この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

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あと2話で1章終了です


この月夜の戦いに開幕を

『???』

 

「大丈夫よ直ぐに義賊は捕まるわ、だからティアラはお休みしましょう」

 

『♪♪♪』

 

(大丈夫……もしもの時はワタクシの手で)

 

 

「アイリス様!!」

 

「どうクレア、義賊は捕まった?」

 

「申し訳ありませんマダです、どうやら奴らは複数人居るらしく兵や冒険者達も苦戦しているとの事でして

 

私とレインも捕縛に参りますので、我々の代わりを勤める護衛を連れて参りました」

 

「護衛?」

 

「お入りを」

 

クレアの指示を受けドアを開く金髪の美女、その後ろには酒の入った樽を大事そうに持つ水色の髪の美女を支える魔法使いの姿をした2人の少女が次々にアイリスの元に。

 

 

 

 

 

 

 

 

《王宮の遥か上空》

 

「おぉ!!! 凄い!! あたし今空を飛んでる!!」

 

「お頭……テンション高いッスね」

 

「そりゃあ空を飛んでるんだよ!!

 

(サトシさんのリザードンさんに乗れなくて後悔していましたが、遂に念願が叶いました♪)」

 

「案外子供ッスねお頭」

 

 

「ラティオス、あぁいや……ロケット団は確か違う名前で言ってたっけ……えっと」

 

『確かオーティスって呼んでたロト』

 

【正体を隠す為に適当に付けた名前だ、ドチラでも構わない】

 

「おぉ頭の中から声がする奴!!!テレパシーだぁぁ!!!」

 

「助手君も人の事が言えないぐらいハシャイでるじゃんか!!」

 

 

「じゃあオーティス、何でロケット団なんかと一緒に行動してたんだ?」

 

「ちょっとジャリボーイ……いや今はガールね、何かとは何よ何かとは!!」

 

「今は人目を気にしなくて良いから俺は男だ!!!」

 

 

「実を言うと俺達もコイツがラティオスだってのは今知ったんだ、おいオーティス、何で俺達にラティオスだって事黙ってたんだ?」

 

 

【スマナイ

 

お前達ロケット団が私の様な伝説のポケモンを前にすれば捕獲しに来ると思ったからだ】

 

『ピィカァ、ピカピカチュウピ』

 

長い付き合い故に彼らなら間違いなくヤるなと強く頷く

 

『こらぁピカチュウ!!ニャア達だって空気を読む時はちゃんと読むのニャ!!』

『ソォォナンス!!!』

 

 

【暴れないでくれ、定員オーバーなんだ】

 

「ソーナンス、一旦戻りなさい!」

「マネネも戻っていてくれ」

 

ラティオスに抱えられる状態でソーナンスとマネネをボールに戻す

 

 

【ソレで私の宇宙1可愛いくて目に入れても痛くない自慢の妹は無事なのか?】

 

 

(めちゃくちゃシスコンですね彼……)

 

「うん! 人間の姿になって、ティアラって名前でアイリスの妹として王宮で暮らしてるよ」

 

「1ヶ月の間ずっとアイリスが面倒見てたぜ」

 

【そうか………良かった、中々に可愛い名を付けて貰えたんだな】

 

 

「そんじゃ何で王女様はオーティスを暗殺者呼ばわりしたんだ?」

 

「決まってんじゃない、1ヶ月も世話して妹分として可愛がっていく内に情が沸いちゃって返したくなくなったのよ

 

ラティアスって可愛いし」

 

「あぁそれは……」

 

 

サトシは冷や汗をダラダラ欠きまくっている後ろの人物を見る

 

『ナママ!!』

『ピカカ!!』

 

「うっ………あ……あのな……実はお前が昼に会ったアイリスの中身は俺なんだ」

 

ピカチュウとナマケロに小突かれ、正直に白状するカズマ

 

 

【なに?】

 

「実は訳あって俺とアイツの体が入れ替わちまって、いきなりアイリスの部屋に入ろうとしたお前の事を暗殺者じゃないかって………スンマセン!!」

 

 

【……………本当の様だな、確かに、お前の心の中にあの時の王女と同じ邪の心を感じる】

 

「グサッ!!!」

 

『ピ~カァカカ♪』

 

「ピカチュウ……笑ってあげるなよ」

 

「助手君は邪の心が合っても、決して悪の道には行かないから大丈夫だよ

 

 

 

行かないよね?」

 

「自信持ってくれよ!!!

 

本当悪い、折角妹を迎えに来たってのに勘違いしちまってお前を追い払っちまって」

 

【構わない、私がもっと早く王宮に戻る事が出来れば良かっただけ……それに妹が無事ならソレだけで十分だ】

 

 

『アチシ達はアイリスから1ヶ月前に何が合ったか聞いてるロト、ボーマンダとサザンドラを連れて行ってから今まで何をヤってたロト?』

 

【奴らを追い払う事は出来たが、全ての力を使い果たし身動きが全く取れず此処から歩いて数週間は掛かる程遠い小さな村近くの洞窟に身を潜めていたんだ】

 

「そんな遠い所に居たんなら見つけられない訳だよ」

 

【だが其所に住むこの世界の生き物達の攻撃に合い、何とか撃退したが攻撃の影響で傷が深まり意識が朦朧としていき……死を覚悟した

 

 

だが不思議な事に、目を開けた時には何故か傷が消え体力が回復していたんだ】

 

「誰かに治療して貰えたのか、運が良かったな

 

この世界の人間なら弱ってるモンスターとか狩りの対象だってのに」

 

【あぁ、礼を言いたかったが既に側には誰も居なかった

 

なのでラティアスを迎えにいくのを優先し、ボーマンダ達に見つからない様に人間の姿でこの街に歩いて居たので時間が掛かってしまったんだ】

 

 

「ねえ……君が隠れていた小さな村って、もしかして此処から遥か北にあるヒスイの村の事かな?」

 

【名前は分からないが北にあるのは間違いない】

 

「そっか……(何故この子から僅かな神の気配がするのかと思いましたが、ヒスイの村の周辺なら彼が治療したのでしょうね)」

 

「ヒスイの村って例のテルって商人さんの居る村だよね?」

 

「そこがどうかしたんッスかお頭?」

 

「アソコは昔から不思議な出来事が起きる事で有名なんだ、だから彼の傷を治したのも人じゃないかもって」

 

「へぇ~」

 

 

【所でポケモンを連れロケット団を知って居るという事は、お前達は此処が別の世界だという事は知っているのか?】

 

「知ってるよ、俺はお前と同じ世界から来たトレーナーだから」

 

「俺と後ろに居るお頭は違うが異世界柄みの事情は知ってるぜ、あんま異世界から来たとか変な目で見られたくないからアイリスには黙ってるがな」

 

【そうか……この街に向かう道中でポケモンに似た生き物を退治している場面を目撃してしまい嫌な予感が過ったが、やはり彼女は心優しい人間だったか……ソレでお前達が王女の関係者なのは分かったが

 

何故賊の真似事を?】

 

 

「そうよそうよ! アンタらが泥棒なんかやってからアタシらまで侵入がバレて追われる身になったのよ!!」

 

「だって……女装からかわれて恥ずかしかったんだよ!!!

