「ポケモン……?
そういえばアクアがピカチュウやマフォクシーを見てその様な事を言っていたが、何なのだソレは?」
「モンスターの事です、俺の故郷では暮らしているモンスターの事をポケモンって呼ぶんですよ」
『ピッピカチュウ!』
「ほぉ~遠い国ではモンスターという固有名詞すら違うとは
そういえばスキルで他世界までの範囲に居るモンスターなら召喚出来る様になっていましたが、ピカチュウ以外にも故郷で仲の良いモンスターがいらっしゃるんですか?」
「はい! 沢山居ます!」
「他世界というのがどう意味かは私には分からないが、本当に故郷のモンスターを呼べるのか?」
「それを確かめてようかなって、うーん……なぁピカチュウ誰を呼ぼうかな?」
『ピィーカァ………ピカピ!
ビガァァァァ!!』
両手を背中にやりパタパタと動かしながら低くしたダミ声で吠える
「オッケー!
クリスさん、こうやって構えて出でよって言った後にモンスターの名前を言えば良いんですか?」
掌を大きく広げ右手を前に出す構えを取る
「た……多分そうじゃないかな……召喚のイメージってそういう物だし
(本当は構えは必要無いのですけど、ですが余計な事を言えば鋭そうなカズマさんにワタシの正体がバレる恐れもありますし黙っておきましょう)」
「よーし!!
出でよ! リザードン!!!」
「わぁ!?なんだコレ!?」
「コレは魔方陣です!!」
モンスターの名前らしき物をサトシが叫んだ瞬間、屋敷の床に魔方陣が浮かび上がる
するとその魔方陣から
「ま…まさかドラゴンか?」
オレンジの肌と巨大な翼と鋭い牙と鋭利な3つの爪を持つドラゴンの様なフォルムのモンスターが出現する
『ピカーチュ!!』
「リザードン!!」
『グオ? グォォォ!!!!』
「ギャァァァァ!?」
「「サトシ!?」」
「サトシ君!?」
「おのれドラゴン!!」
『ピィカピ! ピッカァチュ』
「なっ!? 何故止めるんだピカチュウ!!」
魔方陣から現れたドラゴンが突如サトシに強烈な火炎を吐き、更に彼に向かい鋭利な爪を伸ばそうとしており
慌ててダクネスが剣を向けるが何故かピカチュウがそれを止める
『グォォォ♪』
「ケホ…ケホ……ハハハ!相変わらずスゲーかえんほうしゃだなリザードン♪」
ドラゴンの様なモンスター‘かえんポケモン’リザードンは黒焦げになっているサトシを嬉しそうに抱え頬を刷り寄せ、サトシも黒焦げになっているとは思えない笑顔でそれを受け入れていた
「おいサトシ、もしかして……そいつもポケモンなのか?」
「えぇ、俺のポケモンのリザードンです
リザードン! ピカチュウの側に居るのが今の俺の仲間だ」
『グオッ! グォォォ!!!』
(マジかぁ!?
ポケモンってピカチュウやマフォクシーみたいな小さいのとか可愛いのしか居ないのかと思ったら、こんな厳ついドラゴンみたいなの居んのぉ!?
確か此方の世界に来てるポケモン達は人間に兵器の動力源にされてたってセレナが言ってたな、もしだぞ……もしこんなゴツイ奴で悪党処か人間全員に対して敵意や恨み剥き出しの奴が俺の目の前に現れたら………俺……死ぬ!?
どうしようやっぱり見つける手伝いは出来ない、パーティー入りの話も無かった事にって出来ないだろうか
幾らアクアが蘇らせてくれるとはいえ痛い物は痛いし……エリス様のお願いで、エリス様に何でも言う事を聞いて貰える可能性があるとはいえな……そうだ!!
クサナギ! あの魔剣の奴に頼んだらどうかって言ってみるか!!!
あの野郎なら爽やかな面しながら構わないよとか言いそうだし)
しゃがみながら1人で何やら作戦会議を行うカズマだが、他のメンバーはリザードンに興味津々なのか完全に気にもとめていなかった
「無事に召喚は出来たみたいだね」
「はい!!
