この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

19 / 75
ユキメノコ登場回の最後辺りに鳴き声だけ出た彼女が遂に登場


この素晴らしい銀髪義賊にポケモンを

眩き光が差し込む室内に、窓際に佇む小鳥達の鳴き声が響き渡る

 

 

その鳴き声が目覚まし時計の役割となったのか、ベッドで眠る青年は眼を開き上半身を起こす

 

 

だが青年は起き上がりこそしたがベッドから出ようとはせず両手をパンパンと叩く

 

 

その音を聞いて直ぐにドアが開き、金髪の美女が中に入って来る

 

「ハイデル今日のモーニングはワッフルが食べたい気分だ、それと飲み物はミルクティーで頼む」

 

「もう昼ださっさと起きろ、それに飯を食いたいならリビングに行け、幼児や介護が必要な老人でもないのにベッドで物を食うな

 

そしていい加減受け入れろ此所は王宮でない事を、さっさと着替えてリビングに来い」

 

バタン!!

 

「………………ハイデル!!!カムバック!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は一昨日の早朝に戻る

 

 

「えっと~取りあえず、暫くは6人とその他大勢でお世話になりま~す」

 

「帰れと言いたい所だが……アイリス様からのご命令だ、仕方なく泊まらせてやる」

 

アイリスとティアラと離れない為に、近頃王都にて活動する凄腕の義賊を捕縛すると決意したカズマとパーティーメンバーは、義賊のターゲットになりそうな悪徳貴族の屋敷に住み込みで張り込む事になり

 

屋敷の主アルダープに睨まれながら、彼に暫くお世話になりますと挨拶を行う

 

 

「おい紅魔族の娘、貴様の噂は良く耳にしているぞ

 

ワシの屋敷の中で爆裂魔法などブッ放つなよ!屋敷を壊すんじゃないぞ!」

 

「ほぉ!! それはフリですね、ではリクエストに応え早速」

 

「辞めんか!!!!」

 

「頼むめぐみん!!王都で騒ぎは起こさないでくれ!!!

 

私や父が周りから白い目で見られてしまう!!」

 

「冗談ですよ、折角タダ飯を食べられる場所を壊すなんて勿体ないですからね」

 

「心臓に悪い冗談は辞めんか全く………ん?

 

待て!?貴様ら飯をタダで食うつもりか!!!」

 

「当たり前じゃないの、アタシ達はお仕事でオジサンの屋敷に住むんだから食事代やらその他の支払いも任せるわよ

 

あっ、イブはミネラルウォーターしか飲まないから毎日新鮮なお水を持ってきなさいよね」

 

「申し訳ありませんアルダープ殿!

 

支払いは我が家で行いますのでお気になさらず」

 

「いえいえ構いませんよ、アイリス様から任された客人ですからなワシが出します

 

それに

 

 

ダスティネス様のお家は色々とお金に関しては大変でしょうし、無理はなさらず」

 

「…………………お心遣いありがとうございます」

『リオリオ?』

 

肩に乗るリオル以外には、ニヤつくアルダープと拳を強く握るダクネスの会話は聞こえてはいなかった

 

 

「しかしダスティネス様もお人が悪い、巷に流れる噂を鵜呑みにしワシに疑惑を抱かれたのなら心外ですな」

 

「貴方に疑惑を抱いた訳ではありません、コレはあくまで捜査の一環なのです」

 

「捜査……まぁ良いでしょう、どうぞ遠慮なくお調べください、ワシの潔白が証明されるまで何時までもご滞在くださいませ」

 

「よーしお前らぁ!! 屋敷の主から何時までもご滞在の許可戴いたぞ!!!」

 

「「「『おおぉぉ!!』」」」

『バケェェ!!』

『アシマァァ!!』

 

 

「はぁ?」

 

「アタシ食堂に近い部屋が良いわ!!」

 

「俺一番広い部屋が良い、お世話になりますオジサン♪」

 

「私は一番天辺の部屋が良いです!!

 

何なら屋根裏部屋でも構いません!!」

 

『アチシは本が沢山ある部屋が良いロト!!』

 

「バカ野郎!部屋割りは速い者勝ちに決まってんだろ!!!

 

行くぞ!!!」

 

カズマに続きアクアにサトシにめぐみんにロトム図鑑が屋敷に入って行き、完全に取り残されたセレナがピカチュウとマフォクシーと一緒に唖然としている隣で、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしたダクネスが固まっているアルダープに深く頭を下げる

 

 

「す……すみません……ご厄介になります」

 

「あ……あぁ……構いませんとも、その……ダスティネス様も中々気苦労しているのですな」

 

「う……うぅ……」

 

『リオリオ!? リオリッ!!』

 

涙目になる彼女に慌ててリオルは自分のハンカチを手渡す。

 

 

 

《アルダープ邸》

 

使用人達が丹精込めて磨いたピカピカと輝く床やシャンデリアと、王宮程ではないがカズマの屋敷よりもランクの高い豪邸にて

 

各々の部屋割りを終えた一同は、屋敷内に義賊が侵入する場所があるかを皆バラバラで捜索を開始する

 

 

「早速王都に居るエリス教徒達をアクシズ教に入信するよう頼んでくるわ!!

 

行くわよイブ!!」

 

『アゥアゥ!!』

 

 

約2名を除く

 

 

「義賊は必ず深夜に盗みに入っている、真っ暗の屋敷の中で盗みを働けるって事は

 

義賊は暗視が出来るスキルの千里眼を覚えられるアーチャーか冒険者……もしくは仲間が居ればソイツがそれらのクラスって訳だ」

 

『ナンマ!』

 

「どうしたナマケロ?」

 

 

『ナママ! ナンマァ』

 

「うーん……確かにこの台所の窓は少し立て付けが悪い、こっから侵入する可能性は高いな」

 

『ナンマァ』

 

 

「メチャクチャ真面目に下調べしてますね」

 

『バケッバケッ』

 

 

「足り前だろ俺はどうしても義賊を捕まえたいんだからよ

 

ホレ、めぐみんもバルスリンも他に侵入出来そうな場所があるか確認しろよ」

 

「どうしたんですか一体

 

何時ものカズマなら、こんな豪邸に居れば何もせず遊んで暮らすというのに、必死に義賊を捕まえようとするなんて」

 

「あのなぁ、俺だってテキパキ汗水流して働く時もあんだぞ」

 

「………そんなに、あの王女様やラティアスと一緒に居たいのですか?」

 

「何だめぐみん、もしかして嫉妬してんのか?

 

おうおう可愛いとこアンなお前!!」

 

「えぇ、嫉妬してます」

 

「ふぇ?」

 

何時ものように慌てながら否定して来ると思いきや、あっさり嫉妬してると言われ思わず間の抜けた声を出してしまう

 

「私達に何の許可も無く貴方やサトシ達を連れていった王女の事を、正直言って私は嫌いです

 

そんな子と一緒に居たいと言われて、嫉妬しないと思っているんですか?」

 

 

 

「(トゥンクゥ~なにこれラブコメみたい)

 

あぁいや……確かに無理やり連れて来られたが、ティアラの言ってる事を通訳して欲しかったんだ

 

だから大目に見てやってくれ、アイリスの立場上ああするしかなかったんだ」

 

「やっぱりカズマはロリコンとケモナーです、必死に彼女を庇うなんて」

 

「だからぁロリコンでもケモナーでもねえ!!

 

前に一緒に風呂入った時に言っただろ、俺の許容範囲は2歳年下だって!!」

 

 

「あぁそういえばそんな事言って…ちょっと!?こんな屋敷の中でソレを言わないでください!!」

 

「お前もロリコンとケモナーって言ったじゃねえか!!!」

 

 

ザワザワ

 

「一緒にお風呂」

 

ザワザワ

 

「ロリコン」

 

ザワザワ

 

「ケモナー」

 

メイドや執事に警備員達がカズマとめぐみん達をチラチラと見ながら、ヒソヒソと小声で話し込む

 

 

「場所変えるぞ」

「そうですね」

 

 

逃げるように上の階に上がる。

 

 

 

「とにかく俺はアイリスとティアラを妹としか見てねえから心配すんな」

 

「べ…別に心配なんか……まあ誘拐犯を妹として見てるのも不服ですが、今回は見逃してあげます」

 

「お前……結構厳しいんだな」

 

「当然です、私はペットなのでしょ?

 

家族に迫り来る者に噛み付くのが任務ですから」

 

「なるほど、こりゃあ優秀な番犬だ」

 

「では番犬らしく義賊も捕まえてみせますよ、王都の兵達が苦戦する義賊を捕まえる事が出来れば私とバルスリンの名声がうなぎ登りですからね」

 

「おう、頑張ってくれよ」

 

「お任せを!

