この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

15 / 75
遂にナ○ケ○が動きます(意味ない隠し)


この素晴らしい王女様との出会いに祝福を

(おぉ~!!あれが王女様か、むちゃくちゃ可愛い子じゃねえか

 

お供の2人も美女だし眼福な絶景だぜ)

 

王女だけでなくお供の2人の高い顔面偏差値にカズマが高評価を付けるなか、3人に向かいダクネスは深々と頭を下げる

 

 

「お待たせして申し訳ございませんアイリス様、クレア殿、レイン殿

 

此方が我が友人であり冒険仲間であるサトウカズマとその一行です、さあ皆さん、こちらのお方がこのベルセルク王国の第一王女アイリス様です、ご挨拶……ん?」

 

カズマ達に挨拶を促した時、王女の背丈に合わせるように腰に剣を帯びた女性……クレアが体をしゃがませ、アイリスから耳打ちされているのが目に入る

 

話が終わったのか、クレアが立ち上がりダクネスの方に視線を移し口を開く

 

「ダスティネス卿、挨拶の前にアイリス様が聞きたい事があるとの事です」

 

「聞きたい…事………何でしょうか?」

 

懸念していたパーティーメンバーの悪評の事を聞かれるとダクネスの顔色が悪くなるが、王女や側近達の前なので何とか平常心を取り戻し聞きたい事は何かと質問する

 

「何故ララティーナやお仲間の皆様はモンスターを連れているの?

 

と仰られています」

 

「ホッ……良かったソッチでしたか」

 

「はい?」

 

「あぁいえ何でも!

 

我々のパーティーにモンスターマスターのクラスの少年が入りまして、彼が仲間にしたモンスター……彼らの国ではポケモンと呼ばれている子達を私達が世話をしているのです」

 

ポケモンの事について王女達に説明する際は、アクセルの住人達に説明したのと同じくポケモンはモンスターマスターのサトシが仲間にした存在だと事前の話し合いで決めていた

 

 

 

 

「モンスターマスター?」

 

首を捻るクレアの後ろで、可愛いらしく首を傾げた王女が隣の杖を装着している女性……レインを呼び耳打ちする

 

 

「モンスターマスターは戦ったモンスターと心を通わせ、そのモンスターを使役し戦わせるクラスですよ」

 

おそらくモンスターマスターとは何かと質問されたのだろう、それを受けた彼女は王女だけでなくクレアにも説明を始める

 

「そんなクラス初めて聞いたぞ」

 

「アイリス様やクレア様が知らないのも無理はありません、モンスターマスターになった冒険者は今から500年程前たった1人しか居ない珍しいクラスですから

 

かくいう私も本で読んだだけですので、浅い情報しか知りませんけどね

 

 

あの……ダスティネス卿、貴女やモンスターマスターが居るなら大丈夫だとは思いますが

 

そのモンスター達は人を襲ったり等はしませんよね?」

 

 

「ムッ……」

 

「サトシ……」

『ピカピ』

『フォクシ』

 

「………分かってるよ、ちょっとムカついただけだから」

 

「………ホッ」

 

隣に居るサトシが今のレインの言葉で明らかに苛立っているのに気づいたセレナだったが、小声で会話する彼が落ち着いてる事にホッと息をつく

 

「勿論です、この子達は人を襲うどころか人を助け協力してくれる優しい子達ですから」

 

再びアイリスがクレアを呼び耳打ちする

 

 

「ねぇ……ひょっとしてアルカンレティアでアタシに化けたゾロアークみたいに、あの王女様偽物とかじゃないわよね」

 

「なっ!? 何をいうアクア!!」

 

「ちょっ!?」

 

王女が一々人を呼び耳打ちする流れを見て、アルカンレティアにてゾロアークを使い偽物の自分を利用していた事件を思い出したアクアが小声でダクネスに話すと、予想以上に動揺した彼女のリアクションに慌ててしまう

 

 

「ダスティネス興、どうかされましたか?」

 

「いえ何でも!!

 

頼むから滅多な事は言わないでくれ」

 

「だから小声で言ったのよ」

 

幸いにも聞こえて居なかったのでホッと肩の力を落とす、そして話が終わったのか王女から離れたクレアが再びダクネスの方を向く

 

「説明してくれてありがとう、実は最近王都でモンスターによる騒動があったので少し警戒してしまったのゴメンなさい

 

と仰られています」

 

「王都で騒動ですか?」

 

ダクネスの質問にクレアが苦々しい表情を浮かばせ答える

 

「恥ずかしながら2週間程前に4体のモンスターに侵入を許し、王宮付近で暴れられてしまう騒ぎがあり

 

本当ならばこの会食も2週間前にダスティネス卿に伝える筈だったのですが、その騒ぎのせいで街の修復やアイリス様への護衛増加の為の人数集めで時間が掛かり今に至るという訳です」

 

「そうでしたか、アイリス様がご無事で何よりです

 

しかし王都に攻め込むとは……もしやそのモンスターは魔王軍なのですか?」

 

「それは分かりません、4体共クレア様率いる軍や王都に在住する冒険者の皆様で撃退したのですが逃げられてしまったので」

 

「だが侵入したという事はアイリス様に危害を加えようと企んでいる筈、次に出くわす事があれば必ず4体共切り捨ててくれる」

 

「っ!?」

 

「ん?」

 

拳を強く握り怒りを露にするクレアの後ろで、アイリス王女が脅えている事にカズマが気付く

 

「クレア様」

 

「あっ……失礼致しましたアイリス様」

 

 

(あぁ側近が殺気出してるから脅えたのか、だよな王女様とはいえ12歳なんだから)

 

謝罪するクレアに大丈夫と手で制し、王女は再びレインに耳打ちする

 

 

「話の腰を折ってしまいスミマセン、では早速自己紹介をお願いします

 

との事です」

 

その返事に待ってましたとばかりに真っ先にアクアが前に出る

 

 

「お初にお目に掛かりますアイリス王女様、アークプリーストを勤めるアクアと申します」

 

(これは……誰だ?)

 

 

上品な立ち振舞いと完璧な言葉遣いに本当に彼女はアクアなのかとカズマが目を丸くしてしまう

 

 

が次の瞬間

 

 

「ではご挨拶代わりにアタシとパートナーのイブによるとっておきの芸「ありがとうアクア」ちょっ!?待ってよダクネス!!今日の為に新ネタ用意したのよ!!」

 

『アゥ! アァァ『リマ! リマリィ!!』アゥ!?アシィマア!!』

 

早速やらかそうとする女神と未来の神のコンビをダクネスとリオルが取り押さえ下がらせる

 

(やっぱりアクアだったな……にしてもダクネスもリオルも取り押さえるの早ぇな)

 

「フッフフ」

 

その流れに便乗し赤い瞳を一層と輝かせるめぐみんが自らのスカートに手を伸ばす

 

「始めまして王女様!!我が名は「彼女はアークウィザードのめぐみんです」ちょっと!?マントを返すのですセレナ!!」

 

「そして私は同じくアークウィザードのセレナです」

 

「あぁ!?せっかく演出用に買ったのに!!

 

こうなったら」

 

『バケッケ!! バッァァ『フォクシィ!』バケッ!?』

 

太ももに巻いた黒マントを取り出した瞬間セレナに奪われ、更にはウィズの店で購入した名乗り終わってから演出に使う予定の爆発するポーションも没収されてしまい

 

ならばとめぐみんの意思を読み取り<だいばくはつ>を使おうとするバルスリンだったが、コレもマフォクシーに止められてしまう

 

 

 

(なるほど……アクア達はダクネス達、めぐみん達はセレナ達が各々監視していて何かやらかしたら直ぐに取り押さえるって算段か

 

 

つぅ事は、俺の監視者はサトシ…………いや)

 

 

『ピィカァ』

 

挨拶する為、前に出るサトシの肩に乗り態々後ろを振り向き自分をガン見するピカチュウと目が合うカズマ

 

 

(コイツか……確かにナマケロは何にもやらないから俺だけを監視すりゃ良いもんな)

 

「さっきダクネス……じゃなかった……ララティーナお嬢様が話してくれたポケ……モンスターマスターのサトシです、そしてコッチが俺の相棒で友達のピカチュウです」

 

『ピカ、ピカチュウ

 

 

 

 

チラリ』

 

(この野郎……絶対ダクネスにケチャップで買収されたな)

 

 

ピカチュウはキチンとお辞儀し、直ぐに横目でカズマを監視するのを怠らない

 

 

「友達?そのモンスターがか?」

 

「はい! 俺の一番の友達です」

 

『ピカピ! ピィカァチュ♪

 

 

 

チラリ』

 

(この流れでまだ見るかコイツ!!!)