やったぜピカチュウ!コレで研究所の……いや、今まで仲良くなったポケモン達皆にまた会えるしポケモン探しも手伝って貰えるぜ!!!」
『ピィカァチュ♪』
「す……凄いのです!!ドラゴン!!!ドラゴンです!!!!!しかも無茶苦茶強そうな!!!!!!!」
『グオッ?』
「このドラゴンもピカチュウの様にお前のパートナーなのか?」
「えぇ! 大事な仲間の1人です♪
あとリザードンはドラゴンじゃないですよ」
「何ですって!? 何処からどう見ても翼竜に見えますが」
「ははは、確かに見た目はドラゴンですもんね(そういやアイリスも最初リザードンを見た時はドラゴンだと間違えたっけな)
リザードンは炎と飛行タイプのポケモンなんです」
「「………タイプ?」」
『グオッ! グォォォ!』
「どうしたリザードン?」
『グォォォ!』
「わわっ!? 引っ張んなよ!!」
リザードンに引っ張られ屋敷の外に連れ出されてしまう
そんなサトシの後を追う一同
「(待てよ!そういやクサナギが今何処に居るか俺分かんねぇわ……うーん)
あれ?
皆何処? なに?お外に居るの?」
リーダーなのに放置されている1名を除いて
『グォォォ!!』
「もしかして飛びたいのか?」
『グオッ!グオッ!』
「わわ!?」
頷くとサトシを自分の背中に乗せる
『グォォォ! グッオォ!』
「そっか……良いぜリザードン」
「サトシ
そのドラゴン……じゃなかった、リザードンは何と言っているんだ?」
「久しぶりに会えたから俺を乗せて飛びたいって、ちょっと軽く空の散歩して来ます」
「空の散歩!? まさかコイツは空を飛ぶのか!?」
「そんな事出来るわけ……ないとは言えませんね、それだけ立派な翼があるなら」
「飛ぶんならサトシ君、なるべく人目に付かないように屋敷の裏側にした方がいいよ
町の人が見たらドラゴンが襲撃して来たってパニックになっちゃうから」
「分かりました!!
ピカチュウ!一緒に行こうぜ!」
『ピッカァ!』
サトシの肩にピカチュウが飛び乗ったのと同じタイミングでカズマも屋敷から出てくる
「おいお前ら! 俺を忘れん……な……」
この時カズマは思い出した
「行くぜリザードン!」
『ピカーピィ!』
『グォォォ!!』
幼稚園の頃に見たファンタジーの世界が舞台のアニメの影響で生まれた
「本当に飛んだ!?」
「カッコいいです!!! 凄いです!!!!」
幼稚園の時、将来の夢はドラゴンの背に乗り大空を飛び回るという
「スゲー………」
純粋な少年の夢を持っていた事を
『グォォォ!!!』
「あぁ!最高の眺めだなリザードン、ピカチュウ」
『ピッピカァチュウ!!』
屋敷が小さく見える程の高さまで上昇し、共に沈む夕日を眺める
「ありがとなリザードン」
『グオッ?』
「翼に出来立てのはっぱカッターの傷跡がある……この大きさはフシギダネのだな
お前、フシギダネとバトルの練習してた最中なのに俺に召喚されて来てくれたんだろ
だから……ありがとう」
『グオオッ♪』
気にするなと笑い返すリザードンの頭を撫でる
『ピカーピィ、ピカピカ!ピカチュウ!!』
『グオッ!グォォォ!グッオオゥ!!!』
『ピィ!? ピカァァチュ!!』
「わかってるよリザードン、早く帰れるように頑張るって
ピカチュウも頑張ってるんだぜ、さっきなんかこの世界のモンスターを9体も倒したんだからさ
だから喧嘩すんなよ2人とも」
『ピカピカ!』
『グオッ!? グッオオゥ!』
『ピッピカチュウ!!』
「分かってくれてありがとな、そろそろ降りるか」
『グオオッ!!』
仲間であり戦友のピカチュウにエールという名の喝を送り満足したのか、リザードンはグングンと地上へと下降する
「よっと! ありがとリザードン」
『グオッ!』
「あ…あのサトシ……少しお願いがあるのですが」
「お願い?」
「私もリザードンに乗せてくれないでしょうか!!
1度で良いから空を自由に飛び回ってみたかったんです!!」
「あぁ待て待て!!俺も乗りてえ!!!ドラゴンの背中に乗ってみてぇ!!!」
「おやおや~何ですかカズマ
何時もは私の事をロリっ子やシュワシュワはまだ早いと子供扱いするくせに、随分と子供っぽい事を言っていますね」
「ぐっ!悪かったな……けどな!!
