアボロス教団は」

 

「我らはシャドウガーデン……!」

 

一気に踏み込み斬り掛かりにくる。

 

「実力差すらもわからずに挑むなんて愚かね」

 

半歩だけ横にずれる。すると面白いぐらいに剣が空を斬る。

 

軌道も起こりも何もかもが単純。隙だらけの腹に蹴りが突き刺さる。

 

思ったより強く蹴りすぎたようで、マーライオンかの如く血を撒き散らし壁に激突した。

 

「あら?もう終わり?」

 

死にかけの男を煽っていると背後から2つの気配を感じる。だが同じところを狙っているのがバレバレだ。

 

すっと横にずれて、斬撃を回避する。

 

「「我らはシャドウガーデン」」

 

聞き飽きた。これはシャドウガーデン、つまりはシャドウ様への侮辱であろう。

 

「来なさい」

 

2人は同時にまた斬り掛かってくる。

 

「甘い」

 

それに合わせて私は1歩踏み込み、斬る。

 

すっと、先ほどまでは彼らであった肉塊が石畳に落ちる。

 

「つまらなかったわね」

 

久々に盗賊狩りをしたくなってきた夜だった。

 

◆◇◆◇

 

「目的はなんだ」

 

先ほど壁に激突した男は暗い部屋に拘束されていた。

 

「我らはシャドウガ……」

 

「目的を聞いてるんだけど!」

 

魔力のこもった蹴りが男に入る。

 

「ぐぉ……」

 

「さっさと吐け!」

 

またも蹴りが入る。

 

「あの〜、そろそろ死んじゃいませんか?」

 

「ん?そうだね。治療してくれ」

 

「了解しました」

 

この繰り返しが、何度も何度も続いた。

 

最終的に恐怖と苦痛に歪んだ顔をして、男は絶命した。

 

「洗脳にかかってたのかな」

 

「ええ、おそらく」

 

「私もそう思うよー!」

 

少女らは頷く。

 

「そうだよね……。シャドウガーデン、それにディアボロス教団。この二つの組織がどう繋がっているのか……。わからないことだらけ」

 

「さらに調べていくしかないですね……」




かなりギリギリになりました。今回はアンケートがありますので回答のほどよろしくお願いします。

日常回はあったほうがいいと思いますか?今後の展開の参考にしますので何卒。

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