この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

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遅くなりましたが明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします


この恐ろしい暗黒ポケモンの捜索に全力を

「い……いよいよねキルちゃん……が……が頑張りましょ」

 

『……サナ………サンナ……』

 

 

 

「2人とも無茶苦茶足が震えてやがる」

 

「声も上ずっているな」

 

 

「2人共リラックス!リラックス!肩の力抜いて!

 

そんなにガチガチじゃ上手く行かないよ!!」

 

 

「ううう……うん!!」

 

『サササ……サナ『フゥ~』サナァァイ!?

 

サンナサナァ!!!』

 

キルちゃんの首筋にユキメノコの冷たい息が吹き掛かる

 

『メッ~ノッノッノノ♪』

 

『気分を和ませる為だってロト』

 

『サンナァァイ!!!!』

 

イリマセンと切れるキルちゃんであった

 

 

「まぁリラックスは出来たんじゃねえか」

 

この数日の間、怒りの感情によるパワーアップを果たす為の練習を行って来たキルちゃんとゆんゆん

 

遂に紅魔の里の長を決める試練当日を迎え、彼女達は起きてから……否、寝る前から緊張していたのであった

 

「アレだけ練習したんだもの、ゆんゆんとキルちゃんならテレポートが使えなくても絶対合格出来るわ頑張って♪」

 

 

「あ……ありがとうセレナ♪」

 

「ほら、めぐみんも何か言って上げ……あれ?

 

めぐみんは?」

 

 

「こめっこのお土産買いに行ったわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

<アクセル>

 

「ふぅ...…コレだけあれば、こめっこも暫くは困りませんね」

 

『……………バケェ』

 

「何時もなら食べさせてと良いながらヨダレを垂らすというのに元気がありませんね、別に私達が試練を受けるんじゃないんですからテラスタルの習得に時間が掛かっても構いませんよ」

 

『バケェイ?』

 

「えぇ!

 

(まだ時間はあります、皆が居る間に必ずアナタを伝説や幻のポケモンすら裸足で逃げ出す最強のポケモンにしてみせますからね)

 

 

さて、帰って来ているかもしれませんし念の為にお母さんとお父さん用の土産も買って」

 

「めぐみんちゃん、バルスリンちゃん」

 

「ん?」

『パッ?』

 

商人として家を開けている母と父が帰っているかもしれない為、追加で2人分の土産を買おうとするめぐみんを女性の声が呼び止める

 

 

「ウバさん!!」

 

1週間ぶりとなるウバの登場にめぐみんは笑みを浮かべ、彼女に近付く

 

「私の爆裂魔法を見に来てくれたんですね♪

 

あぁでもどうしましょう、今から紅魔の里に行くので爆裂魔法を使う訳には………そうだ!!

 

ウバさんも一緒に紅魔の里に行きませんか?

 

ゆんゆんの試練が終わったら、直ぐに爆裂魔法を見て欲しいんです」

 

「ごめんね、明後日迄に沢山の冒険者達に王都に行くよう声を掛けたいの」

 

「王都に?」

 

「明後日王都で開かれる大展示会にて披露されるメイジ・スティックとオーラ・ストーン、それを魔王軍の幹部が部下を率いて奪いに行くつもりよ」

 

 

「何ですって!?」

 

『パケチャ!?』

 

 

「私の知り合いの情報屋が教えてくれたから間違いないわ

 

だから魔王軍と戦っているめぐみんちゃん達や実力が高いゆんゆんちゃん達を誘う為にアクセルに来たんだけど、何か用事があるみたいね……ごめんなさい他の人を誘うわ」

 

「い…いえ、それなら仕方ないですよ

 

それに族長の試練が終わったら直ぐに王都に向かいます」

 

「良いの?」

 

「勿論、世界中の王族や貴族が集まる大展示会に攻め込もうと企むという事は、その幹部は相当な実力者の筈

 

大量の経験値確保のチャンス!!!

 

しかもソイツをお偉方や他の冒険者達よりも先に倒せば私達の名が更に上がります!!!」

 

「じょ…上昇志向が強いわね……めぐみんちゃんは」

 

 

「当然です、私が現魔王に変わり新たな魔王になるのですから!!」

 

「その夢変わってなかったのね……」

 

「それに、私の仲間が果たさなければならない使命の1つに魔王軍を打ち倒すがありますしね

 

是非お手伝いさせて下さい!!」

 

 

「…………ありがとう、じゃあ明後日に王都で会いましょう

 

 

頑張ってねバルスリンちゃん」

 

 

『パケ?』

 

何故自分にとバルスリンは首を傾げる

 

 

「あっ!