 

さあバルスリン!義賊を捕らえ私達の名を王都に轟かせますよ!!」

『バケバケッ♪』

 

走り去る彼女達の背を見送りカズマはナマケロと共に再び屋敷内の捜索を開始する

 

「ヤル気になってくれるんならありがてえか、さぁて」

 

 

「……ダープ様……どうい………ですか!?

 

なぜ……少年と………屋敷に!?」

 

「………さい!!………リス様の……命令なんだ……だって嫌……おるわ!!!」

 

 

「なんだ?」

 

ドア越しなので声が途切れ途切れだが、明らかにカズマの前のドアの奥で言い争いが行われていた

 

「……すれば……のですか!?」

 

「……か!!………が去るまで……隠れ………たらどうだ!!!」

 

 

「喧嘩でもしてんのか?

 

よし!

 

 

巻き込まれない内に離れよ」

 

バタン!!

 

 

「痛てぇ!?」

 

「ひぃぃ!?

 

ん? あぁ……良かった違ったか」

 

立ち去ろうとした瞬間ドアが勢い良く開き、カズマの顔面に命中してしまい

 

ドアから出てきた使用人の格好をした骸骨の様な細い体型の男性は最初は異様なまでに脅えたが、カズマの姿を見て何故か安心しホッと一息を吐く

 

「おいコラ!! 人にドアぶつけといて良かったとは何だテメェ!!!!

 

痛え!」

 

「ス…スミマセン!!

 

申し訳ありません私急いでいるので!!」

 

「待てこの野郎!!!

 

痛ぇ……チクショー!!顔見れなかった!!!」

 

ドアが勢い良くぶつかり、痛みから思わず顔を手で押さえた為に使用人の格好は見えたが男性の顔を見る事が出来なかった

 

「たく!使用人にどんな教育をしてんだよあのオッサンは!!」

 

「オッサン言うなと言っただろうが!!!」

 

 

「わぁぁぁ!? オッサン急に出てくんな!!」

 

開きっぱなしのドアからバケツとタオルを持ったアルダープが突然現れ、思わずカズマは腰を抜かしてしまう

 

 

「ここはワシの屋敷だぞ、何処から現れようがワシの自由だ!」

 

「なんだよこの部屋?

 

鏡しかねえじゃねえか」

 

「コラ勝手に入るな!!ワシが今掃除中なんだぞ!!」

 

「俺は入るなと言われたら入る、押すなと言われたら何の躊躇なく押す男だ」

 

アルダープの制止を無視し部屋の中に入ると、部屋の外から見えた鏡が壁に張られてるだけで何もない部屋だった

 

アルダープが持つバケツとタオルからして、彼が部屋を掃除していたのかと察したカズマだが

 

 

(さっきの使用人と喧嘩して追い出したから自分で掃除してんのか?

 

いやソレなら別の使用人呼べば良いだけよな……ん?)

 

鏡を良く見るとメイド服を着ている女性が風呂場を掃除しているのが映し出されていた

 

 

「なんだコレ?」

 

不思議そうにしながらも、中々に素晴らしいボティーラインを揺らしながら掃除を行うメイドをガン見するが、メイドの彼女はカズマのそんなケダモノの目に全く気付かず作業を続けていた

 

「メイドさんには俺が見えてない……コレもしかしてマジックミラーか!!

 

おいオッサン、アンタもしかしてコレでダクネスやウチの女共の入浴シーンを覗こうとか考えてたのか」

 

「な…何ならお前も一緒に見るか」

 

「お断りだ、というかそんなのバレたらアイツら4人にアンタも何されるか分かったもんじゃねえぞ諦めな

 

まあマジックミラーの事は黙っててやるよ、だがオッサンに覗かれない様に念の為この部屋は俺が見張っておく

 

ホラ!出てけ出てけ!」

 

「ぐっ……仕方ない諦めるか……ん?

 

ちょっと待て!お前がこの部屋に残るという事は」

 

「おいゲスな勘繰りは辞めて貰おうか、俺は大事な仲間を守ろうとしているだけだ

 

なあナマケロ」

 

『……………フッ』

 

「お前今鼻で笑ったな……良いのか?

 

王宮に居る時、お前が入浴中に隣の大浴場に居るアイリスを覗いてたのアイリスにチクっても」

 

『ナマァ!?  ナマナマ!!』

 

「そうそう、そうやって素直に謝れば良いんだ

 

なぁに人もポケモンも男はそういう生き物なんだ、もし再び王宮に帰れたら今度は一緒に覗こうぜ

 

勿論俺が見るのはクレアとレインさんだ、アイリスは流石にヤバイからな」

 

『ナンマァ!』

 

分かったと親指を立てるナマケロ

 

「王族を覗こうなどと大それた犯罪計画をワシの前で話すな!!

 

えぇいモンスター共々さっさと部屋から出ろ!!

 

貴様の様な小僧にララティーナの裸を拝ませてなるものか!!」

 

「おいおい良いのか、俺を追い出したらこの部屋の事を屋敷のメイドさん達にバラしても良いんだぜ

 

嫌だろ屋敷の女性陣から白い目で見られんのはよ」

 

「ふん!メイドはセクハラされるのも仕事の内だ、それにアイツらには大金を支払っているんだ気にする訳がない

 

因みに今貴様が見たメイドよりも素晴らしいボティーラインのメイドが居るが、どうだ見たいか?

 

ならワシと手を組もう、何だか貴様はワシと同類な気がしてな、一緒に幸せになろうじゃないか」

 

「そ……そんなに凄いの……」

 

「勿論だ」

 

 

「………フッ、分かったぜ」

 

 

「随分と仲良くなったんだな2人共」

 

「「っ!?」」

 

冷たい声と視線によりカズマとアルダープの体が凍り付いたように止まる

 

 

「所で何が凄いんだ?

 

是非私も知りたいな、詳しく聞かせてくれ」

 

 

「「………コイツが覗きをしようとした!!」」

 

「ふん!!!」

 

パリーン!!!!!

 

クルセイダーの拳によりマジックミラーは跡形も無く砕け散った。

 

《次の日》

 

『……………』

 

「久しぶりだな、お前の寝転びながら食ってる姿見んの

 

ホレ、喉に詰まるからちゃんと座れよ」

 

時刻は12時、アルダープ邸のリビングにて昼飯をカズマがナマケロと食べていると

 

「おや、お昼ご飯中でしたか」

 

「おう、お早う めぐみん」

 

「もうお昼ですよ……」

 

セレナやサトシとポケモン探しやラティオスを探しに行っていためぐみんが戻り、12時だというのにお早うと言うカズマに呆れながら彼の前の席に座りバルスリンをテーブルの上に座らせる

 

「義賊は深夜に侵入するだろ、だから俺達は警備の為に深夜まで起きてるんだ決して自堕落な生活は送ってないぞ

 

で? 俺が寝てる間にお前らポケモンやティアラの兄ちゃん探しに行ったみたいだが、どうだった?」

 

「残念ながら収穫0です」

 

因みにロトムは王宮に行きティアラの勉強の手伝い、ダクネスは他の貴族達に求婚を迫られ逃げだし、アクアは早速見つけたアクシズ教徒達とエリスの教会に嫌がらせに行っていた

 

 

「まあ1週間俺とサトシ達で探し回っても全く見なかったからな、この辺には居ねえのかもな

 

そんでサトシとセレナはまだ探してんのか?」

 

「あの2人はデートです」

 

「ぶぅぅ!!!ゴホッゴホッ!!デートだぁ!?

 

そうか……サトシの奴、遂に大人の階段を登ったって訳か

 

よしコックに今日は赤飯を作らせるか」

 

「あの……カズマ……その…ですね」

 

『バケバケ! バケッチャ!』

 

モジモジと体を動かし始めるめぐみんに、バルスリンが自身の体をぶつける

 

「わ……分かってます!

 

カズマ!」

 

「何だよ?」

 

「ご飯を食べたら……私達もデートしませんか♪」

 

トゥンクゥ!!

 

赤らめた頬で笑いながらめぐみんが爆弾を落とし、持っていたスプーンを落としてしまう

 

こうして甘~い甘~いデートが今始まる

 

 

 

 

 

「エクスプロージョン!!!!」

 

『バァァァケェェ!!!!』

 

ドガァァァァァァァン!!!!!!!!

 

ドガァァァァァァァン!!!!!!!!