俺は元々ファンタジー要素が大好きだったのに、此方に来てから語尾にッスを付ける着け耳のエルフやモンスターと戦うよりバイトの方が生活が安定する現実を見せられ、悪魔やリッチーと一緒に故郷の道具を作って商売やったりしている現状に俺の中のファンタジーへの憧れが薄まって来てた所に
こんなカッケェドラゴンみたいなモンスターに乗って空を飛べるんだぞ!!ハシャイで悪いか!!いや悪くない!!!」
「自問自答しないでください!!
というかファンタジーって何の事ですか?」
「リザードン、2人を乗せて上げても良いか?」
『グオッ! グオオッ!!!』
指をクイクイと動かし、リザードンは乗りなとカズマとめぐみんに訴える。
「凄いです……凄いですよカズマ!!アクセルの町がまるで豆粒みたいに小さいです!!人がゴミの様です!!!」
「表現力に些か問題はあるが、確かにコレは絶景だな」
「はい!
はっ!?」
「どうした?」
「いえ!何でも!!!
(しまったぁ!!!
ドラゴンに乗る事が出来て浮かれて忘れてましたが、わわ!私!今カズマとメチャクチャ密着してるじゃないですか!!!)」
「お~何だめぐみん~まるで俺と密着してる事に今更気付き慌てふためいてるみたいじゃないか」
「白々しい棒読み演技は止めろぉ!!」
『グオッ……』
騒々しい奴らだなと思いながらもリザードンは屋敷から遥か上空を優雅に飛び回る
その頃地上では
「しかし本当に凄いものだ、まさか人間が空を飛べるとは」
「降りてきたらダクネスさんとクリスさんも乗ってみます?」
「あたしは乗ってみたいな」
「私も是非にと言いたいが、流石にこうも立て続けに人を乗せて飛ぶのはリザードンも苦じゃないだろうか?」
「あぁ確かに、ダクネス最近腹筋割れて来たから重くなったしグバッ!?
ダクネス……ゴメン謝るから下ろして、痛い痛い!!頭蓋骨が!?頭蓋骨が割れる!!!!」
『ピィカァ……』
「スゲェ……片手でクリスさん持ち上げてる
でも確かにリザードンも疲れちゃうよな、だったら出でよカイリュー!!!
あれ?
出でよカイリュー!!!
あれ?何でカイリュー出てこないんだ?」
『ピィカァ? ピッカァチュ』
ダクネスとクリスにもポケモンに乗せてあげようと先程の構えを取り‘ドラゴンポケモン’カイリューの名を呼ぶが、何故かカイリューも魔方陣も現れない
何でだろうと首を傾げるサトシの胸元にピカチュウが飛び込み
『ピカピ!』
冒険者カードを相棒に渡す
「冒険者カード?
もしかしてスキルの問題なのかな?」
『ピィカァ! ピカピカ』
そうかもと頷き、サトシの肩に乗りカードを見てと指を指す
「えっと……コレはカズマさんが召喚したモンスターの能力を上げる奴だって教えてくれて
此方は………サモン・ナンバー?
何だコレ? あのダクネスさん」
「むっ? どうした?」
「痛っ!? 急に放さないでよ……」
名を呼ばれクリスを放したダクネスがサトシの元に
「このサモン・ナンバーって何のスキルかなって?」
「サモンは召喚という意味で、ナンバーは数字だから召喚出来るモンスターの数の事じゃないだろうか」
「数か……ポイントを使って次にゲット出来るのが2って書いてるから、俺が今召喚出来るのは1人だけって事か
だからカイリューが出てこないのか」
『ピカッピッカ』
一方リザードンに乗るカズマとめぐみんは
「まぁ安心しな、今の俺はドラゴンに乗り大空を駆け巡る昔からの夢が叶い童心に帰りピュアなカズマ君になってるんだ、野蛮な真似はしねぇよ」
「明らかに先より密着されてると感じるのは私の気のせいでしょうか、ま……まあ私も小さな時からの夢だったドラゴンに乗るが叶ったので気分が良いので今回は見逃してあげましょう
(それに……カズマと二人っきりというシチュエーションも悪くはありませんしね)」
「よーし次は森の方に行ってみようぜ、リザードンって言ったな!
このままアッチの森まで行って『グオオッ!?』わぁぁ!?なんだ!?」
「どうしたのですか!?わぁぁぁ!!!」
「あれ?
あんな急いで戻って来るなんて、リザードンどうしたんだ?」
『ピィカァ?』
凄まじい勢いで地上に向かい下降してくるリザードン、どうしたのだろうとサトシとピカチュウが不思議そうに見ていると
「あっ!?」
「どうしたクリス?」
「思い出した!!
