OUGI〜転生伝〜   作:ジャックマン二

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参話(裏)

 

本日の任務は禪院扇様の案内。

失礼、私は禪院家専属呪霊探索兼任務運搬部隊『行』の者だ。

行は次期当主であらせられる禪院直毘人様がお作りになられた特化部隊だ。

俺の様な逃げ足特化の偵察しか出来ない奴こそを大事にしてくれるいい部隊だ。

 

正直、扇様が俺は怖かった。

無表情無口でただ動くだけの恐怖の象徴と言えるお方だ、寧ろ怖いと思わない方がおかしい。

だがあの方は任務の概要を聞くと直感なのかそれとも計算なのか知らないがすぐに動き出して呪霊を見つけ切り祓う。

ここだけ聞けば普通に場所が解るからだろと思うかと思うが、一部の呪霊は結界を張り特殊な手順を踏まなければならない。

 

例えばトンネルや橋の下は別世界への橋渡しや穴として呪霊の元へ向かう条件として使われる。

それを正しい手順で呪霊の元へ向かう、もしコレが偶然なら神の奇跡を体現したお方だ。

 

そんな感じで呪霊を切り、そしてある任務で扇様は時間を取られた。

相手は分身する呪霊、恐らく一級相当だと思うがコイツが中々に曲者だ。

他の呪霊と手を組み襲ってくるのだ。

対する扇様は分身を切りながら回避と神業と言える事を行っている。

 

「‥‥‥‥‥‥多いな‥‥‥‥‥」

 

ボソッと呟く一言。

だが、扇様が口を開く時は本気で動く兆しと妹が言っていたな。

俺はすぐに扇様から離れ、あのお方の全力を邪魔しない様に隠れた。

 

「領域展開『暴風嵐旋』」

 

一番奥に隠れていた天狗の様な呪霊が手印を組み、呪術戦の最高峰の技術『領域展開』を行ってきた。

領域展開、それを細かく説明すると長くなるので端的に言えば自身の攻撃は必中となり、そして様々な部位に大幅なバフがかかると言えば理解出来ると思う。

 

呪術師の戦いは押し付け合いだ。

その中で絶対的に押し付ける領域展開は発動されたら負けを意味する程のモノ。

つまり扇様は‥‥‥

 

「む?ふむ‥‥‥風‥‥‥術‥‥‥成る程、こうか‥‥‥」

 

「なっ!?」

 

扇様は呪霊の領域を見て何かを理解されると何度か手印を組み、そして‥‥‥

 

「領域展開『炎熱地獄』」

 

生得領域と結界への理解がまだまだなのか未完成な領域展開、だが扇様はその呪力量と操作、そして術式の理解と言う才能の暴力で無理矢理呪霊の領域を侵食していった。

いや、この気配全く違う?

まさか?いやあり得ない!

扇様はまさか領域展開と言いつつただ術式の火力を高めてその力だけで全てを焼いてるだけ!?

あり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない!!!

領域は必中、つまりどんな攻撃も必ず当たるのだぞ!

なのにまるで「必中を相手にするなら当たる攻撃全てを焼き尽くし、相手がバフをかけようとも此方が元々それより上から問題ない」って頭のおかしい事態だ!

例えるならじゃんけんをして相手がグーで此方がチョキなのにそのまま拳を挟み砕く異常過ぎる状況だ!

 

「万象一切灰燼と為せ『流刃若火』」

 

「なんなんだ‥‥‥この化け物は‥‥‥」

 

異形の呪霊すら呪力と才能の暴力により慌て、何が起きたのか理解出来ていない状況。

それに―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、俺は次期当主であられる直毘人様の前に膝を突いている。

 

「して、今日の扇はどうだった?」

 

若くして既に当主としての風格を携え、そして弟君を気に掛ける姿はお伽噺に出てくる兄弟の姿そのものだ。

 

「はっ!

扇様は本日二級を八体、一級を二体、そして特級を一体祓いました」

 

「そうか‥‥‥やはり扇は誇らしいな‥‥‥」

 

「内一体の一級は分身系の術式を持ち、その数を含めると‥‥‥」

 

「言わずとも良い、扇の力は既に最強の域だ

悲しいのは時代故だな」

 

五条の抱き合わせ。

六眼と呼ばれる呪いを見通す目を宿し、そして無下限と言う無敵の盾を携えた子が周期的に産まれてくる。

その周期が正に扇様が居るこの時代だ。

だが、その最強すら霞む恐怖を俺は直毘人様へ報告した。

 

「直毘人様‥‥‥扇様は‥‥‥呪力による強化を行ってません‥‥‥」

 

「‥‥‥今、なんと言ったんだ?」

 

「扇様は素の身体能力のみで特級を祓いました」

 

「冗談か?」

 

「いえ‥‥‥」

 

最初は目を丸くしていた直毘人様だが、少し思慮すると突然笑いだし自身の膝を叩き涙を流し‥‥‥まるで感情の制御が出来ていない子供の動きそのものだ。

 

「成る程成る程、そう言う事か

全く、天才の弟を持つ兄の身にもなって欲しいものだな」

 

「直毘人様?」

 

「ハッハッハッ!こんな発破を‥‥‥いや、喝を入れられて動かなければ禪院、いや新たな禪院の当主としては相応しくないな」

 

「直毘人様!?」

 

「何、弟が天才過ぎて少し此方も覚悟を決めなければならなくなってな

しかし俺にもアリの大きさ程度だが迷いが少し残ってたが、その報告で腹は決まったな

影松よ、付いてこい」  

 

「は?え?あ、はい!!!」

 

直毘人様はどうなされたのだ?

部屋を出るなり当主様の部屋へ向かい、襖を開けて机を挟み向かい合った。

 

「夜分遅くにどうした直毘人よ?」

 

「なに、そろそろ引退して当主を譲ってもらおうと思ってな」

 

「ほう‥‥‥その言―――」

 

「無論だ」

 

「随分と強気だな、ならば此方は炳筆頭に禪院の全戦力で迎え撃つが」

 

「ふん‥‥‥此方は俺と扇だ」

 

一体何が起こっている?解らない、だがとてつもなく恐ろしい事が起きるのだけは理解できた。

二人は睨み合い笑い、そして部屋へと戻るのだった。




影松
行の人員
禪院の末の末で有り、本来なら認知すらされていない存在だがその能力を買われ禪院本家で家族三人で働いている
戦闘能力は無いがそれ以外の能力は高い
妹が扇に夢中になっていてかなり心配

扇さん嫁問題

  • メロンパンを嫁にしてみない?
  • メロンパンに呪われたロリだろ!
  • 梅ちゃん扇推しじゃん
  • そこに天元がおるじゃろ、女じゃろ
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