この素晴らしい世界にポケモンを
ポケットモンスター
縮めてポケモン
ある時は火を吹き
ある時は空を裂く
この世界には人間と共に生きる、そんな不思議な生き物が100
200
300
いや1000以上存在している
そしてこの少年、マサラタウンのサトシ
世界最強のポケモントレーナーであるダンデを倒し、全てのポケモン達と交友を深め10歳にしてポケモンマスターの称号を得た
そんな彼は今
「あれ? どこだ……此所?」
見知らぬ部屋にて木製の椅子に座って居た、其所は辺り一面を鮮やかな星が覆う神秘的な部屋である
「サトシさんですね」
周りをキョロキョロと見渡す彼の名を、先まで誰も居なかった筈の場所に突如現れた銀髪でサトシよりも年上らしき少女が囁く
「はい、サトシは俺の名前ですけど……えっと」
キラキラと輝く椅子に優雅に座りオシャレなテーブルの上にはバスケットが置かれ後ろには大きなクローゼットが飾られ、まるで王族の様な高貴さを醸し出す少女に名前を呼ばれサトシは思わず緊張してしまう
「申し遅れました私はエリス、女神エリスと申します」
「女神……?」
「はい」
「…………スゲェ!!」
「えっ?」
椅子から立ち上がり喜ぶサトシの反応に、エリスと名乗る女神の神々しさを感じさせる表情から呆気に取られた物に変わる
「あぁごめんなさい、俺ディアルガやパルキアにアルセウスには会った事あるけど、他の神様に会ったの初めてだからビックリしちゃって
へーアルセウス達以外にも神様が居るんだ、しかも人間の見た目をした
あっ! ごめんなさい!! 挨拶してくれたのに邪魔しちゃって、えっと……エリス…さん?……様?」
「フフ
どの様な呼び方でも構いませんよ、何なら呼び捨てでも」
「じゃあエリスさんで」
「はい宜しくお願いします
では改めて
初めましてサトシさん、ようこそ死後の世界へ」
「はい初めまし………死後…?」
死後という言葉に固まってしまうサトシを、エリスは真剣な眼差しで見つめ口を開く
「覚えていませんか……亡くななられた時の事を」
「…………………………あっ」
思い出す為に目を閉じ記憶を探る、そして思いだした
「アルセウスを呼び出す為に、沢山の野生のポケモンを酷いやり方で捕まえたり人のポケモンを奪ってる悪い奴の基地にセレナと向かって……それで」
ポケモンマスターとなってもサトシは相変わらず旅に出ていた、ホウエン地方の旅を初めた時から行っている、ある一匹を除いた手持ちのポケモンを幼少期からの知り合いである博士に預けて
そんな旅の最中にてカロス地方の旅仲間の1人であるセレナと再開し、次のポケモンコンテストが始まるまで久しぶりに旅をしようという事になり共に歩き始めた
そんな時サトシ達は世界を作り上げた創造神アルセウスを呼び出し捕獲しアルセウスの力で世界を滅ぼそうと企む野望を叶える為、ポケモンの生命エネルギーを集めようと野生や伝説や幻のポケモンにトレーナーのポケモン達を傷付け捕獲する悪の者達と出会い
その邪悪な野望を阻止しようとサトシとセレナは相棒と共に敵の本拠地に向かい、何百人居るトレーナーを倒し敵の親玉すら倒した
だが負けを認めない敵の親玉は、追い込まれながらもアルセウスを呼び出す為に開発された機械を起動してしまう
しかし数千のポケモン達の命をエネルギーとして起動させた機械でも創造神と呼ばれるアルセウスを呼び出す事など出来ず機械が暴走してしまい、その時何処からともなく現れた不思議な穴が辺り一面を飲み込み始めた
このままではマズイと、機械の中に閉じ込められ生命エネルギーを吸われているポケモン達を助けようとサトシは相棒とセレナにポケモン達の避難を頼み