 

 

(こんな事だと思ったよ!!!)

 

 

『バケバケ♪バケッチャ♪』

 

「フッフフ」

 

 

王都近くの荒野にて起きる甘いデートとは程遠い爆発を見ながら突っ込みを入れ、倒れながら満足気に笑う彼女達を何時も通りおんぶし帰路に付く

 

「どうですか今日の爆裂魔法とだいばくはつは、爆発音と良い破壊力と良い最高でしょ!!」

『バケチャ!!バケッバケェ!!』

 

『……………ナマケ』

 

「知るかだってよ、まあ俺的にはマァマァ良かったと思うぞ」

 

「あの時の120点のよりも良かったぜ、ぐらい言っても良いんですよ」

 

「やだね、あんな恥ずかしい台詞2度と言えるか

 

はぁ……サトシとセレナはマトモなデートだってのに、何で俺は爆裂デートなんだよ」

 

ドガァァァァン!!!!!

 

「なんだぁ!?」

「昨日の爆発だ!!」

「さっきも爆発したが、もしや魔王軍が攻めて来たのか!?」

「そんなぁ!! 早く逃げないと」

 

 

(アイツらも爆裂デートだったか……)

 

「セレナの爆裂魔法も確実に強まってますね」

 

「どうでも良いが、お前ら昨日も爆裂魔法をブッ放したから王都の連中が怯えてるぞ」

 

「それで良いのです、我ら爆裂トリオの放つ美しい爆発音を王都の人達の眼に焼き付けるのが目的ですから」

 

「…………あん時、上級魔法を覚えさせれば良かった」

 

「今、言ってはいけない事を言いましたね!!」

 

「痛ぇ痛ぇ!!首を捻るな!!!」

 

 

《5日後》

 

ソレから5日間昼はポケモンとラティオス探し、夜は義賊の捕縛の張り込みを行う一同だったが結果は0である

 

その間に

 

「ちょっと!!水の女神を舐めるんじゃないわよ!!

 

こんな安売りのシュワシュワと安売りの水でアタシは誤魔化されないわよ!!

 

高級シュワシュワと高級ミネラルウォーターをジャンジャン持ってきなさい!!!」

『アゥアゥ!アシマリマ!! アシマッ!!』

 

「は! はい!!」

 

 

「私の爆裂魔法によって魔王軍の幹部シルビアは哀れな末路を辿ったのです!

 

ムッ!! おいそこ!!!私の武勇伝の最中に欠伸をするとは良い度胸ですね」

 

「そ…そんな!?もう5日連続も聞いたら流石に」

 

「ほう飽きたというのですか、よろしい……では私の爆裂魔法と、我が武勇伝に乗る事が約束されている我が相棒バルスリンのエクスプロージョンを、話ではなく直接眼に見せてあげましょう!!」

 

『バァァァケェ!!』

 

「ストップ!! ストップ!!! ダメめぐみん!!」

 

『マフォクシ!!! フォクフォク!!!』

 

 

「メイドさん!今日も仕事で疲れたからマッサージ頼むよ!

 

ああ後、明日の晩飯は最高級の肉ですき焼きで頼むね、あとそろそろキングサイズのベッドに高級羽毛布団が届くから俺の部屋に運んどいて」

 

「カズマ、流石にそれは頼み過ぎなんじゃ

 

何かアルダープさん痩せてるよ」

 

「良いんだよ、アルダープ様は何時までも俺らに居てくれて構わないってお前も聞いただろ?

 

それだけ俺らを高く評価してくれてんだ、コレぐらいのワガママは許してくれんだよ

 

ほれサトシ、お前も最高級のじゃがいもと油を使ったコロッケをまた食いたいだろ、あのサクッとした衣……ホクホクの甘さ……食いたくなっただろ」

 

ぐぅぅ~

「うっ……た……確かに……アレ美味しかったなぁ…」

 

『ピカピ!! ピッカァチュ!!!』

 

「まあまあピカチュウ落ち着け、実はお前の為にコックに良い物を作らせたんだぜ」

 

『ピカ?』

 

「ホレ! キングサイズマヨネーズのボトルに入れた、最高級でピチピチなトマトで作ったケチャップだ」

 

『チャァァァ!!!』

 

「此処に居ればソイツが飲み放題食べ放題だぜ」

 

『ピカピ!! ピッカァチュ♪』

 

「そうだな、もうちょっとお邪魔しようか♪」

 

「ニヤリ」

 

 

我が物顔でアルダープ邸で飲み食いや贅沢をしまくるカズマ達に、めぐみんの武勇伝を聞かされまくり心身共に疲れ果てたアルダープが室内の端っこにて小さくなるダクネスに向けて声を弱々しく放つ

 

「ダ……ダスティネス様」

 

「ギクッ!!

 

な……なんで……しょうか」

 

「その……何時までも滞在と言った件についてですが」

 

「みなまで言わなくとも分かっています!! 直ぐに出ていきます!!」

 

「おいおいアルダープ様!! 何言ってんですか」

 

「うるさい!! 今更アルダープ様呼びしよって!!!

 

ダスティネス様の許可は得た、貴様らさっさと」

 

「いやいや何言ってんの、俺らをアンタの屋敷に派遣したのダクネスじゃなく王女のアイリスだぜ

 

ダクネスの許可だけじゃ帰らないね俺達は」

 

「な……なにぃ!?」

 

「お!!おお!!おいカズマ!!頼むから大人しく引き下がってくれ!!!」

 

「やだね!!良いかアルダープ様、王女様から紹介された俺達を追い払った何て他の貴族連中が知ったら

 

アルダープ様は王女様の指示に従わない、コレは反逆だ!!

 

まさか魔王軍を倒し続ける彼らに自宅に長居させては困るのも、実はアルダープ様は魔王軍と繋がりがあるのではって噂が流れてアンタ貴族の地位を没収されるかもな」

 

「ふん! そんな噂たつ訳が、ましてや信じる訳なかろう」

 

「安心しな俺が遠回しに流行らせる」

 

「なぁにぃ!?」

 

「噂の出所が俺だと気付かれない様に異名にママを付け足せるぐらい俺は噂を流すのが得意だ、それに例え信じられなくてもアンタに対して他の貴族達が不信感を抱く様になるぜ……やだよな前のパーティーみたいに貴族が集まる場で白い目で見られんのはよ」

 

「……………ダスティネス様……もう暫く滞在して行ってください」

 

「スミマセン!!!」

 

『リオリオ?』

 

 

「よーし長期滞在の延長決定!!

 

メイドさん!!明日はすき焼きと最高級コロッケよろしく!!!」

 

「フフフ♪ご機嫌ねカズマ♪」

 

「おっ? なんだセレナ、お前も随分御機嫌だなニコニコじゃねえか」

 

「ちょっと良い事が合ってね、ずっと探してた人を見つける事が出来たから」

 

「探してた人? 何の話だ?」

 

「私ね爆裂怪力ママって嫌なアダ名付けられてるでしょ、爆裂は爆裂魔法を使うからで怪力はあの時の荒くれ冒険者達が流行らせたのは分かったんだけど

 

ママは誰が流行らせたのか分からなかったの……ついさっきまで♪」

 

「…………俺もう寝るわ、お休み……あのセレナさん…肩放してくれませんか」

 

「……………座りなさい♪」

 

「………はい」

 

この日、最大級の雷がアルダープ邸に落ちた模様。

 

 

《次の日》

 

「あっ! カズマおやつ食べてんの?」

 

「おう朝飯にな」

 

「もう15時なのに朝飯?」

 

『ピィカァ……』

 

「仕方ねえだろ……昨夜はママの雷で脳が揺れまくって朝の8時にやっと寝れたんだから、てかお前は5時くらいに寝たのに何で9時に起きてそんなピンピンしてんだよ……」

 

女子達は全員城下町に買い物に向かいロトムは王宮に行き、カズマとサトシ達がアルダープ邸のリビングでオヤツ(カズマはモーニング)タイムを楽しんでいると

 

 

「お二人共、此方のスイーツは如何でしょうか?」

 

「スイーツ?」

 

「わぁ! 美味しそうなケーキ♪」

『チャァア♪』

『…………ナンマ』

 

 

「当家のシェフが腕によりを掛けた特製スイーツでございますので、是非お食べくださいませ」

 

「確かに美味そうだけど、見た目的に普通のショートケーキで特製って感じしねえな」

 

『味が特製ニャのです、ささ論より証拠、是非お食べくださいませニャ』

 

やたら身長が低いコック帽を被ったシェフが一礼する

 

 