 

 

「か……変わった考えを持つ少年だな……モンスターを友と呼ぶとは

 

 

ん?

 

 

アイリス様?」

 

「どうかされましたか? 冷房は効いていない筈ですが……」

 

体を震わせる主を心配そうに見る側近2人だったが

 

 

 

「可愛い~♪」

 

「「えっ?」」

 

さっきの脅えた表情以外は常に無表情だった王女が年相応の少女らしい顔でピカチュウを見ており、側近2人が間の抜けた声を出してしまう

 

 

「あの……アイリス様?」

 

 

「ハッ!?」

 

クレアの呼び掛けで我に帰り、表情を急いで戻し彼女を呼び耳打ちする

 

 

「乱心してしまい大変申し訳ありません、ご説明ありがとうございます

 

と仰られている」

 

「どう致しまして」

 

『ピィピカチュ

 

 

 

チラリ』

 

(しつこいな!!

 

にしても無表情かさっきみたいに脅えてる顔しか出来ないのかと思ったら、ピカチュウ見て可愛いと思う普通の女の子の一面もあるんだな)

 

カズマがそう考えながら王女を見ていると、彼女は再びクレアを呼び耳打ちする

 

(一々側近を通して会話すんのも、王族らしく下々の者と話したくありませんわと思ったが恥ずかしがり屋さんだったりして)

 

「ソコの下賤の者、王族をあまり不躾な眼差しで見るものではありません

 

本来ならば身分の違いから同じテーブルで食事する事も、直接こうやって面と向かう事も有り得ない事なのです

 

頭を低くし目線を合わせずに早く挨拶と冒険談を話しなさい

 

と仰られている

 

 

アイリス様の優しさに感謝するのだな、普通なら王女様をその様な目で見るなど万死に値するというのに慈悲をお与えしてくれたのだ」

 

「(前言撤回、やっぱり絵に書いたような王族だった)

 

 

 

すんませんチェンジで『ピィカァ!!』もがぁぁぁ!?

 

『ピカピカ!!』」

 

「アイリス様!! どうやら彼は緊張している様でして!!!

 

少し肩の力を解させます!!」

 

尻尾を口に入れられ更には軽く電流を流されてしまうカズマ、そんな彼をピカチュウはダクネスに向けて投げ、受け止めた彼女はカズマを背負い部屋の隅に。

 

 

「貴様という奴は貴様という奴は!アイリス様に向かいチェンジとはどういう事だ」

 

「そりゃコッチの台詞だ!どういう事だ何が王女様だ期待させやがって、王女様つったら

 

ワタクシ外の世界を全く知りませんの、だからお願いします冒険者様、ワタクシに色々なお話を聞かせてくださいませ

 

 

みたいなの期待してたのによ!」

 

『ピカカ、ピィピカチュ』

 

「へっ!!ピカチュウさんよ、こんな所で十万ボルトをブッ放してみな

 

お前を危険なモンスターだと思って、あの気の強そうな女騎士が叩き切りに来るぞ

 

そうなりゃお前さんの相棒も色々困るんじゃねぇ~か」

 

『ピッ!? ビィカァァ!!』

 

『ピカチュウが燃えてるロト!?

 

おかしいロト、ピカチュウは炎技は覚えないのに』

 

「あれは技じゃないわよ」

 

「ただの怒りの炎ですね」

 

涙目で怒り心頭のダクネス、逆ギレしゲス顔のカズマ、ブチ切れて怒りの炎を燃やすピカチュウ

 

そんな3人をセレナとめぐみん達は呆れた顔で見ている

 

すると会話に参加していなかったサトシがダクネスの元に

 

「なあダクネス」

 

「なんだ!!」

 

「アクアとイブが王女様の所に行ったけど、ほっといて大丈「なにぃぃ!?」わぁ!?」

 

 

 

「王女様にお近づきの印として此方をどうぞ」

 

『アゥア♪』

 

アクアに貰った1枚の紙を、イブは王女に向ける

 

それは一見すれば写真かと見間違える程に王女を模した砂絵であった

 

 

「コレはお見事!!」

 

「こんな短時間でコレ程見事な精度の砂絵を描けるなんて!?」

 

 

『アゥアゥ♪』

 

「…………可愛い♪

 

わぁ♪」

 

イブの可愛さと受け取った見事な砂絵に、キラキラと効果音が聞こえるぐらい王女は喜びを見せる

 

 

「気にいっていただけ光栄でございます、キチンと王女様の寝癖すらも再現した砂絵でございますから」

 

「えっ!?

 

わわわ!!」

 

『ア~シマシマ♪『リオ!!』アシマァ!?』

 

慌てて寝癖を直す王女を見て大笑いするイブ、それを見て大急ぎでリオルはイブをおんぶする

 

 

「申し訳ございませんアイリス様!!直ぐにこの無礼者共を叩き出します!!!!

 

行くぞリオル!!」

 

『リオリィ!!』

 

「引っ張らないでよ!!!」

 

ダクネスがアクアのドレスの袖を鷲掴みし勢い良くカズマ達の方に連れて行く、それを唖然と眺めていた王女だったが直ぐにレインに再度耳打ち

 

「寡黙で冷静な貴女の慌てふためく珍しい姿を見られたので構いません、それに冒険者は多少無礼な者ですから」

 

 

「寡黙……」

 

「冷静……」

 

「慌てふためくのが珍しい……」

 

「つぅ!!」

 

『リオリィーオ?』

 

普段の彼女と全く違う人物像を聞かされ唖然としてしまう、そんなめぐみんとセレナとカズマの視線に手をモジモジとし顔が赤くなるララティーナお嬢様であった

 

 

「所でソチラのメイドの姿をしているモンスターは貴女と随分仲が良さそうですね?

 

との事です」

 

「えっ……はい!!この子……リオルと私は剣と拳と練習を共に行う友人ですから」

 

『リオ、リオル!

 

リオリィーオ、リオリィ

 

リィオリイ』

 

王女に向けリオルが上品にお辞儀をする、当然ポケモンの言葉は分からないので何を言っているのだろうと王女が首を傾げるとロトム図鑑が口を開く

 

『ボクはリオル、ララティーナの友達です宜しくお願いします

 

って言ってるロト』

 

「モンスターが喋っただと!?」

 

 

『アチシはロトム図鑑ロト、王女様初めましてロト』

 

「………コクリ」

 

困惑しながらもユックリと頷く王女が、同じく人語を話すロトム図鑑に面食らっているクレアを呼び耳打ちする

 

 

「アナタはモンスターなのに人語を話せるとは珍しいですね、所でララティーナのお友達のリオルという子の言葉を翻訳していたみたいですが、もしやモンスターの言葉を人語に翻訳出来るのですか?

 

 

と仰られている」

 

『全てのモンスターは難しいロトが、アチシの知ってるモンスターなら可能ロト』

 

「………………」

 

「アイリス様?」

 

何かを必死に考えている主を心配するクレアだったが、直ぐに彼女に呼ばれ耳打ちされる

 

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

ロトム図鑑に礼を良い終え、クレアはサトシの方を見る

 

「この子もアナタが仲間にしたモンスターですか?

