私は禪院家直属の案内人だ。
本日は次期当主直毘人様の弟君であられる扇様を呪霊討祓の儀の舞台へ案内していた。
一応話には聞いていたが非常に落ち着かれ、常に何処か遠くを見つめている扇様は一つの芸術と思える。
「此方で御座います」
「‥‥‥‥‥‥‥あぁ」
扇様は息一つ乱さず険しい山道を歩いておられる。
しかも恐ろしいのは呪力による強化を行わず、素の身体能力のみで付いてくるのだ。
私はこの方が恐ろしくて敵わない、何故まだ十代前半の子供が大人でも‥‥‥普通の呪術師が強化してやっと付いてこれるこの道を強化せずに付いてこれるのか。
恐怖と尊敬がグルグルと頭を回ってると指定の場所に着き呪霊を確認した。
指名では準一級から一級くらいのそこそこ強い呪霊だったので確か手頃なのがこの辺りに居ると知っていたので案内したのだ。
だが‥‥‥
「ヒィ!?」
「む?」
「あ‥‥‥あ‥‥‥」
コレはなんだよ!?
私が目にしたのは特級呪霊と言える程の呪力と力を持った呪霊だ。
呪霊とはそもそも人型に近ければ近いほど階級が高くなっていくモノだ。
此奴みたいな完全に人型は下手したら領域展開が使えてもおかしくない上澄み。
駄目だ‥‥‥逃げないと殺される‥‥‥
だが奴は私が尻もちを着いた時の音に気づき発見、逃げるのもほぼ不可能な状態になってしまった。
「手頃だ‥‥‥‥‥‥‥‥感謝する」
「お、扇様!?」
扇様は私の前に立つとゆっくりと構え、一瞬で間合いを詰めて呪霊へ刀を振るが奴は冷静に右腕を盾にして高速の居合を受け止めた。
そして反撃で左腕の大振りな一撃を当てて殺そうとするが、まさかの力比べで無理矢理刀を引っこ抜くなんて誰が考える!
扇様は刀を引っこ抜いたらすぐに呪霊の腹を蹴り大きく距離をとった。
「固いな‥‥‥だが問題ない‥‥‥」
「扇様!お逃げください!私の事は気にせず!」
「安心しろ‥‥‥お前は守る‥‥‥」
力強く、扇様は断言された。
この様な状況でそんなことを言われてしまうと‥‥‥
「万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」
扇様がそう唱えると刀から炎が立ち上るが、その熱量は周囲の景色が歪むほどで周りの木々の水分が蒸発していくのが解る。
「では行くぞ」
「―――――――――!」
またもや一瞬で距離を詰めると同じ様に刀を振るい、呪霊は同じ様に腕で受け止めてカウンター狙いの一撃を狙う。
だが違うのは‥‥‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥まあまあか」
「す、凄い‥‥‥」
流刃若火の火力により焼き切る一撃は呪霊の防御力を大きく上回り、防ぐ事が出来ずに切られ消滅した。
なんて強さ、コレが禪院最強と謳われる扇様の力。
「立てるか?」
「は、はい‥‥‥」
扇様にそう言われ立とうとするが腰が抜けてしまっていて立てず、不味いと思った。
禪院は男尊女卑が強い一族であり、この様に雑用がこうなってしまえば斬り殺される可能性が‥‥‥
「腰が抜けたか」
「も、申し訳ございません!」
「‥‥‥‥‥ん」
「お、扇様!?」
「‥‥‥‥‥‥気にするな‥‥‥」
扇様は私を背負い、なるべく負担がかからない様にと優しい足取りで外へと目指す。
駄目だ‥‥‥ダメダメダメ‥‥‥私は禪院の末の末、扇様は次期当主様の弟君‥‥‥
私は扇様に心乱され、でもこの背中の暖かさを感じるしか出来なかった。
関係者さん
禪院直属の窓的な存在
最低限の戦闘力は持っているが本当に最低限程度なので非常に弱い
ちなみにこの行事本来なら柄の人が複数着くが「扇なら平気だ」と言う理由で実は二人だけ
ちなみに女性で扇より少し年上
扇さん嫁問題
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メロンパンを嫁にしてみない?
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メロンパンに呪われたロリだろ!
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梅ちゃん扇推しじゃん
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そこに天元がおるじゃろ、女じゃろ