今も諦めずアルセウスの降臨を願い、その場に項垂れ喚きながら穴に吸い寄せられる敵の親玉を連れて避難しようとした時に機械が爆発
「そうです……その爆発から悪人を庇った貴方は……
本来ならば死後の世界にて貴方の前には貴方達の世界の神であるアルセウスさんが死後の案内役として現れなければなりません
ただその時の大爆発を引き起こした機械……いえ、数千の命を糧に起動した兵器は貴方達の世界の神であるアルセウスさんを呼び出す為に作られた物
例え神を呼び出せなくとも世界に影響を及ぼす力を持っていました、その兵器が起動された影響で貴方の世界と私が管轄を任されている別世界がワープホールの様な物体で繋がってしまったのです
そして爆発を受けた貴方の体は吸い込まれ……亡くなられたのが此方の世界だったので……私が……案内役を……スミマセン」
誰かを助けようとした勇敢な少年が亡くなった事、しかも自分達の暮らす世界とは別の場所なので身元不明の死体として処理され知り合いに見守られぬ事も無く生涯を終えてしまった
途中から声が震えてしまいエリスは謝りながら自身の流してしまった涙を手で拭う
「………あの」
「はい」
「ポケモン達や、あの悪い奴はどうなったんですか?」
「…………………あの悪人は不幸……いえ、幸いにも大怪我はしたものの命に別状はありません
ただ先程話したワープホールに吸われ此方の世界に来てしまったようですが」
本当なら心優しい10歳の少年が亡くなり、身勝手な理由で神の力を利用し世界を滅ぼそうと企む悪人が生きている事を不幸と表現したいが女神として命を平等に扱わなければならない為、私情を押し殺しながらエリスは悪人の顛末を伝える
「ポケモン達も亡くなっては居ません、悪人と同様に100体此方の世界に来てしまいましたが
それでも何百の数のポケモン達は皆無事に自分達の戻るべき場所に帰れました、貴方が相棒と呼び最も信頼を寄せている子やセレナさんが必死になって助けていましたよ」
「そっか………良かった♪」
死んだ人間とは思えない様な優しく暖かい笑みを浮かべるサトシ
「…………聞いていた通り………貴方は優しい方ですね、自分が亡くなった事を嘆くよりも助けようとした子達だけでなく悪人の安否を真っ先に心配するなんて」
「だってアイツもトレーナーだから死んだら手持ちのポケモン達が悲しむかなって
あっ
でも俺死んじゃったから、俺のポケモン達が悲しんじゃいますね……ハハハ」
「このような事を聞くのは不躾かも知れませんが、後悔は……ありませんか」
「後悔……か………ママやオーキド博士に俺のポケモン達を……悲しませちゃう事かな……
ロケット団も……あっ!アイツらは俺が居なくなった方がピカチュウがゲットしやすくなったって言って寧ろ喜んでるかな……ハハハ
またタケシとカスミと旅がしたかったな……タケシの作ってくれたシチューを飲んで、カスミと喧嘩して……バトルして
ケンジにまた新しくゲットしたポケモンの絵を書いて欲しかったな
ハルカとヒカリとまたコンテストに出たかったな……
あっ……マサトとユリーカが大きくなってトレーナーになったらバトルする約束破っちゃう……そうだ……アイリスとも次のWCSでまた戦おうって約束してたのに……ハハ……約束破るなんて子供ねって久しぶりに言われてるな絶対
3人とバトルやりたかったな
新しくゲットしたポケモン達をデントに見せて、またテイスティングして欲しかったな
シトロンの新しく作ったメカを見たかったな、シトロイド見たいな凄いメカ作って……そいつとバトルして…シトロンともまた…バトルして
アローラにもまた行きたかった……ククイ博士とバーネット博士に会ってレイが喋ってくれるの一緒に見たかった……