 

と仰られている」

 

「はい」

 

 

「…………えっ?」

 

再度主から耳打ちされたクレアが不思議がるも直ぐに平常心に戻りサトシを見る

 

 

「なら、そのモンスターを暫くの間だけワタクシにお貸ししてくれませんか……と……仰られている」

 

何故主がその様な事を望むのか疑問に感じるも、彼女の言っている事をありのまま伝える

 

 

「ゴメンなさい……幾ら王女様でも、仲間を他人の所にやるのは嫌です

 

あと……ポケモンは人間と同じ生き物だから、貸すなんて物扱いしないでくれませんか」

 

「サトシ!?」

 

「今のはマズイですね……」

 

 

アイリス王女は権力を振りかざし自分の言った事は何でも叶えさせる様な暴君でない事は知っているので、仲間を貸して欲しいといった願いを断っても気にせず不問にするはず

 

だからサトシが断る事にはダクネスは何も気にしなかったが、最後の明らかに敵意剥き出しの発言はいただけなかった

 

 

「貴様! アイリス様に何という無礼を!!

 

子供とて許しはせんぞ!!」

 

「お待ちくださいクレア殿!」

 

剣を抜くクレアを慌ててダクネスが止めようとする

 

 

「アイリス様?」

 

よりも前に王女が手でクレアを制し、レインを呼び耳打ちする

 

「確かに貴方の言う通りモンスターも命ある存在です

 

物扱いしたつもりはありません、しかしそう聞こえるような表現をしてしまい申し訳ありません

 

 

との事です」

 

「…………」

「肩の力抜け、んでもって深呼吸しな」

『ピカピ、ピカチュピィ』

 

 

今も腹の虫が収まらないサトシにカズマとピカチュウが落ち着くように小声で伝える

 

「スゥ……ハァ………いえ……俺もムキになって……ゴメンなさい」

 

『ピカピ、ピィピカチュ』

 

謝るサトシと、相棒と同じく頭を下げるピカチュウに礼をし、王女は今も直ぐに剣で斬りかからんとするクレアを呼び耳打ちする

 

「ゴメンなさいララティーナ、アナタの仲間に失礼な事を言ってしまい

 

さあ席に着いて、貴女のパーティーの冒険談を聞かせてちょうだい

 

と仰られています」

 

「は……はい!!」

 

「やっとゴチソウが食べられるわ~」

 

 

「カズマ……ピカチュウ……ありがと」

 

『ピカピ、ピカピカチュウ』

 

「お前がキレたら俺らの首がキレちまうからな、まあ取りあえず飯食って機嫌直しな」

 

 

「サトシ、一緒に食べましょ」

 

「うん」

 

 

こうして入口から正面に見て左にめぐみんとアクアとサトシとセレナ、右にダクネスとカズマが席に着く

ロトム図鑑は飛んでおりマフォクシーはセレナの後ろに立ち、ナマケロは相変わらずカズマの首に抱き付き眠っており、他のポケモン達はパートナーの膝の上に座る形となる

 

 

各々が席に着くと王女はカズマを見てクレアに耳打ちする

 

 

「先程は貴方にも失礼な事を言ってしまいスミマセンでした、所で貴方が魔剣の勇者ミツルギ様が話されていた冒険者ですね?

 

聞かせて貴方の話を

 

と仰られている

 

私も聞きたいものだ、あのミツルギ殿が一目おくという冒険者の話を」

 

「(へーカミノギの野郎って国じゃ有名なんだな、そういや魔王軍のシルビアもあの野郎の名前知ってたし有名人なんだな……ムカつくけど)

 

 

分かりました」

 

こうして異世界に来てからのサトウカズマの武勇伝が本人の口から語られる。

 

 

「こうして策を思い付いた俺は魔王軍幹部シルビアにわざと捕まり、油断したアイツの隙を付き閉じ込め紅魔族が奴を倒せる武器を起動するまでの時間を稼ぐ事に成功したのですよ」

 

多少話を盛ったが事実も織り交ぜた過去の出来事を熱く語る、初見なら誰もが本当の事を話しているように聞こえる程に堂々と語るカズマに王女は目を輝かせ側近2人も感心していた

 

 

「ねぇめぐみん、前に皆から聞いた話と内容が違う気がするんだけど」

 

「スルーしてあげてください、あの可愛い王女様に良い所をアピールしているんでしょうから

 

あっ!?バルスリン!!そのスープは私のです!!」

『バケチャッ!!!』

 

 

 

「貴方は変わった冒険者ですね、今まで私に話を聞かせてくれた冒険者達は一方的に魔王軍を倒したり、華麗にドラゴンを狩ったりと冒険者が楽々にモンスターを倒す話ばかりだったので

 

この様にドキドキワクワクする話は初めてで斬新な気持ちで聞けました

 

と仰られている」

 

「フッ!

 

それはですね、他の冒険者達は自分の身の丈にあった相手と戦っているからですよ、勿論それは悪い事ではありませんが

 

俺の様に常に格上の相手と戦う道を自らの意思で選び、上を目指そうとする向上心のある人間との違いですよ」

 

「……………」

 

お前は何を言っているんだと口と目を大きく開きながらダクネスがガン見しているがスルーしている

 

「カズマ格好いい!!!」

 

と純粋にカズマを凄いと感じるサトシの相槌に王女も頷きレインに耳打ち

 

 

「素晴らしいわ、貴方は冒険者の鏡のようなお方ですね

 

普段はどの様な生活をされているのですか?

 

との事です

 

私も気になります」

 

 

「ふぅん、普段はあえて屋敷に籠り英気を養い

 

日が落ちた夜に外に出て町の安全を守る為に巡回しています、最近では我が新メンバーのモンスターマスターの仲間を増やす魔道具の作成やモンスター探しとの二足のわらじならぬ三足のわらじを履いていますが何の苦もありませんとも」

 

「貴方は冒険者だけでなく人間としても立派なのですね、冒険者になる前はどの様なお仕事を?

 

と仰られている」

 

「フッ! この国に来る前は家族の帰る場所を守る仕事をこなし、3ヶ月で構わないから契約をと迫る者達の甘い誘惑を全て断り撃退もしてきましたね」

 

「契約……ま……まさか悪魔ですか!?」

 

「悪魔を撃退したというのか!?」

 

 

 

「それ自宅警備員にNH○の勧誘「それ以上言うな!!」モグッ!?」

 

アクアの口にチキンを放り投げる

 

 

「確かに冒険者になる前から悪魔を撃退出来るならミツルギ殿に勝つのも納得が出来る、無礼を承知でお願いしますがカズマ殿の冒険者カードを見せて戴けないでしょうか?後学の為に参考にしたいのです」

 

「ぐっ!? ぼ…冒険者カード……を

 

(いやいや無理無理!! 俺の癖強カードなんか見せたら何言われるか!!

最弱職の冒険者!? 何故リッチーのスキルであるドレインタッチを習得してるんだとか聞かれたらどうすんだよ!!!)」

 

自分の冒険者カードを見られれば色々とマズイ為、口ごもってしまうカズマを見かねてめぐみんが

 

「わ……我々冒険者にとって手の内を明かすというのは、ましてやカズマは魔王軍の幹部を倒している凄腕ですし今後の活動に影響するやもしれません……さ…流石に王女様やお付きの皆さんに頼まれてもちょっと……そうだ!!

 

アクア!!他にも新ネタがあるんじゃないですか、ほらイブと一緒に派手なのをお願いします!!」

 

(ナイスめぐみん!!)

 

話を逸らそうとアクアにパスを送り

 

「えぇ~今日は良い感じの砂絵が書けたからお開きよ~それよりこのシュワシュワお代わり頂戴!!!」

 

「は……はい!!」

 

(この野郎もう出来上がってやがる!!!)

