エラッサ「長話をしすぎたようだ、私は行く。もし、今後また貴族や衛士に加担し汚職の片棒を担ぐようなことがあれば ー その時は消す」
そう言い残し歩き始めるエラッサ。その姿はどこか嬉しそうにも見えた。
ユナ「言っちゃった。私達も隊長さんに報告して町に戻ろうよ」
隊長は先程までいた場所と変わらない所で佇んでいた。
隊長「ご苦労さまです。本当なら衛士隊の本部でお茶の一つでも出したいんですが、誰が汚職に手を染めているか分からないもので。では、次の依頼もここで出させてもらいます。準備が出来次第話しかけてください」
ナイト「これで二つ目だ。町に戻るぞ」
町に戻ると喧騒が響いて来た。その場所には二人のプレイヤーが剣を抜いて争っていた。少しすると、衛士のNPCに連れていかれ騒ぎも落ち着き始めた。
ナイト「何があった?」
近くのプレイヤーに聞くと
プレイヤー「連れていかれたDKBの人達が、あまりに横柄な態度で他のギルドのプレイヤーに絡んでたんです。それを見かねたプレイヤーの一人が注意をしたらああなって」
DKB、正式名称は<ドラゴンナイツ・ブリゲード>で、攻略組最大の人数を誇るギルド。リーダーはリンドというプレイヤーである。人数が多いため統一出来ておらず、荒っぽいことや、効率のいい狩場、レアアイテムなどを独占しようとしてる人達もいる。
話を聞いてるとヒースクリフが来ていた。
ヒースクリフ「穏やかならざる事態と聞いて来てみたが、少し遅かったようだな」
ナイト「ああ、NPCに連れて行かれた所だ。それとちょうどいい、少し時間はあるか?」
ヒースクリフ「ふむ、今の所は特に何も無い。話をきこうか」
ナイト「ああ、この階層にオレンジプレイヤーがいるみたいだ。既に被害がでている」
ヒースクリフ「情報の提供に感謝する。我々KoBでも警戒を強めよう」
KoB、正式名称<血盟騎士団>で、攻略組最強を誇るギルドである。リーダーはヒースクリフである。
ナイト「それと、もう一つ」
ナイトはノーチラスの症状について話、解決、または改善方法がないか問いかける。
ヒースクリフ「事情は理解した。私から言えることはあくまで可能性レベルの話だが、少し話をさせてもらうとしよう。
第一に、<無意識>を抑えようとしても鉄のようにシステマティックなそれにはそうそう抗えるものではない。
神経信号を中核とするフルダイブ技術において、君のようなケースは武器や戦法の工夫でどうにかなる類のものではない。
そもそも、システム上の問題を根性論でどうにかしようというのが本来ならば間違いというものだろう。
だがその上で私はこうも思っている。このSAOにおいて<絶対>はなく、どんな可能性も一概に否定すべきではない ー と。
意思の力というのもあながち無視出来ないものだ。現に四十三層まで上がってこられたのも、プレイヤー達の<意志の力>があったからだ。
鉄のような無意識を超越する鋼の意志それを持ち得たなら、あるいは」
ノーチラス「鉄の無意識を超越する・・・鋼・・・意志」
ヒースクリフ「たとえばナイト君は意志の力で絶対絶命の状況を幾度となく覆してきた。頑張りたまえ、ノーチラス君。私にこのSAOの可能性を見せてくれ」
ヒースクリフがいなくなった後もノーチラスは険しい顔して考えていた。朝を迎え、共に朝ご飯を食べている頃には険しさは薄れていた。
ユナ「さあ、隊長さんのところに行こう!」
隊長「来てくれたか。特に重要な仕事を頼みたくてね、今回も来てくれて安心したよ。すまないが、今回は衛士隊の本部まで来てくれ。君達に紹介すべき人がいるのでね」
本部に行くと隊長がドアをノックし、頭を下げる。
隊長「戻りました執政官。お話しました冒険者達を連れてまいりました」
執政官「君達が隊長殿の言っていた冒険者か。私はこの町の執政官を務めているものだ、よろしく頼む」
隊長「執政官は汚職の是正(ぜせい)に賛同してくれていまして、様々な形でご協力いただいています。
今回は現場に調査のメスを入れるため、自ら視察に出てくださるそうです。そこで、君達に護衛をしてもらいたいんです」
執政官「市民の模範となるべき貴族や衛士の間に汚職が横行しているとは、嘆かわしいことだ。それを是正したいという彼に、是非協力したくてね」
ナイト「引き受けよう」
執政官「そうか、では護衛を頼む。今回の視察先は町の外にある詰所だ。君達は腕の立つ冒険者と聞く、頼りにしているよ」
隊長「くれぐれも頼む。執政官に何かあっては大変だからな、この方が就任してからこの町の犯罪も減っている。この町のためにもしっかり護衛してくれよ」