カキと……またバトルしてポケベースやったり……スイレンと一緒に釣りに行って……マオの料理食べて……マーマネと一緒に色んな星を見て……リーリエと一緒に勉強して色んな知識を教えて欲しい……グラジオと……またバトルやりた……い
ゴウとコハルと……また……リサーチフォロー…で……色んな所に行って……色んなポケモン達に…会いた……い
シゲルとシンジにシューティも……次のWCSには出るって言ってくれたし………アランも次は戦おうって……言ってくれて………皆と……またバトルしたい」
ポタポタ
「セレナに……辛い思い………させちゃったから………謝りたい……」
ポタポタ
「ピ……ピカチュウと……ピカチュウと……まだ………旅が……した……い」
今まで出会い旅をしてきた人やポケモン、そして最後に自分を心配してくれた少女と一番の相棒の姿を脳裏に浮かばせながら声も体も震えポタポタと地面に落ちていく滴
そんな彼の姿にエリスは悲痛な表情を見せてしまう、同時にテーブルに置かれているバスケットがガタガタと揺れているのを見て彼女の目に再び涙が
だが直ぐに切り替え表情を真剣な物に変える
「貴方のお気持ち分かりました……安心してください
実はアルセウスさんが貴方を生き返らせると言っています」
「……………えっ」
「本当は死者を生き返らせる行為は天界規定に違反していますが、アルセウスさんは数多く居る神々の中で最も人間に関心を持たない……寧ろ本当に人間は必要な存在なのかと悩む神様でした
そんな方が、貴方には借りがある今こそ礼を返す時だ、だから貴方を死なせる訳には行かないと他の神々に啖呵を切られましてね
あの方にそんな風に言われる人間ならと特別に許可がおりました
まぁ……最近は私が先輩女神のお願いで何回も死者を生き返らせているので、天界側も多少は融通が聞く様になったのもありますが
貴方は自分の世界で生き返る事が出来ます、だから……泣かないでください」
そう言って正に女神と言わんばかりの優しい微笑みを浮かばせハンカチをサトシに手渡す
「……………はい♪」
受け取ったハンカチで涙を吹き、生き返る事が出来る嬉しさから笑みを浮かばせるサトシ
それと同時にバスケットの揺れも止まる
喜ぶサトシを見て微笑んでいたエリスだったが、直ぐにその表情が暗い物に変わる
「ただ……天界の上層部や他の神々がアルセウスさんに条件を出して来ました」
「条件?」
「私の担当する世界は他の神々が担当する世界の中で最も暮らしている人類の力が強い世界、その世界を支配しようと企む魔王を他の神々も危険に思い何れは他の世界にも侵略しようと企むのではと考え
其所で神々は各々の担当世界で亡くなられた人達に、何でも願いを叶える事を条件に私が担当する世界に送り魔王を退治して欲しいと頼んでいるのです」
「……………」
「あっ!?
スミマセン!! せっかく生き返れると言ったのに条件付きなのを後出ししてしまい」
難しい顔をするサトシに、せっかく生き返れるのに水をさしやがってと彼が怒っているのではと思いエリスは深く頭を下げ謝罪する
「エリスさん」
「はい」
「マオウって何ですか? アズマオウの仲間ですか?」
「…………………あっ! そういえばサトシさんの世界ではRPGのゲームは無いんでしたね
えっと……」
頬をかきながら何かを考える
その横では何故かバスケットがズッコケ、クローゼットから笑い声があがってたがサトシは気付いていなかった
「魔王とは世界を滅ぼそうと企む悪の親玉の事です」
「ギンガ団やフレア団みたいな悪い奴らって事ですね」
「私はそれらの方々を知りませんが、貴方が悪人と呼ぶならその人達の様な人物ですね」
「よーし! じゃあその悪い奴を俺がヤッツケたら良いんですね」
「はい
ん?