 

というかお前らこそ何しに来たんだよ!?」

『ピィカァ、ピカ!』

 

『流石はピカチュウ、ニャがい付き合いだけあって一目瞭然って訳ニャ

 

その通りニャア達はオミャーをゲットでチュウに来たのニャ!』

 

「流石にこんな状況じゃピカチュウゲットでチュウ所じゃないけどな、そんでコレからどうすんだ?」

 

「俺らはアイリスの持ってるネックレスに用事があるんだ、アレのせいでアイリスの命が危ないからよ」

 

【命?】

 

「うん、しかも彼女の命だけじゃなくこの国の未来にも関わる案件でね、だからあたし達が極秘に盗みに来たって事

 

 

 

ねえ君

 

妹さんに会う為にも王女様の部屋に行かないとダメだよね、だったらあたし達と一緒に来ないかい?

 

もうあたし達の侵入も君の正体もバレちゃったんだ、こうなったら正面突破するしかない、そうなったら強い味方が必要だからね」

 

【構わないが、その前に

 

 

 

お前達、手伝ってくれてありがとう

 

ロケット団だがお前達は極悪人ではなかった、変装で顔はバレてはいない筈だ

 

王宮から離れた場所で下ろすから見付からない内に逃げてくれ】

 

 

「ふん!! 冗談じゃないわ、アタシらも行くわよ」

 

「はぁ!? お前らも来るのか!?」

 

「当然よアタシらロケット団は狙った獲物は逃がさないの、アタシ達には関わりの無い王女様やこの国がどうなるか何て知った事じゃないけど

 

ソレを解決しようとしてるジャリボーイからピカチュウを奪って邪魔したら、間接的にアタシ達が王女と国を滅ぼしたみたいで目覚めが悪いのよ」

 

「取り敢えずイザコザが解決するまで手を組み、その後にピカチュウをゲットでチュウ!!

 

に作戦変更だ」

 

「ようは疲れてるサトシとピカチュウの隙を付こうってセコい理由だろ」

『ナマ』

 

『ニャハハハハ!! コレも立派な作戦ニャ!

 

それに短い間ニャがチームを組んだオーティスと妹がちゃんと再会出来るか気にニャるのニャ』

 

【お前達……】

 

「………分かった」

『ピカピ?』

 

「良いのかサトシ?

 

コイツらの最終目標はお前のピカチュウなんだぞ、折角一件落着になった空気ブチ壊す気満々の奴ら側に置いて大丈夫なのか?

 

というか途中で裏切って来るかもしんねえぞ」

 

「大丈夫絶対に返り討ちにするよ、ソレに何だかんだ良いながらコイツらとはタマにこうやって手を組む事があって、そういう時は裏切った事がないから」

 

「マジか……俺らの逃走用のスケープゴートにしてやりたい所だが、コイツらが捕まると俺らの正体もバレちまうし本当に大丈夫なのか

 

(分かった、お前が言うんなら俺は何にも言わねえよ)」

 

 

『カズマ、また本音と建前が逆ロト』

 

「あらいけない」

 

『コイツニャア達を見捨てるつもりニャ!!!』

 

「思っただけだ、それにお前らが捕まったら俺らの正体をゲロってバレるかもしんないだ見捨てないから安心しな」

 

「全然信用ならないんですけど……」

 

「いや逆にジャリボーイ達が捕まっても、俺達の顔やら名前がバレて指名手配になる可能性がある

 

つまりコレは」

 

『互いに裏切ったらデメリットのある、ある意味で平等な条約ロト』

 

「そうそう……って俺が言いたかった奴!?」

 

 

「…………確かに、お頭も良いッスか?」

 

「この流れじゃ断れないよ……良いよ」

 

「あらぁアンタがリーダーな訳?

 

義賊だなんて抜かしてるからキザなナルシスト野郎かと思ったら、随分チンケなジャリガールじゃない」

 

「………そのチンケってのは何処を見て判断したか詳しく教えてくれないかな」

 

「ジャリガール?

 

もしかして女の子だったのか!?てっきり男の子かと」

 

「グサッ!」

 

『きっと男装してるのニャ、だからサラシを巻いてるんじゃニャアか』

 

「………ブル……ブル」

 

「お頭……泣くか怒るかどっちかにしてくだせえ、というか俺関係ないんで肩強く握んないでぇ!!!痛い痛い!!!」

 

「そんじゃあ同盟結成ね、じゃあサラシガール「サラシじゃないよ!!!」何か作戦ある訳?」

 

「残念だけど元々見付かったら逃走するつもりだったからね、無策だよ」

 

「ふん!計画が失敗した後の事も考えないで良く義賊なんて名乗れんわね」

 

「ムッ……そういう貴女は何か作戦があるのかな」

 

「簡単よ、向かって来る奴らを凪ぎ払う」

 

「そんなの作戦じゃない!!タダのごり押し!!!」

 

「でもソレしかないよ、アイリスの居る部屋に皆で行こう!!」

 

「待てジャリボーイ、流石に王宮を警備する連中全員とヤリ合うのはお前でもキツイぞ単純に人数差がヤバイ」

 

「でも」

 

「一応人数的には半々になってるから上手く行く可能性はあるよ」

 

「半々?」

 

「ロトム、あの最上階の一室が王女様の部屋だったよね?」

 

『そうロト』

 

「じゃあアソコは?」

 

 

クリスが指差す先は王宮の真ん中辺りである

 

『確かアソコは宝物庫が合ったはずロト』

 

「ソレがどうしたんッスか?」

 

「王宮に居る人達が今その2つの場所に半々に別れて密集しているんだ

 

恐らく、あたし達が空に逃げて何時何処から来るか分からないから、国にとって重要で大事な王女様と宝物庫の警備に人員を集中させたって訳だね」

 

「ソレで半々って訳ね」

 

「そんじゃあ宝物庫で俺達が暴れれば、王女様の部屋を警備する連中が応援に向かうんじゃないか?