 

顔を真っ赤にし酔っ払った女神はパスを完全スルーし酒のお代わりを要求

 

それを受けたダスティネス家のメイドは室内を出る

 

 

 

《ダスティネス家の厨房》

 

「さっきのシュワシュワお代わりお願いします」

 

「あいよ! そんでララティーナお嬢様は大丈夫そうなのか?」

 

「大変そうでしたよ、アークウィザードの女の子達以外はアイリス様やクレア様にかなり爆弾を投げてましたし

 

正直言って私あの部屋に居るの怖いです、巻き込まれて私の首まで飛ぶかもしれない……ブルブル…」

 

「ならアタシが代わりに行ってきましょうか?」

 

「良いの? じゃあお願いするわね」

 

「分かりました……さぁ行きましょう警備員さん達」

 

「はっ!」

 

『了解ニャ』

『ソォォナンス!!!』

 

「うん?」

 

『あぁいえニャんでもありませんニャ』

 

 

 

 

 

 

「相槌を入れんじゃないわよ!変装がバレるでしょうが!」

 

『ナァンスゥ……』

 

メイドの姿をしたムサシが、警備員の格好をしてニャースの下半身になっているソーナンスに注意しながらキッチンワゴンを押す

 

その隣には同じく警備員の姿をしたコジロウが歩いており、ムサシとニャースにしか聞こえぬよう小声で話を始める

 

 

「どうやらジャリボーイ達はこの国の王女様と会食中らしいな」

 

「フン!!ガキンチョの分際で上流階級みたいな生意気な事しちゃって!!!」

 

『でもどうするニャ、王女様の前でピカチュウや食べ物奪ったらニャア達、指名手配されちゃうニャ』

 

「指名手配されるなんて元の世界でもでしょうが、それにバレなきゃ大丈夫よバレなきゃ」

 

「当たって砕けろ作戦かよ……」

 

「アタシ達は何時もそうでしょ、ホラぐだぐだ言ってないで行くわよ

 

 

あら? コジロウ、ニャース

 

この上にポット何て置いてたかしら?」 

 

 

「いいや、確かあのコックはアルコールしか置いてなかった筈だぞ」

 

『ニャア達がダベってる間に誰かが置いたんじゃニャアか?』

 

「あぁかもね、にしても中々にシャレオツな柄したポットじゃないの」

 

 

ロケット団が悪巧みを考えている間、カズマ達はというと

 

 

 

「我々は冒険者ではなく王族と貴族です、なので決して不用意に貴方の情報を漏らしは致しません

 

純粋に興味で冒険者カードを見たいのです、それに貴方のスキルを参考にする事で私や部下達の戦力強化に繋がり、アイリス様だけでなく世界の安泰に繋がります

 

どうかご協力を願えないでしょうか……それとも、何か見せられない訳でも?」

 

 

(あぁその通り見せられない訳が大有りだよ!!!)

 

冷や汗を欠き始めるカズマをクレアが訝しげな眼差しで睨む、すると

 

「その男は最弱職のクラスである冒険者でして、だから自分の冒険者カードを見られるのが恥ずかしいのです

 

クレア殿、どうかご勘弁を願えないでしょうか」

 

「そうなんッスよ、恥ずかしながら俺最弱職の冒険者なんで……だからあんなに大見得切ったのに恥ずかしくなっちゃって」

 

 

リッチーのスキルを持つより、最弱職の冒険者である事を認める方がダメージが少ないと判断したダクネスが苦笑いを浮かべながら説明し

 

それを受けたカズマもお手上げだと正直にカミングアウトする

 

「さ……最弱職……それが本当なら、先程話してくれた活躍は妄想なのでは」

 

「いえそれは本当です、彼は経緯はともかく魔王軍の幹部4人を撃退しデストロイヤーを破壊したのも間違いありません」

 

「にわかには信じられません、しかもあのミツルギ殿に勝ったとの事ですし

 

どうやって最弱職の貴方が凄腕のミツルギ殿に勝ったのか教えて頂きたい」

 

丁寧な言葉だが明らかにクレアはカズマを胡散臭いと思い疑っていた

 

(どうやって勝ちましたって、不意打ちで窃盗使ってアイツの魔剣奪って勝ちました

 

 

何てバカ正直に言ったら嘲笑ってきそう……)

 

再び口ごもるカズマを他所に王女はクレアを呼び耳打ちする、それに対し再びクレアが動揺するも直ぐに平常心となりカズマの方を向く

 

 

「そ……その……イケメンであるミツルギ様が最弱職に負けるなどあり得ません、ワタクシに嘘を付いているのではありませんか?

 

魔剣使いでソードマスターミツルギの名は王都にもしれ渡っています、そんなイケメンで強い彼が駆け出しの町で暮らす駆け出しの冒険者に敗北するなどあり得ません、彼はイケメンですから

 

と仰られている……私も同意見です、彼はイケメンですから」

 

「うんうん」

 

クレアに次いでレインもそうだと強く頷く

 

「おいお前ら……流石にキレるぞ俺も」

 

「貴様!!王女であるアイリス様に向かいお前らだと!!この無礼者が!!!」

 

(あっ!?しまった何時ものノリで言っちまった!!!)

 

激昂するクレアが再び剣を抜き始め、カズマの顔や体とありとあらゆる部位から冷や汗がダラダラと流れ始める

 

そこに

 

 

「待った!!」

 

 

サトシが待ったを掛ける

 

「サ…サトシ……どうしたの?」

 

「ちょっと言いたい事があるだけだよ!!」

『フォクシ!?』

 

 

心配するセレナに強く言い放つ

 

「待ってくれ、只でさえ今カズマがマズイ発言をしたんだ……コレ以上は」

 

「大丈夫だよダクネス、さっきみたいに王女様に失礼な事じゃないから」

 

「サトシ!?」

『ピカピ!?』

 

引き止めるダクネスを大丈夫と一蹴し剣を構えるクレアにサトシは堂々と面と向かい

 

「あの!」

 

「何だ?」

 

「お…おいおいサトシ……まさか俺がバカにされて怒ってんのか、嬉しいし俺も言ってやりたい所だが……流石に王族に喧嘩売るのは辞めとけ」

 

もしや先程の発言で自分をバカにされたと彼が怒っているのではと小声で彼を止めようとするカズマだったが

 

 

「コイキングだってギャラドスに勝てる!!!!」

 

「「…………はぁ?」」

 

 

 

 

クレアと共に目が点になる

 

 

「それだけです!!」

 

 

そう強く言い放ち自分の席に戻り、サトシはサラダを口にする

 

 

「な………何が言いたいんだあの少年は……」

 

「俺に聞かれても………」

 

 

 

「セレナ、さっきのはどういう意味なんだ?」

 

「多分だけど……コイキングは世界で一番弱いポケモンって呼ばれていて、ギャラドスに進化すれば凄く強くなるの

 

でも進化しなくても弱いって言われてるコイキングが、強いギャラドスにだって勝てる……だからカズマがその強いミツルギって人に勝てる事だってあるんだって言いたいんだと思う

 

だから今みたいな言い方をしたんだわ、あんまりハッキリ言うと、あの騎士の人が怒ってダクネスに迷惑が掛かるから」

 

「なるほど……そういう事か

 

 

申し訳ありません私の仲間達が、どうか私に免じて…どうかご容赦を……この会食を求めたアイリス様が招いた者を罰するのは……その……外聞というのも」

 

ダクネスがカズマやサトシの代わりに頭を下げると、王女がクレアに耳打ちし

 

それを聞き終えた彼女はカズマの方を向く

 

「アイリス様はこう仰られている、今まで我が国に多大な功績を残し恩義もあるダスティネス家の名に免じてこの件は不問とする

 

ですが気分を害しました、さっきのモンスターマスターの彼は少年故に仕方ありませんが、最弱職の嘘付き男は立ち去りなさい、もちろん冒険談の褒美は渡す……と」

 

(おうおう見事に喧嘩売ってくれるね、まあダクネスにコレ以上迷惑掛ける訳にはいかねぇし金が貰えんなら我慢するか

 

取りあえず飯はめぐみん辺りがタッパーに入れて持って帰って来てくれるだろうし)

 

「おっ!おいめぐみん!?」

 

「ん?」

 

突然ダクネスが悲鳴に近い声を上げ彼女の方を見ると、めぐみんがダクネスの三つ編みをギュウと握りしめながらクレアを睨み付けていた

 

 

(ヤッベッ!? サトシ以上にめぐみんはキレやすいんだった!!!)