いえいえ違います!!!」
「だって魔王を退治して欲しいって」
「それは他の世界の方々だけです、アルセウスさんは亡くなった方々を自分の世界で新しい命として生まれ変わる方法しか取っていないのです、だから貴方に魔王退治をさせたら私ルール違反だってアルセウスさんに裁かれちゃいますよ!!」
先までの女神の雰囲気は何処に言ったのかエリスは涙目になっていた
「じゃあ俺は何をしたら?」
「先ほど話しましたが、私の担当する世界に貴方が助けようとした悪人と100体のポケモンが来てしまいました
そのポケモン達と悪人を探しあて保護し、元の世界に送る手助けをして欲しいのです」
「手助けって? 誰の手助けを……ひょっとしてアルセウスですか?」
「いえ私のです」
「エリスさんの? でもポケモンの事ならアルセウスの方が」
「実は私達神々は自分の担当世界以外での活動は行う事ができな……あっ……いえ……とある特例中の特例を除いて行ってはいけないのです
なのでアルセウスさんではなく、この世界の担当女神であるこの私がポケモン達と悪人の保護を……ただ私はポケモンの事に詳しくなく
ポケモンの事はお仕事でお会いした時にアルセウスさんと、貴方達の世界を覗き……いえ!平和かを確認していた私の先輩女神から少し聞いていたのですが、ポケモンの中には伝説や幻と呼ばれる珍しい個体のポケモン達は街や国1つなら軽く滅ぼす力を持っているとは本当でしょうか?」
「………はい」
サトシの脳裏に今まで出会ってきたアルセウスを含めた幻や伝説のポケモン達を巡って起きた事件が過る
その強大な力は今エリスの言った通り街や国1つなら平気で滅ぼす程の力を持つ
それにカロスで出会ったカラマネロやシンオウで出会ったトゲピーといった一般ポケモンでも下手をすれば世界の脅威になる可能性はある
それを聞いたエリスの顔色が青くなる
「そうですか……此方の世界に来たポケモン達の数は間違いなく100体ですが、種類は私が無知な為に幻や伝説と呼ばれるポケモンが居たのか分からないのです」
「そう言えば俺も早く助けなくちゃって焦ってたから、どんなポケモンがあの機械に居たか覚えてない……もしかしたら伝説や幻のポケモンが居たかもしれません」
「……このままではこの世界の生態系に変化が起きてしまう
それにあの悪人もポケモンを連れて居る、もしそんな人物がこの世界の悪人……最悪の場合に魔王の軍勢と手を組めば良からぬ事が起きる危険性もあります」
「確かに……」
「ですが私だけで探しても一向に見つからず、しかも地上では魔王軍が暴れ最近は私達神々の宝である神器を利用して悪事を働く人間も居まして、魔王軍の進行を探りながら攻撃を抑え神器を回収する任務もあり捜索に集中出来ないのです
それで一刻も早く他世界からの厄介事を解決したい天界の上層部や他の神々が、サトシさんにポケモン達と悪人を探し保護するのを手伝わせろとアルセウスさんに」
「もしかして……ソレが出来たら俺は生き返る事が出来るんですか?」
「はい……スミマセン!!
私がポケモンと悪人を探す事が出来ていれば、貴方は直ぐにご家族やご友人の方々に再開出来たのに……それに貴方の様な心優しい方に対し生き返る条件に手伝いをさせるような脅しみたいな真似を……ごめんなさい」
「あぁ良いですよ!! 神様だからエリスさんも忙しいだろうし、あの悪い奴やポケモン達を俺だってほっておく訳には行きませんしね
それに……へへ♪生き返って皆に会えるチャンスをくれたんですから、俺エリスさんにありがとうって言いたいです♪」
にこやかに笑うサトシを見て、表情が明るくなるエリスだが直ぐに沈痛な面持ちで彼の方を見つめる
「今日初めてアルセウスさんからサトシさんの事を聞いた私から見て、貴方は確かに勇敢で優しく行動力がある人間です
しかしまだ10歳の少年です、魔王軍やモンスターが暮らす危険で広大な世界から1人の人間と100体の生物を見つけるのがどれだけ大変か……また命の危機に晒されてしまうのでは
そんな危険な事をさせず、貴方を元の世界で新しい生命として生まれ変わらせた方が良いのではと私は思っていました
ですが
先ほど自分が死んだ事よりも助けようとした方達の安否を気にし、1人で任務をこなせない私に対する優しさや、家族や沢山のご友人達に会いたいという願いを私は知ってしまいました
それに貴方のご家族やご友人達の貴方への思いも………確かに貴方はまだ死ぬべき方ではありません
改めて聞きますサトシさん、生き返る為に私の手伝いをしてくれますか?」
「喜んで手伝わせてください!」
「ありがとうございます……本当にありがとうございます♪
では出発する前に貴方に渡したい物があります」
「渡したい物?」
「今から貴方が向かう世界には魔王軍だけでなく人や動物を襲うポケモンに似たモンスターが居まして」
「ポケモンに似た!?」
「なので魔王軍やモンスターを相手に人々が剣で戦い魔法を放つ世界に、無防備の貴方を送る訳にはいきません
なので今まで私の世界に転移した方々と同じく、貴方に特別な力を宿した武器や道具の中から1つ選んで欲しいのです」
「わっ!?」
突如膝にカタログが現れる
「その中から御好きな物を1つ選んでください」
「わぁ~コレギルガルドみたいなカッコいい剣と盾
コッチはシュバルゴみたいに固そうな鎧だな~スゲー!!ストライクみたいなデッカイ鎌も~いっぱいあるなぁ
あっ!? コレって早く決めた方が良いですよね」
「フフフ、構いませんよゆっくりお選びになってください
カタログに乗って無い物でも内容によりますが可能ですし、何なら高層ビルを片手で持ち上げる力を手に入れたり飛べる事が出来るといった特殊な能力を得るのも可能ですよ」
渡されたカタログには今まで見てきたポケモン達の様な武器や道具が描かれていて、分かりやすい説明文が書かれてるのもありサトシは楽しそうにカタログを読んでおり、その光景にエリスは笑みを浮かべる
「なぁ見て見ろよ、電撃を放つ杖だってさ!!
