ガチャ転生~SAO編~   作:気まぐれ荘

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その後

蒼が病室を抜け出したことがバレた翌日。医者や看護師の説教を受けながら検査をした。体は二年以上も寝ていたとは思えないほど健康で、筋肉が少し落ちた程度だそうだ。

 

蒼(多分これは新しい特典のお陰だろうな)

 

退院まで後二日だそうだ。病室のベットの上で空を見ながら考えていると

 

華「ねぇ〜、蒼兄、聞いてるの!」

 

蒼「うん?聞いてる聞いてる・・・リーファちゃんと狩りに行ったんだよね?」

 

華「それは、さっきでしょ!もぉー聞いてないじゃんか!夜兄を見習ってよね」

 

如月華(きさらぎ はな)、蒼の妹で一つ下の歳である。活発な性格をしていて学校でも人気が高いそうだ。蒼は華に白い髪を引っ張られながらぼけっとしていた。

 

蒼「すいませんねぇ。華が大好きな夜のは違って」

 

華「なあっ!もう!知らない、蒼兄なんか」

 

桜「こらこら、喧嘩したらだめですよ」

 

如月桜(きさらぎ さくら)、蒼の母親でおっとりした性格である。しかし怒るときは一番怖い人でもある。

 

蒼「そうだ、お母さん。和人君が言ってた学校に通う準備はできた?」

 

桜「ええ。バッチリ準備しているわ。お父さんがとっても張り切っていて、カメラも新調していたのよ」

 

華「たいして使わないのにね」

 

そんなこんなで数週間後・・・

 

教師「それでは今日はここまで。課題ファイル25と26を転送するので来週までにアップロードしておくこと」

 

鐘の音を模したチャイムが午前中の授業の終わりを告げ、教師が大型パネルモニタの電源を落として立ち去ると、広い教室には弛緩した空気が漂った。

 

蒼「和人君、今日は明日奈さんと食事だったっけ?」

 

和人「うむ。悪いな・・・なんか蒼のその口調まだ慣れないな」

 

蒼「僕は夜とは違うからね。しょうがないよ」

 

和人は蒼のゲームとは違う口調にまだ慣れないようで少し首を傾げながら明日奈の元に向かうのだった。

カフェテリアの西側の窓際、そこには数人の人影がテーブルを囲って食事をしていた。その内の一人が飲み物を力任せに吸い上げる。

 

?「もう、リズ・・・里香さん、もうちょっと静かに飲んでくださいよ」

 

?「だってさぁ・・・あー、キリトの奴、あんなにくっついて・・・」

 

蒼「里香さん、ここでキャラネームはマナー違反ですよ」

 

?「ああ、ごめんねナイ・・・蒼」

 

一人はリズベットこと篠崎里香(しのざき りか)。アインクラッドでキリトの剣を作ったり強化したりとお世話になった人だ。

もう一人はシリカこと綾野珪子(あやの けいこ)。アインクラッドでは珍しいビーストテイマーであり、ナイトとキリトを兄のように慕う。

 

里香「けしからんなあもう、学校であんな・・・」

 

里香の視線の先には和人と明日奈が肩を寄せあって座っている。

 

珪子「そっ、それに趣味が悪いですよ、覗きなんて!」

 

里香「そんなことを言いながら、シリカだってさっきまで一生懸命見てたじゃない」

 

里香は少し意地悪い口調で言うと、珪子は顔を真っ赤にして俯き、エビピラフを口に詰め込み始めた。

 

蒼「あの二人を見てると平和って感じがしますね」

 

蒼が緑茶を飲みながらため息をつくと

 

里香「そうねぇ・・・あーあ・・・こんなことなら<一ヶ月休戦協定>なんて結ぶんじゃなかったなあ」

 

珪子「リズさんが言い出したんじゃないですか!一ヶ月だけあの二人にラブラブさせてあげよう、なんて・・・甘いんですよまったく」

 

蒼「ほっぺたにご飯粒ついてるよ」

 

里香と珪子はもう一度ため息をついて、和人達を見るのだった。

 

蒼「そういえば、今日のオフ会おふたりは行くんですか?」

 

蒼がふと思い出したかのように話題を振る。

 

珪子「もちろんですよー。リーファ・・・直葉ちゃんとカレン・・・華ちゃんも来るんですって。オフで会うのはじめて、楽しみだなぁ」

 

里香「シリカはリーファ達と仲いいもんね。あれかな?同じ妹として親近感があったりするの?」

 

珪子「むっ・・・そういうリズさんこそ、すっかりお姉さんですよね、この頃」

 

里香達は数秒間ばちばちと火花を散らす。その間蒼は視線をうろうろしながら慌てていた。

 

エギルの店<ダイシー・カフェ>には沢山の人で埋まっていた。蒼はカウンターに座り烏龍茶を飲んでいた。するとカラン、と響くベルの音、それに重なって、わあっという歓声、拍手、口笛が盛大に巻き起こった。

 

和人「おいおい、俺たち遅刻はしてないぞ」

 

入ってきたのは和人、明日奈、和人の妹である直葉だった。

 

里香「へっへ、主役は最後に登場するものですからね。あんた達にはちょっと遅い時間を伝えていたのよん。さ、入った入った」

 

和人達三人は店内に引っ張りこまれ、店の奥の小さなステージに押し上げられた。

 

珪子「ナイトさんもこっちですよ!」

 

蒼も珪子に腕を引かれステージに押し上げられる。

 

里香「えー、それでは皆さん、ご唱和ください。・・・せーのぉ!」

 

全員「キリト、ナイト、SAOクリア、おめでとー!」

 

キリトのポカーンとした間抜け面に、いくつものフラッシュが浴びせられた。

乾杯のあと、全員が自己紹介、それに続いて和人のスピーチが終わり、エギル特性の巨大ピザの皿が何枚も登場するに及んで、宴は完全なカオス状態に突入した。

 