召喚したモンスターはスキルを強化してないと10分しかこの場に存在出来ないんだった!!」
「なにぃ!? もう10分くらい経っているぞ!!」
「大変だ!!! あんな高い所から落ちたら!!」
『ピッカァァ!!!』
『グオオオオッ!!!!』
召喚されたリザードンには自分が後どれくらいでこの世界から自分の世界に戻るのかが体感的に分かるので、あと数十秒で自分は消え背中に乗っている2人の人間が大変な事になると気付き大慌てで地上へと急降下し
「「あぁぁぁぁぁ!!」」
地上まで後10メートルの所でリザードンは消え、カズマとめぐみんは地上に落下する。
「すみません、召喚に制限時間があるか確認するの忘れちゃって」
「いや謝んなくていいから、乗せてくれって言ったのは俺らだから良いし受け止めってくれてあんがと………でもな」
「はい」
「何でお前が俺を受け止めんだよ!!!」
「えっ? だって俺が一番カズマさんに近かったし」
「こういう時はダクネスが受け止めてラッキースケベの展開が起きるもんだろ!!!
お前だってキャッチするなら女の子のめぐみんの方が良いだろ!!ラッキースケベな展開欲しいだろうが!!!」
「えっと……ラッキースケベってラッキーの技か何か分からないけど、怒らせたんなら……ゴメンなさい」
「あっ……いや待て、そんなガチでヘコまれると……何か罪悪感が……だから」
『ピィカァ……』
「ピカチュウさん………ゴメンなさい謝ります、謝るから尻尾を鋼にして首元に置かないでください……」
「その男には謝らなくて良いぞサトシ」
「でも」
「そうです、受け止めてくれたのでケガも無かったんですから謝る必要はありませんよ
全くピュアなカズマ君とやらは一体何処に行ったのやら
ダクネス受け止めてくれて助かりましたよ」
「うぅぅ………そ!そういやクリス、お前何で召喚出来る時間を知ってたんだ?」
「サトシ君のカードを見た時に偶然目に入っててね……アハハ」
「ふーん……」
「何かなカズマ……あたしの顔に何か付いてる
(まさか……カズマさん)」
「いやな前から気になってたんけど、お前の顔に今やってるその右の頬を掻く癖……何か見覚えあんだよな」
「(マズイ!!!)
そりゃそうだよ世の中には似たような顔の人間が3人は居るんだから、頬を掻く癖だって良くある物なんだし
きっと何処かの冒険者の中に居たんじゃないかな、あたしと同じ癖のソックリさん」
「ふーん……」
「そうだ!!! 先みたいな事が起きないようにキチンとモンスターマスターのスキル欄を確認しておこうよ!!!」
屋敷の中に戻ると、モンスターマスターのスキル欄を隅から隅まで確認する事に
「なるほど、スキルを強化する度に召喚出来る時間が10分ずつ増えて最高で1時間は増えると」
「後は召喚出来るモンスターの数も強化する度に1体ずつ増え、最高で6体まで一気に召喚可能と書かれてますよ」
「後、リザードンが消えてから他のポケモンを召喚しようとしても出来なかったんですけど
それもスキルに関係してるんですか?」
「ちょっとお待ちを………時間が書かれてる欄がもう1つありますね、此方は強化する度に11時間……10時間……9時間と1時間ずつ減っているので
恐らくですが、召喚したモンスターが消えてから次の召喚までに時間が掛かるみたいですね」
「って事は、今の俺は12時間に1回ポケモンやモンスターを1人だけ10分間出せるって事か
そっか……皆一斉に出して俺が元気にしてるの見せたかったな」
『ピカピ……ピィカァチュ』
「ならポケモンを探すがてら、たまには故郷に帰れば良いじゃないですか
セレナはアークウィザードですし、彼女がテレポートの魔法を覚えて故郷に帰った時に其所をテレポート先に登録すれば直ぐに帰れますよ」
「そうですね……教えてくれてありがとうございます、めぐみんさん♪」
当然自分達の故郷は異世界なので帰る事は出来ない
だが事情を知らないめぐみんは好意でアドバイスを送ってくれたので、素直に感謝の言葉を返す
すると同じくカードを見ていたダクネスが口を開く
「サトシ、先程のクエストでお前のレベルが6に上がっている
スキルポイントを獲得しているが、この量だと今話した3つのスキルの内1つに集中して振るなら2段階強化が出来るがどうする?