「ふーん……まあタダで食えんだ貰うよ」

 

「俺も!」

 

 

「「喜んで!」」

 

青髪のメイドと赤髪の執事服の男女はテーブルの上にナマケロの分を入れたショートケーキを4つ置き始める

 

 

すると

 

「んんん? おい貴様ら!!何故主のワシではなく、そんなガキ共にケーキを出すんだ!!!」

 

そこへ出掛け先から帰って来たアルダープが、ケーキを置いた使用人達を怒鳴り付ける

 

「す……すみません、シェフのお試しで作ったケーキなので先ずは彼らに味見をと」

 

「おいおい俺らは毒味かよ」

 

 

「あぁいえ……そういう意味じゃ」

 

「でも美味しそうだし、良いじゃんか味見でも」

 

『そうですニャ、是非是非お食べくださいませ』

 

「チッ! ではワシにも出して貰おうか」

 

「いやぁそれが……まさか旦那様がもう戻られるとは思わず、4つしか用意してなく」

 

「なに? なら」

 

『ピカァ!?』

 

「「『ゲッ!?』」」

 

 

「モンスターの分際で人間と同じ物を食うな」

 

ピカチュウのケーキの皿を奪い取り席に座るアルダープに執事とメイドとコックが慌てふためく

 

『ピィカァ……』

 

「ほら、俺のケーキあげるから泣くなよピカチュウ」

 

『ピカピ……』

 

「俺は良いから気にすんなって♪」

 

涙目になるピカチュウにサトシは自分のケーキを渡す

 

「フン!! そんなネズミなど残飯でも与えていろ」

 

アクアやカズマに文句を言えば何をしてくるか分からないので自重していたアルダープだが、カズマのパーティーメンバーの中で一番大人しそうなサトシには強気の態度を取る

 

 

「ムッ!!」

 

「サトシ辞めとけよ、流石にお前がキレたら危ない」

 

「………分かってるよ」

 

『ピィカァ!!』

 

「ほれピカチュウも、俺のをサトシにやるから機嫌直せ」

 

「良いよピカチュウは俺の友達なんだから、俺のを食べて良いよピカチュウ」

 

『ニャらピカチュウ様には此方をお渡ししますニャ』

 

『ピッ?』

 

シェフがピカチュウの前に赤い液体が入ったワイングラスを置く

 

『ピカチュウ様には大好物のケチャップを差し上げますニャ、しかもワタクシの手作りのケチャップでございますニャ』

 

『ピィィカァ♪』

 

喜んでワイングラスに入ったケチャップに飛び付く

 

 

「良かったなピカチュウ♪

 

でも、ちゃんといただきますしないとダメだぞ」

 

『ピッ! チャァ…』

 

「本当ケチャップを前にしたら我忘れんなぁお前、俺らは今豪邸に居んだからお上品にしろよ」

 

「カズマは1回もいただきますって言ってないから、ピカチュウの方がお上品だよ」

 

「………今日からお上品に致します」

 

『ピーカカカ♪』

 

「フン!」

 

アクアの様な笑い方をするぐらい機嫌が直ったピカチュウと違いアルダープは下らんと鼻を鳴らし、メイドの方を見る

 

「所でお前、初めて見る顔だが新入りか?」

 

「えっ!? ええそうです、早く覚えてくださいませ旦那様」

 

「そうかそうか、よし此方に来い」

 

「は…はい?

 

ヒィィ!?」

 

「グフフフ……んんん?

 

何かやけに固い尻だな」

 

「わ…わわ…私筋肉質なものでして、それより旦那様もどうぞお召し上がりくださいませ」

 

「そうか……では

 

モグモグ」

 

「俺達も貰いますね、いただきます」

 

「へいへい、いただきます」

 

『ピカピカピイ』

 

『……………ナンマァケロ』

 

寝そべりながらキチンといただきますと言うナマケロ含め、全員が各々のデザートを口に入れる

 

《数秒後》

 

「「「『『ガァァァ~ゴォォ~ガァァァ~ゴォォ~』』」」」

 

「『ニヤリ』」

 

大音量のイビキを立てながらテーブルに横たわる一同を見て執事とコックはニヤリと笑い、眠るピカチュウを檻に入れる

 

 

「睡眠薬入りスイーツ作戦大成功ね

 

全くバカ面でオネンネしちゃって呑気ねジャリボーイにジャージボーイも」

 

『どうやら昼夜逆転の生活をしてたみたいニャから睡眠薬でグッスリニャのニャ

 

しかしこのオッサンが来た時は焦ったニャ、念の為にピカチュウ用の睡眠薬入りケチャップを用意しておいて良かったニャ』

『ソォォナンス!!!』

 

 

「……………」

 

「ちょっとコジロウ何時までショック受けてんのよ」

 

「あんなオッサンに尻触られたんだぞヘコムわ!!!」

 

『ガッツリ触られてたのニャ、このオッサンが貴族じゃニャいニャら警察行き確定ニャのニャ』

『ソォォナンス!!!』

 

 

『マッネネ……マンネェ……』

「ありがとうマネネ慰めてくれるのか!!やっぱりお前は優しいなぁ!!!」

 

 

 

説明するまでも無いが執事やメイドにコックはお馴染みロケット団の変装である

 

 

「にしてもお城の次は豪邸で贅沢だなんて、生き返ってから生意気になったもんねジャリボーイの奴」

 

「正確にはまだ生き返ってないんじゃないか、それよりさっさとズラからろうぜ、ジャリガールカルテット達が帰って来る前に」

 

『大丈夫ニャ、奴らニャら今頃ショッピングを楽しんでるニャ』

『ソォォナンス!!』

 

「まあソレでもさっさとズラかった方が良いわよ、アイツらにあったら面倒くさくなるわ」

 

「だな………って、何持ってんだムサシ?」

『ソレお酒の瓶ニャ』

 

「金持ちの所にあるお酒なら高く売れると思ってね、活動資金に使わせて貰いましょ」

 

「ちゃっかりしてんな……そんじゃ」

 

 

「「『帰る!!』」」

 

何時もの衣装に戻り、ピカチュウの入った檻を持ちながら屋敷の入り口の扉を開け

 

 

「まさかアタシ達全員が財布を忘れるなんてね

 

ん?」

 

「「『あっ……』」」

 

財布を取りに戻って来たジャリガールカルテットとロケット団の目が会う、当然ニャースが持つ檻に入ったピカチュウの姿も

 

 

「ロケット団!?」

 

「おぉ!!!素敵なお姉さんとお兄さん!!」

 

真っ赤な目を輝かせるめぐみんの言葉と共に

 

 

またしても何処からともなく音楽が

 

《背景BGM ベストウィシュの時のBGM》

 

「おぉ!!素敵なお姉さんとお兄さんと聞かれたら」

「答えてあげよう明日のため」

 

 

 

「フューチャー白い未来は悪の色」

「ユニバース黒い世界に正義の鉄槌」

『我らこの地にそのニャを記す』

 

 

「情熱の破壊者ムサシ!!」

「暗黒の純情コジロウ!」

『無限の知性ニャースでニャース』

 

 

「「『さあ集え!ロケット団の名の下に!!』」」

 

 

『ソォナンス』

『マンネッ』

 

 

イッシュ地方の時はお留守番だったので小声でソーナンスとマネネが相槌を打つ。

 

 

 

 

パチパチ!!

 

「ブラボーです!!!今日のも素敵でしたよ!!」

 

 

「ありがとよレッドガール!!」

 

 

「めぐみん……もう良い?」

 

「どうぞどうぞ」

 

「オホン

 

 

 

ロケット団! ピカチュウを返しなさい!!」

『フォクシィ!!』

『リィオルッ!!』

 

 

「お断りに決まってんでしょうが!!」

 

「何故お前達がピカチュウを!!カズマとサトシはどうした!!」

 

「アイツらならニャース特製の睡眠薬入りケーキでお寝んねしてるぜ!!」

 

「何ですって!?」

 

「今よ! そうれぇ!!」

 

「何だコレは!?ゴホッ!ゴホッ!!」

『リオッ!リオッ!』

 

「煙幕!? ゴホッ!」

『フォクシィ! フォクシィ!』

 

「煙幕爆弾とは…ゴホッ!!まるで怪盗みたいですね」

『バケッ!バケッ!』

 

 

 

「ナッハハハ!!」

 

「今の内に退散よ」

 

『了解ニャ』

『ソォォナンス!』

『マンネェマンネェ!』

 

 

「セイクリッド・フォース!!」

 

『アシマァァ!!』

 

 

 

「「なにぃぃ!?」」

 

『煙幕が晴れたニャ!!』

『ソォォナンス!!』

 

アクアとイブの合体技により煙幕は全て消え去る

 

 

「ありがとうアクア!