詰所は城内の牢城の内郭(ないかく)にある。そこに行くまでの間の雑談で
ナイト「エラッサとの戦いの先読みすごかったぞ。まるでキリトみたいだった」
ユナ「そんな・・・恥ずかしいよ。ガイドブックに書いてあっただけだから」
ナイト「ガイドブック?」
ユナ「情報屋のアルゴさんからもらったの。短剣スキルの教科書みたいな攻略本なんだ。録音クリスタルに私の歌を入れたいって頼まれたときの代金ってことでくれたんだ」
ナイト「確かにユナの歌は俺も好きだからな。俺が作った歌もあげようか?」
ユナ「歌?作ってたんだ」
ナイト「ああ、動画サイトに[S×K]って名前で投稿もしてる」
ユナ「[S×K]!たしか、最近人気のアニメや歌を出してる人。まさかナイトが」
[S×K]、リアルでナイトが投稿してる動画のチャンネル名。内容は前世のアニメや歌を再現してるだけだが、絵や歌は自分で再現するので実はとてつもなく凄いことである。チャンネル登録者は500万人に僅かに届かないくらいである。
ユナ「それで、なんでまた急に歌をあげることになるの?」
ナイト「その話はクエストが終わってからだな」
ユナ「そんなー!気に・・・」
ナイト「静かに・・・!エラッサか」
エラッサ「言ったはずだ、もし今後町の有力者に加担し汚職の片棒を担ぐようなことがあれば ー その時は消す、と」
ユナ「エラッサ・・・っ!やめて。この人・・・執政官さんは真面目な人で、汚職なんかやってないよ」
エラッサ「騙されているだけだ。衛士達の上役ともなれば、汚職しているのは間違いない。 ー 邪魔するならお前も消す」
ノーチラス「ナイト、ひとまずエラッサをここから遠ざけよう。説得するにしても、内通していると誤解されかねない」
戦いながらエラッサと執政官を引き離すと、鋭い突きがナイトの肩めがけて放たれる。ナイトは突きを軽く受け流し、鍔迫り合いが起こる。
エラッサ「私を標的から引き離したところで無駄だ、すぐにお前たちを消し、標的も消す。あの執政官とて、表向きこそ善人だがその本性は汚職に手を染める悪人だ。 ー 邪魔をするな」
ナイト「もしそうだとしても、殺さずに償わせるやり方もある」
エラッサ「そんなものはない。邪魔をするなら、まずお前達だ ー 死ね」
エラッサは鍔迫り合いをやめ後ろに跳ぶ。その後またもや突きを放つ
その突きをナイトは避けたが、横腹をかする。その後隙に腕を掴み動けないようにする。
エラッサ「なぜ、反撃をしてこない、理解出来ないな。しかもこの状況、トドメを刺せ」
ナイト「する必要がない」
ユナ「私も、友達にトドメを刺すなんて・・・したくない」
エラッサ「・・・理解できないな。私を逃せばまたお前たちを襲うぞ。次こそ、お前達を消す」
ナイト「それでも構わない」
腕を離し、背を向ける。その時に敵対アイコンは消えていた。
ノーチラス「僕達も急いで戻ろう。護衛対象を放っておくわけにもいかないだろう」
その後は何事もなく順調に進み夜には町に戻っていた。
執政官「今日はご苦労だった。君達が護衛してくれたおかげで視察も無事済んだ。今回の視察は随分と有益だった。その上、町まで送り届けてくれるとはね。次の視察もよろしく頼む」
隊長「執政官、お迎えに上がりました。公邸(こうてい)までは、私がお送りします」
ユナ「今回も無事に終わって良かったね。執政官さんも真面目そうな人だし、次の依頼もがんばろう!」
?「よかった!まだ町にいてくれて!」
そんな声と共に走って来るのは
ナイト「シヴァタか、どうした?」
シヴァタ、DKBのメンバーの中で常識的な人物の一人で幹部に近い。
ナイトは攻略組の中で繋がった
シヴァタ「コイン集めを頼んでた二軍のメンバーが大変なんだ!あいつら、大量のコインがあるって聞いて独断でダンジョンに突入しちまったんだ!二軍のレベルと装備では危険だ、このままだと全滅しちまう!」
ナイト「一軍はどうした」
シヴァタ「俺と少しのメンバー以外はKoBと迷宮区攻略の下準備で遠征してる。無茶な頼みってのは分かってる、頼む、助けてくれ!」
ナイト「わかった。次の飯お前の奢りな」
ユナ「ねえ、私達も行こう。こういう時こそ助け合わないとだよ、そうだよね、ノーくん?」
ノーチラス「わかってる。だけどこれだけは約束してくれ、絶対に無理はせず、自分も生き残ることをちゃんと考えた上で行動するんだ」
ユナ「ありがと、約束するよ。それに、もしもの時はノーくんが守ってね」
ナイト達はダンジョンに向かって走り出した。
隊長の口調がブレブレだけとこれは間違いではないです
前みたいな説明が多めにあるか、今回みたいなセリフ多めがいいかどうですか?