何ならカズマが言っていたピカチュウや他のモンスターを強化するスキルに使うという手もあるぞ」
「じゃあ……召喚出来るまでのの時間を短くします」
ポイントを召喚出来る時間を短縮する物に振り、10時間後に召喚出来る様になった
「今17時30分なので次に召喚が可能になるのは深夜の3時30分ですか、まぁ時間ピッタリにヤらなくても良いでしょうし
それよりもですが、明日また他のポケモンも見せて欲しいのです!!」
「私も見てみたい、モンスターだがピカチュウや先のリザードン
それにマフォクシーもパートナーのお前やセレナだけでなく我々にも礼儀良く接していた、あれだけ人間に信頼を寄せるモンスターが他にも居るなら見てみたいものだ」
「良いですよ、今頃はリザードンが話してると思いますが新しい仲間の事を直接皆にも教えてあげたいですし
というかアクアさんの事も教えてあげないと」
「いやアイツは紹介しなくて良い
さてと時間も時間だし、そろそろ飯にするか
アクアの事だきっと今頃シュワシュワ飲みながらギルドで俺らの事待ってるぞ、新メンバー加入記念とかいってまたバカ騒ぎすんぞ今日も」
「はは…確かにな」
「予想出来ますね、では私はセレナをお越して来ます」
「そうだ! クリスさん、コレ忘れない内にカードを作る時のお金です
セレナの分は後でアイツに払う様に言いますね」
「別に構わないのに2000エリスぐらい、でも断るのも申し訳ないよね
ありがとう」
この後めぐみんに連れられ降りてきたセレナにクエスト達成のお金を渡すと、彼女は直ぐに貸して戴きありがとうございますとクリスに1000エリスを返したのであった。
そしてギルドに晩飯を食べに中に入ると
「来たわよ!! さぁこのアタシのパーティーの新メンバー歓迎会の開幕よ!!!
じゃんじゃん料理とシュワシュワ持ってきて!!
支払いはカズマでよろしく!!!」
「おい!!」
「流石カズマだぜ!!」
「よーし今日も飲むぞ!!!」
「ほーら新しい子達も食べて食べて!!」
「そうだぜ金はカズマが出してくれんだ!!遠慮はいらないぞ!!!」
「いや遠慮しろ!
というか俺奢るなんて言ってないから!!!!」
案の定既にアルコールが周りに周ったアクアがバカ騒ぎを初め、ギルド内に居る他の冒険者達も新しく冒険者となったサトシとセレナを歓迎しバカ騒ぎは加速していき
「お姉さん!!俺にもシュワシュワお代わり!!!」
誰が奢るかと言っていたカズマもシュワシュワの成分が周りバカ騒ぎの空気や雰囲気に流され
「今日は俺の奢りだぁぁぁ!!!」
「流石だぜぇカズマぁぁ!!!!」
「よっ!! アクセル1の冒険者!!!!」
完全に出来上がっていた
「う~ん♪なにこの唐揚げ美味しい♪」
『マッフォ♪』
「でしょでしょ!! このコリコリ感が良いのよ」
「確かに♪
コレ何の唐揚げなんですか?初めて食べる味です」
「ジャイアントトードよ」
「………………えっ!?」
『マッフォ!?』
「あのダクネスさん、俺もシュワシュワって飲み物飲んでみたいんですけど
皆美味しそうに飲んでて……ゴクリ」
「私もソロソロ飲みたいのです」
「ダメだ、お前達とセレナにはまだ早い
ん? 何だクリス、今日は飲まないのか?」
「うん、今晩は仕事があるからジュースだけにしておくよ」
こうしてアクア主催カズマが奢りの歓迎会は終演を迎え
「カズマ、アクア、屋敷に着いたぞ」
「「ガァァァ~ガァァァ~」」
「綺麗に出来上がってますね、屋敷の主がコレなので2人は御好きなお部屋を自由に使ってください
ダブルベッドはないですが、身を寄せ会えば狭いですが一緒に入れるので御安心を」
「はい!
はい?」
「おや? 御二人は一緒に寝るのでしょ」
「えぇぇ!?」
「俺とセレナがですか? 今まで無かったですよ一緒に寝るなんて」
「おやそうなのですか、てっきり共に旅をしているので身を寄せ会って寝ているのかと思いましたよ
しかもセレナはサトシの事が好きなの「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ギャァァ~ミミガァ~!!」
『マッフォ!! マフォマフ!!!マッフォォ!!!』
『ピィカァ!?』
「えぇぇ!? ちょっとマフォクシー何言ってるの!?