 

がら空きになった隙を付いてオーティスを王女様の部屋に行かせてやろうぜ、コイツは王女様と顔見知りだしお前達と違って正体を隠す必要も無いんだから王女様に事情を話せば警備を止めてくれるだろう」

 

「あたし達が盗もうとしているネックレスの事は誰にも話せないんだ、効果を知って利用しようと企む人間が現れるかもしれないから」

 

【それに共に逃げる所を見られてしまった以上、恐らく王宮の者達は私達全員を義賊の一派だと思っている

 

他にも仲間が居るのではと警戒し警備を離れる可能性は低い】

 

「そうだね、ソレにお宝も国にとっては確かに重要だけど、ソレよりも王女様の身の安全を優先する筈だから警備を緩める事はないと思うよ」

 

「あぁそうか……」

 

『でも言い方を変えれば宝物庫側の警備の奴らが王女様の所に来る可能性はあるニャ、此処は2グループに別れて宝物庫側のグループが足止めするのはどうニャ?』

 

「オッケーそれで行こう、じゃあグループ分けだけど」

 

チラリ

 

するとロケット団は互いを見渡しアイコンタクトを送る

 

 

「そんじゃあ俺達が宝物庫側に行くぜ」

 

「アンタらはオーティスと一緒に王女の所に行きなさいな、大丈夫よたっぷり時間稼いであげるわよ」

 

 

「分かった、じゃあソッチはアナタ達に任せるわね」

 

 

『お任せニャ』

 

(重要な王女様の警備側の方に強い奴が居るはず、此処はジャリボーイを行かした方が良い)

 

(そうすればジャリボーイもピカチュウもクタクタニャ、其所をゲットでチュウニャのニャ)

 

(ついでに金目の物があったら戴いてお金にしましょ)

 

ニヤニヤと笑い合うロケット団の表情は見えないが

 

 

『ピッ』

 

付き合いが長いので、ロケット団が良からぬ事を考えている事はピカチュウは表情が見えなくとも感じとり

 

「どうしたのピカチュウ?」

 

『ピカカッ、ピィカァチュピィ』

 

「ロケット団がお宝を盗ったらどうするって」

 

ロケット団に聞こえぬよう小声でやり取りする

 

 

「それに確か他の神器もあるんだったし

 

誰か1人アイツらの監視に付けとくかお頭?」

 

「大丈夫、あたしのスキルでお宝を盗んだら一目瞭然だよ

 

直ぐに奪い返して王宮に返すよ」

 

【では先ずはロケット団を宝物庫の側に連れて行けば良いんだな?】

 

「うん! お願いするよ」

 

 

 

《王宮外》

 

ロケット団を下ろした一同は、オーティスに乗りアイリスの部屋がある最上階の近くまで接近する

 

「さぁてどうしようか

 

王女様の部屋がある最上階に行く為には、どうやってもあの長い渡り通路を通らないとだけど

 

うん

 

 

通路や部屋の前に、警備の人間がざっと80人は居るってさ」

 

『80!? こっちはアチシ達をバラけて数えても7人しか居ないロト』

 

【なら私が今日侵入したテラスに面した窓辺はどうだ、アソコならそこまでの広さは無かったから警備の人間が少ないはず】

 

「ダメだ、お前が侵入したからアソコにはヤバイ防犯用の魔道具を仕掛けてるらしい」

 

「だから其所には警備が居ないって訳か」

 

【………すまない】

 

『気にしなくて良いロト、オーティスの件がなくても防犯対策はする予定だったロト

 

カズマが王宮で暮らしている間に、可愛いアイリスを守る為ならキチンと防犯対策をしろって常日頃からクレアさんに怒鳴ってたのが原因ロトから』

 

「余計な補足情報を言うな!!」

 

「外から入れないんじゃ、やっぱり中から正面突破って事だな」

『ピカチュウ!』

『ナンマァァ!!』

 

「それしかないみたいだね

 

(メロエッタ探知はもう必要ないわ、今から警備の者達と一戦交えるので合流してくれる

 

あっ……フォルムチェンジして来てね)

 

 

メロエッタも駆け付けてくれるって、彼女と合流したら向かうよ」

 

 

「うん!」

 

「あぁ、例え80人だろうが800人だろうが関係ねえ

 

アイリスを守る為、そしてティアラを兄貴に会わせてやる為ならやってやるよ」

 

 

「王女様やティアラって子が絡むと本当ヤル気満々だね、カズマってそんなに頑張るタイプだったけ?」

 

 

 

「えっ?

 

 

(そういや何時もの俺ならバルコニーで警備の奴らに包囲された……いや、そもそも王宮に盗みに行くなんて時点でヘタレて逃げ出すか引きこもってたよな)」

 

 

 

{レインが楽しい出来事は時間の経過が早く感じると言っていましたが本当だったのですね

 

今日のパーティーだけではありません、この1週間はワタクシの人生で一番早く感じた7日間でした}

 

カズマの脳裏に自分やサトシ達と過ごした1週間を楽しいと称し、そして惜しむ用に話すアイリスの悲しげな顔が過る

 

(何時でも遊びに来てくれとは言っていたが、アイリスは王族……そして年頃の女の子だ

 

俺らみたいな一般人とは、そう簡単には会わせて貰えなくなるんだ

 

それに兄貴が迎えに来た以上、ティアラもサトシ達の世界に帰っちまう)

 

 

 

{アイリスにお菓子の食べ過ぎって叱られたんだってな、ほら俺達の分けてやるよ}

 

{凄く美味しいから食べ過ぎちゃう気持ち分かるよ、はい}

{ピィカァ♪}

 

{♪♪♪}

 

{3人共!! いけません!!}

 

{わぁ!?}

{ピカッ!?}

{ヤベッ!?アイリスだ!!逃げるぞ!!!}

{!?}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{まさか俺達だけじゃなくて、アイリスとティアラまであんなに叱られるとは思わなかった……}

 

{なぁ言っただろ、クレアの奴は沸点が低いって}

 

{つまみ食いは叱られても仕方ないロト}

{ピィカァピカ}

 

 

{フフ♪}

{???}

{ナンマァ?}

 

{何笑ってるんだ?}

 

{恥ずかしかったですがクレアにあんなに叱られるなんて初めてだったので、しかも皆一緒にだなんて……フフフ♪}

 

 

 

 

 

自分達と楽しそうにしている可愛い妹達との思い出を振り返り終わり、ふと満月の方を向く

 

 

「(そうだ……今日がアイツらの兄貴として居れる最後の日……だから兄貴として、可愛い妹達の為に……)

 

 

 

 

フッハハハ!!」

 

『ナママ?』

 

「ど……どうしたの……カズマ?」

 

『ピカカ……ピィカァ?』

 

 

「俺の本気を見せてくれるわ!!

