この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

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タイトル通り今回はダクネスがポケモンをゲットします


この素晴らしいクルセイダーにポケモンを

『………』

「…………」

 

 

ゴン! ゴン!

 

『………ナマ』

「…………イラッ」

 

トン! トン!

 

『…………』

「あのなぁ……作業してる間だけで良いから、いい加減ボールん中に入ってくれよ」

 

『…………ナマ』

 

「あぁコラ!! 服の中に入るな!!!」

 

「ナマケロ、カズマの事かなり気に入ったみたいだな」

『ピカピカッ』

 

「こんな気に入られ方されたくねぇよ……」

 

「まぁでも、スキンシップの形は人各々だしなんだから

 

その子のスキンシップは、カズマの首にぶら下がってる事なんだよ」

 

「コイツは人じゃないだろ……」

 

 

 

ナマケロをカズマがゲットしてから、直ぐに眠っていたクリスとめぐみんが目を覚ました

 

ある程度の事情を聞き終えたクリスが、ナマケロをエリス教会に預けに行こうとするも

 

 

「さぁ君!! 故郷に帰ろうよ!!!!」

『ナマァァ』

「ぐぇぇ!?クリス引っ張るな!!

 

お前も早くお家に帰れ!!!」

 

ボールから出たナマケロは先程と同じくカズマの首に巻きつき、何とか離そうとクリスが引っ張るも全く離れる素振りをみせない

 

 

「良いじゃないポケモンが全員集まるまでは一緒に居ても、それにこの子きっと仲間から離れたくないのよ」

 

「だから俺はナマケモノじゃねえ!!!」

 

「そんな子を無理矢理引き剥がそうだなんて可哀想だわ!!

 

この世界に居るであろうポッチャマも、女神のアタシの加護を今か今かと待ちわびアタシの手持ちになったらきっと喜び感極まって離れたいなんて思わないわ、えぇそうよ間違いないわ!!」

 

ナマケロを出汁に自分の願望を正当化しようとするアクアと

 

 

「俺やセレナが皆にポケモンとの関わり方を教える、だからアルセウスやエリス様にポケモンが全員集まるまでカズマや皆にポケモンと一緒に居させて欲しいって伝えてくれないかな?」

 

サトシのお願いを聞き

 

「分かった……今晩教会に祈りを捧げるがてら、エリス様に言ってみるよ

 

(はぁ……アルセウスさんにどう伝えましょう)」

 

半場だがクリスも納得し、エリスやアルセウスに頼んでみるという事となり

 

そして次の日、エリスとアルセウスから許可を貰った事を伝えに屋敷に来たクリスが目にするのは

 

ナマケロを首に巻いた状態でモンスターボールを作るカズマと、モンスターボールが作られる過程を興味深そうに見学するサトシとピカチュウであった。

 

 

「カズマ凄いなぁ、設計図があるとはいえ綺麗にモンスターボールの形に作れるなんて!!」

 

「工作スキルを取得してっからな、よし後は高熱で焼いて冷水に浸せば完成っと」

 

ナマケロをゲットした後、用事があるという事でクリスと別れ

 

パーティー全員でモンスターボールを作成する為に必要な材料を取りに行く事となり、幸いにもバニルの言う通り必要な材料は直ぐに手に入り、取り敢えずボール4個分の材料を確保した。

 

 

「それで、あたしが帰った後にポケモンは見つけられたの?」

 

 

「うんうん、材料を探す道中や帰り道を皆で探したけど見つからなかった」

 

「あぁ、火の中に水の中に草の中に森の中に土の中に雲の中にスカートの中も見て来たが居なかったぜ」

 

「そんなに色々見に行ったの!?

 

てかスカートの中って……それ覗きだよね」

 

「違けぇよ、何か適当に頭に思い浮かんだワードを言っただけだ

 

帰り道の森の中しか見てねぇよ……はぁ……俺の初めて……」

 

「あのさカズマ、ラティアスってポケモンを最初にゲットしてパートナーにしたかったからって

 

そんな露骨に落ち込まないであげなよ、ナマケロが可哀想だよ」

 

『グーグー』

 

「何処が可哀想だって」

 

「…………」

 

「帰ったぞ」

『マッフォ』

 

はなちょうちんを出しながら気持ち良く寝るナマケロにクリスが唖然と立ち尽くしていると、外出していた他のメンバーが帰って来る

 

「お帰り」

『ピッカピカァ』

 

「ただいま

 

おぉ来ていたかクリス、エリス様には伝えられたのか?」

 

「うん、ポケモンが全員集まるまでは一緒に居て良いってさ

 

(彼がそう言うなら大丈夫だ構わんと、アルセウスさんにあっさり認めて頂いて良かったです)」

 

「フッフフ、つまり」

 

するとダクネスに背負われているめぐみんが怪しく笑い始める

 

「我が名はめぐみん!

 

爆裂魔法を操り伝説と幻のポケモンを手中に収め、最強のアークウィザードとトレーナーの座を手にする者

 

という我が願いが叶うという事ですね」

 

「最強(笑)の間違いじゃないのか」

 

「なにを!?」

 

「マフォクシーありがとう」

 

『マフォッ』

 

カズマに苛立つめぐみんの隣で、マフォクシーに背負われているセレナが立ち上がる

 

 

「今日も凄かったぜ、屋敷の中からでも2人の爆裂魔法の音が聞こえて来るなんて」

 

「そうでしょう~そうでしょう~まぁセレナも中々に筋はありますが、この私にはまだまだ届かないですね」

 

「そ……そうね…(早く他の呪文を覚えたい)」

 

昨日の材料とポケモン探しの最中、中々に見映えが良く人もモンスターも居ない場所を見つけ、そこの景色を堪能していた一同だったが

 

 

「エクスプロージョン!!!」

 

毎日の恒例行事を行う新しい場所に相応しいと判断し、早速爆裂魔法を放つめぐみんによってムードもへったくれも感じる事なく終わってしまう

 

 

そして今日もカズマがボールを作成している間も、その過程を見たいと志願するサトシ以外のメンバーは爆裂魔法を放ちに向かうめぐみんと、その彼女に爆裂魔法使いの日課だから付き合えと無理やり連れ出されたセレナと共に外出していたのであった。

 

 

「あれ? アクアさんは?」

 

「アクアなら今日もポッチャマや水タイプのポケモンを探しに湖に潜ってるわ」

 

「そうなんだ……(風邪引かないでくださいよ先輩)」

 

 

「カズマ!カズマ!「はいカズマだよ」ボールは完成出来ましたか?」

 

「取り敢えず4つ分の型は作った、後は焼き上げて冷やせば完成だ

 

水は冷やすだけだからクリエイトウォーターで何とかなるが、焼き上げる為の火はティンダーの火力じゃ足りねぇな……おいセレナ、マフォクシーに手伝って貰ってもいいか?」

 

「ちょっと待ってね、良いかしらマフォクシー?」

 

『マッフォ♪』

 

「良いって」

 

「サンキュー! じゃあ庭で焼き上げるから来てくれマフォクシー」

 

『マフォックッ!』

 

「俺も見る見る!」

『ピカピ! ピカピカ!!』

 

 

 

 

「楽しみだな、私とめぐみんとアクアとクリスに1つずつだがボールが貰えるとは」

 

「そうだね、それでダクネスは今もドクグラゲ狙いなの?」

 

「勿論だ、ドクグラゲは自分がゲットしたいと泣くアクアを何とか説得し許可を得たんだ

 

もし居るならば必ずゲットし……鎧の隙間から…はぁはぁ……触手を忍ばせ…はぁはぁ……私の体を締め付けて欲しい♪」

 

「そ……そっか」

 

「そういうクリスは狙いのポケモンは居るのか?」

 

「あたしはどの子でも良いかな

 

 

(図鑑を見せて貰いましたが、ポケモン達が爆発から逃げ出すまで一瞬の出来事だったので此方の世界に来たポケモンの姿を覚えて居ないとは……我ながら情けないです

 

もし伝説や幻と呼ばれるポケモンが来ているなら、この世界の生態系に変化が起きてしまう

 

めぐみんさんには悪いですが、伝説と幻のポケモンは何としてでもアルセウスさんの世界に直ぐに帰さなければ)」

 

「ちょむすけ、お前の新しい仲間は世界を滅ぼす力を持っていますよ楽しみですね」

 

『ンニャァ?』

 

等と物騒な事をめぐみんが子猫に話していると

 

「じがだないわね、どくべづにごの女神のありがだいゼイズイをボールざくぜいにヅガわぜであげようじゃない!!」

 

「イヤいらないしヤメろ、また町で洪水騒ぎになってみろ今度こそ俺死刑になるぞ」

 

「なぁアクア、ずぶ濡れになってるし鼻声になってるからお風呂に行って来たらどうだ風邪引いちゃうよ」

 

『ピカカ、ピッカピカチュ!ピッピカチュウ』

 

「あらジンバイありがどう、でもベイギよ女神ばガゼびがないがら」

 

「間違ってんぞ、女神じゃなくてバカはだろ」

 

「ばぁ!? 誰がバガでずっで!!」

 

「ンゲッ!?鼻水飛ばすな!!