蒼「エギル、烏龍茶をくれ」

 

エギルことアンドリュー・ギルバート・ミルズ ー 長いから以後エギルで統一 ー は蒼に烏龍茶を渡すと二人はもみくちゃにされている和人を見るのだった。

 

和人「マスター、バーボン。ロックで」

 

和人はへろへろになってカウンターに辿り着き、いい加減なオーダーを告げる。数秒後、エギルは烏龍茶をタンブラーに注ぎ提供する。

和人はその悪戯に気づかなかったようで、恐る恐る舐めた後、エギルを見上げて唇をひん曲げるのだった。

 

?「エギル、俺には本物をくれ」

 

和人の隣にバンダナを巻いたスーツ姿の男が座るのだった。

 

蒼「クライン、お前仕事はいいのか?この後会社に戻るんじゃ」

 

クラインこと壷井 遼太郎(つぼい りょうたろう)は店内の一角、女性陣が華やかな笑い声を上げてるテーブルをだらしない顔で見つめた。

 

クライン「へっ、残業なんて飲まずにやってられるかっての。それにしても・・・いいねぇ・・・」

 

鼻の下を伸ばしまくるクラインに、蒼と和人はため息をつくと烏龍茶を呷った。

 

蒼(クラインはこれがなければモテると思うんだがなぁ・・・)

 

?「ナイト・・・」

 

蒼「フィリアか、どうした?」

 

蒼に話しかけてきたのはフィリアこと竹宮 琴音(たけみや ことね)だった。

 

琴音「あの・・・そのね、ありがとう・・・」

 

蒼「どうしたんだ、藪から棒に」

 

琴音「えへへ・・・楽しいなって思ってさ。こうしてみんなで集まって騒いで・・・こんな幸せ私には二度と訪れないんだって思ってた・・・

これも全部ナイトのおかげだなって思ってさ・・・だから、お礼」

 

蒼「そんなことはない。俺がしたのは小さな手助けだけさ。俺はそんな立派な人間じゃない。もし俺がフィリアを助けられたのだとしたらそれは・・・運が良かっただけだ」

 

琴音「そんなことないよ!ねえ、ナイトは・・・<剣聖>はその刀でたくさんの人を救ったんだよ。アインクラッドの人はみんなそう。ナイトとキリトがSAOをクリアしてくれたおかげで今もこうして生きてるの。

みんなリアルの世界に戻ってアインクラッドのことを少しずつ忘れていってしまうかもしれない。でも、私は忘れない。

ナイトも忘れないでね<剣聖>としてたくさんの人を救ったナイトは本当にヒーローだったの・・・私のヒーローなの。それをずっと誇りにおもってて、ナイトに助けられた女の子がいるってずっと覚えててね・・・」

 

蒼「・・・わかった。忘れないでいる。だが、まだ終わってないぞ」

 

琴音「え・・・?」

 

蒼「俺達はこれからもこの世界で会える。それにフィリアがVRMMOが嫌になっていないなら・・・他のゲームで遊ぶことができるさ」

 

琴音「・・・そっか、そうだよね。SAOから出られたっていう事実が大きくて、なんだか全部終わった気になっていたみたい」

 

蒼「そろそろ誰かが言い出す頃だろう」

 

蒼は琴音から顔を逸らし、店内を見渡す。

 

和人「二次会の予定は変更ないんだろうな」

 

エギル「ああ、今夜十一時、<イグドラシル・シティ>集合だ」

 

蒼「ほらな?フィリアもALOで会おう」

 

蒼は肩をすくめ、琴音の方に顔を向ける。

 

琴音「・・・うん!」

 

琴音はとびきりの笑顔を蒼に向けるのだった。

 

夜、ナイトはALO内でアスナと話していた。

 

ナイト「アスナ、ミトと連絡はついたか?」

 

アスナ「ううん、だめみたい。どうしたんだろう・・・」

 

ナイト「まあ、気長に待とう。これからも時間はたっぷりあるんだからな」

 

ナイトとアスナは他のみんなには内緒でミトを探していた。しかし、痕跡も見つからず、手詰まりになっていた。

 

ナイト「アスナ、そろそろ時間だ」

 

アスナ「ええ、移動しましょう」

 

ナイト達は夜空に向かって飛翔を続け人が集まってる場所に到着する。

 

リズベット「あんた達、ギリギリよ!」

 

アスナ「ごめんねリズ、少しナイト君と話してたの」

 

リズベット「あら、浮気かしら?これはキリトに報告しないとね」

 

アスナ「リズ!そんなんじゃないから!」

 

アスナ達がじゃれあってると上空に人影が二つ。キリトとリーファだ。二人目掛けて上昇していくアスナ達。そんな中ナイトは下降するのだった。

 

ナイト「カレン、どうした?上にいかないのか?」

 

カレン「夜兄の方か・・・。うん、夜兄達とは違って私はSAOを経験していないから」

 

ナイト「関係ないさ。だってALOでは一から始まるんだからな」

 

ナイトは上空を指さす。

 

カレン「あれは・・・アインクラッド!?」

 

ナイトはカレンの頭を撫で、言葉を続ける。

 

ナイト「そうだ。俺達は四分の三しかクリアしてないからな。カレンも攻略を手伝ってくれるだろ?」

 

カレン「・・・うん・・・うん!」

 

ナイトはカレンの手を取り天に向かって翅ばたくのだった。

 




フェアリーダンス編完!
いやぁ〜当初の予定ではこんなに長くするつもりもなかったんですが思ったよりも書きたいことがありまして・・・
まあ、次回は閑話で、次次回からGGO編です!
お楽しみに
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