ではどうぞ!
恵美が入院した。
医者の話だと原因不明の奇病で、デカい病院に移ればもしかしたらなんて言ってるが‥‥‥かなりキナ臭く感じたから親父に協力を頼んだ。
どうも俺はギャンブル勘は悪いがこう言う時は当たることが多いから、出来れば今回は外れてほしいもんだ。
流石に院内は恵にゃつまらないからか、恵美に「少しお散歩に行ってきなよ」なんて言われちまった。
でまぁ散歩してるんだが‥‥‥落ち着かねぇ。
こうしてる間にも恵美の寿命が奪われてるかもと思うと‥‥‥な。
「ぱぱ?」
「どうした恵?」
「んっとねわんわん」
十種影法術。
恵は俺と違って肉体じゃなくて術式に恵まれてた。
此奴は禪院の相伝術式で、手で影絵を作ると応じた式神を召喚出来る優れものだ。
しかも影に物を隠しておけるから式神使いだと思い油断して近付いてきた相手を呪具でズドン、なんて出来る万能術式だ。
俺からすれば六眼が無いと使いこなせない五条の無下限、血液管理を細かくしなきゃいけねぇ加茂の赤血操術なんかよりも圧倒的に良いやつだと思うがな。
「わんわんか〜」
「うん、しろのわんわんとくろのわんわん」
「おう可愛いな」
俺は天与呪縛で呪力が完全に無いから呪霊が見えないって思われてるが違うぞ。
感覚が常人の何十倍も研ぎ澄まされてるから見えちまう。
ちなみに今は恵のそばに白と黒の犬型式神が出てる。
コレは十種の式神で玉犬って奴だ。
「ままだいじょうぶ?」
「おう大丈夫だ
すぐじいじが来てくれて治してくれるぞ」
「じいじくるの!」
「恵はじいじ好きだな」
「うん!じいじもばあばもなおやくんもまきちゃんもまいちゃんもからすばちゃんもヒャッハーくんもだいすき!」
おう、てかヒャッハーの奴名前ねえのか?
気持ちは落ち着かねぇが恵を心配させる訳にはいかねぇ、そんなドロドロとした気持ちの時に問題は起きた。
「ふうべゆらゆら」
「恵?」
「ひゃ!?」
っ!?しまった!!!
一般家庭で産まれた呪術師だと高確率で通る道がある、術式の制御不能だ。
突然流れてくる情報に何が何か解らず手当たり次第試しちまう現象だ。
術師家庭なら術式についての勉強が出来るから起きねえが一般だと起きちまう!
ありゃ確か十種最強の式神『八握剣異戒神将魔虚羅』。
その能力は万事への適応、即ちどんな攻撃や防御にも適応して二度目からは効果がどんどんとなくなる。
俺は咄嗟に恵を抱き上げ一度離れ、舌打ちをしちまう。
こうしたくなるくらい最悪な式神だよ。
でもよ、俺が確り教えときゃならなかったと思うと俺は親父として駄目じゃねぇか‥‥‥
「ぱぱ?」
「大丈夫だ恵、ママもお前も俺が守る!」
いや、何考えてんだよ俺は!此奴の父親は俺しか居ねぇし、この場で此奴を祓えるのも俺しか居ねぇ!
とは言え呪具無しだと何も出来ねぇ‥‥‥
「ん!!!」
「恵!?それは」
「ぱぱのないないしてたの!ままみたらしんぱいするからないないしてるってじいじがいってたの」
恵の影からとある呪具。
此奴は‥‥‥
「‥‥‥ありがとうな恵、でも次からはパパに確り聞いてからないないするんだぞ!」
「うん!」
特級呪具天沼矛。
此奴ならいける!!!
刃は七十六センチ、柄が百五十センチの計二メーターオーバーの此奴はぶん回すだけで破壊力十分。
だが!
「――――――――――――!!!」
「恵に手ぇ出してんじゃねえ!!!」
対魔虚羅には最適の呪具だ!
それによぉ、俺は!親父に宣言してんだよ!
恵と恵美と三人で最高の幸せ者になってやるってよぉ!!!
父親舐めんじゃねぇ!!!
振り下ろしてきた魔虚羅の右腕を矛でぶった切り、返す刀で力付くで頭から一直線に叩き割る。
コレが最強の親父から最高の親子愛を教わった最上の親父の一撃だクソ野郎。
「ぱぱ?」
「大丈夫だ、あの怖いお化けは居なくなったぞ」
「えっとね‥‥‥まこらくんねちょーふくできたからいつでもちからかすよっていってる」
「は?」
いや何でだ?
‥‥‥あぁ!?!?!?