 

おいサトシ!! この鼻水の女神を風呂場に連れてけ、マジでまた洪水騒ぎを引き起こしそうだ!!」

 

「分かった!!」

 

「あぁぢょっど!? 覚えでなざいよねガズマ!!」

 

 

「風呂を沸かしてこよう」

 

という会話が聞こえ、ダクネスは風呂を沸かしに向かう。

 

 

 

《数時間後》

 

「おぉ!! コレで私もポケモントレーナーデビューですね!!!」

 

完成したモンスターボールを渡され、めぐみんはその赤い目を更に輝かす

 

「しかし今更だが、私達とカズマのボールとセレナの持っているボールは見た目が少し違うのだな」

 

「カズマのボールは大昔に使われていた奴なんだ」

 

出来上がったボールはセレナのよりも少し大きめで、中央のスイッチの辺りにはチャックの金具部分の様な物が装着されていた

 

それはサトシ達の世界のシンオウ地方が、まだヒスイと呼ばれていた時代に作られたボールと瓜二つである

 

 

 

「まぁ昔のでも構わないわ、ちゃんとモンスターボールとして機能するなら

 

さぁもう一度ポッチャマを探しに行くわよ!!」

 

「えぇ行きましょう!!伝説と幻を探しに!!!」

 

「そうだな

 

 

ドククラゲ……楽しみだぁ♪」

 

「ダクネス、ヨダレ出てるよ」

 

 

いざポケモン探しにレッツゴー

 

 

 

《1時間後》

 

「うぅ……生臭いよ……」

 

「やはりカエルの中は温いですね」

 

「お前らな……」

 

今日は昨日探索した山とは真逆の道にある、沼のある湿地帯でポケモンを探す事になった一同だったが

 

 

「この沼の中にポッチャマが居る筈よ!!」

 

《ガブッ》

 

勢い良く沼に飛び込んだアクアは沼の中に居たジャイアントトードに食われ

 

「今助けますよアクア!!

 

我が紅の瞳に映りし獣よ、世界を手中におさめし我が力の前に……あれ?何故力が入らないのですか……あっ

 

しまったぁぁ!!今日はもう爆裂魔法を使ってま《ガブッ》」

 

めぐみんは綺麗にミイラ取りがミイラになってしまい

 

 

「ガタガタ ブルブル」

 

 

『マフォク……』

「セレナもう大丈夫だよ、あのジャイアントトード達はサトシとカズマが倒したから」

 

初クエストのトラウマが未だ拭えず、セレナはクリスの背に隠れ涙目で身を震わせていた

 

 

「あっ、ジャイアントトード達を倒したからレベルが上がってる」

 

『ピッカカ!』

 

 

「ソイツは良かったな……(この3日間で色んな事あったから忘れてたが)」

 

 

 

 

「むぅ……まさかジャイアントトードにすら剣が当たらないとは」

 

(アクアもめぐみんも、そして止まっているジャイアントトードにワザとやってんのかってぐらい剣を当てられないダクネスと、俺のパーティーは色々アレだったの忘れてたぜ)

 

「カズマさん……アタシ生臭いからお風呂に入りたいよ……」

 

「数時間前に入っただろうが……はぁ

 

サトシ、セレナ、悪いが一旦屋敷に戻っても良いか?」

 

「いいよ、あんなにベトベトだとアクアもめぐみんも可哀想だし」

 

「私も良いわ、というか……此処に居たらまた食べられるかもしれないし」

 

「サンキュー、ほんじゃ一旦戻るぞ」

 

「うぅ……早くベトベト取りたい《ベチャ》わぁ!?何コレ……んげぇ~またベトベト!!」

 

屋敷に戻ろうとアクアが振り返ると、彼女の顔や体に大量の粘り気のある糸が纏まりつく

 

「ただの蜘蛛の巣だろ」

 

「それにしては随分と大きくない?」

 

アクアの顔と体に纏まりつく物体の形からカズマはソレを蜘蛛の巣だと感じるが、だがソレは通常の蜘蛛の巣よりも数倍は大きい物であった

 

 

「ほんじゃあ蜘蛛型のモンスターの巣とか?」

 

「確かに蜘蛛のモンスターは存在しますが、この辺りには居ないはずですよ」

 

「ねえコレ取って!!ネバネバしてて取れないの!!!」

 

「あっ!!」

 

「どうしたのサトシ?」

 

「あの木の上!」

 

「木の上?」

 

今だに蜘蛛の巣を取ろうともがくアクア以外のメンバーが、サトシの指差す方に視線を移す

 

 

『アリッ!』

 

 

黒みが掛かった赤のボディと紫と黄色が混じった4本の足と牙を持つ蜘蛛の様な生き物が、木の上から糸を外そうとするアクアを眺める

 

 

「アリアドスだ!」

 

『ピカピカカ!』

 

 

「アリアドス……ポケモンか!!」

 

「うん!」

 

“あしながポケモン”アリアドスにポケモン図鑑を向ける

 

 

 

《アリアドス あしながポケモン どく むしタイプ

 

口だけでなくお尻からも粘着力が強い糸を出す、糸で獲物を捕らえ、その体液を啜る》

 

 

「獲物ってアタシの事!?

 

女神のアタシの体液を啜ろうだなんて何て罰当たりなのよ!!!」

 

「丁度良いぜ、あいつアクアの方に夢中になってから今ならゲット出来るぞ」

 

「ちょっとカズマさん!?アタシを囮にするつもりなの!?」

 

「よーし、じゃあ私がゲットするわね

 

マフォクシー「待ってくれ」ダクネス?」

 

マフォクシーに指示を出そうとするセレナをダクネスが止める

 

「あのアリアドスというポケモンは私がゲットする」

 

「えっ?」

 

「でもダクネスはドククラゲをゲットしたいのでは?」

 

「アイツはアクアを獲物として見ているのだろ、仲間を餌扱いされてクルセイダーとして黙ってはいられない

 

だから私がゲットし反省させる」

 

「ダクネス………分かった、お願いするわね♪」

 

美人なのにドMなのが残念だと思っていたダクネスのカッコいい姿が見れ、セレナはニコリと笑い彼女の後ろに回る

 

「カッコいいじゃねえかダクネス、見直したぜ」

 

「フッ

 

 

さあ行くぞ

 

糸で捕らえ……体液を啜り……しかもどくタイプ……ハァハァ

 

最高のシチュエーションを提供してくれるポケモンよ!!!」

 

 

「褒めた俺の純情な心返せ……」

 

「……………」

「ねぇセレナ、ダクネスを残念な人を見る目で見ないであげて……あの子ねおっちょこちょいな所と性癖と切れやすい以外は立派な子なの!」

 

「フォローになってませんよ………」

『ピッカピカ……』

 

 

「気をつけろよダクネス!!

 

アリアドスの出す糸は粘着力が強いから交わさないと!!」

 

「心配無用!! むしろドンと来い!!!」

 

 

ヨダレをたらしながらモンスターボールを構えるダクネスに、唯一パーティー内で彼女の性癖について全く知らないサトシがアドバイスを送るも

 

目がギラつき頬を赤らめ息を荒げる彼女には寧ろヤル気アップの言葉だった

 

 

「さぁ行くじょぉ!!!

 

 

ていやぁぁぁぁ!!!」

 

モンスターボールを凄い勢いで投げつけ

 

 

 

 

「ねぇ誰でも良いから早くこの糸取ってグハァァァ!!!!」

 

「「「「「あっ………」」」」」

『ピッ……』

『マッ……』

 

 

『アリッ?』

 

「アクア!!! すまない!!!」

 

剣だけでなくボールもノーコンだったので、木の上に居るアリアドスではなく下に居るアクアの顔面にダクネスの投げた豪速球のモンスターボールがクリーンヒットしてしまう。

 

 

 

《数分後、屋敷に戻る道中》

 

 

「アクア…大丈夫か?」

「……………」

 

「返事がない只の屍のようだ」

 

「只気絶してるだけじゃないですか」

 

「俺の故郷ではコレ言うのがお約束なんだよ、というかお前は歩けるだろうが何故背中に乗った」

 

「魔力0の状態で爆裂魔法を撃とうとしたのですよ、なのでまた動けなくなったんです」

 

「へーてっきり俺に背負って貰いたいからと思ったんだけどな

 

 

なんつって!!」

 

「……………」

 

「おい嘘だろ……」

 

「そ! そんな訳ないじゃないですか!!!何を夢物語の様な事を言っているんだと唖然としただけですよ!!!!」

 

「だよなぁ……(一瞬ドキッとしちまったじゃないかこんチクショウ!!)