 

行くぞ貴様ら!!銀髪盗賊団の恐らしさを王都の者共の眼に焼き付けてくれるぞ!!!」

 

「「は……はい!!」」

 

仮面を怪しく光らせ立ち上がりながら号令を掛けるカズマに、サトシとクリスは流れのまま返事を返してしまう

 

「フッハハハ!!!」

 

 

『エッタ?』

 

合流したメロエッタも高笑いを上げているカズマを見て固まってしまう。

 

 

《王宮内 宝物庫》

 

「良いか義賊や例のモンスターが何時来るか分からない、今晩は全員寝ずに警備に付くぞ!良いな!!!」

 

「はい!!!」

 

宝物庫前にて大勢の兵隊の軍勢が集まり、現場はアリ1匹通れない程の厳重な警備が引かれている

 

 

そこに

 

コロコロ

 

「ん?」

 

ボールが転がっていく

 

「気を付けろ!! 何かの魔道具かもしれん!!!」

 

ブシュウゥゥ!!

 

「ゲホッ!ゲホッ!煙幕だ!!」

 

「窓を開けろ!!全員鼻と口を押さえろ煙を吸うな!!」

 

窓を開け、煙が消えるまで手やハンカチで鼻と口を押さえる兵隊達に向かい

 

 

「「『ハッハハハハァ!!!』」」

 

高笑いが贈られる

 

 

「何だ!?」

 

 

「何だかんだと聞かれたら答えてあげたいけど」

 

「今日は以下省略だ」

 

「お前達はさっきの!? 掛かれ!!」

 

「ウオォォ!!」

 

 

「はい、よろしく!」

 

『ソォォォナンス!!!』

 

「ぐあぁぁぁぁ!!!」

 

「リフレクションか!?」

 

コートを着込み上にマネネを乗せたソーナンスの<カウンター>で武器を手に切りかかる兵隊達を弾き飛ばす

 

 

「リフレクションの使い手は対処が難しい、先ずは他の者からだ!!」

 

「おっとソレも無理だぜ、人間用のフラフラダンス頼むぞ」

 

『2人にはしんぴのまもりニャ!』

 

『ソォォォナンス!!』

 

『マンネェ~マンネェ~マンネェェ~マネマネマネ~マネネェ~』

 

 

「なんだ……目……目眩が……」

 

「あの踊りを……見る……な………見るぅぅ~」

 

「ウヒョヒョォォイ!!」

 

人間に効く<フラフラダンス>により兵隊達全員は混乱してしまい、中には奇声を発しながら衣服を脱ぎ出し踊り出す者まで現れる

 

 

「あらま、中々に効くわね」

『ソォォォナンス!!』

 

「ちょっとやり過ぎちまったかな」

『マンネマンネ』

 

『混乱が解けたらまたフラフラダンスをお見舞いするのニャ、今の内にお宝を拝借するのニャ』

 

「コレで貧乏生活がマシになるな」

 

「なるべくジャリボーイ達にバレないように小さな物を選ぶわよ」

 

『ソォォォナンス!!』

 

 

「待った」

 

 

「「ん?」」

 

『ニャ?』

 

 

宝物庫に入ろうとするロケット団を爽やかな男性の声が呼び止める

 

 

「宝物庫とアイリス様のお部屋、どちらに義賊が来ても良いように中央で待っていて良かったよ」

 

ロケット団の前に、前髪を靡かせ魔剣を構える王都随一の勇者ミツルギが立ちはだかる

 

 

「何かキザったらしい奴が来たな、何の用だ?」

 

「君達を捕まえに来たのさ」

 

『ニャハハハハ!! 1人相手ニャら全然怖くニャいのニャ!!』

 

「油断してくれるなら結構さ、リフレクションや人の気を狂わせる魔法の使い手を相手にするなら油断してくれる方がありがたいよ」

 

 

「それ自分の口で言ったら意味ないぞ………あれ?

 

(変だな……こういう時に真っ先

 

アンタみたいなキザ男なんかアタシらでブッ倒してやるわよ!!

 

ってムサシが怒鳴り散らかしそうなのに

 

 

 

 

んん?)」

 

何故怒鳴らないのかとコジロウが隣のムサシを見る

 

そして固まってしまう

 

 

何故ならば

 

「…………か………格好いい」

 

 

『ナァンスゥ!?』

『マンネッ!?』

 

イケメンのミツルギにすっかりホの字になっていたからである

 

 

「あの~貴方様のお名前は?」

 

「えっ……ミツルギだが」

 

「ミツルギ様………良い名前♪

 

あのアタシは」

 

 

「おおぉい!!しっかりしろ!!!名前を名乗るな!!!」

 

「と……とにかく、王宮に宝を盗みに入り兵隊達に攻撃をした以上は見過ごす事は出来ない

 

覚悟してお縄に付いて貰うよ」

 

「はぁ~いアタシは喜んでお縄に付きます♪」

 

「何言ってんだぁぁ!!!」

 

『ふん、ヤれるものニャらやってみるニャ!!』

 

「では……行くぞ!!」

 

 

 

一方その頃

 

 

 

 

《王宮 最上階への渡り通路》

 

王女への警備を任されるだけあり、この場に居る騎士や冒険者達は全員手立ての実力者である

 

だかそんな彼らは今焦っていた

 

 

 

「奴らを止めろ!!」

「うおぉぉ!!!」

 

「ふん! クリエイトウォーター!!

 

からのフリーズ!!!」

 

「し…しまった!?足が!!!」

 

「動けん!!!」

 

「フッハハハ!!王都に佇む冒険者共よ聞くが良い!!

 

我ら銀髪盗賊団の前では貴様らなどコボルトにすら劣る哀れな子羊だという事を知れぇ!!!