 

めぐみん!今の内にサトシとカズマを呼んで来て!!」

 

「分かりました!行きますよバルスリン!!」

『バケチャ!!』

 

「マズイぞ!! せっかく眠らせたジャリボーイが起きちまう!!」

 

「ちょっとアタオカガール!!良くも邪魔してくれたわね!!」

 

「黙りなさい盗人、人の大事な子を誘拐するだなんて……絶対許さないわ」

 

怒気が混じった声と、ギロリという効果音が聞こえる目付きでアクアがロケット団を睨み付け指を差す

 

 

「買い物しようと町まで出掛けたら財布を忘れて愉快なアタオカガール!!アタシ達を指差すんじゃないわよ!!」

 

 

 

(サトシとピカチュウの事でこんなに怒るなんて、やっぱり女神なのねアクア……カッコいい♪)

 

 

「アタシの可愛い可愛い悪魔殺しを誘拐なんてさせないわよ!!」

 

「悪魔殺し?」

 

『あっ! ムサシの持ってるお酒のニャ前ニャ』

『ソォォナンス!!』

 

「あら本当」

 

「ソレ今晩飲むって目つけてたのよ!! アタシの晩酌の邪魔はさせないわよ」

 

「……………私の純情返して」

 

 

「良し分かった、ならこの酒を返すからピカチュウゲットでチュウの邪魔はしないでくれ」

 

「ふん! お断りよ!!」

 

(良かった……流石にソコはマトモに)

 

「女神のアタシに誘拐を黙認させたいなら、もっと良い貢ぎ物を寄越しなさい」

 

「………………カズマの気持ちが分かってきたかも」

『マフォク?』

 

 

「フン!!

 

おあいにく様、アタシらロケット団は神様の貢ぎ物を買えないぐらい貧乏なのよ!!」

 

「ムサシ、威張って言う事じゃないぞ」

『恥をカミングアウトしニャいで欲しいニャ』

 

 

「あら貧乏なのアナタ達?

 

なら私を崇めるアクシズ教に入信なさいな、貧乏なのは世の中が悪いと教徒の皆で傷を舐め回しましょう」

 

「お断りよアタシは神様に祈らない主義なの、アンタみたいなアタオカ女神モドキなんか崇めたらマジもんの神様に裁かれるじゃない」

 

「モドキじゃない!!アタシ本当に女神だもん!!!うぇぇぇん!!!!!」

 

「ピーピーピー泣くんじゃないわよ情けないわね!!!」

 

『リマリッ!!! アシマリマリ!!リィマ!』

 

「そうね……やってやろうじゃないイブ、今からアナタ達に聖なる女神と未来の神の偉大なる力を見せてあげるわ!」

 

「待つんだアクア、ソーナンスにただ攻撃しては返り討ちにあうぞ!」

 

「大丈夫よ、賢いアタシはちゃんと幼稚園児でも書ける様な顔の奴の対策を編み出したわ」

 

「何だと!?」

『リオッ!?』

『フォクシィ!?』

 

「ねえアクア……私の感なんだけど、辞めた方がいい気が」

 

「大丈夫よ、必ずあの幼稚園児でも書ける様な顔の奴をヒーヒー言わせてくるから」

 

強く言い放つアクアの背にイブがくっ付く

 

 

「ゴットォォォ!!!マグナムゥゥ!!!」

『リィィマァ!!』

 

凄まじい勢いの<みずでっぽう>を後ろに放つと、その水流の勢いで拳を構えるアクアの体が猛スピードでソーナンスに向かっていく

 

 

「ゴットマグナムとは、女神の怒りを神の悲しみのみずでっぽうでブーストさせた必殺技

 

相手は死ぬ!!」

 

 

『ソォォナンス!!』

 

「ヒデブゥゥ!!!!」

『リマァァァ!!!』

 

 

「アクアァァ!!!」

『リオォォ!!』

 

「だから言ったのに……」

『フォクシィ……』

 

 

神の悲しみの<みずでっぽう>でブーストされた女神の怒りの拳を綺麗に<カウンター>で跳ね返され、門に激突しアクアとイブは戦闘不能に

 

 

 

「プッハハハハww ただ早く殴りに来ただけでソーナンスに通じるわけないじゃないのwwww

 

プハハハハwwwお腹痛いwww」

 

『でも技名を言わず後ろから突撃されたら危ニャかったニャ』

『ソォォナンス!!!』

 

「何言ってんだ、必殺技は名前を叫びながら真っ正面から向かっていくのが王道じゃねえか!!

 

あのアタオカガールは良く分かってやがるぜ」

『マンネマネッ』

 

『そういうもんかニャ?』

 

「さぁて、後残ってんのはどっちも攻撃が大好きそうな2人だけね

 

まだやるつもりかしら」

 

 

「あぁ確かに私は攻撃が大好きだ……特に半殺しにあうぐらいの痛みの攻撃を……ハァハァ……1度受けてみたい…ハァハァ」

 

「される側じゃなくて、する方よ!!!」

 

「こんな時に性癖見せてんじゃねえよこの変態クルセイダー!!!」

 

「そうよこんな時………ゲッ!?」

 

「ジャージボーイにジャリボーイ!?」

 

「ロケット団!! ピカチュウを返せ!!」

 

何故か顔中に傷だらけのカズマとサトシがロケット団の背後から現れる

 

 

「少々手荒な起こし方でしたが、ま……まあ状況が状況だけに仕方ないですよね」

 

「ああそうだな仕方ないさ

 

(絶対後で泣かせてやっから覚悟してろよロリっ娘!!!)

 

 

サトシ、頼むぞ」

 

 

「うん! いでよゲンガー!!」

 

『ゲンゲロ~ゲッ!!』

 

ピカチュウが捕まっているので<シャドーポケモン>ゲンガーを呼びだし、ロケット団に向かわせる

 

「ナマケロ………」

 

『ナンマーナ……ナンマーナ』

 

その後ろでナマケロがソーナンスに向かい自身の両手を叩いていた

 

「速攻で決めるぞゲンガー、最大パワーのシャドーボール!!」

 

『ゲェェガァ!!!!』

 

 

「バカねジャリボーイ、そんな攻撃ソーナンスには効かないわよ

 

やっちゃいなさいソーナンス!!」

 

『ソォォナンス!!!』

 

何時ものように跳ね返すと確信しきっていたムサシだったが

 

 

『ナァンスゥゥ!!!!!』

 

「ふぇ?」

 

「ヤベェェ!?」

『マネェェ!?』

 

『こっち来ちゃダメニャ!!』

 

ソーナンスに特大の<シャドーボール>が命中し、勢い良くムサシ達の元に<シャドーボール>ごと向かい

 

「「『やな感じぃぃ!!!』」」

『ソォォナンス!!』

『マンネマネェェ!!』

 

お馴染みの台詞と共に屋根を突き破り空へと吹き飛ぶ

 

「ゲンガー、サイコキネシスでピカチュウを助けるんだ!!」

『ゲガァ!!』

 

 

その一瞬の隙を付き<サイコキネシス>でニャースが持つピカチュウが入る檻を動かし、サトシの元に届ける

 

 

「ありがとなゲンガー」

 

『ゲンゲロゲー♪』

 

「カズマもナマケロもありがとな」

 

「まあそれ程でもねえよ」

 

「それにしてもアンコールという技は中々優秀ですね、私達がアレだけ苦労したソーナンスをアッサリ倒せるとは」

 

「あん時もちゃんとロトムから効果を聞いときゃアイツらに勝てたって訳か……チキショー、ゲーマーとしてちゃんと説明書読んでおくべきだったぜ」

 

 

ナマケロがソーナンスに向けて手を叩き、直前に使用した技しか暫く使わせない<アンコール>を使った為

 

先程アクアとイブの合体技に<カウンター>を使ったソーナンスは<ミラーコート>を使え無くされ<シャドーボール>を跳ね返す事が出来なかったのであった

 

「サ……サトシ…」

 

「や……やってしまったぞ……」

 

「どうしたの2人共?」

 

「何故顔が青ざめているんですか?」

 

「上……上……」

 

「上?