 

にしても只でさえナマケロで前も重いのに後ろも重い………いや軽いか」

 

「おい……今何に対して軽いと言ったのか聞こうじゃないか」

 

 

あの後マフォクシーに技の指示を出し、攻撃を受け怯むアリアドスにセレナがボールを当て無事捕獲に成功

 

 

「ダクネス、本当に良いの?」

 

「アリアドスはお前が捕まえたんだ、私が譲って貰うわけにはいかない」

 

ボールをアクアにぶつけ彼女を気絶させたダクネスは申し訳なさから、ポケモン探しのついでに採取した大量のモンスターボールの材料を背に意気消沈してしまった

 

「なに落ち込んでんだよ、お前がノーコンなのは今に始まった事じゃねえだろうが」

 

「おっ!! お前という奴は!?

 

私にだってプライドという物があるのだぞ!!!

 

アレだけ大見得を切って失敗しただけでなく仲間に攻撃を当ててしまうなんて、何という無能だ私はなんて役立たずなんだ……っぅん♪」

 

「おい……自分で自分を野次って興奮してんのか」

 

「してにゃい!!」

 

「大丈夫だよ、誰もダクネスを役立たずなんて思わないぜ」

 

「っぅう♪……あ…ありがとう」

 

「おいおいララティーナさんよ、年下に励まされる自分の情けなさに興奮すんなよ」

 

「だからしてにゃい!!ララティーナと呼ぶにゃ!!」

 

「へいへい~そうですか」

 

「むぅぅ………んっ?」

 

 

「んでソイツどうすんだ、教会に預けんのか?

 

それともセレナ、お前の手持ちにすんのか?」

 

「教会に預けるわ、私はこの国でゲットした子を手持ちにするつもりはないから」

 

「そうなのか?」

 

「うん、マフォクシーが居るし私自身も魔法が使えるようになったしね………扱いにくい魔法だけど」

 

「おい、今何か聞き捨てならない事が聞こえたのですが私の気のせいでしょうか……」

 

「気のせいよ!!!

 

それに……新しい手持ちを加える時はマフォクシーだけじゃなく、ヤンチャムとニンフィアとも相談したいしね」

 

「ヤンチャムとニンフィア?

 

もしかして故郷に居る残りの手持ちの子達の事?」

 

「えぇ、新しい子を手持ちにする時は皆と相談するって決めてるの

 

だからこのアリアドスは故郷に返してあげないと」

 

「俺も故郷からポケモン達を呼べるし、手持ちにするのは良いかな」

 

「そっか、そんじゃあ屋敷の前に教会に……って

 

俺とサトシはヌルヌルのコイツら背負いながらじゃ行くわけにはいかねぇな

 

おいダクネス、お前セレナとクリスと一緒にこのボール教会に届けて……どうした?」

 

ダクネスに教会にボールを届けに行けと頼もうとしたカズマだったが、立ち止まり草むらを見つめる彼女を目にし立ち止まる

 

 

「アソコ……何か居ないか?」

 

「えっ?」

 

ダクネスが指差す草むらを見ると、確かにソコには彼女の言う通り群青色と黒が混じった体色をした小柄の生き物が横たわっていた

 

「リオル!?」

『ピカカ!?』

 

「もしかして、あの子もポケモンなのですか?」

 

「うん!」

 

{リオル はもんポケモン かくとうタイプ

 

正義感が強く、良き心を持つ者を認め悪しき心を持つ者を憎む、怒りや喜びや悲しいといった感情の気持ちを波動の力でトレーナーと共有する事ができる}

 

 

「ちょっと待って!! この子ケガしてるわ!!」

 

サトシが図鑑を翳す“はもんポケモン”リオルの腹部には刃物で切られた様な傷跡がありドクドクと血が流れていた

 

 

「もしやモンスターにヤられたのではないですか?」

 

「なら治療してやらねえとな、おいアク‥‥…アは気絶してたな」

 

「取りあえず屋敷に連れて行こう確か包帯が合った筈だ、この子は私が運ぶ」

 

横たわるリオルにダクネスが手を伸ばすと

 

 

『リッ………リオッ!?

 

リオッ!!!』

 

「っ!?」

 

怯えた表情を見せながら彼女の指に噛みつく

 

「ダクネス!?」

 

「平気だ、いきなりだったから驚いただけでダメージなど無い

 

お前も何があったかは知らないが、そのケガを負った体で戦うのは止めるんだ」

 

『リィィィ!!』

 

ケガをした体で無理をするなとダクネスが忠告するが、リオルは聞く耳を持たず立ち上がり警戒心を剥き出しにする

 

 

『リィィィ!! リオッ!!』

 

『ピカッ!? ピッピカチュウ!!』

 

『マッフォ!! マフォク!!』

 

 

「おい……あのリオルって奴は何て言ってんだ?」

 

「リオルが何を言ってるかは分からないけど、ピカチュウの言ってる事なら分かるよ」

 

「私もマフォクシーの言ってる事なら

 

私達は危害を加えないから落ち着いてって」

 

「ピカチュウもそう言ってる」

 

 

「そ……そうか」

 

 

『リィィィ!! リッ………リオ…』

 

それでも警戒心を解かないリオルだったが、ケガから来る激痛に顔を歪ませ再び倒れてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

《カズマの屋敷》

 

あの後、倒れたリオルをダクネスが抱え屋敷に戻った一同は

 

気絶している体がヌルヌルのアクアを、同じくヌルヌル仲間のめぐみんが風呂場に連れていき

 

 

その間に残りのメンバーで気を失ったリオルの治療をする事に

 

「取りあえず包帯を巻き軽い処置は行った、本当は傷口に薬を塗りたいのだが……」

 

「仕方ないよ、さっきの様子を見る限り薬を塗った時の痛みを攻撃だと思って暴れだすかもしれないし」

 

「まぁ本格的な治療はアクアに任せた方が良いだろうな」

 

「アクアってポケモンの治療が出来るのか?」

 

「いや知らない」

 

「えぇ…」

『ピカァ……』

 

「仕方ねえだろポケモンどころかモンスターを治療したのも見た事ねえんだから

 

まぁでも、アイツは回復能力だけなら!!本当に優秀だから大丈夫だ」

 

力強く回復能力だけならと強調するカズマを尻目にダクネスがリオルの包帯が巻かれた部分をマジマジと見つめる

 

 

「どうしたのダクネス?」

 

「ん? あぁいや……」

 

「お前まさか……あんな痛々しいケガに羨ましさとか、興奮したりなんかしてねぇよな」

 

「いくら私でも、この様な小さな命が受けたキズをそんな目では見ない」

 

「そ……そうか……悪かったスマン」

 

何時もなら半泣きで否定して来るが、彼女の真顔から発せらる真剣な声色で否定されてしまい

 

流石にふざけてスマナイとカズマが謝罪する

 

 

「そもそも体に傷跡を付けるプレイは私は好かん、あくまでも傷跡を付けないギリギリのラインこそ……ハァハァ……真のプレイなのだ」

 

「本当お願いだから純粋な俺の心に謝罪してくれ……」

 

「じゃ……じゃあ何を見てたの」

 

「このリオルの傷跡、めぐみんが言った通りモンスターにヤられたにしては白い物だったなと」

 

「白?」

 

「傷跡は出来たのが新しければ赤色なのだが、時間が経てば白っぽい物に変わっていくんだ」

 

 

「へーそうなんだ」

 

「知らなかった」

 

「お前何でそんな事知って……ハッ!!

 

さっき傷跡が付かないプレイが良いって言ったの……そうか……すまないダクネス、トラウマを抉るようなまねしちまって」

 

「違う!!!!