魔虚羅を調伏するのはタイマンじゃなきゃいけねぇんだけど、俺は呪力がねぇから呪術上存在しないんだよ。
で、天沼矛も敵に触れるまで呪力が無く触れても相手と同じ呪力になるんだ。
つまり、あの調伏の儀の場には恵と魔虚羅しか居なかった。
だが俺が倒した結果は呪術上存在せず、恵がタイマンで倒したって事になっちまう。
おいおい‥‥‥歴史上誰一人として調伏出来なかった魔虚羅を恵が調伏しちまったぞ‥‥‥
「甚爾!!!恵君!!!」
「親父!?」
「じいじ!」
「無事か!」
空を走って現場に駆け付けてきた親父。
あぁ、多分魔虚羅の気配を感じて慌てて走ってきたってとこか。
大雑把に何があったかを説明すると、親父の奴目茶苦茶ブチギレて俺に「‥‥‥‥‥ちと魔虚羅とやらと話さねばな‥‥‥‥」って言いやがった。
一応恵に魔虚羅を呼んでもらったが、まさか開始五秒で魔虚羅が白旗あげたぞ。
「じいじ‥‥‥ままだいじょうぶ?」
「‥‥‥‥‥‥‥ふむ‥‥‥‥‥‥‥‥」
「ごめんなさいお義父さん」
「‥‥‥‥‥気にするな‥‥‥‥‥」
あの後訳を説明して恵美を観てもらってるんだが、如何せん表情が険しい。
どうやら俺の予想が当たっちまったらしい。
「‥‥‥‥‥‥‥‥恵君‥‥‥‥‥‥少しママを見ててくれないかな?」
「うん!」
「甚爾」
「おう」
親父と俺は病室を出て何があったかを説明してもらった。
どうやら遠隔呪詛による呪殺を企んだらしいが、恵美が呪術に対して僅かな耐性が有るから緩やかに死に向かってるとの事だ。
「っ!!!」
「甚爾!」
「止めるな親父!」
「先ずは恵美さんの治療だ」
「方法があるのか?」
「‥ああ‥‥‥」
親父は特殊な呼吸をすると手に電気のようなエネルギーを出した。
アレは生命エネルギー、つまり負のエネルギーである呪力とは真逆の正のエネルギーらしい。
それを恵美に入れて呪詛を目茶苦茶にしてその隙に親父が呪詛師を始末、その間俺は同じ様にこのエネルギーを送り続けて回復させるとのことだ。
どうやら遠隔のはかなり綿密な式を作る必要があって、それを見出して無理矢理繋がりを断ち切って親父と繋げて犯人を見つけるとの事だ。
「‥‥‥俺が呪術さえ使えたら‥‥‥」
「甚爾‥‥‥戯け者を叱るのは爺の役目‥‥‥お前は妻子を守れ‥‥‥」
「すまねえ親父」
病室に戻ると親父はすぐに治療を開始した。
親父のエネルギーはすぐに恵美に入り呪詛を阻害し、親父と繋がったのが解った。
そして俺はすぐに手を繋ぎ、ありったけのエネルギーを送る。
「‥‥‥恵君‥‥‥じいじは少しお出かけする‥‥‥ママの手を握っててくれないか?」
「うん!」
「いい子だ‥‥‥」
親父に言われ恵美の手を握って「がんばれ!」って応援してる恵。
頑張れ恵美、俺が絶対にお前を死なせない!
負けるな!恵にはお前が必要なんだ!
一週間後。
「ぱぱ、ままは?」
家の中は荒れており、恵は心配そうに俺を見てくる。
あぁ‥‥‥
「今日退院だ‥‥‥キレるよなぁ‥‥‥」
「うん‥‥‥」
俺も親父も片付けは壊滅的に駄目で、恵美の居ない一週間でかなり荒れちまったな。
特に親父が何故か恵にオモチャと呪具を大量に持ってきて、そろそろ俺が呪霊祓い屋ってのを誤魔化すのが難しくなってくる量だ。
「良い機会かもな」
「なにが?」
「パパが怖〜いオバケを対峙してる事、ママに内緒にしてたけど言っても良いかなってよ」
「しうくんとのこと?」
「あぁ」
孔時雨。
俺が家を出てから呪術連盟が対処しきれないヤベェ依頼を回してくれてた奴だ。
ソイツからのアドバイスで一般家庭育ちの恵美には内緒にしてたがそろそろ教えてもいいかって判断した。
ちなみに恵にはバレた。
時雨の野郎がヘマこいて普通にな。
さて、コレから怒られる為に奥さんを迎えに行かなきゃな。
恵と手を繋いで俺は家を出るのだった。
伏黒甚爾
婿入して伏黒にはなったが禪院が嫌で婿入した訳では無い
実の両親はクソなのに養の両親が最高だったので家族は助け合い愛し合うなんて思ってる
言うなら常に渋谷事変時の「禪院じゃねぇのか」状態レベル
奥さん大好きなのでもし恵が反抗期でババア!なんて言ったら秒で反抗期が終了する
伏黒恵
甚爾の息子
何の因果か歴史上初の調伏に成功した術師となってしまった男の子
術師になったら即特級は確定だが、そんな事したら特級親バカと特級孫バカが何をするかわからない
初めて禪院家に行った時に「おおきくなったらからすばちゃんとけっこんする〜」なんて言って特級二人がガチギレしかけたとかなんとか
伏黒恵美
甚爾の嫁で恵の母
呪殺されそうになったがヤベー奴の逆鱗に触れたせいでとんでもない事になった
多分摩虎羅の反転ソードで刺せばワンチャン治ったかも知れない
禅院家に行った時は武道の大元だという嘘を信じて甚爾の体が凄いのもそれが理由だと思ってる
扇さん嫁問題
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メロンパンを嫁にしてみない?
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メロンパンに呪われたロリだろ!
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梅ちゃん扇推しじゃん
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そこに天元がおるじゃろ、女じゃろ