 

「ムッ……」

 

明らかに敵意を剥き出しにされクレアにも緊張感が伝わる

 

 

「ちょ…めぐみん……」

 

 

『ピカピ!』

「大丈夫だよピカチュウ」

『ピカッ?』

 

 

「…………ふぅ

 

お代わり貰いますね」

 

一触即発の空気だったが、めぐみんは何もせず自分の席に戻り肉を頬張る

 

 

「良かった……てっきり暴れるかと思ったわよめぐみん」

 

「あぁ……流石に肝が冷えた……」

 

「私1人なら大暴れして止めに爆裂魔法をブチ込んでましたよ、しかしサトシも我慢して小さな不満しかぶつけなかったですしね私も我慢しますよ

 

 

もし私達が暴れたらダクネスに迷惑が掛かりますからね」

 

「うん、それだけは絶対に嫌だから」

 

「2人共…………そうだな」

『リオリィーオ?』

 

 

めぐみんとサトシの言葉を受け何かを決心したのか、ダクネスはゆっくりと王女の元に

 

そんな彼女の後をリオルが追う

 

「申し訳ありませんアイリス様、先程の嘘付き男という発言を取り消しては頂けないでしょうか?

 

確かにこの男は大げさに話ましたが決して嘘はついていません、冒険者サトウ・カズマは魔王軍の幹部4人を倒しデストロイヤーを破壊し魔剣の勇者にも勝ちました……このダスティネス・フォード・ララティーナがハッキリと申し上げます

 

それに最弱職ですが彼は誰よりも便りになる男なのです、なので嘘付き男という発言を取り下げ彼に謝罪して頂けませんか……アイリス様」

 

深々と頭を下げるダクネスに真っ先にクレアが反論する

 

 

「何を言われるかダスティネス卿!?

 

アイリス様に……王女に一市民に謝罪しろと言うのですか、一体何を考え「謝りません!!」アイリス様?」

 

会食が始まってから、ピカチュウやイブを見て可愛いと一言呟く以外は側近を通していたアイリスが初めてハッキリと声を出す

 

「謝りません!!嘘でないと言うなら、その男にどうやってミツルギ様に勝ったのかを説明させなさい!

 

それが出来ないならば、その男は弱く口先だけの嘘付き」

バシン

 

「なっ!?」

 

 

 

激昂するアイリスの頬をダクネスが無言で引っ叩き、レインは困惑し立ち尽くし

 

「何をするダスティネス卿!?」

 

完全に頭に血が上ったクレアがアイリスを守るように立ち、怒りに任せ刃を振りかざす

 

「はっ!? クレア…ダメ!!」

 

唖然としていたアイリスが我に返り切羽詰まった声でクレアを止めるが、時既に遅く剣はダクネスに

 

「なっ!?」

 

『リオリィーオ!!!!』

 

鈍い音が室内に反響すると共に振りかざされた剣はダクネスの腕にめり込んでいる

 

軽い血飛沫が散り、クレアとダクネスの衣服に赤い染みが出来てしまう

 

 

『リィ……リオリィーオ!!! リオリィーオ!!!!』

 

「大丈夫だリオル、ちょっと切っただけだ♪」

 

『リオリィーオ!!! リオリィーオ!!!』

 

「リオル?」

 

安心させる為、そして耐久力が優れているので本当に大丈夫なので余裕の笑みを見せるダクネスであったが

 

それでもリオルはララティーナと必死に叫びながら全く落ち着かない

 

「どうしたリオル! 私なら大丈夫だ!!」

 

『リオッ!? リオリィーオ?リィオリ?』

 

『さっきから大丈夫って心配してるロト、本当に大丈夫ロトかダクネス?』

 

「あぁ大丈夫だ、私は丈夫だと何回も言っているだろ♪」

 

『リオリィーオ……リィオリ』

 

『リオル良かったロト、にしてもサトシもだけどダクネスも凄い耐久力ロト』

 

「フフフ、スキルの分まだまだ私の方が固いぞ

 

 

 

アイリス様」

 

怒りに任せ切りかかった全力の攻撃が、深く刺さる事なく腕の筋肉で受け止められるまけでなく全く痛がっていない自分に驚愕するクレアを通り過ぎ、ダクネスはアイリスの元に

 

「失礼致しましたアイリス様、ですが精一杯戦い世界の平和に貢献している者に対して嘘付き男呼ばわりはいけません

 

そして彼には魔剣の勇者に勝ったかを説明する責任もありませんし、それが出来なかったとしても彼が……私の仲間が罵倒されるいわれはありません」

 

「ララティーナ………」

 

「…………しょうがねぇな」

 

力の抜けた声で背伸びし終え、カズマはクレアの方を見る

 

「ここまで仲間達に庇われて俺が無言を貫く訳にはいかねぇな、そんなに見たきゃ見せてやるよ

 

どうやって俺が魔剣の勇者のイケメンに勝ったかをな」

 

「ムッ!?」

 

「待ってクレア!! もう良いの!ワタクシはもう良いから剣を下ろして!!」

 

 

(何だ? さっきと違ってメチャクチャ感情的になってんな、根は悪い子じゃないのか?)

 

「カズマ、お前が良いなら私は止めはしない

 

やってやれ、まさか遅れを取ったりはしないだろう?」

 

 

「たりまえだ!! 俺が渡り合って来た相手を考えろ、魔剣の勇者に魔王軍の幹部に、最近はポケモンとポケモン奪おうとする連中とやり合ってんだ!!

 

いくぜ! 窃「待ってください!!」ちょ!?おまめぐみん!? 名乗り邪魔されたらキレる癖に俺の見せ場を邪魔すんなよ!!」

 

「落ち着いてくださいカズマ、今貴方……窃盗を使おうとしましたね」

 

「あぁ、カミナギの野郎を倒したのは窃盗を使ったからな」

 

「冷静に考えてください、今までカズマが窃盗を女性に使えばどうなっていました」

 

「…………あっ」

 

「あの女騎士でも大問題になると思いますが、もし……もし万が一……手元が狂い窃盗を王女に使ってしまったら……例え窃盗がランダムで物を盗むスキルだとしても

 

 

間違いなく私達は全員打ち首です、いえ下手をすればダスティネス家の沽券に関わります」

 

「……………カズマ、別の方法を頼む」

 

「王女様引っ叩いて今さら何ビビってんだよ!!」

 

「仲間の為に行った行為と、不埒な行為で下げられる名誉なら前者の方が遥かにマシだ!!!」

 

 

「いや待て、5日前はお前から手紙を奪ったんだ

 

今回だって」

 

「頼むカズマ!!」

 

「ぐっ………ぐぐ」

 

 

「どうしたんだろカズマ?」

 

「た……多分……窃盗を使いたくても使えないんだと思う」

 

 

 

 

 

「どうした……ミツルギ殿に勝った方法を見せてくれるのでは無かったのか」

 

「クレア!もうワタクシは気にしてないから!