 

私が幼い時に戦いを終えた騎士達にお父様が褒美や労いの言葉を渡す際、キズだらけの騎士達の姿と、それから数年経っても消えない傷跡を見た時に知ったんだ

 

ポケモンがこの国に連れて来られてからまだ1週間も経ってないのに、どう見てもこの子の傷は数ヶ月前に付けられた物だからモンスターが原因では無いんじゃないかと」

 

「じゃあもしかして、昔付けられた古傷が開いちゃったのかな」

 

「恐らくな」

 

「なぁ……お前ら」

 

ふとカズマがサトシとセレナの方を見る

 

「なに?」

「どうしたの?」

 

「いやさ、あんまこういう話するの気が滅入るけどよ

 

このリオルってポケモン見たら気になっちまってよ」

 

「どんな話?」

 

「コイツ、俺達が見付けてなかったら間違いなく此方の国のモンスターに……その……止め刺されてたと思うんだ」

 

「「っ!?」」

 

「おいカズマ……」

 

「だから気が滅入るって言っただろ……でも気になんだよ、もしポケモンが此方の国のモンスターや下手したら冒険者に殺されたら

 

コイツらはどうなるんだって」

 

『…………ナマ』

 

目を細めながら、今も自分の首に巻き付きアクビ(技ではない)をするナマケロをカズマは見つめる

 

自分の初めてを奪い、昨日から食事にトイレに風呂、そして寝る時も常に首に巻きついて居るが

 

それでも自分が見てきたモンスターの様に、人間に害を与えている訳ではない

 

だがポケモンを異世界から来たモンスターである事を知らない、この世界の人間からすれば新種のモンスターとして扱われ討伐されてしまうのでは

 

人畜無害な命を奪われる事には、さしものクズマ……カスマ……カズマ「間違えんな!!!」でも心が痛む事であった

 

「そういえば俺達聞いてなかった、ポケモンが…もし死んだらどうなるか」

 

「えぇ……」

 

もしやそのまま死んでしまうのではと顔を青ざめるサトシとセレナ

 

すると

 

 

「エリス様の所に行くよ」

 

 

「クリス?」

 

「エリス様から聞いたんだ、でもショッキングな内容だから2人には内緒にしてって口止めされて」

 

「確かに此方の国で死んだらエリス様の所に行くのは知ってるけど、人間以外もそうなのか?」

 

「そうだよ、まぁ流石に魔王軍や人に害を与え過ぎたモンスター……それは人間もかな、そういった存在は地獄に直行みたいだけどね

 

でもポケモンは治めているアルセウス様が判断を下すから、エリス様は判決を下さない

 

それに今回の場合は、人間によって無理やりポケモン達は此方の国に連れて来られた

 

云わばポケモンだって被害者だ

 

だから、この国で亡くなりエリス様の元に送られたポケモンは元の世界に送られてアルセウス様によって生き返らせて貰えるみたいだよ」

 

「マジかよ! じゃあ別に」

 

別に放置しても大丈夫なのではと言おうとしたカズマだが

 

 

「ダメだ!!」

 

「サトシ?」

 

「幾ら生き返らせて貰えるからって……俺……自分が死ぬ時の怖さや……痛みをポケモンに味わって欲しくない!!!」

 

『ピカピ……』

「…………そうだよな……悪い」

 

自分はアクアによって何回も生き返っているので忘れていたが、幾ら生き返らせて貰えるとはいえ、どんな生き物だって死ぬのは痛いし怖いし嫌なもの

 

ましてや今、拳を握り締める少年は爆死のため自分が死んだ事を理解する前に亡くなったが、それでも自分の体が兵器の爆発でどうなったかは死因を聞かされた時に頭の中で考えてしまったのだろう

 

それを察しカズマは直ぐに謝罪する

 

「それにしてもクリス」

 

「なに?」

 

「今の話や、ポケモンやサトシとセレナの事もエリス様からの御告げで聞いたのだったな」

 

「そうだけど、それが何ダクネス?」

 

「いや……随分と長文な御告げだなと、御告げとは二言か長くても三言ぐらいだと思ったんだが」

 

「あっ………そ……それはね」

 

「アクアが起きましたよ」

 

「ねぇねぇ、アタシってば何で気を失っていたの?

 

それに異様に顔が痛いのは何で?

 

めぐみんに聞いてもハグらかされるし、何があったわけ?」

 

「ああぁアクアさん!! あたしが教えてあげるね

 

(先輩ナイスタイミングです!!)」

 

小さくガッツポーズしクリスがアクアに何が合ったかの説明を始める。

 

 

 

 

 

「セイクリッド・ハイネスヒール」

 

「凄い! 本当にキズが治ってる!」

『マッフォ……』

 

「フフフ!! 見たでしょ!!コレこそアタシが水の女神である証拠よ!!!

 

良いかしらアナタ達、コレからはアタシの事を敬い偉大なる女神アクア様と」

 

「ボッチ飯」

 

「………ゴメンなさい……調子に乗りました……だからボッチ飯だけは嫌!!」

 

ダクネスから謝罪と事情を聞かされたアクアは、リオルのケガを回復魔法によってアッサリと治す事に成功

 

 

「でも本当に凄いよアクア、ありがとうリオルを治してくれて」

『ピカカ! ピッピカチュウ!』

 

「改めてみると本当に回復魔法だけは凄いですねアクアは」

「だよな、回復魔法だけは」

 

「ちょっと2人とも、流石に褒めすぎよ♪」

 

だけを強調しているのに気付かずデレデレになる

 

「でも私は純粋に褒めていますよ、ケガだけでなく何なら死者を生き返らせ「それよりも、この子のケガが治ったんだし目が覚めたらアリアドスと一緒にエリス教会に行こうか!」そ……そうですね」

 

何故かクリスはめぐみんの会話を中断させ、リオルと先程ゲットしたアリアドスを教会に連れて行こうと急かす

 

 

『リッ………』

 

「おっ、目が覚めたか」

 

『リッ!?  リィィィ!!

 

リオッ?』

 

目を覚まし、いきなり目の前に現れたダクネスに再び警戒心を剥き出しにするリオルだが、自分の腹にあったはずの傷跡が消えている事に驚き戦闘体制を崩してしまう

 

「私の仲間のアークプリーストが治してくれたんだ」

 

『リオッ? リオ、リオリオリッ?』

 

『ピィカァ! ピカピカ、ピッカァチュ』

『マッフォ!マフォフォ、マフォクシィ』

 

 

「今度は何て言ってんだ」

 

「リオルは分からないけど、この人間達は悪い人じゃないから安心してだってさ」

 

「マフォクシーもそう言ってるわ」

 

「そっか……なぁ、お前らピカチュウやマフォクシーの言葉は分かるのにリオルの言葉は分からねえのか?」

 

「そりゃあそうだよ、俺もセレナも人間だからポケモンの言葉は分からないから

 

でも心を通わせたポケモンの言葉なら分かるけどね♪」

 

「えぇ♪」

 

「ふーん……そんなもんなのか」

 

 

「という事だ、我々はお前に酷い事はしない

 

家に帰る為に一緒に来てくれないか?

きっとお前のトレーナーも、お前の帰りを待っている筈だ」

 

『リオッ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{せっかく可愛いからゲットしたけど、攻撃を当てられないポケモンとか最悪}

 

{アンタのせいで負けたじゃない!!おかげでワタクシの名誉に傷が付いたわ!!

 

この……役立たず!!!}

 

 

 

{私は元気なポケモンを集めていましてね、どうでしょうか貴女のそのリオルを譲って戴けないでしょうか?

 

勿論御礼は差し上げますよ}

 

{御礼は結構よ、お金なら余る程あるから

 

それより早く連れて行きなさい、この子を捨てた何て家の者に知られればワタクシが非情な人間だと嫌な噂が流れますから

 

この子は家出したという事に……って!! ちょっと待ちなさいリオル!!

 

この!! キッ!!!最後ぐらいワタクシの役にたちなさいよ!!!}

 

グサッ

 

{ちょっと傷付いたけど良いわよね}

 

{構いませんよ}

 

 

 

 

 

 

 

 

『リオッ!!!!』

 

「わぁ!?」

 

「グハッ!?」

 

「アクア!!!」

 

リオルの両手から放たれる“きあいだま”がまたしても運悪くアクアに命中してしまう

 

 

『リッオ!!!!』

 

更に放たれる“きあいだま”で屋敷内のテーブルの1つが破壊される

 

「この野郎!人の家で暴れんじゃねえ!!!」

 

『リッ!?』

 

「待てカズマ! 暴力はイカン!!

 

返り討ちに合うぞ!!」

 

「俺が負けるテイなのか!?」

 

「お前もだリオル、幾らケガが治ったからといっても病み上がりの体で暴れるのはダメだ

 

さぁ」

 

『リオッ!!!!』

 

「なっ!?」

 

手を伸ばすダクネスを突き飛ばし、逃げるようにリオルはドアに向かい駆け出し

 

 

「大丈夫ですかダクネス!?

 

あっ!!あの子、外に行きました!!!」

 

 

そのまま屋敷の外に逃げ出す

 

「待ってリオル!!」

 

『マッフォ!!』

 

慌てて皆も屋敷の外に出るも既にリオルの姿は何処にも無かった

 

 

「何て子なの!!!