 

ンソゲキイ!!」

 

「あぁ杖が!?」

 

警備の者達の身動きを封じ猛スピードで警備の人間達を追い越しながら、狙撃スキルで魔法を放とうとするアークウィザードの杖を撃ち抜くという荒業を平然に行いながら凄まじい勢いで突き進む

 

 

「絶好調だ!! 今宵の俺は実に絶好調であるぞ!!!

 

フッハハハ!!!!」

 

 

【先までとはまるで別人だな……アイツは戦いになると人格が変わるのか?】

 

「ピカピカ……」

 

「うんうん……そんな中二病みたいな設定無いよ

 

(凄く頼りになりますが、何故でしょうか……今のカズマさんからイケスかないゴミ悪魔みたいな臭いがするのは)」

 

 

「格好いいや兄上様♪

 

俺……アタシ達も続きましょうお頭!相棒!」

 

「そ…そうだね!!

 

(本当はコレからの事もあるから大々的に名前を売りたくは無いんですが、こうなった以上は仕方ありません!!!)

 

助手君に続くぞ、銀髪盗賊団出撃だぁ!!!」

 

『エッタァァ!!!』

 

『オォォロト!!

 

ナマケロ、何時までも唖然としてないで走るロト』

 

『ナマッ!? ナンマァァ!!!』

 

 

人前なので銀髪盗賊団としてのキャラでカズマに続く

 

 

 

 

「あの仮面の奴はヤバイ!!

 

先ずは他の奴らからだ!!バイン「スキルバインド!!」ド……あれ?」

 

「遅すぎだよ!!」

 

 

「行かせるか!!」

 

『エッタァ!!!』

 

「グホォォォ!!!」

 

「ナイスキック♪」

 

『エッタァ♪』

 

 

 

『スリープ!【あくび】』

 

『ふわぁぁ~』

 

「ぐぅぅ……ぐぅぅ……」

 

『サンダーボルト!【10まんボルト】』

 

『ピィィカァァ』

 

「ギャァァァァ!!」

 

『(アチシの技も見せるロト)

 

窃盗!【トリック】』

 

「剣返せ!!!」

 

 

 

「仮面だけじゃねえ、男もモンスターやチビも強いぞ!?」

 

「だったら心苦しいが少女を狙え!!」

 

「ファイヤーボール!!」

 

「ライトニング!!」

 

ドガァアン!!

 

 

「しゃあ命中したぜ…って全然効いてねぇ!?」

 

「こっちに来るぞ!!!」

 

 

「邪魔だよ!!」

 

「グハッ!!!」

「グペッ!!!」

 

「体当たりで大の男を吹き飛ばしたぁ!?」

 

「えぇい奴らを通すな!!!!」

 

数十人の騎士や兵が1ヵ所に集まる

 

 

「ふん!肉壁とは古典的な妨害だな

 

オーティス!!」

 

 

【あぁ! おいかぜ】

 

 

「ギャァァ!!!」

 

「フッハハハ!! ストライクだ!!」

 

スピードが2倍になる<おいかぜ>により銀髪盗賊団のメンバーの勢いは更に強まり、肉壁となる警備の者達にぶつかり、まるでボーリングのピンの様に吹き飛ばす

 

 

そして銀髪盗賊団の快進撃により渡り通路を突破し、最上階に向かう階段の前に到着する

 

「後は此処を登るだけだね、行くよ!」

 

 

「コレ以上は通す訳には行かんぞ賊共」

 

 

(この声は……)

 

(クレアさんとレインさんだ)

 

クレアとレインが数十人の部下と共に階段を降り、銀髪盗賊団と

 

 

「まさかあの時のモンスターと噂の義賊が同じ一派だったとはな」

 

ラティオスを睨みながら剣を抜く

 

 

「生憎だがコイツは俺達と利害が一致しただけだ、銀髪盗賊団のメンバーではない」

 

「そんな事はどうでもいい、アイリス様に危害を加えんとする者には鉄槌を食らわせるだけ

 

レイン、お前はあのモンスターの相手を頼む」

 

「はい!」

 

「お前達は残りだ、特に銀髪盗賊団と名乗っているからには銀髪の少年が親玉だ

 

必ず捕らえろ!!」

 

 

「ハッ!!!」

 

 

「ねえ皆……さっきのロケット団の人達も王宮の人達もあたしの事を男の子扱いしてるけど………口元隠してるだけなのに何でこんなに間違えられるの……」

 

『エッタァ!! メッロォ!!!』

 

『そうロトお頭、今は泣いてる場合じゃないロト!』

 

「原因はお頭のスレンダーボディのせいなんで、悔しかったらダイナマイトボディ目指しましょうぜ」

 

「グサッ!!」

 

「えぇダメだよ!!!ダイナマイトなんて体に巻いたら危ないよ!!」

 

「サトコ、悪いが今は天然ボケをしてる場合じゃねえんだ真面目にやれ」

 

「スレンダーボディなんて言った君こそ真面目にやれ!!!」

 

「アタシ……変な事言ったのかな?」

 

 

 

「ええぇい下らない事やってないで掛かって来い!!!」

 

 

「では遠慮なく

 

 

どおりゃぁぁ!!!」

 

勢い良くクレアに向かうカズマの右ストレート

 

 

だが

 

「ふん! 何をしてくるかと思えばただのパンチか」

 

剣を持たない手で軽く受け止められてしまい

 

 

「覚悟!!」

 

剣を振りかざす

 

 

すると

 

 

「はうぅぅ!?」

 

「クレア様!?」

 

 

何故か突然苦しみだしカズマの手を放し倒れる

 

 

「フッハハハ!! 散々走って体力を消費したんだ、良き回復をありがとう」

 

ウィズから教えて貰ったリッチーのスキルであるドレインタッチにより、クレアから大量の体力を吸収し肌がツヤツヤとなり体力を提供してくれたクレアに軽くお辞儀し動揺しているレインの方に視線を移す

 

「な……何をしたかは分かりませんが、アイリス様の元には行かせはしません」

 

「ンソゲキイ!」

 

「あぁぁ水晶がぁぁ!!!」

 

杖の先端にある魔力の源の水晶を叩き割る

 

「バインド! バインド!」

 

「キャッ!?」

 

「しまったぁ!?」

 

その隙を付きクリスがバインドによりクレアとレインを拘束する

 

「ねえ助手君、もしかして今の技って」

 

「フッハハハ!!コレは俺の必殺技故に秘密でお願いする」

 

 

「おのれぇぇ!! お前達、必ず奴らを捕らえ……なっ!?」

 

 

「ぐぅぅ~ぐぅぅ~」

 

「シビ……シビ……」

 

「ピクッ……ピクッ」

 

 

残りの部下達が全員、眠り痺れ股間を押さえながら悶え倒れる光景に絶句してしまうクレア

 

『全員アチシ達にヤられたロトよ』

 

 

「メロエッタ……流石にアソコを蹴るのは辞めたげてよぉ……痛そう」

 

『メッロォ?』

 

 

「フッハハハ!! 全く手応えがない!!