お前の電撃とどっちが強いかなピカチュウ
あっ」
何時も相棒が座る自分の肩を見るが当然其所に相棒の姿はない
「(そっか……此処にピカチュウは居ないんだったな………ピカチュウ………あっ?)
あのエリスさん!!」
「はい、何か質問ですか?」
「このカタログに乗って無い物……いや
生き物でも良いんですか?」
「生き物の種類によりますが可能ですよ」
エリスの説明を受けサトシの目が輝く
「なら俺決めました」
「では持っていく物……いえ、生物の名前を言ってください」
そんなサトシの様子を見て、まるで彼が今から何を言うかが分かって居るかのようにエリスは優しく笑う
「ピカチュウです!! 俺の相棒で一番の友達の!!」
「………………ふふ」
「エリスさん?」
「失礼しました、アルセウスさんの言った通りの答えだったねで思わず
貴方なら必ずそう言うだろうと
天界の者が貴方を此所に連れて来る前に私の所に連れて来てくれたんです
貴方の相棒を」
「えっ……」
{ガタガタ!!}
するとテーブルに置かれているバスケットが先よりも激しく動きはじめると勢い良く開き、中から黄色の物体が飛び出しサトシの元に
『ピカピ!!!』
「ピカチュウ……ピカチュウ!!!」
『チャァ~♪』
互いに笑いながら抱き合うサトシと彼の相棒にして親友のでんきねずみポケモンのピカチュウ、その目には互いにうっすらと涙が
「良かったですねピカチュウさん、サトシさんと再会出来て♪」
『ピカピッ! ピィカァーチュ』
恐らくありがとうと言っているのか、ピカチュウはエリスに向かいお辞儀をしている
「か………可愛いぃ♪
此所に来た時にお腹を減らしていたみたいなのでオヤツをあげたんですが、クッキーを持つ手といい食べ方といい……はぅ~可愛いすぎます~♪」
「エ……エリスさん……?」
「はっ!?
オホン
サトシさんも良かったですねピカチュウさんと会えて♪」
「はい♪」
女神ではなく少女の様な顔でピカチュウにメロメロになってしまうも、直ぐに我に返り軽く咳払いしサトシにもピカチュウと同じ言葉を掛ける
「でも……喜びを終えるのはまだ早いですよ」
『ピカピ! ピィカァチュ!!』
「どうしたピカチュウ?」
『ピィカァカァ!』
サトシの手を引っ張りエリスの座る場所の後ろのクローゼットの前まで案内すると、ピカチュウはクローゼットを開けるよう指を差す
「これを開けろって言うのか?」
『ピィカァ』
「でもこれエリスさんのだろ、勝手に開けちゃ」
「構いませんよ」
「はあ……? じゃあ開けるぞピカチュウ
わっ!?」
クローゼットを開けた瞬間、何者かに抱き付かれ思わず声が裏返ってしまう
一体何なんだと視線を下にすると、茶髪で黒いニット帽を被る少女と目が合う
「セ……セレナ…?」
「サトシ……サトシ……サトシぃぃ」
サトシの顔を見た瞬間、少女……セレナは大粒の涙を流し更に深くサトシに身を寄せる
「良かった……サトシに……サトシにまた会えて……」
「セレナ………ゴメンな、辛い思いさせちゃって」
「大丈夫だよ……エヘヘ……私こそゴメンね、いきなり抱きついちゃって」
「平気平気♪ベイリーフやベトベトンで慣れてるからさ」
「…………ハハハ♪
やっぱりサトシは変わらないね」
『ピカピ……ピカピカ……』
『マッフォ……』
相変わらずロマンもへったくれもないなと苦笑いするピカチュウの横で、セレナが入っていたクローゼットから出てきた二足歩行で歩くキツネポケモンであるセレナのパートナーマフォクシーも苦笑いを浮かべていた
「良かったですねセレナさん」
「はい♪ありがとうございますエリス様」
『マフォフォ♪』
「はぅ………マフォクシーさんも可愛いです……」
「所でセレナ、お前なんで此処に?