 

治したアタシに礼の1つも言わないどころか可憐な女神に攻撃してくんなんて!!!」

 

「テーブル弁償しろ!!!」

 

 

「とにかく皆で探そう!!」

 

「そうですね!

 

ダクネス大丈夫ですか?」

 

 

「平気だコレぐらい、それよりも早く探しに行こう」

 

こうしてバラバラに別れて逃げ出したリオルを探す一同だったが、およそ2時間ほど捜索したがリオルを見つける事が出来なかった。

 

 

 

 

「結局見つけられなかったね」

 

「しゃあねぇよ、アイツかなり小さいポケモン何だぜ草むらや木とかに隠れられたらどうしようもねえ

 

くそ!! 絶対捕まえてテーブル代を払わせてやる」

 

「ポケモンにどう請求するの……」

 

リオルを見つけられず屋敷に戻ってから直ぐにアクアとめぐみんが

 

「もうちょっと遠くを探して来るわ!!

 

待っててポッチャ……リオル!」

 

「ならば私も付き合います、伝説と幻……リオルは必ず見つけて見せます!!」

 

明らかにリオルではないポケモンを探しに出掛け

 

 

そしてダクネスは

 

 

 

 

「ダクネス、ボールはあんなに勢いよく投げなくても良いんだ

 

こんな風に……行けっ!!」

 

パン

 

「軽く投げるだけで良いんだよ」

 

「そうなのか?

 

ポケモンは体力を減らした方が捕まえやすいと聞いたので、強くブツけて少しでもダメージを与えればと思ったが違ったか」

 

「まぁ確かにあの豪速球が命中すれば大ダメージね……でもゲットするならコントロールを意識した方が良いわ」

 

「分かった」

 

また仲間に当ててケガをさせないようにとサトシとセレナにボールの投げ方のコーチを頼み、手作りの的目掛けて練習を初めていた

 

 

「てい!」

 

「うーん惜しい」

 

「イラッ……てい!!」

 

「あぁ先より外れちゃった」

 

「イライラ………キェェェェ!!!!」

 

「「だから力強く投げない!!!」」

 

「す……すまない……」

 

 

「もう1時間は投げてんのに的に命中どころか掠りもしねぇとは、ある意味才能だな」

 

「うぅ……」

 

「仕方ないよ、ダクネスはお嬢様だからボール遊びなんてヤリ慣れてないだろうし」

 

「えっ? ダクネスってお嬢様なの!?」

『ピッカピッ!?』

 

 

「そういや言ってなかったな

 

コイツの家、この国の王族の懐刀って言われるぐらいの名家なんだよ」

 

「そうなの!?」

『マッフォ!?』

 

 

「懐刀……?」

 

「分かりやすくいえば王族に一番便りにされてる貴族って事かな、ダクネスはその家のお嬢様なの」

 

「あーそれなら分かりやすい、凄いなダクネスそんな偉い家のお嬢様だったんだ♪」

 

『ピカピカ! ピッカピッ♪』

 

「あ…あぁ……だが、あまりお嬢様とは言わないでくれ

 

今の私は貴族ではなく冒険者だからな」

 

「そうなんだ……分かった」

 

「それより、もう少しボールの投げ方を教えてくれるか?」

 

「オッケー! 満足行くまで付き合うよ」

『ピカチュウ!』

 

 

こうして再びボール投げの練習が始まりボールを投げ続けるダクネス

 

 

そんな彼女を

 

 

『…………リオ』

 

木陰から先程のリオルが眺めていた。

 

 

 

 

《30分後》

 

「やぁぁ!!」

 

「ハァ…惜しい!! ハァハァ…後もうちょっとだよダクネス!」

 

「なぁダクネス、その熱意を剣の練習にも使うつもりはないか?」

 

「ハァ…ハァ……何を言ってる…ハァ…剣もコレぐらい…ハァハァ……練習してるぞ」

 

「……………」

 

「つぅ♪情けないぞこのメスブタ!!

 

そんな目で見てくるとはな」

 

「見てねぇよ!!!」

 

「ダクネスは情けなくなんかないよ!」

 

「つぅ♪」

 

「だから年下に慰められて興奮すんな!!」

 

「してにゃい!!!」

 

「取りあえず今日はもうこの辺にしよ、もう夕方だし

 

投げてるダクネスもだけど、ボールを取りに行ってるサトシ達も疲れたでしょ?」

 

「ハァ……ハァ………そうね」

『マッ……マッフォ…』

 

「完全お疲れだなコリャ、おいダクネス

 

体力のステータスが高いお前とカンストしてるサトシですら息乱れてんだ、コレ以上はセレナの身が持たねぇぞ

 

お前途中イライラして力いっぱいに屋敷の外まで放り投げて、それまで取りに行かされりゃ疲れるぜ」

 

 

「うぅ……あぁ…ハァハァ……分かった

 

サトシ、セレナ、手伝ってくれてありがとう

 

このお礼は必ず返すからな」

 

「いいよお礼だなんて、俺達ただアドバイスしてボール取りに行っただけだし」

 

「えぇ、だから気にしなくても良いわ♪」

 

「むぅ……そうか……分かった」

 

「じゃあアリアドスはあたしが連れて行くよ、また明日ね」

 

「おう、あんがとな」

 

アリアドスのボールを受け取りクリスは手を振りながら立ち去る

 

 

「じゃあ私お風呂に行ってくるわね、夕飯はその後に作るわ」

 

「オッケー! 今日は俺とピカチュウも手伝うよ」

 

『ピカピッカピ!』

 

「ありがとう2人とも」

 

 

「ほんじゃあ俺はボール作っとくわ、また焼き上げる時はマフォクシーに手伝って貰ってもいいか?」

 

「勿論、頼むわねマフォクシー」

『マッフォ♪』

 

 

「おいダクネス、お前も休んだらボール作るの手伝ってくれ」

 

「あぁ……」

 

「ん? 何処行くんだ?」

 

「少し散歩して来る、直ぐに戻るから心配しないでくれ」

 

「……………へいへい分かったよ、さっさと帰って来いよ」

 

 

「あぁ」

 

 

「たく………んで、お前は何時まで俺の首にぶら下がってんだよ」

『…………』

 

「また寝てやがる」

 

 

 

屋敷の門を出てダクネスは町の外に向かうと、人間の子供並のサイズをした岩を見つけた彼女は

 

「てい!」

 

その岩目掛けてモンスターボールを投げる

 

 

 

(アレだけ練習したにも関わらず当たるどころか掠りもしないか……小さい時は良くボール遊びをやったが、やはり今は腕が鈍っているか)

 

因みに小さい時からずっと彼女はノーコンであった

 

 

(後10回ほどやって戻るとするか)

 

『リオッ』

 

「ん?」

 

外したボールを取りに行こうとする自分よりも先にボールを広い、此方に持って来る小さな生き物と目が合う

 

 

『リィオ』

 

「お前……さっきの、ボールを拾ってくれたのか?」

 

『リオッ!』

 

「すまない、助かる」

 

『リオリオ、リオッ……リオリオッ』

 

「どうした?」

 

何故かダクネスの右手を見て悲しい顔をしたと思いきや、リオルは今度は彼女の足を優しく擦りながら頭を下げる

 

 

「…………もしや、噛み付いた事や突き飛ばした事を謝っているのか?」

 

『リッオ………』

 

「なら心配しなくてもいい、私は丈夫なのが取り柄だコレぐらい大したことないぞ」

 

『リオ……リオッル♪』

 

頭を撫でられ安心したのか、良かったとリオルは初めて笑顔を見せる

 

『リオッ! リオリオッ!!』

 

するとリオルは落ちている小石を広い、ダクネスが当てようとしている岩に投げつける

 

 

カァン!!

 

 

「おぉ! 一発で命中するとは、やるな」

 

『リオッ♪ リオリオッ!』

 

「むっ? 次は私が投げろというのか」

 

『リッオ!』

 

「分かった! えいや『リッオ!!』ひゃ!?何だ!?」

 

投げようとダクネスが振りかぶった瞬間、足をリオルに掴まれてしまう

 

『リオッ! リオッルリオッ、リオリオ!』

 

「うん…?」

 

何かを言いながら、止められた時の自分と同じ体制を取り始めるリオルに目を丸くするダクネスだが

 

 

『リッオ!』

 

「……もしや」

 

リオルがその体制で再び石を岩に投げつけ命中させるのを見て気付く

 

 

「この体制の時にボールを投げれば………えいや!!」

 

パシッ

 

 

「おぉ!! 掠った!! 掠ったぞ♪」

『リッオ♪』

 

命中ではなく掠っただけだが、それでも子供の様に喜ぶダクネスにリオルも釣られて喜びを見せる

 

 

「投げのコツを教えてくれたんだな、ありがとうリオル」

 

『リッオ♪』

 

年下のサトシにフォローされた時は、年上の威厳や騎士や貴族としてのプライドが崩れ自分は情けない奴だと身を震わせて(本人は喜んで)いたダクネスだったが

 

今度はモンスターに教えを乞いてしまい、またしても自分の情けなさに身を震わせ(本人は喜んで)るダクネス……と思いきや

 

 

リオルの純粋な親切心に心打たれたのと

 

 

「生まれて初めて的に掠らせたぞ!!」

 

18年生きて来て初めて投げた物がターゲットに当たった……いや掠った喜びから性癖を感じる隙もなかったのである

 

 

「素晴らしいアドバイスをくれたんだ、何かお返しをしないとだな

 

今からでも間に合うかもしれない、お前の故郷に帰れるよう私が教会に」

 

『リッ!? リッオ!! リオリオ!!!』

 

「どうした急に怒りだして!!