そんなまだ……まだ早いわよ!!!一緒のべッ……いや恥ずかしい!!!!」
「ググググ!!」
「ハハハ♪ セレナ、元気になってくれて良かった」
「あ……あぁそうだな……取り敢えずセレナ!
めぐみんを放してやってくれ、首が折れそうだ」
「フフ♪ 只でさえ騒がしいカズマパーティーがまた一段と騒がしくなったね
じゃあサトシ君、セレナちゃん
あたしはもう失礼するね、明日は昼過ぎに来れると思うから
もしあたしが来る前にポケモンを見つけて保護できたら、先言った場所にお願いね」
「分かりました」
「あ……ありがとうございましたクリスさん、それと……騒いでゴメンなさい」
「良いよ良いよ、あたしは賑やかな方が好きだし
じゃあお休み
さて」
屋敷から離れるとクリスは懐からメモを取り出す
「この辺り一辺の貴族の家は空振りでしたね、やはり王都の方に……早くあの神器達を見つけて回収せねば」
そう呟きながら口元を隠し闇夜の中に消えていく。
「やっぱ皆が寝静まるこの深夜に起きてるっていう背徳感は異世界に来てもたまんねぇな
等とバカな事言ってないで、さっさとトイレ行こ」
〈プリッ プリッ ブリブリ〉
「にしても、あの場の雰囲気に流されて奢る形になったのは財布に痛ぇな早くシルビア倒した金くれよ
あと……どうしようかなポケモン探しの件、めぐみんもダクネスも乗り気だしアクアは俺と同じ意見だろうがアイツに2人を論破出来る知能があるとは思えないし
こんだけ大々的に新メンバーって言っちまったのに、この2人はやっぱり入れませんとかやったら俺の悪評がレベルアップしちまうし
あぁどうしよ……」
〈ガタン〉
トイレから自室に戻る道中で1人でコレからの事をどうするかと思案していると、入口の扉が開く音が
時間は深夜3時過ぎ、客が来るわけもなく更にドアには鍵が掛けられているので十中八九強盗である
「まさか強盗か!?
丁度良いぜ金儲けのチャンス!!
どうか高額な懸賞金が掛けられてる犯罪者でありますように
よーし早速ダクネス達を起こしに……ん? サトシ? ピカチュウも」
自分で戦わず仲間を起こしに向かおうと体をダクネスの部屋に向け方向転換した時に窓から外の景色が見える
そこには何故か庭に居るサトシとピカチュウが
「何だよ外から抉じ開けられたんじゃなくて中からアイツが開けただけかよ紛らわしい、てかアイツら何やってんだこんな深夜に庭で?」
「どうだフシギダネ、この世界の花も良いだろ」
『ダァネェ♪』
「良かった♪」
『ピィッカ』
「お~い、何やってんだお前ら」
『ピッカァ!?』
「わぁぁ!?
カズマさん何時のまに後ろに!?」
「潜伏スキルを使ったんだよ、気配を感じさせないスキルな
それよりこんな深夜に何やって……ん?
お前が抱いてるのってポケモンか?」
『ダネッ?』
サトシが大事そうに両手で抱える、大きめな植物の種が背中に付いている生き物と目が合う
「えぇ、フシギダネです」
「へーポケモンにも植物のモンスターが居るのか、もしかしてこの世界に来た奴を見つけたのか?」
「いえフシギダネは俺のポケモンなんです、こいつ花が好きだからこの世界の花の匂いを嗅がせてあげようかなって
フシギダネ、リザードンから聞いてると思うけどこの人が新しい仲間のカズマさんだぞ」
『ダネダネ、フッシィ~ダネダネ』
“たねポケモン”フシギダネは背中から蔓をカズマに向け伸ばし握手を求める
「へ~蔓で握手たぁ器用な奴だな、よろしくな」
『ダネダ!』
ニコッと人懐こく笑うフシギダネにカズマも微笑んでしまう
「こいつも可愛いなぁ……って!!