 

この町で我ら銀髪盗賊団を一番苦戦させたのは、アルダープとかいう貴族の屋敷で戦った茶髪の凄腕冒険者ぐらいだな!!いやぁあの冒険者は実にヤバかったぞ!!!」

 

 

『ピィカァ………』

 

ここぞとばかりに自分凄いんですアピールするカズマを冷めた目で見るピカチュウであった。

 

 

こうして拘束したクレアとレインを尻目に階段を登りきった銀髪盗賊団の前に

 

 

【アソコに妹が】

 

「あぁそうだ、階段にワイヤートラップ仕掛けといてくだせぇお頭」

 

「オッケー! って……今の君の方がお頭だね」

 

階段の先にワイヤートラップを仕掛け、下の階からの援軍の足止めをする

 

「さあ行くよ……」

 

バタン

 

代表しクリスがアイリスの部屋のドアを開ける

 

 

すると其所には

 

 

 

「クレア殿達を退けるとは賊ながら見事だな、だが王族を守り民を守る事こそ我がダスティネス家の使命

 

この私が貴様達の進撃を止め」

 

バタン

 

 

急いでドアを閉める

 

 

【どうした?】

 

「ちょっと待ってて

 

 

 

何で此処にダクネスが居るの!?」

 

「そういやアイツら王宮に居るの忘れてた!!」

 

「ね……ねぇ……ダクネスが居るって事はさ……ゴメン俺帰る」

 

「バカ野郎!!こんなタイミングで帰るな!」

 

「じゃあせめて着替えさせて!」

 

『それじゃあアチシ達の正体がバレるロト』

『ピッカァア……ピィィカァァ……』

 

 

先までの確変モードや銀髪盗賊団のキャラを忘れるぐらいの緊急作戦会議を行う一同

 

 

バタン

 

 

「閉めるな!!! 逃がしはせんぞ賊共め、覚悟し………」

 

賊の姿を見てダクネスの動きが止まる

 

 

「ふ…ふ……フッハハハ!!

 

お頭! メロエッタ! サトコ! 相棒!

 

良く見たら、この女騎士対して強そうじゃないぞ!!ビビる必要はない!!!」

 

「そ……そうですね兄上様!!

 

アタシ達は天下無敵の銀髪盗賊ですもの!!」

 

 

「そうだ野郎共!! 恐れる事はないぞ!!!」

 

『メッ……メロッメロ!!』

 

『やっ…や…やってやる……ロト』

 

急いでキャラに生りきる

 

 

 

 

「………………」

 

『リオリオ!!! リオリッ!!!』

 

カズマ達を見ながら顔が引きつり立ち尽くすダクネスの足元から、ヤル気満々で戦闘体勢を取るリオルが現れる

 

 

 

『どうやらリオルは気付いてなさそうロト』

『ピッカァ……』

『ナマナッ』

 

 

「どうしたのですかダクネス?

 

早くしないと賊が逃げ……」

 

ダクネスの奥からバルスリンを頭に乗せためぐみんが現れ、カズマと仮面越しに目が会う

 

 

(大丈夫だ…めぐみんは頭が良い、俺らの正体に気付いても何か訳があるんだと察してくれるはず)

 

 

「格好いいです♪」

 

 

「はぁい?」

 

「バルスリン見てください!!

 

こんなイカした仮面を付けて義賊として活動するなんて格好良すぎです!!」

 

『バケバケッ♪』

 

 

(どうやらコイツらは気付いてなかったみたいだ、ナイス紅魔族の琴線)

 

 

「めぐみん……おっとと……なに騒いでるの?」

 

『フォク……』

 

「ゲッ!?」

 

めぐみんの後ろから何故か足元がフラ付いているセレナとマフォクシーが現れサトシの顔色が青ざめる

 

 

「んん~?」

 

「あぁ……あの……その………」

 

ゴシゴシ

 

「変だな……この女の子……何だかサトシに見える……」

 

「ふへっ?」

 

 

「何を言いますかセレナ

 

何処をどう見たって可愛い女の子じゃないですか、大方水と間違えてアクアのシュワシュワを飲んだせいで目がボヤけてるんですよ」

 

「そうね……1口しか飲んでないのに目がこんなにボヤけるなんて……」

 

『マフォク……ゴシゴシ』

 

(ラッキィィィ!!!!)

 

心の中で勢い良くガッツポーズするサトシであった

 

「お前達……い……いったい……何をやって……」

 

(気づいてるのは……)

 

(ダクネスだけ……)

 

(よし……)

 

 

カズマとサトシとクリスが互いに目で合図を取る

 

 

「さあ兄上!! 早く王女様の持ってる危ないネックレスを奪いましょ!!」

 

「そうだな!! アレは本当にヤバい品物で我々が奪わないと、この国や王女様が危ないからな!!!」

 

「お前達さっさと仕事に取り掛かるよ

 

あたし達の協力者として仲間になったオーティスが、何時裏切るか分かんないからね」

 

「安心してくだせぇお頭、アイツにはティアラって名前の妹が居るんだ

 

しかもソイツは王女様と一緒に居る、もし裏切りそうならその妹を人質にしてやろうぜ!!」

 

「な……なに…?」

 

『リオッ?』

 

そこでダクネス達は見慣れたメンバーと一緒に居る、プカプカと宙を浮かぶ青色のモンスターの存在にやっと気付く

 

 

「ティアラにソックリですね……あっ!?