 

 

まさか故郷に帰りたくないのか?」

 

『リッオ!!』

 

強く頷き返すリオル

 

 

「何か理由があるんだな………分かった、嫌がる者に無理強いさせるのは私の趣味ではない……寧ろされたい……ハァハァ」

 

『リオ?』

 

「あぁいや何でもない!!!

 

だがサトシとセレナと同じく、アドバイスをくれたのに何も礼を返さない訳には……何か欲しい物はないか?

 

その……お礼だと言っておいてアレだが、お金が掛からない物だとありがたい

 

恥ずかしながら私は借金があってな」

 

『リオッ?

 

リオッル!』

 

「どうした?」

 

突然リオルが先まで的にしていた岩に駆け足で向かい始め

 

『リィィ……』

 

岩の前で拳を構え

 

『リッオ!!』

 

その拳を岩に向けて放つ

 

 

事は出来なかった

 

 

『リオッ………』

 

大きいサイズの岩を綺麗に素通りした拳は空を切ったのであった

 

その結果にリオルはガクリと項垂れ涙目になってしまう

 

 

「まさか………お前攻撃を当てる事が出来ないのか?」

 

『リオッ……リッオ!リオッル!』

 

頷き返したリオルはダクネスのお腹を指差し始める

 

 

「ん??? 何を言ってるか分からないが、拳の攻撃を当てるのが苦手ならば私に任せろ

 

剣はダメだが、此方の拳(けん)なら私は大得意だ!

 

アドバイスのお返しに私が拳での戦い方を教えよう」

 

『リオッル♪

 

《グ~》リッ!?』

 

「フフ♪

 

今日はもう遅い、私もお腹が空いたから練習は明日にしよう」

 

『リオッ!』

 

「そうだ、私の暮らす屋敷に来ないか?

 

一緒に夕食でも」

 

『リッ!?………リオッル……』

 

「嫌なのか?」

 

『リオッ……』

 

「もしかして屋敷で暴れた事を気にしてるのか?」

 

『リッ……リッオル』

 

「なら大丈夫だ、私の仲間は皆良い奴だもう気にしては………いやアクアは大丈夫だろうが、凄く根に持ちそうな男が居たな……私が一緒に謝るからどうだ?」

 

『リッ………リッオ……』

 

それでもリオルは頷く事はなかった

 

「分かった

 

なら1時間半後に屋敷の庭に来てくれ、ご飯を持って来るから食べて欲しい」

 

『リオッ?』

 

 

「ダクネス? 其所で何をしてるんですか?」

 

『リィ!? リオッル!!!』

 

「あっ?」

 

其所に伝説と幻のポケモンを探しに回っていためぐみんと

 

「へっくしゅん!!」

 

またもポッチャマを探しに別の湖を潜っていたアクアが帰って来て、慌ててリオルは森の方に走り出す

 

 

「どうしたんですか、こんな所で?」

 

「コーチから指導を受けていた」

 

「はぁ?」

 

「ぶへっくしゅん!!!」

 

 

 

 

《カズマの屋敷》

 

晩飯を食べながらダクネスは先程のリオルの様子を皆に話す

 

「そっか……あのリオル故郷に帰りたくないのか」

 

「あぁ、アソコまで拒絶されては流石に無理強いは出来ない」

 

「でもどうすんだ、ポケモンを全員帰さないとサトシもセレナも……あぁその……頼んでくれたアルセウスって神様に会わす顔ねえだろ」

 

サトシが生き返る事やセレナ達が元の世界に帰るという異世界に纏わる話はめぐみんやダクネスには秘密だったので別の理由で話すカズマ

 

 

「でも嫌がるポケモンを無理矢理連れて行くのは……ちょっと」

 

「俺も…」

 

「はぁ…お前ら、お人好し過ぎんぞ」

 

 

「そもそも何故あのリオルは故郷に帰りたくないのでしょうかね?」

 

「きっと此方の国が気にいっちゃたのよ、セレナ!パンお代わり頂戴♪」

 

「この世界の何処に気に入る要素があんだよ

 

おい、食う時ぐらい首に巻きつくな喉に詰まるぞ」

『…………ナマ』

 

悪態をつきながらもナマケロにパンを食べさせるカズマであった

 

「おっと! そろそろ約束の時間だな」

 

先程リオルと約束てから1時間半が経とうとしている事に気付き、トレイに乗せられたパンとサラダとスープを持ち立ち上がる

 

「俺とピカチュウも一緒に行こうか?」

『ピカピカ、ピカカッカ!』

 

「いや私だけで行く、屋敷で暴れた事を気にしていた様だし他の者が居たら遠慮して食べないかもしれない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《屋敷の庭》

 

「リオル! 居るか!!」

 

『リッ』

 

木陰からリオルがトコトコとダクネスに向かって来る

 

「待ってくれていたのか……遅れてすまない

 

お腹空いているだろう、さあ食べてくれ」

 

『リオォ♪ リオッル!!』

 

「美味しいか?」

 

『リオッル♪』

 

「そうか♪」

 

美味しそうにパンを食べるリオルの姿に、思わずダクネスも釣られて笑ってしまう

 

 

{何時までチンタラ食べてるのかしら、トレーニングの時間に遅れるわよ!さっさと食べなさい!!!}

 

『リッ!? リオ! リッ! リオッル!!』

 

急に大慌てでリオルはパンやスープを飲み食いし始める

 

「おいおい!! いくら美味しいからといって早食いは体に悪いぞ!!」

 

『リッ………リオッル』

 

「謝らなくていい、取る相手など居ないんだユックリ食べてくれ」

 

『リオッ』

 

ユックリと晩御飯を食べるリオルが食べ終えるまで、ダクネスはずっと隣で待っていた

 

『リオッ♪ リッオ♪』

 

(フフ、美味しそうに食べているな

 

まるでシルフィーナを見ているみたいだ♪)

 

従姉妹の少女と同じように、小さな体を精一杯動かしながら幸せそうにご飯を食べるリオルに思わず頬が緩んでしまう

 

(故郷に帰りたくないなら、いっそこのまま此方で暮らした方が良いのではないだろうか

 

だが)

 

{幾ら生き返らせて貰えるからって……俺……自分が死ぬ時の怖さや……痛みをポケモンに味わって欲しくない!!!}

 

 

(もしこのまま野生のモンスターとして暮らして行くなら、他のモンスターに襲われ、冒険者に討伐モンスターと間違われ死んでしまうかもしれない

 

この子に……そんな目になど会って欲しくない)

 

 

『リオォ……リオッ!』

 

自らのお腹を擦りリオルはゲップを出してしまう

 

「見事な食べっぷりだったな……そうだ!

 

今のは私の仲間が作ってくれた物でな、明日の朝食は私が当番だ

 

だから明日は……私の料理を食べてくれないか?」

 

『リッオ♪』

 

勿論と頷き返す

 

「よぉし!!頑張って腕を振るうぞ!!」

 

因みに彼女の料理センスは並よりちょい下である

 

「それでな……それでなのだがリオル、拳の戦い方を教えるのも飯を食べる為にも野生で居るより、この屋敷で暮らす方が良いと思わないか」

 

『リッ………』

 

 

{キャァァ可愛い♪

 

ワタクシのパートナーに相応しいわ、喜びなさいワタクシがアナタをゲットしてあげるわね}

 

 

「もし良ければ私のポケモンに」

 

『リオォォ!!!!!』

 

「あっ!? 待ってくれリオル!!

 

リオル!!!」

 

逃げ出すリオルを必死に呼び止めるがリオルは振り返る事も無く、その場から立ち去ってしまい

 

「リオル………」

 

その場に残されたダクネスはリオルの逃げた方をモンスターボールを持ちながら見つめ立ち尽くす

 

《次の日》

 

「リオル! 朝ごはんを持ってきた!!