 

 

何だよ

 

 

あっ……」

 

青ざめるセレナとダクネスを不思議がりながら、彼女達に促されてサトシとカズマにめぐみんが上を見ると3人の顔も青ざめていく

 

 

 

「おい貴様ら、何故ワシはテーブルの上で寝ておったんだ

 

んんん? 何をしておる、ボーと上を見上げおって」

 

 

「ああぁぁオッサン!!!」

 

「何でもありません!! ささ!お部屋にお帰りくださいませ!!!」

 

「何を慌てておるんだ、むっ……何だ……急に寒気が」

 

「おおお!!お体調を崩されたのではありませんかアルダープ殿!!」

 

「そうです!そうです! もしかしたら風邪を引いたんじゃないですか!!」

 

「風邪だと?

 

うぅんん……確かに屋敷の中だというのにやたらと体に風が当たる気がするし、本当に風邪を引いたかもしれん………特に頭の辺りがやけに寒………なぁぁぁ!?」

 

やたらと頭の辺りが寒いなとアルダープが上を見ると、ロケット団が吹き飛んだ際に2階や3階と上層階の床板は壊れ天井に立派な大穴が空いているのが目に入る

 

 

「「「あちゃぁ………」」」

 

「コ!コ!コ!コレはですね……その……」

 

「ワシの………ワシの屋敷がぁぁぁ!!!!」

 

 

「ゴメンなさい!!!!」

『ゲェンゲロ!!』

 

 

『ピカピ? ピィ?ピィ?』

 

「実はね……」

 

綺麗なDOGEZEを行うサトシとゲンガーを目覚めたピカチュウが不思議そうにしているので、彼を檻から出しながらセレナが説明すると

 

 

 

『ただいまロト』

 

そこに王宮に行っていたロトム図鑑が帰って来る

 

『何かあったロトか?

 

屋敷の門の近くでアクアとイブもお昼寝してたし』

 

「ちょっと屋敷の屋根がブっ壊れてよ、上を見な」

 

『本当ロト!?

 

うーん……なら別の場所の方が良いロトか?』

 

「何の話ですか?」

 

『実はアイリスがこの屋敷に今すぐ来るロト』

 

「ぬわにぃぃ!?」

『ナマァァァ!?』

 

「アア!アイリス様が!!!」

 

カズマとナマケロだけでなく、屋根に大穴が開いた事に意気消沈していたアルダープまでも叫び声を上げる

 

 

《30分後》

 

「突然の訪問失礼致しますアルダープ様」

 

応接間にてアルダープ邸で一番立派な座椅子に座り、その左右にクレアとレインを立たせ、側の椅子にティアラを座らせながら彼に挨拶を行う

 

「い……いえ……アイリス様に来て戴けるとは大変光栄な事……し…して今日は何用でしょうか

 

(ま……まさかペンダントの事がバレた……いや…まさかアイツの存在が……)」

 

アイリスの突然の訪問にダラダラと汗を流し、明らかに動揺しているアルダープを他所にアイリスは凜とした態度を崩し少女らしい柔らかい笑みで口を開く

 

「お兄様とサトシに会いに来ました」

 

「お……お兄様? ジャスティス様は遠征に出られたのでは?」

 

「ジャスティスお兄様ではなく、カズマお兄様の方です」

 

「ようアイリス!ティアラ!」

 

 

『♪♪♪』

「お兄様♪」

 

『ナンマァ!!』

 

「フフフ♪1週間ぶりねナマケロ

 

あれ? どうしたのサトシ、ピカチュウ、元気がないですが」

 

抱っこを要求するナマケロを抱え撫でていると、カズマにじゃれているティアラの隣に居る元気の無いサトシとピカチュウの姿が目に入る

 

 

「玄関で見たと思うが、この屋敷の壁や屋根に大穴が空いてただろ」

 

「あぁそう言えば空いていたな、改装中なのだろうかアルダープ殿?」

 

「い……いえ」

 

「アレがどうしたのですかお兄様?」

 

 

「実はアレ、サトシのポケモンが空けちゃってよ」

 

「「えっ!?」」

 

「まぁ!」

 

「うっ……ゴメンなさい」

 

「まあでも仕方ないんだ、ピカチュウを誘拐しようとする奴らを追い払う為にやった事だから正当防衛なんだよ

 

それにサトシも反省してる事だしな、アルダープ様も許すって言ってくれてるし」

 

「そんな事ワシは言っとらん!!」

 

『ピカカ!! ピィカピチュ!!ピカピ、ピィカァ!!』

 

『そもそもカズマが最大パワーで攻撃しろって頼んだのも原因だから、サトシだけのせいにするなって怒ってるロトよ』

 

「ババ!!バカ余計な事を!!!」

 

「…………アルダープ様」

 

「は……はい!」

 

 

「その壁や屋根の修理代はワタクシが出します」

 

「アイリス様!?」

 

「な…何故アイリス様が!?」

 

「彼らをアルダープ様の屋敷に張り込みの警備員として派遣したのはワタクシです、なので責任はワタクシが取らないと

 

ましてやサトシはピカチュウを拐おうとした悪人を撃退しただけで、悪気があって壊した訳ではないから」

 

「アイリス……ありがとう」

 

「構わないですよ

 

 

何より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄弟の為に謝るお姉ちゃんに妹……最高のシチュエーションを味わえたもの♪」

 

「ア……アイリス様がよろしいのなら……私達は何も言いません

 

(アイリス様の満面な笑顔など何年ぶりだ!!!

 

この件に関してだけは、この2人に感謝しないとな♪)」

 

「で……ではアルダープ殿、壁や屋根の修理の為に早速明日から修理の者を派遣致します」

 

「そうですか、ではお願い致します」

 

「また彼らが余計な事をするやもしれないので、念の為修理が終わるまで私やレインも屋敷に見張りとして参らせて貰います」

 

「おいおい余計な事ってのは侵害だな」

 

「なぁ!? そ…それは困る!!!」

 

「困る?」

 

「ああいえ……いち貴族の1人にしか過ぎないワシの屋敷に、ダスティネス様だけでなくクレア様やレイン様までも泊まられると……ほ…他の男の貴族達の恨みを買ってしまいますので

 

(王女の側近にウロ付かれては、地下のアイツの存在に気付かれてしまうやもしれん!!!

 

待てよ……そうだ!!)」

 

(なんだ? レインさんは普通に美人で、クレアも黙ってりゃ美女だってのに

 

そんな美女コンビが側に居てくれるなんてエロ親父には最高のご褒美だってのによ)

 

「それに修理の事も大丈夫です、ワシが自分で払いますので御安心を!!

 

そ……その代わりに、彼らを別の貴族の屋敷に派遣して貰えないでしょうか」

 

 

「ゲッ!?

 

(この野郎、俺らを追い出したいが為に修理代我慢するつもりか!!!)」

 

「もう6日経ちますが義賊は現れませんし、此処は場所を変えられた方が得策かと」

 

「確かに………アイリス様、アルダープ殿の言う通りカズマ殿達は別の貴族の屋敷に向かわせましょう

 

屋敷の修理代を免除してくれるのもありがたいですし」

 

「おい!! 王宮で働く貴族が屋根の修理代ごときをケチんのか!?」

 

「王族や貴族だからといって無駄遣いはしたくないんだ!!

 

それに貴様も自分で払わないで済むならソッチに飛び付くだろうが!!」

 

「ああ勿論!!」

 

「威張るな!!!」

 

「クレア様ここはお任せを

 

カズマ様、あまり王宮のお金を無駄遣いなさると国王様がアイリス様にお怒りになられるやもしれません」

 

『ナマッ!?』

「………よし分かったオッサン自分で払え、俺らは別の貴族ん所に行く」

 

「大丈夫ですお兄様、ワタクシ今までお父様に叱られた事がありませんので1度経験を」

 

「ダメ!! 妹が叱られてる所なんてお兄ちゃん見たくない!!」

 

『ナンマァ!! ナマナマ!!!』

 

可愛いアイリスが父親に叱られるなんて許さないと、カズマもナマケロもあっさりアルダープ邸を出ていく事を決意する

 

 

「貴様が偉そうに言える立場じゃないが……まあ良い、さっさと出ていけ」

 

「但し出ていくのは明日だ、晩飯に人数分の肉やコロッケの材料を既に冷蔵庫に入れてんだ食ってかないと」

 

「………わ……分かった………1日ぐらい我慢してやる………はぁ……」

 

 

(あのアルダープが気疲れしているとは……やはりこの男はアイリス様の教育に悪い!!!何としてでも近付けよんにせねば!!!)