此処って死後の世……あぁぁ!? 今……気付いたけど……ピカチュウとマフォクシーも此所に居るって事は………ピカチュウ!!セレナ!!マフォクシー!!お前らもまさか死んだのか!?」
『ピカァ?』
「ふぇ?」
『マフゥ?』
「いえいえ、アルセウスさんが天界に連れて来ただけで亡くなってはいません!!!
セレナさんとマフォクシーさんを呼んだのはサトシさん1人では危険という事でアルセウスさんが助っ人で呼ばれたのですよ
天界や他の神々は反対してましたが、もしサトシさんが転移の特典にピカチュウさんを選んだら特別に許可するとの話でして
だから!そんなヤっちまったって顔しなくても大丈夫ですよサトシさん!!!!!」
この死後の世界にセレナが居るので彼女も死んでしまい、そして異世界に連れていく生物としてピカチュウを選んだが、その行動で大事な相棒まで元の世界で死んだのではと
顔が真っ青に変わってしまうもエリスの補足を受け落ち着きを取り戻す
「ホッ………良かった……」
「ソレでも元の世界から突然ピカチュウさんが消えてしまう、そうなればサトシさんの関係者の方々はパニックになってしまう
だからアルセウスさんは事前にピカチュウさんとセレナさんの元に向かい事情を話し此方に来て貰ったのですよ」
「そっか……またアルセウスに会ったら御礼言わないとなピカチュウ」
『ピィカァ』
「私はデセルシティで少ししか会った事がなかったから、いきなり目の前に現れて会話しただけで凄く威圧感があって神々しさを感じるポケモンだなって思ったのに……何か友達に御礼言うみたいなノリで接してて凄いわねサトシ」
『マーフォ……』
「本当ですね、私は今もアルセウスさんを前にすると緊張しちゃうというのに
さて
当然ピカチュウさんやセレナさんの元に事情を話しに行ったという事は、貴方の関係者の皆さんも役目を全うすれば貴方が生き返る事を知っています
ですので皆さん、今か今かと貴方が生き返るのを待っているみたいですよ」
「皆………」
「頑張ろうねサトシ」
『ピカピ!』
『マフォ!』
「あぁ!!」
「ではサトシさん最終確認です、貴方が異世界に連れていくのはピカチュウさんで本当に宜しいですね」
「はい!!」
『ピカッ!!』
「………可愛い……オホン!!
分かりました
それでは私の担当する世界へ貴方達を送ります、目を覚ます場所は駆け出し冒険者の町アクセル
其所に居るクリスという人間に貴方達の事を伝えていますので彼女の力を借りてください」
「「分かりました!!」」
『ピカピッピィ! ピィカァーチュ!!』
『マフォママ! マァーフォ!!』
「…………………うっ!?
そそそ……それでは!!」
御礼を言っているのか笑顔でお辞儀するピカチュウとマフォクシーの仕草に最早言葉に出来ないほどメロメロになるエリスだが、直ぐに我に返り両手をサトシとセレナとピカチュウにマフォクシーに翳す
「サトシさん、ピカチュウさん、セレナさん、マフォクシーさん
私も必ずお手伝い致しますね、貴方達がご家族とご友人に会える事を願っています」
サトシ○したりしてサトシファンの皆さんスミマセン
もし需要あるなら続きを書いていきたいです