 

もうゲットするなんて言わない!!だから出て来てくれ!!」

 

 

だが返事は帰って来ずリオルも姿を現さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アクセルの町の構外》

 

 

「別に付いて来なくても良いんだぞ」

 

「良いじゃねえか、ヘコんでるララティーナちゃんを特別に俺が励ましてやるぜ」

 

「…………勝手にしろ」

 

 

(ララティーナ呼びにも反応無したぁ……こりゃあ相当だな)

 

あの後ずっと待ち続けたがリオルは現れず、理由は分からないが良かれと思った自分の発言でリオルを傷付けてしまったと思い込み

 

普段ならムキになって本名を呼ぶなと喚く事すら忘れるほど今のダクネスは落ち込んでいた

 

なので今日は彼女を休ませてあげようという話となり、今日のポケモン探索はダクネスとカズマ以外のメンバーで行う事に

 

因みに何故カズマが残ったかというと、こんなに落ち込んでいる彼女は珍しいからちょっかいを掛けて遊びたいと笑っているも、どう見ても彼女が心配だから励ましてやろうと照れ隠しをしているのは、ある1名以外には丸分かりであった

 

そのある1名は

 

「流石は鬼畜のカズマさんね、大丈夫よ今のはダクネスには黙っておいてあげるわ

 

もし知られたらダクネスの事だわ、もっと頂戴ぃぃって欲情してカズマを襲うかもしれないしね♪」

 

 

等と言ってきたので、彼女が帰って来るまでにお気に入りの羽衣を質屋に売り飛ばそうと決意を固める。

 

 

その後合流したクリスを含めた皆に昨日作ったボールを1つずつ配布し外出するのを見送った後は、屋敷でダクネスの様子を見ながらナマケロと遊んでいた

 

暫くしてボール投げの練習に行くと外出する彼女に付いて行き

 

 

「やぁぁ!!」

 

「おぉ!? 本当だ掠ってんじゃねえか!

 

昨日まではノーコンだったのに」

 

一発で的にしてる岩にボールが掠った事に思わず感心してしまう

 

「リオルのアドバイスのおかげだ」

 

「へー、コーチみたいな事やってくれたのか」

 

「あぁ」

 

「そんじゃ、もしアイツが帰って来てくれたら剣のコーチも頼んでみろよ

 

案外アイツ剣術とか出来たりしてな」

 

「バカをいえ、教えて貰ってばかりでは貴族の面目が立たん」

 

「面目って……」

 

ドMが何を言ってるんだと口から出そうなのを必死に抑える

 

「本当なら今頃昨日の礼に私があの子に拳での戦い方を教えていたというのに、私が余計な事を言ってしまったせいで」

 

「手持ちになってくれってか……なぁダクネス、お前はドククラゲ……いやドククラゲって言うよりも自分の趣味に合ったポケモンをゲットしたいんだろ、ならリオルはお前の趣味には合ってないだろ

 

何で手持ちにしたくなったんだ?」

 

「私だって女だ、あんな可愛い生物なら手元に置きたいと思いたくもなる」

 

「マジか……そんな単純な理由かよ」

 

「単純で悪かったな」

 

ガサッ ガサ ガ

 

アレだけ自分の趣味に相応しいポケモンを欲していたにも関わらず、リオルをゲットしようと心変わりした理由が単純な物で呆れてしまう

 

そのせいか自分が座る岩の後ろから物音がし、その音がドンドンと自分達から離れている事にカズマは気付かなかった

 

 

「……それに」

 

「何だよ」

 

「あの子を助けたかった……かな…?」

 

ガサッ

 

「何で疑問形だよ……」

 

 

「私も良く分からないんだ、だが……何だろうな

 

昨夜あの子がご飯を美味しそうに食べる姿を見ていた時に、サトシが言っていたポケモンに死という恐怖を与えたくないという意味が何となく分かったんだ

 

こんな優しい子を……クルセイダーとして怖がらせたくないはないとな」

 

「…………お前……それクルセイダーとしてでなく、ただ母性本能擽られたんじゃね?」

 

「そうかもな

 

 

 

 

 

 

ふぇ……母性!?」

 

「いや聞いてる限りだとそう感じ取れたぞ」

 

「わわ私はまだ18だ!! 母性を感じる歳じゃない!!!」

 

「いや母性本能感じるのは物心付いてからでも有り得るみたいだぞ、昔やったギャルゲーの攻略対象キャラの女が話してくれた過去話にそんなの合ったし」

 

「ギャル……ゲー……とは分からんが、私のこの感情の名は母性ではなくクルセイダーとしての使命感だ!!!」

 

「良いじゃねえか母性に目覚めたってよ、お前の親父さんも泣きながら喜ぶんじゃねえか

 

 

ガサツで嫁に出せるか分からんララティーナが母性に目覚める何てぇぇ!!!これで孫の顔を拝めれる!!!

 

ってよ」

 

「私はガサツじゃにゃい!!それにララティーナって呼ぶにゃぁぁぁ!!!!

 

ぶっ殺してやる!!!!!」

 

「おっと!

 

おうおうスッカリ元気になっちまったか、だがそんな石ころぐらい俺は楽々に交わせるぜ」

ゴツン!!!!

 

 

『グソォォォ!?』

 

 

「「ん?」」

 

ダクネスの投げる凄まじいスピードの石をカズマは交わすが、交わされた石は森の方に向かってしまい何かにぶつかった音と同時に叫び声が響き渡る

 

 

『グゥゥ!! グソォォォ!!!!』

 

そして森から、頭にタンコブを浮かばせた巨大な2本の腕に鋭く伸びる3つの爪が備わり、固そうな外殻をした虫の様なモンスターがカズマとダクネスの前に出現する

 

 

「おいカズマ……確かコイツ」

 

「あぁ……一昨日ポケモン図鑑を見せながらアクアが話してた

 

 

 

グソクムシャだぁぁ!!」

 

『グソオッ!!』

 

「ちょぉぉ!? 何で俺!?」

 

石をぶつけられ怒っている“そうこうポケモン”グソクムシャは“であいがしら”にカズマを襲うも寸前で交わす

 

 

「お前攻撃したの此方の女だ!!!」

 

「カズマお前、私を売るのか!!

 

流石だぞ!! 仲間をモンスターに売るとは…ハァハァ…見事な鬼畜っぷりだぁ~♪」

 

「本当にお前が原因だろうが!!!」

 

 

『グソォォォ!!』

 

「ゲェェ!!何かいっぱい針飛ばしてきたぁぁ!!!」

 

「アレだけの針に刺されれば……つぅぅぅ♪

 

よしぃ!! 来いぃぃ!!!」

 

背中から乱射される“ミサイルバリ”を受け止めようとヨダレを滴しながらダクネスが大の字の体勢を取る

 

 

『リオッ!!!』

 

そんな彼女に迫る“ミサイルバリ”に“きあいだま”がぶつかり粉々に

 

 

「今のは?」

 

『リオ! リオッル!』

 

「「リオル!?」」

 

自分達の側にある石の上に何時の間にかリオルが立っており、大丈夫かと2人に訴える

 

「もしや助けてくれたのか…?」

 

『リオッ♪』

 

「リオル……♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

(いや何かイイハナシダナーって空気出してっけど、別にソイツ助けなくても致命傷になってなかっただろうし

 

そもそもグソクムシャに石ぶつけたのダクネスだから、被害者グソクムシャじゃねぇか!!!)

 

等と突っ込むカズマであったが、流石にこのイイハナシダナーの空気を壊すのはアレなので心の中でのみ行った

 

『ムシャァァ!!!』

 

「取りあえずグソクムシャ落ち着かせる為にも捕まえんぞ!!

 

あんだけデカイんならダメージ与えねえと捕まえにくいだろうし、誰かアイツに攻撃……しまったぁぁ!!!今ウチのパーティーの火力組が皆居ねぇぇ!!!!!」

 

今めぐみんもサトシもセレナもポケモン捜索に出掛けていたので、攻撃出来る者が誰一人として居なかったのであった

 

「こうなったら、ナマケロ!お前の初陣だ

 

行け!!」

 

『…………ナマ?』

 

パシュン

 

自分のボールをタッチし中に戻る

 

「おぉぉい!!! お前やっと動いたと思ったら逃げんのかよ!!!

 

出てこい! 出てきなさい!!」

 

シーン

 

「引きこもんなぁ!!!!!」

 

 

『リィィオッ!!』

 

「おっ!! お前が戦ってくれんのか?」

 

『リオッ! リオオッ!!!』

 

「アレは先の技か」

 

『ムッシャァ!?』

 

「直撃だぜ!!」

 

“きあいだま”をグソクムシャに向けて放ち、慌てて両腕で受け止める

 

 

『ムッシャァ!!!』

 

「ンゲッ! 全然効いてねぇ!?」

 

「あの両腕の外殻…相当固いようだな、私の鎧と同じぐらいの硬度と見た」

 

『リッ!! リオオッ!!!』

 

『ムッシャァ!!