 

コレ以上はもう……」

 

「申し訳ありませんアイリス様、しかし私も騎士です

 

一度相手から受けた挑戦を無かった事にするのは我が一族の沽券に関わります」

 

「クレア………レイン、クレアを止めて」

 

「えっ!? すみませんアイリス様……貴族としては私はクレア様より階級が下なので、意見を言える立場ではないのです」

 

「そんな………」

 

双方に困惑の空気が漂う室内に

 

「失礼します、お代わりのアルコールとお茶をお持ちしました」

 

キッチンワゴンを押しながら警備員2人と共にメイド………ロケット団が入室する

 

 

「あっ! すみません此方です、アクア!お代わりのシュワシュワが来たわよ」

 

「グゥ~グゥ~」

 

『アシマリマ! アゥアゥ』

 

因みにアクアはお代わりを頼んで直ぐに酔い潰れ、イブに頭を撫でられながらずっと眠っていた

 

「起きられた時に飲むかもしれませんし、ソチラに置かせて貰いますね

 

 

 

チラリ」

 

「『コクリ』」

 

アクアの眠る席にムサシが向かい、アイコンタクトでコジロウとニャースに合図を送る

 

 

今テーブルの奥に王女一派とカズマとダクネスとめぐみんが集まり、ドア付近にサトシとセレナが座り彼女の横でアクアが寝ている

 

そしてサトシとセレナの視線はカズマ達の方を見ていた

 

 

つまり

 

「何かあったのですか?」

 

「えっと実は……ちょっとトラブルが」

 

 

 

ロケット団にとっては絶好のチャンスであり、ムサシがセレナとサトシに話し掛け注意を更に前に向け

 

その隙にテーブルに置かれたゴチソウをコジロウとマネネがカーテンで隠されたキッチンワゴンの部分に素早く運び

 

そして

 

 

(ニャハハハ♪余所見とは油断大敵ニャピカチュウ)

 

心配そうにカズマ達を見るピカチュウの背後にゆっくりとニャースが迫る、電気と捕獲した際に声でサトシ達に気付かれないよう防音対策をした檻を持ちながら

 

「そういえば此方のお茶はドナタがご注文されたのですか?」

 

「えっ? お茶頼んだ人なんて居たか?」

 

「居なかった筈だけど」

 

「なら2人が飲んではどうでしょうか、こんなシャレオツなポットに入るお茶なら美味しいはずですし」

 

更に注意を反らす為、茶を淹れようとムサシがポットを触った時

 

 

 

『ポォォォ!!!!!』

 

「ぎゃぁぁ!!!!!」

 

「なんだ!?」

 

「どうした!?」

 

 

突然ポットから凄まじい叫び声が上がり、それに驚きムサシも負けじと叫んでしまい

 

その声に、眠るアクア以外の室内に居る全員の目線が声のする方へ

 

 

「ポットが浮いている!?」

 

 

ある者は空中に浮かぶポットに驚き

 

 

 

『マッ……マネネ……』

 

 

「あれは……確かマネネ?」

 

「ちょっ!? あの子や側に居る警備員、料理の皿を持ってますよ!!」

 

「ゲッ!?」

 

テーブルに乗っているマネネと、両手に料理の乗った皿を持つ警備員に驚き

 

 

「おいピカチュウ!! 後ろ!!!」

 

『ピカ?』

 

 

『ギクッ!?』

『ナァァンシュ!?』

『うわぁぁ!!!』

 

カズマの声で振り返ったピカチュウと目が合い、上半身の担当者が急に動きだし下半身の担当者が驚きバランスを崩しズッコケてしまい着ている衣服が脱げてしまう

 

 

「ニャース!?ソーナンス!?」

 

「という事は……」

『マフォクシ!』

 

 

「…………………」

 

 

ニャースとソーナンスにマネネと来たら、あの男の警備員は間違いなくロケット団……つまりその警備員と一緒に室内に入りさっきから滝のように汗を流す女の正体に気づきセレナとマフォクシーが睨む

 

 

その時

 

「何だ貴様ら!!」

 

クレアがそう言った瞬間、何処からともなく音楽が流れる

 

 

 

《背景BGM DPの時の口上の曲》

 

 

「何だ貴様らの声を聞き

「光の速さでやってきた」

 

 

「風よ!!」

「大地よ!!」

『大空よ!!』

 

 

「世界に届けよデンジャラス」

「宇宙に伝えよクライシス」

 

 

「天使か悪魔かその名を呼べば」

「誰もが震える魅惑の響き」

 

 

「ムサシ!!」

「コジロウ!!」

『ニャースでニャース!!』

 

 

「時代の主役はあたしたち!」

「我ら無敵の!」

 

「「『ロケット団!!!』」」

『ソォォォナンス!!!』

『マネネッ♪』

 

 

 

 

 

 

 

「何だ大道芸人だったのか」

 

「「『違あぁぁう!!!!!』」」

『ソォォォナンス!!!』

『マッネネェ!!!』

 

「クレア殿、奴らは「素敵なお兄さんとお姉さんです、皆さん!!今日も素敵でしたよ!!!」そう素敵な……なっ!?何を言っているんだめぐみん!!

 

奴らは盗人です」

 

「何ですって!?」

 

「レイン、お前はアイリス様を

 

 

貴様ら……アイリス様を拐いにでも来たのか!!!」

 

 

「あぁご心配なく、俺たち王女様を拐うような大胆な事やりませんから」

 

「今日アタシらが用があんのはピカチュウとゴチソウだけ、王女なんかに全く興味ないからアンタらは自分の用事済ませなさいな」

 

「ガーン……」

 

誘拐される方が嫌だが、それでもコウもハッキリ眼中に無いと言われてしまいアイリスは小さく落ち込んでしまう

 

 

「所でロケット団、この浮かぶポットもお前らの作戦なのか?」

 

「はい? そういやコレ何よ!?

 

コイツのせいで作戦台無しになったのよ!!!!」

 

『ポポポッ!!!』

 

するとポットの注ぎ口から模様が描かれた紫色の液体が飛び出し声を上げる

 

「キェェェェェアァァァァァァシャベッタァァァァァァァ!!!!!」

 

『ポォット!? ポォォォ!!!!』

 

驚くムサシのリアクションに、此方も驚いたのか口の様な模様から<シャドーボール>が勢い良く飛ばされ

 

 

「「『だあぁぁぁぁぁ!!!』」」

 

命中しロケット団は吹き飛ぶ

 

 

 

「ちょっとコジロウ!!何でゴチソウ落としてんのよ!!!!」

 

「無茶言うなぁ!!!」

 

『折角のオマンマが……』

 

 

 

「「『やな感じぃ~!!!!』」」

『ソォォォナンス!!!!』

『マッネネェ~!!!!』

 

屋根を突き破り、何時ものアレを言いながらロケット団は星となる

 

 

 

「屋根が………」

『リオリィ………』

 

 

「間違いない……ポットデスだ!!」

『ピッピカピ!!』

 

 

「ポケモンって訳か……へいロトム」

 

『お任せロト

 

ポットデス『ポォォォ!!』わぁ!?説明の邪魔しないでロト!』

 

ロトムが<こうちゃポケモン>ポットデスの事を説明しようとした時、先のムサシの叫び声と顔にまだ怯えているポットデスが<シャドーボール>を連発し始め中断してしまう

 

「おいロトム大丈夫ウワァ!?」

 

迫る<シャドーボール>をカズマが交わすが

 

 

「キャッ!?」

 

その<シャドーボール>がアイリスの目と鼻の先を横切る

 

「アイリス様!?

 

 

カズマ殿「はいカズマです」このモンスターの相手は私に任せ貴様は下がっていろ!!!」

 

「それはありがたい、ではお言葉に甘え………って!?言っとくが女騎士さんよ!!あのポケモン間違っても殺すなよ!!捕まえるんだからな!!」

 

「何を甘い事を言う、アイリス様の食事の場を荒らすばかりか、アイリス様に攻撃しているモンスターなど……否!人間であろうとも万死に値する!!」

 

 

「待ってください!!!ポットデスは驚いてるだけなんです!!!」

 

「ポケモンの命を奪わないで!!」

 

「問答無用!!」

 

「待ってクレア!!」

 

 

『ポォッ………ポォォォ!!!』

 

アイリスの制止すら聞こえない程に今のクレアは頭に血が上っていた、剣を向け敵意剥き出しの彼女にポットデスは益々怖くなったのか注ぎ口から紫色の液体を彼女の口に飛ばす

 

 

「ゴクン!な……何と味わい深く香り豊かな茶だ、こんな美味い茶を飲むのは生まれて初めてだ♪

 

 

って!!こんな物を飲ませても許しは……な……何だ……急に……寒気が……ぐっ……あ……頭が……痛い……」

 

液体を飲み込んだクレアの顔色がどんどんと悪くなり体が震え始める

 

 

「クレア!?」

 

「どうされましたクレア様!?」

 

『ポットデス こうちゃポケモン ゴーストタイプ しんさくフォルム

 

 

 

独特な香りと味のするお茶を噴出するポケモン、怒るとお茶の体を相手の口めがけて飛ばし飲ませ、飲みこむと激しい悪寒と頭痛に襲われる

 

 

そのお姉さんはポットデスのヤバいお茶を飲んじゃったロト!!早く治療してあげないとマズイロト!!』

 

「そ……そんな……」

 

「ダスティネス卿!」

 

 

 

「屋根が……屋根が……」

『リオリ……リオリ……』

 

「ダスティネス卿!!!」

 

 

「わぁぁ!? な……何だろうかレイン殿!?」

 

「ダスティネス卿のお仲間のアークプリーストにクレア様の治療をお願いしたいのです!!」

 

「治療?