お前まさか召喚出来る時間になるまで起きてたのか?」
「はい!」
「マジかよ、別に起きてからでも良かったんじゃねえか」
「うーんでもせっかく皆に会える様になったから、俺の元気な姿を早く見せてあげたくて……まぁ俺が皆に早く会いたいってのが一番の理由ですけどね」
『ダァネッダァネッ♪』
召喚なら朝起きてからでも構わないというのに態々時間ピッタリまで起きており呆れた表情でカズマはサトシを見るが、そんな彼の頬にフシギダネは楽しそうにすり寄るのが目に止まる
サトシが暮らしていた世界も今は深夜、そんな時間に呼ばれたにも関わらずフシギダネは怒るどころか嬉しそうにサトシの側を離れずに居る、それだけフシギダネもサトシに会えて喜んでいるという証拠であった
「(よっぽど懐かれてんだな……)
そいつもピカチュウもリザードンも、お前に良く懐いてんな」
「えぇ♪
俺も皆の事が大好きだから、俺の事を信頼してくれて嬉しいです♪」
『ピィカァ♪』
『ダネダネ♪』
フシギダネだけでなくピカチュウも抱えながら自分の手元に寄せ、自分を信頼してくれて嬉しいと年相応の少年らしい笑顔で応える
「そっか
(今日だけで力と体力とスピードがカンストしてたり、ジャイアントトード持ち上げてブン投げたり、異世界のモンスター召喚したりで規格外な事を見せられてたから忘れてたけど
コイツ10歳なんだよな……俺の世界なら小学生、普通小学生のガキが理不尽な理由で死んで異世界に来て、自分の世界の悪人とモンスターをこのヤバい世界から見つけないと生き返れない何て現実突き付けられたら、普通は切れるか不安がるってのに)」
サトシがカズマの前で見せた不安がる様子は
せっかく新メンバーとして入れてくれたのに、あの時は本当に異世界のモンスターを召喚出来るか分からないスキルにスキルポイント全てを使って、もしハズレなら自分達に迷惑を掛けるのではと思った事
ジャイアントトードに食われたショックにより疲れ果てたセレナを心配
もっと多くのポケモンを召喚し自分の無事を皆に見せたいなと思った時の3つぐらいで
他人やモンスターの事ばかりで、無事に生き返る事が出来るか、この世界でやって行けるかという自分の事への不安は全く見せてはいなかった。
「(俺の柄じゃねえが
コイツ………ほっとけねえ奴だわ)
しょうがねぇな」
「何が?」
「いや何でもねえ、もう少ししたら俺の所に大金が入るから暫くはクエストやるつもりはないから
取り敢えずポケモンを探しに明日近くを探索しに行くか」
「はい! ありがとうございますリーダー♪」
「あぁそれとリーダー呼びはもういい、他は全然呼ばないわギルドの奴らがリーダー呼び似合わねぇ!!
って腹抱えて笑われたから萎えちまった」
「じゃあ、ありがとうございますカズマさん」
「呼び捨てで良いしタメで良いぞ」
「えっ? でも俺とカズマさん6歳も離れてるのに」
「良いって良いって、俺は年上に敬語使うってのが苦手なんだ
だから年下にタメ口使われても何とも思わねえよ、明日セレナにも言っとけ」
「………分かりました……いや
分かった、ポケモン探すの手伝ってくれてありがとなカズマ♪」
「おう! お前もタメ口の方が似合ってんじゃねえか」
「そうかな?」
「まぁ、とにかくフシギダネが帰ったら早く寝ろよ」
「はーい!!」
『ピィカァ!』
『ダァネダネ!』
「よーしフシギダネ、次はあっちの花の匂い嗅いでみるか」
「あっ…?
おいサトシ、そっちの花は」
《ガブッ!!!》
『ダァァネッ!?』
「あぁフシギダネ!?」
『ピッカァピカ!?』
「…………明日、この世界の植物や野菜が動き回るわ噛み付いてくるって教えてやんないとな」
《次の日》
「大丈夫ですかセレナ?」
「な……何とか……痛たた……まさか人参に鼻を蹴られるなんて」
「カズマと同じで、まさか野菜が動く事を知らないとは
良いですか、人参を切る時は抵抗されない様に力強く押さえ付けてから包丁で切るのがコツです」
(懐かしいな……俺もキャベツに顔面を蹴られったけな
って!!! 今更だが何でこの世界の野菜も植物も動くんだよ!!!)