 

もしかしてこのポケモンは!?」

 

 

「今だよ!!」

 

「「おう!」」

 

『ナマ!』

 

『エッタァ!』

 

クリスの号令でオーティスを置いて室内に侵入する

 

 

(あたし達がネックレスを奪うから、その後に君は妹に会いに来たって王女様に話して匿って貰ってね

 

この2人が後で君達兄妹を元の世界に送るから)

 

【分かった】

 

テレパシーでオーティスに指示を出しクリスはダクネス達の方を振り向く

 

 

「(警備の人間達に疑われないよう、ダクネス達も拘束しておかなければ)

 

バインド」

 

『バケチャ!?』

「わわっ!?」

『リオッ!?』

「しまった!?」

『フォクシィ!?』

 

 

「あ……あぁまずい……このままではやつらのしんにゅうをゆるしてしまう……」

 

わざとらしい演技で話を合わせてくれる親友にクリスが心の中でグットサインを送る

 

 

その時

 

 

「セイクリッド・スペルブレイク」

 

「あれ?」

 

ダクネス達を巻き付けていたロープが突如拘束を止めほどけていく

 

 

「い…今の声は……」

 

「残念だったわね……ヒック!!

 

アタシが此処に居たのがアナタ達の不運よ、何をしに来たか分からないけどアナタ達を捕まえたらもっと高いシュワシュワを貰えるわ…ヒック

 

覚悟してお縄にひゅきなさい!!」

 

『アシマリマ! アゥアゥ♪』

 

酔っぱらい今だに酒瓶を抱きながら決め台詞を噛むアクアを、彼女の頭に乗るイブは格好いいと両手を叩き大興奮していた

 

 

(あのやろう本当何時もロクな事しねぇな!!!)

 

(先輩空気を読んで下さい!!!)

 

「今よダクネス!めぐみん!セレナ!

 

泥棒を捕まえるチャンスよ!!」

 

 

「おっとそうでした、幾ら素敵な仮面の義賊でも捕まえねばなりませんね」

 

「よし、私達が攻撃するからダクネスは敵の攻撃を引き付けるのをお願いね」

『フォクシィ!』

 

「えっ!? あ…あぁ…そ…そうだな!!」

 

『リィオッ!!』

 

 

 

【お前達!】

 

すると部屋の外に居たオーティスがクリス達の元に

 

 

「どうしたの?」

 

【警備の人間達が階段を登っている、急がねばワイヤーを破壊し此処に来るぞ】

 

「なにぃ!?」

 

「じゃあ早くネックレスをゲットしないと!」

 

「サトコ! 王女様のベッドは何処?」

 

「部屋の奥だよ!!」

 

「オッケー!!

 

相棒、今あたしも助手君も窃盗が使えないから君の窃盗でネックレスを奪ってね」

 

『了解ロト』

 

「侵入者ですか」

 

するとクリス達が向かおうとする部屋の奥から、キリッとした目付きで装飾が施されベルゼルグ王国の紋章が描かれた白銀のレイピアを構えるアイリスが現れる

 

「ワタクシがこの国の王女ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスです

 

代々勇者の血を受け継ぎし一族の人間として、王宮で騒ぎを起こすアナタ達を見過ごす訳には行きません

 

速やかに降伏……を……」

 

カズマ達やオーティスを見てしまい、キリッとした目付きが徐々に驚愕の物に変わり声も小さくなる

 

「あ……アナタは………ティアラのお兄様……」

 

【久しぶりだ人間の王女、遅くなったが約束通り来た……して妹は】

 

「は……はい!!

 

ティアラ来て!!」

 

『???』

 

ベッドに隠れていたパジャマ姿のティアラが何事かと不思議そうにアイリスの元に近づき

 

 

そして

 

 

 

『ラティア……』

 

 

『ティア……』

 

初めて人間の姿の状態で口を開き兄の方を見つめ

 

『ティ……ティ……』

 

徐々に彼女の瞳が潤む

 

 

(良かったな……ティアラ)

 

「皆、あの子達の感動のご対面に水を差しちゃうけど今の内に」

 

『エッタ、メロッ』

 

「おっと、そうだな」

『ナンマァ』

 

「また後で会いに行こう」

『ピッカァ』

 

『分かったロト』

 

今の内にアイリスの首に装着されたネックレスを<トリック>で奪い逃走しようと彼女の方に視線を向けた時

 

 

『ギャオォォォ!!!』

 

「なんだ? うわぁぁぁ!!!!」

 

突然壁を突き破り、赤色の翼を生やした生き物が室内に乱入する

 

 

「ボーマンダ!?」

『マフォクシ!?』

 

 

『ガァァ!!!』

 

その壁から今度は3つ首の生き物が室内へと入ってくる

 

 

「赤色の翼に3つ首のポケモン……まさかコイツらか!?

 

アイリス様の話されていた王都で暴れた奴らとは!!」

 

 

更に

 

 

『ギギギギ』

 

3つ首の生き物の背からピンクのサーベルを持ったポケモンが地面に降り立つ

 

 

「アレは昼に出会った色違いのエルレイド!!」

『バケッチャ!?』

 

 

 

「マジかよ……こんな時に来やがったのかコイツら、アクアなみに空気読めねえな」

 

「そ……そうだね」

 

「違う……」

 

「ん? どうしたの?」

 

「エルレイドもだけど、ボーマンダもササンドラも……見た目が何処か違う」

 

『ピッカァ………ピィカピィ……』

 

「そういや……俺が図鑑で見たよりもボーマンダは色合いが派手だし、ササンドラに至っては何かロボットみたいじゃねえか」

 

 

目の前の3体の見た目が、どう見てもエルレイドやボーマンダやササンドラの姿が何処か違う事にサトシ達が困惑するなか

 

3体が入って来た壁の外から室内を覗く影が

 

(奴らが義賊達か、この世界の住人だというのにメロエッタを連れて居るとは……フフ……戴くとするか)

 

 

 

『ティ……ティアラ……』

 

「アナタ達はあの時の……」

 

【こんな時に……】

 

 

「アイリス様!! ご無事で……なっ!?」

 

「あの時のモンスター達!?」

 

クリスの仕掛けたワイヤーを破壊し、クレアとレインや大勢の騎士や兵隊に冒険者達が室内に侵入したモンスター達がアイリスに迫るのが目に入る

 

 

(王宮の連中も来るとは何とタイミングの良い)

 

 

「貴様ら!! 早くそのモンスター達を下がらせろ!!」

 

 

「違う!! コイツらは俺らとは無関係だ!!!」

 

 

 

「その義賊の言う通りです!」

 

「ダスティネス卿?」

 

「クレア殿、レイン殿

 

義賊の捕縛の前に先ず奴らを捕らえた方が良い

 

理由は分かりませんが、青色のモンスターと義賊と一緒に居るモンスター以外の連中はティアラを狙っています!!」

 

(ナイスだぜダクネス!!)

