ダンジョンから帰還したナイト達は衛士隊の本部まで来ていた
ユナ「直接本部まで来ちゃったけど・・・いいのかなあ?」
ノーチラス「こんな時に限っていつもの場所に立ってなかったんだ、しょうがないだろう。それよりも今はあのメモについて報告することが先だ」
隊長室に入ると
衛士隊長「おや君達か、わざわざご足労すまなかったね。申し訳ないが出直してもらえるだろうか?今奥の部屋にさるお方がいらしてまして」
執政官「その声は、この前の冒険者かね?何か用事があるのだろう。構わんよ、通してさしあげたまえ」
ユナ「ねえ・・・この話って執政官さんにも聞いてもらったほうがいいんじゃない?」
ノーチラス「たしかに・・・それはあるかもしれないな。執政官は良識派の人だし、伝えておけば同じ手口で暗殺されるのを防げるかもしれない」
メモについて簡潔に話すと隊長と執政官は真剣な顔になる
執政官「これは私の公邸で話すべきだろう。ここでは、どこに不正に手を染める者がいるかわからん。その点・・・私の公邸なら心配ない」
執政官の公邸の待合室らしき所に案内されたナイト達
執政官「少しだけ待ってはくれないだろうか?急ぎ署名すべき書類があってね。これをすませたらすぐに戻る」
そう言い執政官が部屋をでてから既に十分は立っただろうころ
ユナ「・・・書類のサイン、手間取ってるのかな?すぐ戻ってくるって・・・言ってたけど。・・・ねえ、気のせいかな・・・なんか・・・頭がボーッとしてきた・・・ような・・・」
ノーチラス「大丈夫か・・・!・・・くっ・・・僕も・・・だ・・・」
ナイトは急ぎドアや窓を開けようとするがあかなかった
ナイト「くっ・・・!しまった!」
執政官「ふむ、頃合かと思って来てみれば首尾は上々だな。壺から漏れた眠り薬が部屋を満たすのに時間がかかるが、それさえ目を瞑れば十分に実用的だ。
まったく、棒菓子といい、この壺といい、あの殺し屋ども ー <怒れる者達>はなかなかどうして便利なものを作る。隊長殿、前々から君の捜査能力は確かだと思っていたよ。私も人の上に立つ人間だからね。
できる部下は好きだ、けれど ー 君のように出来すぎる部下は嫌いだよ。君は信用があるからな隊長殿。変なことを喋られる前に消えてもらうよ。もちろん、証拠という証拠も始末しておくことにする。
身元の保証人たる隊長殿がいなければ、冒険者がいくら証言したところで所詮は戯言だ。もはや、私を捌ける者などどこにもいないのだよ」
高笑いをしながら執政官は去っていく
ユナ「どうしよう・・・逃げられちゃう・・・!」
ノーチラス「けど・・・鍵が開かないんじゃ・・・鍵が・・・鍵が開きさえ・・・すれば・・・」
その時、突然ドアが開く。そして空気が流れ眠り薬の効果が薄れる
ユナ「ふぅ・・・助かった・・・空気がおいしいね」
ノーチラス「そんなこと言ってる場合か!早く追いかけるぞ!」
二人と隊長は執政官を追いかけていく。だが、ナイトはある場所を見ており
ナイト「助かった、ありがとう」
その一言を告げユナ達の後を追う
ユナ「いた!執政官さん・・・意外と足速いなぁもう!」
執政官「なぜ出てこられた・・・!あの部屋は確かに施錠し ー ぐえっ!?」
エラッサ「汚職の元凶はここで絶つ」
エラッサは短剣の塚で執政官を気絶させる
エラッサ「後は好きにしろ。どのみち極刑だろうがな」
衛士隊長「執政官、貴方を現行犯で逮捕します。どうして、どうしてこんなことを・・・?汚職を根絶しようと言っていた貴方が・・・」
執政官「執政官を拝命した当初は、私もそう思っていたよ。だが、嫌というほど思い知ったのだ ー いつの世にも悪はなくならない、と。
どれだけ潰しても悪党は出てくる。この町に必要なのは潔白な官僚などではなく、悪とすら協力し、より大きな悪を抑止できる官僚だ。
義勇兵気取りの殺し屋どもをあえて放置していたのもそのため ー 」