 

グソォォォ!!』

 

『リィィッ!!!』

 

「リオル!?」

 

再び“きあいだま”を放つも“きりさく”で粉砕され、カウンターの“ミサイルバリ”で返り討ちを受けてしまう

 

『ムッシャァ!!』

 

「待ってくれ!! お前に石を投げたのは私だ!!!攻撃するなら私にしろ!!!!」

 

止めをさそうと横たわるリオルにグソクムシャは爪を伸ばす、その間にダクネスが飛び込む

 

『リッ!? リオリッ!リオルッ!!』

 

 

その行動に驚くが、直ぐに我に返り拳をグソクムシャに向けて放つリオル

 

『ムッシャ!』

 

再びグソクムシャは両腕で防御体勢に入る

 

 

 

 

「グハッ!!!!」

 

『ムシャ?』

 

「………何でダクネス殴ってんだ」

 

 

防御に入り動かないグソクムシャの巨体を見事なまで空振りしただけでなく、ダクネスの背に拳が命中してしまい

 

これにはグソクムシャも目を丸くしてしまう

 

『リオッ!? リィィッ!!リィィオッ!リオリオ!!!』

 

吹き飛んだ彼女に大慌てで駆け寄る

 

 

『ムシャシャシャ♪』

 

「笑ってやがる……」

 

 

「う……うぅ……リオル」

 

『リオ……』

 

 

{痛いじゃないの!!

 

いったい何時になったらワタクシでなく相手に攻撃出来るようになるのよ!!この役立たず!!!!}

 

 

『リッ……リオ……』

 

 

 

「素晴らしい攻撃だったぞ♪」

 

『…………リオッ?』

 

「鎧を着ている私の体にコレ程のダメージを与えるとは……ハァハァ……素晴らしいパワーだ♪」

 

「お前こんな時に興奮すんなぁ!!!」

 

『リッ……リオリィ?』

 

「心配するな、言っただろ私は丈夫なのが取り柄だと

 

それよりもだ、鎧越しの私にご褒美……ダメージを与えられたのならグソクムシャの外殻もお前の拳なら貫ける筈だ」

 

『リッ? リオリィ……リオ』

 

「任せろ、拳が当たるよう私が手助けしてやる

 

カズマ!」

 

「えっ? な…何だ!!」

 

「少しグソクムシャの注意を引き付けてくれ……頼む!!」

 

 

「……たく……分かったよ!!

 

 

クリエイトアース!!

 

からの

 

ウィンド!!!」

 

『ムシャァ!?』

 

魔法で土を産み出し、それを風でグソクムシャの目に飛ばし目潰しを行う

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

『ムシャァ!?』

 

その隙にグソクムシャの背にダクネスが抱き付く

 

「おいダクネス! いったい何すんだ!!」

 

「こうするんだ!!

 

デコイ!!!」

 

敵の目を一斉に自分に向かわせるスキル、デコイを発動する

 

 

「リオル!! 今の私を敵だと思い拳を振れ、そうすればお前の拳は必ず命中する!!!」

 

『リッ!?』

 

「私を信じろ!!」

 

『リッ……リオッ!』

 

分かったと頷き拳を構え

 

 

『リィィオッ!!!』

 

勢いよく放つ

 

 

 

『ムシャ!?』

 

慌ててグソクムシャは再度防御の構えに入るも

 

 

『グソォォォ!!!!!』

 

その防御を貫きリオルの拳がグソクムシャの顔面に直撃し

 

 

『ムシャァ………』

 

目を回しながら地面に倒れる

 

 

「よしコレなら、それ!」

 

ポン

 

クイッ クイッ クイッ

 

カチッ

 

カズマが投げたボールによって無事グソクムシャはゲットされる。

 

 

 

 

「見事だったぞリオル、やはり私の予想通りお前のパワーは凄いな」

 

『リオリィ♪』

 

「それと………昨夜は…すまなかった」

 

『リッ? リオ、リオリッ♪』

 

「許してくれるのか…?」

 

『リオリオ♪』

 

「………ありがとう♪

 

また今晩も屋敷に来てくれ、今日は一緒に食べよう……じゃあ」

 

『リオッ!』

 

「リオル?」

 

『リオリィ! リオッ!リオッ!』

 

突然ダクネスがボールを当てる的に使っていた岩に登りはじめ、何かを投げる仕草を彼女に見せる

 

 

「そうか、またボールの投げ方を教えてくれるのだな」

 

「バカかお前」

 

「バカ!?」

 

「投げ方教えるだけなら態々岩の上に乗らなくてもいいだろ」

 

「なら何故リオルは投げてくれと言って………まさか」

 

「良かったじゃないか相思相愛で」

 

「…………良いのか?」

 

『リオ♪』

 

笑いながらリオルは頷く

 

「………分かった♪

 

 

ていやぁ!」

 

パシュン

 

ダクネスの投げたボールは綺麗にリオルに命中

 

クイッ クイッ クイッ

 

カチッ

 

 

 

 

 

 

 

《数時間後 カズマの屋敷》

 

 

「今日はポケモン1人も見つけられなかったな」

『ピカチュ……』

 

「ばぁ……ボッヂャマ……いっだいドゴに居るの……べっぐじゅん!!!」

 

 

「アクア……こう毎日毎日、水に潜ったら本当に風邪引くわよ」

『マフォマフォ』

 

「だがらベイギよアダジば女神なんだがら」

 

「女神でも風邪引くと思うよ……

 

(私は引いた事ありますし)」

 

「ただいま帰りましたよ」

 

 

「あぁ、皆お帰り」

 

『リッ……リオリィ……』

 

 

「「「「「リオル!?」」」」」

『ピカカ!?』

『マフォク!?』

 

出迎えに来てくれたダクネスの肩に乗るリオルに一同は同時に面食らってしまう

 

そんな皆にダクネスとカズマは事の経緯を話す

 

 

「そうなんだ、良かったねダクネス♪」

 

「あぁ、ほらリオル、昨日暴れた事を皆に謝りたいんだろ」

 

『リッ……リオ…リオリオリッ』

 

ごめんなさいと頭を下げる

 

 

「謝らなくても、俺達誰も気にしてなんかないよ」

『ピカピカ……ピッ!』

 

相棒の意見に同意しようとしたピカチュウだったが、そういえば絶対許さないといっていた奴らが居た事を思いだしソチラを見ると

 

 

『なんでグゾグムジャをギョウガイにわだずのよ!!!

 

わだじがデモヂにじだがっだのに!!!』

 

「見た目が虫だったからアイツが水タイプなの忘れてたんだよ、というかお前またずぶ濡れになりやがってさっさと風呂行け風邪引くぞ

 

もし既に引いてんなら誰かに移す前に寝てろ」

 

「だがら女神のアダジばガゼびがないの!!べっぐぢん!!!」

 

「鼻水飛ばすな!!!」

 

 

『ピカカ』

 

コレならリオリのやった事など直ぐに忘れるなとピカチュウは一安心する

 

 

 

「攻撃を上手く当てる為の特訓は、また明日やろうなリオル」

 

『リオッル!!』

 

「まるで師匠と弟子ですね

 

 

そういえば何故リオルはダクネスに拳の使い方を教わろうと思ったんでしょう?

 

その子の前で馬鹿力を見せたのですか?」

 

「馬鹿力言うにゃぁ!!

 

 

だが確かに見せた覚えはない、しいて言うならボールを投げていただけだが……そういえば昨日、何故か拳での戦い方を教わる理由を問いた時に私の腹を指差していたが……いったい何なんだろうな」

 

「腹を?

 

じゃあ簡単だよ、きっとコイツ、ボールを投げてる時にうっすら見えたダクネスの腹筋を見て無茶苦茶力持ちなのに気づいて頼んだんじゃないかな」

 

『リオッル♪』

 

「……………」

 

サトシの言葉に頷くリオルの横でダクネスの顔がどんどん赤くなっていく

 

 

「どうしたのダクネス?」

 

「うぅ……うぅ………割れてにゃぁい!!!!!!」

 

 




ダクネスのパートナーはリオルとなります

リオルにした理由はダクネスといえば体が固く異様にパワーがありますね、なので進化後のルカリオが固い鋼タイプ(ルカリオ自身は低耐久)でパワータイプの格闘である事

そしてスマブラのルカリオがダメージ負っていれば負っているほど強くなる性能だからです(笑)

あと今回の小説内では説明なかったですが、このリオルは女の子です
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