 

「何ですって!?」

 

「何故ティアラちゃんを?」

 

「説明は後で、リオル!行くぞ」

 

『リッオ!!』

 

「分かりました! 全軍あの3体のモンスター達に総攻撃を掛けるぞ!!」

 

ボーマンダ、ササンドラ、エルレイド目掛けて全員が攻撃しようと構える

 

「俺達も何とか正体を隠しながら、あのボーマンダみたいな奴らを倒さないと」

 

「任せて、あたしとメロエッタなら堂々とバトル出来るから何とかしてみるよ」

 

『エッタァ!』

 

「頼むぜお頭、メロエッタ」

 

 

「いかりのこな」

 

壁に隠れる男が耳に付けたインカムに呟くと、ボーマンダがカズマ達の方に頭上に移動し背中にある6つのトゲが生えているキノコを向け

 

『アアブゥ』

 

大量の粉を噴出させカズマ達全員に振り掛ける

 

 

「ゲホッ!ゲホッ!何コレ!?」

『メロッ!メロッ!』

 

「何かの技……ゲホッ!でもボーマンダはこんな粉みたいな技使えないはずゲホッ!」

『ピッカァ! ピッカァ!』

 

『ピカチュウ、大丈夫ロトか?』

 

『ナママ?』

 

「俺も大丈夫だゲホッ!

 

あの空気読めねえ野郎共にお仕置きしてやんねえとな、撃ち落としてやるぜ……ンソゲ」

 

「行きなさいバルスリン!」

 

『バゲェェ!!!』

 

 

「グハッ!!!

 

おいめぐみ……じゃなくて、そこの紅魔族!!何で俺に攻撃して」

 

「だいもんじ!」

 

『マァァフォ!!』

 

 

「危ない!!」

 

「のわぁ!?」

 

「わわわ!?」

 

迫るマフォクシーの<だいもんじ>を交わす為に、カズマとクリスの頭を押さえてしゃがませるサトシ

 

「何するんだセレ……何するのよアークウィザード!!」

 

 

「アナタ達が敵だからよ」

 

「敵は義賊達の方ですからね」

 

 

「「えっ!?」」

 

「な……何か……様子が変じゃない」

 

 

 

 

「待ってくださいめぐみんさん!セレナさん!

 

その方達は敵じゃありません!!」

 

「バルスリン!」

「マフォクシー!」

 

『バケッチャ!』

『マァァフォ!!』

 

 

「「「わわわ!!!」」」

 

『メッロォ!?』

『ナンマァ!?』

 

アイリスの静止も聴かずバルスリンとマフォクシー達にカズマ達を攻撃するよう指示を出す

 

更に

 

「全員命令変更だ、あのモンスターではなく敵の義賊達に攻撃を仕掛けろ!!!!」

 

「クレア!?」

 

「地獄の炎よ焼き払え! インフェルノ!!!」

 

「エナジーイグニッション!!」

 

「ライトニング!!」

 

 

 

「ヤベェェ!?」

 

「メロエッタ! みわくのボイス!!」

 

『メンロォォォ~♪』

 

 

放たれた多数の上級魔法を<みわくのボイス>で粉砕する

 

「どうなってるの一体!?

 

何であたし達が的になってるの!?」

 

「ハッ!! もしかして先の技!?」

 

『リィオッ!!!』

 

背後からリオルが拳を向けサトシに突撃する

 

「サトコ危ない!!」

 

「いや大丈夫だ!!」

 

バァァン!!

 

サトシの居る場所とは全く違う場所にリオルの<はっけい>が命中する

 

 

「アイツがノーコンで助かったな」

 

「う……うん……リオルにとっちゃ複雑だけど助かったよ」

 

「それで技って言ってたけど、さっきの粉の事だよね

 

明らかにアレを掛けられてから皆の様子がおかしくなってるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま……また先月と同じ……何で皆あのポケモン達ではなく別の人達を敵だと」

 

 

【いかりのこなだ】

 

「いかりのこな?」

 

【恐らくさっきボーマンダの背中から噴出された粉は、浴びた者への怒りや敵意を増幅させる技だ】

 

「敵意………あっ!だから先月、クレア達はアナタやティアラの事を一方的に敵だと」

 

【あぁ……だがボーマンダはいかりのこなは覚えない、だから奴の背中に別のポケモンが居る】

 

『ガァァ!』

『ギャオォォォ!!』

『ギギギギ』

 

飛んでいたボーマンダは地上に戻り他の2体と共にラティオスと、彼の後ろに居るアイリス

 

否、更にその背に隠れるティアラに迫る

 

 

 

 

 

 

「その技のせいで俺ら的になってる訳か」

 

「うん」

 

「でもさ、それじゃあ何で」

 

 

 

 

「何をやっているクレア殿!!

 

今は義賊達ではなく奴らを!!」

 

「先ずは一番の敵の排除が最優先です!!」

 

「だから敵では……何なんだ一体!?何故リオルにめぐみんやセレナ達までカズ……義賊達を攻撃するんだ!!」

 

 

 

 

 

 

「王女様もダクネスも、あたし達に対して敵意向けてないの?」

 

『いかりのこなは敵意を増幅させる技ロト、だから敵意0の相手には効果は無いロト」

 

 

「だから先月もアイリスだけはティアラ達に敵意を向けなかったのか、ティアラ達が街を守った味方だって知ったから……って……事は……ダクネスだけじゃなく……アイリスも」

 

『アチシ達の正体に気付いてるロト』

 

 

「…………………」

 

「サトコ、コレが羞恥って奴だ分かったか」

 

「……………うん」

 

 

改めて羞恥という気持ちをひしひしとサトシが感じた時

 

 

「王女様にも義賊達に夢中になって欲しかったのですが、まさか敵意を持っていないとは驚きだ」

 

「だ……誰ですか……」

 

ボーマンダ達が侵入した壁から、仮面を被った骸骨の様に痩せ痩けた男性が現れ

 

ゆっくりとアイリス……ラティオスとラティアスの前に向かう。

 

 




原作にあるバニルの仮面カズマVSミツルギは変更しました、あそこのミツルギ原作やアニメ(アニメはまだマシになった)見てて本当に可哀想だったんで
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