朝食をめぐみんと一緒に作ろうとしたセレナだが、この世界の野菜は栄養素が強いので生き物の様に動き回る為に切られてたまるかと反撃の蹴りを食らってしまい
それを見ていたカズマは、この世界で初めてキャベツ狩りを行った時に自分も蹴られたなと思い出に慕っていた
こうして、めぐみんのアドバイス(野菜の仕止め方)により朝食を作り上げる事に成功
「ごちそうさま~やっぱセレナの料理は美味いな」
『ピッカァチュウ♪』
『マッフォマッフォ♪』
「人参のスープもスクランブルエッグも、とても美味しかったぞ」
「中々やりますね、流石はこの我のアドバイスを受けただけはあります」
「お前が教えたのは野菜の仕止め方だけだろうが、でも本当に美味かったよ
ありがとなセレナ」
「ありがとう♪
まだスープはお代わりがあるから欲しい人は飲んでね」
サトシからカズマに対しタメ口や呼び捨てで構わない事を伝えられ、それを聞いたダクネスとめぐみんも自分達も呼び捨てで構わないと言ってくれたので
セレナもサトシと同じくタメ口で皆と話す事に。
「2日連続でアクアは起きませんね、今日も綺麗に顔面を蹴られちゃいましたよ」
「どうするカズマ、アクアが起きるまで待つか?」
「そうだな
(もし道中でヤバいモンスターに出くわしたらアクアの蘇生が無いとマズイし、ポケモン見つけてもソイツが無茶苦茶凶暴だったら………ん?)
なぁ今更何だが、ポケモンを見つけて保護するとしてソイツらどうするんだ?
まさかと思うけど、全員ピカチュウやマフォクシーみたいに連れ歩くとかじゃねえよな
(いや流石にそれはヤバいって、またあのクソ領主辺りが大量のモンスターを連れている俺は国家転覆を狙っているに違いないとかの有りもしないでっち上げをして来て………今度こそ死刑に!?)」
此方の世界に来たのが昨日見たリザードンの様なサイズのポケモンばかりなら、幾らこの屋敷が広いとはいえ100匹近いモンスターを放し飼いの様にして暮らすのは無理である
更にまるで百鬼夜行の如く大量のモンスターを背にして町の中を歩き回れば、数ヶ月前に一悶着あったアクセルの領主から理不尽な嫌がらせを受けるやもと大量の冷や汗を流しながらサトシとセレナに質問する
「それなら、保護したポケモンはエリス教の教会に預ければエリス様が元の世界に連れて行ってくれるってクリスさんが教えてくれたよ」
「そ……そっか、なら良かった……コレで首は安泰と」
「へっ?」
「しかしマフォクシーや昨日のリザードンみたいなサイズなら大丈夫ですが、もし更に大きいポケモンが居るなら教会に入れますかね」
「それも大丈夫、モンスターボールに入れて教会に渡せば良いって」
「「「モンスターボール?」」」
聞いた事が無い単語にカズマ達3人は同時に首を傾げる
「コレの事よ」
「確かにボールだな、それは何なんだ?」
「簡単に言えばポケモンをゲットする為の道具かしら、私達の故郷では、このボールを使ってポケモンをゲットするの」
「へぇ………でもそのサイズじゃ、ピカチュウですら捕まえるの無理じゃねえか?」
「コレは見せた方が良いかも、マフォクシー!戻ってくれる」
『マッフォ!』
ボールから赤い光線が飛び出し、それがマフォクシーに命中した瞬間
「えっ!? マフォクシーが消えた!?」
マフォクシーの姿が忽然と消える
「出てきてマフォクシー」
『マフォ!』
「今度は突然現れましたよ!?」
「こんな風にモンスターボールはポケモンのサイズに関係なくゲットする事が可能なの」
「まさかこの様なアイテムがあるとは……世界は広いんだな」
(まぁ確かに、異世界のアイテムだから世界は広いって表現は正しいぜ……ララティナー)
「ララティナーと呼ぶな!!!」
「何で心の声聞こえてんだよ!?
とにかく、そのボールでポケモンを捕まえりゃ良いってのは分かったが
そのボール100個あるのか?」
「俺は持ってないけど、セレナが空のボールを2つ持ってるし
後は買えば良いかなって」
「うん、ポケモンセンターで買えば
ん?」
「あっ?」
同時に間の抜けた声を出し顔を見合わせる
「ポケモンセンター無いじゃんか!!!」
「どうしようサトシ!!!」
『ピィカァピカ!!!』
『マァフォマフォ!!!』
「故郷にしか売ってないなら、一度故郷に戻られてはどうですか」
「あっ……えっと………それは」
「いや何とかなるかもしんねぇぞ」
「えっ? 本当かカズマ!!」
「確信は出来ないが可能性はある、そのボールが少しでも手元にあって助かったな
よしお前ら、ウィズの店に行くぞ」
「「ウィズ?」」
次回遂にカズマパーティーの誰かがポケモンをゲットします(今度は本当)