 

なっ!?何故クレア殿が倒れて?しかもなぜ震えて居るんだ!?」

 

「お前とリオルが穴空いた屋根に看取れてる間に、あのポットデスってポケモンにヤられたんだよ」

 

「アクア起きて!! あの騎士のお姉さんを治療してくれ!!」

 

「ムニャムニャ~オツマミはジャイアントトードの唐揚げでお願いね~」

 

「起きろぉぉ!!!!」

『ピイカァァァ!!!!』

 

 

 

『ポォォォ!!』

 

「うわぁぁ!?

 

治療もですが、先ずはあの子を止める為にも捕まえないとですね

 

本当なら我がパートナーバルスリンの華麗なる活躍をお見せしたいのですが、あいにくあの子はゴーストタイプみたいですしエクスプロージョンが効きません、そしてダクネスの屋敷がブッ壊れてしまいますしね「それは辞めてくれ!!!」『リオリオッ!!』

 

なのでセレナ、マフォクシー

 

貴女達に私達の想いを託します」

 

『バケチャバケッ』

 

「私達をシャドーボールとお茶の盾にしてなかったらカッコいいわよ……」

『マフォフォ……』

 

「でもその通りね、マフォクシー」

 

「待ってくれセレナ」

 

『ピカピ?』

「サトシ?」

『フォクシ?』

 

 

「カズマ!! あのポットデスを捕まえてくれ!!」

 

「俺がぁ!?」

 

「王女様にカズマのカッコ良い所、見せてやってよ!!!」

 

 

「つってもアイツに俺のスキルや魔法効くのか?

 

 

ンソゲキィはゴーストタイプだからすり抜けられそうだし、なら何時ものクリエイトアースからのウィンドブレスで目潰しして、ドレイン……は使ったらマズイし……」

 

「何言ってんだよカズマ、折角ヤル気になってんだからバトルで弱らせるんだよ!!」

 

「ヤル気?」

 

その時カズマは気づいた、自分の首がヤケに軽い事を

 

『ナマッ!!』

 

「ナマケロ!?」

 

 

ずっとカズマの首にぶら下がっていたナマケロが何時のまにか彼から離れ、更に寝転ばず初めて立ち上がりポットデスを鋭い目付きで睨んでいた

 

 

「あ……あれモンスターだったのですか!?

 

てっきり悪趣味…オホン!!変わったネクタイかと思ったのですが」

 

「(聞こえてますよ魔法使いのお姉さん……てかネクタイと思ってたのかよ!?)

 

 

というかナマケロ……どうしたお前?」

 

「きっとナマケロ、カズマのカッコ良い所を王女様に見せたくてヤル気になってんだよ!!」

 

「そ……そうなのか!?」

 

『ナッマァ!! ナッマァ!!』

 

シャドーボクシングの様な動きをしてポットデスを煽る

 

 

「ナ……ナマケロぉ……」

 

遂にナマケロがヤル気になった嬉しさだけでなく、その理由が自分の為とあっては鬼の目にも涙ならぬカズマの目にも涙が「俺は鬼と同レベか!!!」浮かび

 

「よっしゃあ!!!お前ら誰も手出すなよ、コイツは俺とナマケロで捕まえてやる!

 

 

行くぜ相棒!!」

『ナマッ!!!』

 

カズマもヤル気になる

 

 

「セレナ!ポットデスはカズマとナマケロに任せて、俺達はアクアを起こすぞ!!」

 

「うん!!」

 

 

 

 

「どうやらナマケロもカズマを下に見られて苛立っていたみたいだな……よし

 

 

アイリス様、今から彼と相棒のナマケロがあのモンスターを捕まえます

 

冒険者サトウカズマの実力を、その目で見てください」

 

「は………はい!!」

 

 

 

「へいロトム!! ナマケロのあくび以外の使える技を教えてくれ!」

 

 

『現在ナマケロが覚えている技は

 

あくび マッドショット じこくづき アンコール ロト

 

じこくづきはあくタイプの技だからポットデスに効果抜群ロトよ!!』

 

「サンキュー!!

 

じこくづきだ!!」

 

『ナァァマッ!!!』

 

『ポォット!?

 

ポォォォ!!』

 

<じこくづき>で真っ黒に染められた腕を喉元に勢い良くぶつけられ、反撃の<シャドーボール>をポットデスがナマケロに放つが

 

 

「へっ! ゴーストタイプの技はナマケロには効かねえよ!!

 

もう一度じこくづき!!」

 

『ナッマァ!!! ナッマァ!!!』

 

ノーマルタイプのナマケロにゴーストタイプの技は無効の為、堂々と技を受けて追撃の<じこくづき>を放つ

 

 

『リオリオッ……』

『バケケ……』

 

『とくせいのなまけが発動しないなんて、凄い闘志ロト!!』

 

「あ……あんなヤル気満々なナマケロ……初めて見ます」

 

 

『バケケ!!』

 

 

だが凄まじいスピードでポットデスが<じこくづき>を交わす

 

 

 

「あの子、何か早くなってませんか?」

 

『ポットデスのとくせいの くだけるボディは物理攻撃を受ければ防御力が下がる変わりにスピードが上がるんだロト』

 

 

「そんじゃ遠距離攻撃なら良いんだな、マッドショット!!」

 

『ペペペッ!!!』

 

『バケッ!?』

 

口から泥を吐き出す<マッドショット>を勢い良く噴出し、スピードが上がったポットデスに見事命中させる

 

 

「流石ンソゲキィスキルを持つ俺の相棒だぜ、ナイスコントロール!!」

 

『ナッマァ!!』

 

『カズマ!!

 

マッドショットは当たった相手のスピードを下げる技ロト、今のポットデスは元通りのスピードになってるロト!!』

 

 

「オッケー!! そんじゃ代名詞のあくびで眠らせて、とっとと捕まえてやるぜ

 

あくびだ」

 

『ふぁぁ~』

 

ナマケロが<あくび>の為に口を大きく開けた時

 

『ポォォォ!!!』

 

 

『ナマッ!? ナマァ!!!』

 

 

ポットデスがクレアに飲ませた体の液体をナマケロの口めがけ噴出するも、ナマケロは咄嗟に交わす

 

 

「メインの技が効かないから体に悪いお茶を飲ませようとしてますよ!!」

 

 

「………よし!

 

ナマケロ! もう一回あくびだ!!」

 

『ナマァ!?』

 

 

「何言ってるんですかカズマ!?

 

口を開けたら体に悪いお茶を飲まされますよ!!」

 

 

「良いからあくびだ!!俺を信じな相棒!!」

 

『ナママ……ナマッ!!