衛士隊長「だからって・・・殺し屋を使って政敵を消していい理由にも、汚職を正当化する理由にもならんでしょう! ー 行きますよ、続きは本部で聞かせてもらいます。
君達には世話になったな。この町の治安を預かる者を代表して君達にお礼がしたい。天柱の塔の入口に来てくれ」
天柱の塔、プレイヤーでいう階層を繋ぐダンジョンのことである。
ダンジョンの入口前では既に隊長が立っており、ナイト達を見つけると近くに移動してきた
隊長「君達のおかげでこの町から大きな膿を出すことが出来ました。その礼に、この文書に記された情報を託します」
その情報とは既に攻略された階層ボスの情報についてであり、新しく得られる情報はなかった。しかし、クエストで得られたコルや経験値は通常より多かった。そして、隊長は話をこう締めくくる
隊長「君達は道を誤らないように祈ってます。 ー 気をつけて」
ユナ「寂しくなるね・・・隊長さんいい人だったから。でも、クエストが無事終わっ ー 」
ナイト「しっ・・・!」
ナイトはユナの言葉を遮りある方向に指をさす。ユナはその方向を向き、驚きながら話しかける
ユナ「エラッサ・・・!ねぇ、エラッサなんでしょ、あの時鍵を開けて助けてくれたの」
エラッサ「理解出来ない・・・自分でも分からない。どうしてあの時ああしようと思ったのかが・・・最初は無視するつもりだった。もしかすると、ユナの歌が恋しくなったのかもしれない・・・
少なくとも、お前達にほだされたのは確かだ。悪党を前にして・・・殺さずに償わせるやり方もあるのではないかと思ってしまった。
今回の逮捕で執政官の首のすげ替えが起きる。しばらくは私達の取り締まりもきつくなるだろう。私達はしばし身を隠す・・・だから、もう会えない」
ユナ「もしかして・・・さよならを言いにきてくれたの?」
エラッサ「わからない・・・なぜ、こんなことをしているのかも。むざむざ、自らの姿を他者の眼前に晒すなど・・・おかしくなったのかも・・・しれない」
ユナ「おかしくなんかないよ。友達にちゃんとさよならを言いたいって別に普通のことだから」
エラッサ「友達・・・だと。私は暗殺者だ・・・友達だの歌だのにほだされてしまうなど・・・」
ユナ「それもおかしくなんかないよ。私、殺し屋さんの世界はよくわからないけど・・・友達や歌が好きだっていう殺し屋さんがいてもいいんじゃないかな。その気持ちに蓋をすることはないと思う。エラッサの好きなように、だよ」
エラッサ「・・・なら、この短剣をユナに託す」
ユナ「いいの・・・!?だって・・・大事なものでしょ・・・?」
エラッサ「そうしたいと思った。・・・友達に持っていてほしいと、これからも友達が・・・ユナが無事でいられるように。
ユナなら使いこなせる。この短剣は元来、殺すのではなく、守るためのもの。きっとユナの身を守るのに役立つ」
ユナ「ありがとう・・・大事にするね。じゃ、私からはこれ ー 手を出して。これはミサンガ、これが自然と切れた時にまた会えるように願掛けをしたの・・・元気でね」
エラッサ「ああ・・・元気でな」
エラッサが去る時には二人の目には涙が溜まっていた
町に戻る時には夜になっていた。町の食堂でご飯を食べている時にナイトが話をきりだす
ナイト「ユナ、クエストが終わった時に歌を渡す約束をしていただろ?
とりあえず今は二曲渡そう」
渡した曲は[crossing field]と[ユメセカイ]、どちらも前世のアニメSAOでのOPとEDだった
ナイト「これ以外の曲は現実世界に戻ったら渡そう」
ユナ「どれもいい曲・・・ありがとうナイト。この曲は大切に歌わしてもらうね」
食事も終わり雑談していると、アルゴからメッセージが届く
アルゴ「キー坊がヤバいことになってる!急いで合流してくれ」
簡潔ながらも焦っていることがわかる文書だった。ナイトはユナとノーチラスに別れを告げキリトの元へ急いで行くのであった
はい。ここで、オリジナルルートは終了で次回黒猫編終了まで行けたらいいなぁ(願望)