 

 

《その日の晩》

 

「くそぉ……あんな美味い肉やコロッケ食ったら、また出て行きたく失くなっちまった」

 

外は既に真っ暗で屋敷の住人や仲間達は全員床に付く中、すっかり昼夜逆転の生活に慣れたカズマが飲み物を取りにキッチンに向かう

 

 

「にしても絶対あのオッサンの所に来ると思ったのに、来たのはロケット団だけとかどうなってんだ全く」

 

『…………ナマ』

 

「安心しなナマケロ此方にはダクネスが居るんだ、他所の貴族の屋敷でもそれなりに贅沢」

 

ガサッ

 

「ん?」

『ナマ?』

 

キッチンの方から物音が聞こえる

 

 

「こんな時間にキッチンに行きそうなアクアはドア越しに聞こえるぐらいイビキ欠いて寝てやがった…………つまり

 

 

 

幸運の女神エリス様……ありがとうございます」

 

『ナママ』

 

「良し、俺がキッチンに潜伏を使って近付く

 

お前は外から回り込んでくれ」

 

『ナンマァ』

 

分かったと頷き、窓からキッチンの方に向かう

 

 

「俺も行くか……潜伏ぅ」

 

気配を完全に消すスキル潜伏を発動しキッチンに抜き足で近付く、そして入り口の端からキッチンの中を覗き見る

 

(どれどれ………ん?誰も居ない……)

 

キッチンの中には誰も居なかった

 

 

(気のせいだったか……いや、例の窓が開いてるから誰かが外から出入りしたのは間違いねえ

 

まさか俺に気付いて逃げたか!!

潜伏使ってんのに気付くとは、例の義賊って野郎は相当な腕前なのか!!)

 

『ナンマァ!!!』

 

「ナマケロ!?」

 

屋根からナマケロの声と2つの足音が聞こえる、1つはナマケロの物として残りの1つは

 

 

「俺に気付いて屋根に隠れてたって訳か、でかしたぞナマケロ!!」

 

急いでキッチンの窓から屋根へと登る

 

 

『ナンマァ!! ナンマァ!! ナンマァ!!』

 

「アイツが義賊か」

 

屋根に登ったカズマの目に、ナマケロが次々に放つ<じごぐづき>を交わす人物の姿が

 

顔は夜なのと布の様な物を被っていて見えないが、月の光に反射する程に輝かしい銀の髪を激しく揺らしながらナマケロの攻撃を交わしていく

 

 

「よしナマケロ!! あくびで眠らせろ!!」

 

「今の声……それに良く見たら君ナマケロじゃない!!」

 

どうやら義賊側も攻撃して来る存在が誰かは見えておらず、カズマの声に反応し冷静に襲撃者の姿を見てナマケロである事を確認し声をあげる

 

 

「あぁ? あいつナマケロの事知ってんのか?」

 

『ラァ~ラララ~ラァ~』

 

「なんだ!?」

 

「待って!! この子は大丈夫!!」

 

すると何処からともなく美しい音色と歌声が聞こえ始め、銀髪の人間が慌てた様子で叫び声を出した瞬間

 

 

『メロォォ!!!』

 

『ナンマァァ!?』

 

銀髪の人間の後ろから、オレンジ色のターバンを頭に巻き音符の形をしたアクセサリーを付けた小柄の生き物が現れ、強烈な蹴りをナマケロに食らわせカズマの方に吹き飛ばす

 

 

「ナマケロ!? おっと!!!

 

大丈夫か!?」

 

『ナンマァ……ナンマァ!』

 

『メンロッ』

 

大丈夫と受け止めたカズマに頷き、まだ戦闘体勢を崩さないナマケロに対し小柄の生き物も構えを取る

 

 

 

「待ってメロエッタ! この子達は大丈夫だから」

 

『メンロッ?』

 

だが何故か銀髪の人間が止めに入り、小柄の生き物は構えを崩す

 

 

「まさかこんな所で会うなんて、何やってるのカズ「隙ありぃぃ!!!」わぁぁぁ!!!!」

 

逃がすものかと銀髪の人間にダイブし抱きつく

 

 

「おおこの小さいながらも柔らかい感触は!!!

 

まさか巷を騒がす義賊が女とはな、だが相手が悪かったな

王都の兵や並の冒険者ならまだしも、魔王軍の幹部やデストロイヤーを討ち取ったこの俺から逃げられると思うなよ!!」

 

「や!やめっ……ちょっと何処触って!!

 

というか今カズマ、あたしの事小さいって言ったぁ!?」

 

「あん? ナマケロだけでなく俺の名前まで知ってる……それに今の声……まさか」

 

抱きつく手を放すと、銀髪の人間は慌てて口元を隠す布を外す

 

「あたしだよ!!!」

 

「クリス!?」

 

銀髪の人間……クリスは段々と涙目になり自分の体を抱きしめる

 

「うぅ……あんなに体をまさぐられた……もうあたしお嫁に行けない」

 

「仕方ねえだろ、例の義賊だと思ったんだからよ」

 

「だからってやりすぎだよ!!そういうの過剰防衛って言うの!!!

 

というか何でカズマが此処に居るの!!」

 

「ああ実はな……」

 

簡単に今自分やパーティーメンバー達が王都、ならびにアルダープ邸に居る理由を話す

 

 

「うそ!? って事はこの屋敷にダクネスも居るって事!!

 

マズイマズイ!!あたしが義賊やってました何てダクネスに知られたら何されるか!!!」

 

「仕方ねえだろ盗みやってんだから、まあ素直に謝ればお説教だけで済むだろうし立派にお勤めを果たして来な」

 

「待って!!これには訳があるんだよ!!

 

実はあたしが義賊活動してるのは」

 

「良い!聞きたくない!! 俺を巻き込まないでくれ」

 

訳を聞かされれば自分も巻き込まれる、そしてクリスがわざわざ警備が厳重の貴族の家ばかりを狙う理由など、かなり面倒くさく厄介な物に決まっていると

 

コレまで沢山の厄介事を味わった勘が凄まじく警戒信号を出しており、耳を押さえ話を聞かない意思を見せる

 

「いや待って、カズマにも手伝って欲しいんだよ」

 

「嫌だ!!取りあえず黙っといてやるよ、お前にはお前の理由があんだろ、さっさと逃げな」

 

『ナママ!? ナンマァ!ナンマケ!!』

 

「仕方ねえだろ厄介な面倒事に巻き込まれんのは嫌なんだよ」

 

『ナママ!!!』

 

「痛い痛い!!!」

 

アイリスの元に残る為に義賊を捕まえる話だったのに、その義賊を逃がそうとするカズマにナマケロが彼の頬を強く引っ張る

 

「何か最後に見た時よりナマケロ活発になったね……というかカズマ……かなりナマケロと仲良くなったんだね?

 

話してる事分かるんだ」

 

「おっ! そういやそうだな……まあ何となくだけどな

 

てかクリス、お前の隣のソイツって……もしかしてポケモンか?」

 

「えっ!?

 

ああ……うん……彼女はメロエッタ、仕事中に偶然見付けて仲良くなったから仕事の手伝いをして貰ってるの」

 

先程ナマケロを蹴り飛ばした生き物、<せんりつポケモン>メロエッタの事をクリスが説明する

 

 

「へぇーお前も遂にポケモントレーナーになったのか、結構可愛い子じゃんか」

 

『メロォ』

 

触ろうとするカズマの手をメロエッタがおもいっきり払いのける

 

 

「………可愛いくねぇ」

 

「当たり前だよ、あたしに対してケダモノの目をしながらハレンチな事やったの見てたんだから

 

それにこの子かなり気難しい子だしね

 

でも凄く優秀だよ、超能力で人の気配が分かるから、あたしの側に誰かが近付いて来たらテレパシーで知らせてくれるんだ」

 

「ソレで潜伏のスキル使った俺の接近に気付いたって事か、確かに盗賊作業するなら優秀だな」

 

「でしょ、だからこの子に手伝って貰うからカズマも」

 

「やだね!!」

 

「お願いだよ!!」

 

クリスからのスカウトを頑固拒否していると、屋敷から声が上がる

 

 

『リオリッ!!』

 

「ああ、確かに屋根から声がするぞ!」

 

「上に居るって事ですね!!」

 

 

「やべぇダクネスとめぐみんだ!!

 

おいクリス、さっさとソイツと一緒に逃げろ!!」

 

 

「待って!ダクネスにだってキチンと訳を話せば分かってくれるかもしれないし、取りあえずカズマだけじゃなく皆にも話を」

 

「良いか聞け、この屋敷の主は超が付く程のエロ親父の悪徳貴族だ

 

ソイツがなクリス、盗みに入った盗賊のお前の姿を見たら……マジでお嫁に行けない体にされるかもよ」

 

「ひぃぃぃ!!!