 

ふぁ』

 

『ポォォォ!!!』

 

 

分かったと頷きナマケロが大きく口を開くと、ポットデスは再び紫色の液体を噴出する

 

 

 

「ウィンドブレスト!!!」

 

『ポット!? ゴクン』

 

ナマケロの後ろから、風を起こすウィンドブレストを発動し

 

ナマケロに向かう液体をポットデスに弾き返す

 

 

「他人に飲ませる前に先ずは自分で味見しやがれってんだ!!!」

 

 

『ガクガク!! ガクガク!!』

 

 

「おうおう体調崩しちまったみたいだな、そんじゃ……おとなしく寝とけ!!」

 

『ふぁぁ~』

 

『ポッ………ぐぅ~ぐぅ~』

 

 

「今だ!! そぉら!!!」

 

パシュン

 

<あくび>で眠るポットデスに見事モンスターボールが当たり

 

 

クイッ クイッ クイッ

 

 

 

カチッ

 

 

「しゃあ!!!」

 

見事ポットデスのゲットに成功しボールを持ちながらガッツポーズするカズマを

 

 

 

 

 

「……………カッコいい」

 

 

アイリスは頬を赤らめながら見ており、誰にも聞こえないような囁くような声で呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《数分後》

 

 

「この様な事になってしまい、大変申し訳ありませんダスティネス卿!!」

 

「お気になさらずクレア殿、こちらにも非礼はありましたし

 

傷も跡形も無く癒えました、ここはお互いに水に流しましょう、だからリオル……もう機嫌を直せ」

 

『リオリィーオ………リオリ、リオリオッ!』

 

今だにダクネスに攻撃したクレアを睨み付けるリオルだが、肝心の本人がポットデスのボールを持っている切られた手を見せ気にしていない事や、クレア自身も反省しているのを見て分かったと頷く

 

 

「しかし茶を飲ませるだけで私をダウンさせたモンスターを、その様な小さなモンスターが倒し捕獲するとは

 

確かにそのモンスターならばミツルギ殿に勝てたのも納得がいきます」

 

 

「(まあノコギリと戦った時はナマケロ居なかったんですけどね)

 

納得してくれて良かったぜ………ん?

 

ちょっと待て……それだとナマケロが戦って勝ったみたいに聞こえるんですけど」

 

「そうではないのですか?

 

私が見ていた限り、カズマ殿は命令を出していただけで戦ったのはその子でしたが」

 

「いや……まあそうだけど……俺だって……俺だってサポートしたし……」

 

レインの言う通り、戦ったのはナマケロだが自分だってサポートしたと涙目になっていくカズマ

 

 

「しかし私やモンスターの容体だけでなくダスティネス卿の傷を一瞬で、しかも後遺症も傷跡も残さず治療してしまうとは……なんと凄腕のアークプリーストなのでしょうか彼女は」

 

「お代わり~もっと~♪」

『アゥ~♪アゥ~♪』

 

あの後サトシとセレナ達によって叩き起こされ

 

クレアとポットデス、そしてダクネスを治療し終えたアクアは直ぐに眠りに付きイブの子守唄を聞きながら楽しそうな夢を見ている

 

 

「それにダスティネス卿の強靭な耐久力はお見事としか言えません

 

「ありがとうございます」

 

 

そして目から察するに彼女は紅魔族ですね……魔法のエキスパートと呼ばれる

 

「フッフン~♪」

 

 

 

そして200年前の1人しか居ないモンスターマスターのクラスとなった少年

 

 

そして……レイン、お前がダスティネス卿のパーティーメンバーを調べた時にアクセスの町民が話していた少女とは彼女か?」

 

「はい、凄まじい怪力を誇り爆裂魔法を使いながら母の様な優しさを持つ少女だと

 

他のメンバーの方についても聞こうとしましたが、皆さん彼女の話ばかりして」

 

「すみません、それ誰と誰が噂してたのか後で教えてくれませんか」

『マフォク!?』

『セレナ……怖いロト……』

 

 

「コレ程のパーティーならば魔王軍と渡り合えているのも納得です、失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」

 

 

 

そうやってクレアに頭を下げられるダクネスを

 

 

(羨ましい…………)

 

羨ましそうに見るカズマ

 

 

「仕方ないよ、この世界の人はポケモントレーナーがポケモンの指示を出すのが役目だって知らないんだから

 

俺達はちゃんとカズマの凄さ分かってるよ」

 

「サトシぃ………お前は本当良い子だな……

 

そうだな……仲間が分かってくれるだけで満足だ……」

 

 

「うんうん、それにナマケロがカズマの為にヤル気になったんだからトレーナーとしたらソッチの方が嬉しいよ」

 

「そうだなぁぁ……ナマケロありがと………あれ?

 

ナマケロ……どこだ?」

 

 

『ナマァ~♪』

 

「良く見るとこの子も可愛いですね♪

 

さっきはお見事な戦いでしたよ♪」

 

泣きながらナマケロを探すカズマの目に、何時のまにかアイリスの膝の上に乗り撫で撫でされて顔を赤らめる相棒の姿が映る

 

 

 

「おい………まさかと思うが………アイツ俺の為じゃなくて、王女様に良い所を見せたくてヤル気出したんじゃないよな……」

 

「さ………さあ………で……でも俺達は本当に凄いと思ったよ!!」

『ピッ……ピカッ……ピカピカ』

 

 

「いらねえよ!!そんな慰め!!!」

 

 

ポンと優しく肩を叩くピカチュウに泣きながら遠吠えをあげる

 

 

するとナマケロを撫でながらアイリスがレインを呼び耳打ちし、それを終えたレインがカズマを見てニコリと笑い

 

 

「アイリス様、それはご自分のお口でおっしゃられた方が宜しいですよ

 

大丈夫です、カズマ殿はアイリス様には甘そうな殿方ですから」

 

 

(これ以上俺の心を苛めるな!!!!)

 

等と怒るカズマに俯きながらアイリスが歩みよると

 

「嘘つきだなんて言ってごめんなさい………戦ったこの子だけじゃなく、貴方も……本当にカッコ良かった

 

だから……また冒険談を……聞かせてくれませんか?」

 

恥ずかしそうに頬を赤らめ、上目遣いでカズマにお願いするアイリス

 

 

「…………喜んで♪」

 

彼女の背丈に合わすよう体をしゃがませ、優しい笑みで応える。

 

 

 

《ダスティネス家の入り口前》

 

こうして会食が終わり、王都にテレポートの魔法で帰るアイリス達を見送る事になった一同は爆睡するアクアと今も子守唄を熱唱するイブを置いて屋敷の外に

 

 

「アイリス様、是非またお越しください

 

その時はもっと沢山のお話をさせていただきます」

 

何故かロトム図鑑と2人っきりで行われた話を終えたアイリスにダクネスが深々と頭を下げ、それに合わせてめぐみんやセレナにサトシにカズマが頭を下げる

 

 

『サトシ失礼するロト』

 

「どうしたロトム、急に肩に乗って?」

 

『王女様が暫くアチシにサトシの肩に乗ってて欲しいって頼まれたロト』

 

「王女様が?」

 

『ピィカァ?』

 

 

「それじゃあ王女様、また会えたら俺の冒険話の続きを」

 

隣でサトシ達が何か話しているが、それは後で聞くとして先ずは自分をカッコいいと言ってくれた可愛い王女様への別れの挨拶を再び定位置に戻ったナマケロに巻き付かれながら優先したカズマ

 

 

だったが

 

 

 

 

「何を言ってるの」

 

「えっ?」

 

「わっ?」

 

いたずらっ子の様な顔をしながらアイリスがカズマとサトシの手を握った瞬間

 

「テレポート!」

 

アイリスがそんな事をやっていると知らないレインがテレポートの魔法を唱え

 

 

 

そして

 

 

 

「えっ……えっ………」

 

「あれって…………お城……」

『ピカァ………』

『ダクネスのお屋敷を更に越えた大きさロト!!!』

 

カズマとサトシ達の前に、自分達の暮らす屋敷よりも大きなダクネスのお屋敷を更に越える大きさの純白で美しい城と

 

大量の兵士や使用人達が綺麗に並び自分達の後ろ……この城の主の少女に頭を下げる姿が目に入る

 

 

 

「「アイリス様!?」」

 

クレアとレインがカズマとサトシが居る事に目を丸くし、2人の手を握る王女の名を叫ぶ

 

 

「またワタクシに冒険話を聞かせてくれるって約束したでしょ、それにモンスターマスターのお話も聞けてなかったから

 

 

沢山話して♪」

 

 

そう言って側近2人を無視しカズマとサトシ達に笑い掛けるアイリスであった。

 




Qナマケロがとくせいなまけ無視出来たのなんで?

A愛の力さ

Qじゃあユキメノコにメロメロなった時はなまけてたのなんで?

A偽物の愛だからさ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。