二〇二十三年十二月
闇を貫く<ヴォーパルストライク>の血色の閃光が、大型の昆虫モンスター二匹のHPを同時にゼロにした。
ポリゴンの抜け殻が四散するのを目の端で捉えながら、剣を引き戻すキリト。その横で鎌鼬(かまいたち)が昆虫モンスターが四散する。そこには刀を右に振り抜き<辻風(つじかぜ)>を放ったナイトがいた。
続けてモンスターを吹き飛ばすかの如く狩っていると、流石に集中力が尽きかけるのを自覚していた。撤収することを決め、全長三十メートルほどのアリ谷を駆け抜け、地面や木の幹に座る。
座ったままのナイトとキリトの耳に、近づいてくる複数の足音が届いた。右手を振り先へ促すと、太いため息とともに声が聞こえた。
?「お前らとレベル差がついちまったから、オリャあ今日は抜けるわ。
危なくなったら遠慮しねぇで呼べ」
リーダーぶりが板についた指示に、六、七人の声が答え、下草を鳴らして靴音が遠ざかっていった。そちらを見ると、SAOが始まった時からの付き合いである、ギルド<風林火山>リーダーのクラインがいた。
クライン「いくらなんでも無茶しすぎなんじゃねえのか、今日は何時からここでやってんだ?」
キリト「ええと・・・夜八時くらいか」
掠(かす)れた声で答えると、クラインは大袈裟な渋面を作る。
クライン「おいおい、今午前二時だから、六時間も籠(こも)りっぱなしかよ。こんな危ねぇ狩場、気力が切れたら即死ぬぞ」
ナイト「平気だ、(待ってる人が入れば)一、二時間休める」
このバカったれが、と舌打ち混じりに吐き捨てると、クラインは腰から日本刀を外し、どかっと座り込んだ。
クライン「レベル、どんくれぇになった」
キリト「今日上がって69だ」
ナイト「70」
顎(あご)を撫でていた手を止め、クラインはバンダナに半ば隠れた目を丸くした。
クライン「・・・おい、マジかよ。いつの間にか、俺よか10も上になってんのか。ーーなら、尚更解んねぇぜ。ここ最近のお前らのレベル上げは常軌を逸してるそ。なんでそこまでしなきゃならん。」
キリト「いいぜ、そんな心配する振りなんかしないで。知りたいんだろ、俺らがフラグMOBを狙ってるのかどうか」
フラグMOB、クエスト等の攻略キーとなっているモンスターのことである。大概のものは数日、あるいは数時間に一回というペースで出現するが、中にはたった一度しか倒す機会のない、準ボスモンスターのようなものも存在する。
クラインは、正直に顔を強張(こわば)らせると
クライン「オリャあ別に、そんなつもりじゃあ・・・」
以後原作通り
クライン「それからよ、俺がお前ェの心配したのは、別に情報聞き出すためのカマかけばっかりじゃねぇぞこの野郎。ナイト、キリトを頼んだぜ」
ナイト「まかせろ」
遠ざかる刀使いの言葉の言葉は小さく、しかしハッキリと届いた
ナイト(シリアスシーンだから黙っとこ)
ナイトはキリトが心配なのであまり関係なかったけど着いてきてました
黒猫編は殆どやらずその時系列にナイトがしてたことを書きます。
最後に少し黒猫編に関わります