 

わ…分かった……今日の所は引き上げるよ、また今度詳しい話をさせてもらうね

 

行くよメロエッタ」

 

『メロッ!』

 

「ちょっと待て、帰る前に俺にバインドを掛けていけ!

 

そうすりゃ賊にヤられて逃がしちまったって言い訳が出来る」

 

「分かった! バインド!!」

 

「おぉ!!」

 

ポケットから取り出したロープが、クリスの唱えたバインドの呪文に反応しカズマの体を締め付け拘束する

 

「よしナマケロ、お前も」

 

ピシュン

 

先の言い争いでスッカリ不貞腐れたナマケロは何も言わずボールにタッチし中に入っていく

 

「怒ってるねナマケロ」

 

「どうせ明日になったら忘れてんよ、それより早く逃げろよ」

 

「うん!!」

『エッタ!!』

 

クリスとメロエッタが地上に飛び降り夜の闇へと走り去る

 

 

「覚悟するのですよ!!

 

って……カズマ!?大丈夫ですか!?」

 

「ま……まあな、取りあえず屋敷の中に連れて行ってくれ」

 

それと同時に、めぐみんが屋根に登りロープで拘束されるカズマを見付け大急ぎでダクネスやサトシを呼び屋敷の中に連れて行く。

 

 

 

 

 

「それでカズマ、例の義賊に会ったの?」

 

「おお会った会った、捕まえてやろうと屋根の上で戦ったんだがバインドを掛けられてよ

 

ナマケロもヤられて今はボールん中だ、くそ……逃げられちまったぜ」

 

圧倒的演技力で誤魔化し始める

 

「確かに屋根の上で2人分の足音がしていたけど、まさかカズマが義賊と戦っていたなんて」

 

「言っただろ俺は義賊を絶対捕まえるんだって、気合い入れて挑んだが……正直言ってアイツはヤバイ……今まで俺が戦ってきた魔王軍の幹部やサクラギやデストロイヤーが裸足で逃げ出すレベルの強さだったぜ」

 

「そんな恐ろしい強さのか!?

 

どんな奴だ?性別は?何か特徴はなかったか?」

 

 

「男だ、そして怪しい仮面を被っていたから顔は分からないが雰囲気からしてアレは相当なイケメンだな

 

ちくしょー!!捕まえたかったぜ!!」

 

なるべくクリスとは真逆のイメージを持たせようと、女ではなく男、可愛いではなくイケメンと嘘の証言をし目いっぱい悔しがる

 

 

そんなカズマに対し、約1名以外は心配したり良く戦ったとエールを送る

 

するとその1名が不思議そうな表情を浮かばせながら、スキルで拘束されたので力自慢のメンバーですら解除出来ず今だにロープでグルングルン巻きにされるカズマに近付く

 

 

「所でカズマ、今ミノムシみたいな姿になってるけど身動きできないの?」

 

「見りゃわかんだろ、お前の魔法で早く解除してくれ」

 

「オッケー分かった

 

 

でもその前に、実はカズマにアタシ達ね謝りたい事があるの」

 

『アゥアゥ』

 

「な………何だよ……(嫌な予感がする)」

 

「実はカズマが1週間も王宮に行ってて退屈だったから、暇潰しに貴方の部屋をイブと一緒に漁ってたの」

 

「…………で」

 

「そうしたら大量の作りかけのフィギュアを見付けちゃって、アタシとイブどっちが先に完成出来るか対決をやったらパーツが壊れたり何処かに行っちゃったの

 

ソレで何処かに行っちゃったパーツ探そうと部屋を更に漁ったら、そのせいで色んな物も壊しちゃったの

 

 

ゴメンねぇ♪テヘペロ」

 

『アシマァ♪テヘペロ』

 

 

「そ……そうか……なぁに仕方ないさ、誰だってミスはあるもんな

 

それに俺とアクアの仲だ気にすんな、それより早く拘束解いてくれ

 

 

(コイツら後で泣かしてやる!!!)」

 

 

とても謝罪してるとは思えない態度をアクアとイブに向けられ、青筋を浮かばせるが拘束を解いて貰うため引きつった笑みで応えるカズマ

 

「オッケー!任しといて」

 

「アクア……待て」

 

「ほへ?」

 

拘束を解こうとするアクアを何故かダクネスが止める

 

 

「ねえサトシ、マフォクシーを連れて先に部屋に帰っててくれる」

 

「えっ? 何で?」

 

「ちょっと大事な話があるんですよ、だからお部屋で待っていて下さい

 

あぁロトムは残っていて下さいね」

 

『ロト? 分かったロト』

 

「すまないがサトシ、リオルの事も頼む」

 

「う……うん」

 

アクア以外の女性陣からマフォクシーとリオルを部屋に連れて行き、そして自分自信も部屋で待っていてくれと頼まれ、渋々だが納得するサトシ

 

 

『ピカピ、ピィカアチュ、ピカ!ピカチュ』

 

「えっ!?ピカチュウは残るのか?

 

何話すのか気になるじゃんか」

 

『ピィカァ! ピカチュウ!』

 

 

「分かった分かった! じゃあリオル、マフォクシー、一緒に行こう」

 

『リオリッ!』

 

『………………マフォク』

 

分かったとサトシの後に付いていくリオルと違い、マフォクシーはカズマに同情の目を一瞬だけ見せサトシの後を追う

 

それを見送ったピカチュウやアクア以外の女性達は、拘束され身動きが出来ないカズマの方を振り向く

 

「さぁて……やるとするか」

 

 

「な…なんだ!? なんだなんだ!?」

 

怪しげな笑みを浮かべながら。

 

 

 

 

 

 

 

「おい一体何の騒ぎだ!?

 

まさか例の賊が来たの………本当に何の騒ぎだ!?」

 

 

「ヒャハハハハ!! オッ…オッサン!!ヒャハハハハ!た…助けヒャハハハハ!!」

 

「助けを求める前に私に言う事はないのか!最近調子に乗ってすみませんダクネス様!!ダクネス様にご迷惑ばかり掛けてゴメンなさいと言え!!ダクネス様に恥をかかせて失礼致しましたとな!!」

 

「すみませんダクネス様!!ヒャハハハハ!ゴメンなさいダクネス様ヒャハハハハ!!!苦しい!苦しい!!」

 

「さあカズマ誓いなさい!!セレナはママじゃない!俺が適当に言った呼び名だから今後一切使いませんし流行らせませんって!!

 

じゃないと、今私達にクスグられてる貴方をロトムが撮影した動画をアクセルの皆に見せびらかすわよ」

 

「ヒャハハハハ!!分かりましたヒャハハハハ!!ちち!誓いますヒャハハハハ!!!」

 

「カズマ!カズマ!!さあ言ってください!!あの時の格好いい台詞を私に聞かせてください!!

 

私の爆裂魔法は何点ですか!!」

 

「辞めてくれ!!ヒャハハハハ!!ああいう台詞は人生で1回しか言わないヒャハハハハ!!から良いんだよ!!」

 

「ソレソレ! ソレェ~」

 

「ヒャハハハハ!!」

 

「さあ言ってください!恥ずかしがってないで男を見せるのです!!」

 

「ヒャハハハハ!!それ!!ヒャハハハハ!!だけは絶対嫌だ!!」

 

『ピィカァ』

 

「ムグッ!!」

 

『ピカカ! ピカピ、ピィカアチュピ!!ピッピピ!!

 

ピッカァチュ!!』

 

 

『王宮に居る時に僕が何回も止めたのに下ネタをサトシに聞かせまくったり、今日は良くもサトシだけを悪く言ったね、お返しに僕の好物のキングサイズケチャップを飲ませてあげるだってロト

 

塩分が凄そうロト……』

 

「ムググ!!ムゴゴ!!」

 

「フフフ!!!たまには逆の立場に立つのも良いものだ!

 

さあカズマ、次は何をしようか」

 

「ムググ!? ムガガ!!!」

 

ケチャップを口にくわえながら傍観しているアクアに助けを求める

 

 

「なんか面白そうね、アタシ達も交ぜて♪」

『アゥアゥ♪』

 

「ムググググ!!!!!」

 

 

「本当に何なんだこの騒ぎは!!!!!」

 

カズマとアルダープの叫びが月夜に照らされる屋敷内に響き渡る。




という事でクリスのポケモンはメロエッタとなります

何故メロエッタなのかは、まあこの小説読んでる人なら今更ネタバレも何も無いですが一応ボカしますが

○リス様の時はあの姿で使い分ける為です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。