 

待って下さいウバさん、対策をしたいので幹部の名前を教えてくれませ「めぐみん…さぁぁん!!!」うわぁぁぁぁ!?」

『バケェェェ!?』

 

「って……何だセシリーさんじゃないですか「お姉……ちゃん」……どうしたんですかセシリーお姉さん「お姉………ちゃん!!」……何でそんなミイラみたいに干からびてるんですかセシリーお姉ちゃん」

 

「あぅ……はぁ……はぁ………ふぅ………生き返ったわ」

 

『パンプッ!?』

 

「どんな体質してるんですか!?」

 

お姉ちゃん呼びに変えるだけで、ミイラの様に干からびていたアクセルのアクシス教団代表であるセシリーの体が元に戻る

 

 

「ごめんなさいね、ゼスタ様からの差し入れが全然来ないから禁断症状で体が干からびちゃったの

 

いや~やっぱり可愛いロリ……妹のお姉ちゃん呼びから得られる栄養は素晴らしいわ♪」

 

 

「…………色々言いたい事はありますが、取り敢えず私の首筋に顔を当てて匂いを嗅ぐのを止めろぉぉ!!!」

 

「クンカクンカ……スゥハァ………ふぅ

 

 

ありがとうめぐみんさん、コレで暫くはゴハンもところてんスライムもイラナイわ♪」

 

 

「ところてんスライムは兎も角、ゴハンは食べて下さい!!!

 

あっ!?ウバさんは!?」

 

『パケチャパン』

 

「行っちゃいましたか………幹部の名前聞けなかったですね」

 

 

「あら?

 

もしかして、さっき一緒に居た女性と何か話してたのかしら?」

 

 

「えぇ」

 

「まぁ!?

 

ごめんなさい、私ってばお邪魔しちゃったみたいね」

 

「まぁ明後日会った時に聞けば良いので構いませんよ」

 

 

「めぐみんさん………流石は私の妹だわ!!優しいぃぃぃ!!!」

 

『パケッ!?』

「ぐぺっ!?

 

抱き付かないで下さい!!!胸を触るなぁ!?

 

さっきの許しを前言撤回しますよ!!!」

 

 

 

〈カズマの屋敷〉

 

 

「なにぃ!?魔王軍の幹部が王都に襲撃を仕掛けるだと!?」

 

屋敷に帰っためぐみんは直ぐにウバから得た情報を皆に伝える

 

 

「随分と命知らずな幹部だな、よりにもよって大展示会を襲撃しメイジ・スティックとオーラ・ストーンを強奪しようとは……自殺行為だぞ」

 

「それだけ腕に自信があるって事ですよ、潰しがいがありますね」

 

「なぁゆんゆん、その大展示会ってそんなに凄いイベントなの?」

 

「えっ!?サトシ君知らないの!?

 

ベルゼルグ王国全ての王族や貴族が参加する式典よ!!」

 

「「王国全ての!?」」

 

『ピィカァァ!?』

『フォクゥ!?』

 

「そんなデカイ規模のイベントだったのか!?」

 

「知らずに参加するつもりだったのか!?」

 

「てっきりその凄い魔法の杖と石を、客に見せるだけの展示会かと」

 

 

「はぁ……明後日、他の王族や貴族達に聞かれるやもしれんから教えてやる、今から3000年程前の話だ

 

 

ベルゼルグ王国の各々の王族達が土地と派閥を争い戦争が絶えなかった時代

 

夥しい程のドラゴン達が何処からともなく飛来し、人類を襲い始めた」

 

 

(王道ファンタジーの展開だが……どうせ変な流れになんだろうな)

 

 

「このままではドラゴン達に人類が絶滅させられてしまう

 

すると、とある国の王が各陣営の王達に共闘を持ち掛け連合軍を結成しドラゴン達と戦い半数は落とす事に成功したが

 

それでもドラゴン達の猛攻は止められず絶体絶命となった時、とあるアークウィザードが手に持つ杖を振り、その者の側に居た使い魔が身に付ける石が輝くと共にドラゴン達は全て跡形も無く消え去った

 

各々の王達はアークウィザードと使い魔を英雄として歓迎しようとしたが、そのアークウィザードと使い魔も何時のまにか姿を消していたらしく

 

共闘を持ち掛けた王は、そのアークウィザード達は争いばかりを起こす我々人類に女神……あっ!

 

この時代はまだエリス様ではなく別の女神を信仰していたそうだ

 

 

女神が救済の為に寄越した使者ではないかと、その言葉に各々の王達も納得し

 

女神やアークウィザード達の意思を受け、争いを止めたとの事だ………まぁウォーブランだけは現在まで戦争を続けていたそうだが」

 

(スゲェ……この世界とは思えないぐらいメチャクチャ王道なファンタジーの伝説じゃねえか!!!)

 

「何も言わないで悪いドラゴン達を倒して去るなんて、格好いいなそのアークウィザード♪」

 

「ソレで、今の話とさっき言ってた杖と石って何の関係があるの?」

 

「話の流れからして、その英雄のアークウィザードが使っていた杖と使い魔の石を真似て作った模造品じゃねえか?」

 

「模造品ではない、そのアークウィザードと使い魔が持っていた杖と石その物だ」

 

 

『アークウィザードと使い魔が杖と石を置いてったロトか?』

 

「確かアークウィザードと使い魔が戦っているのを見ていた盗賊が、杖と石のあまりの美しさに目がくらみ窃盗で盗んでしまったんですよね」

 

「「「盗んだ!?」」」

 

「あぁ、その杖と魔法の石…メイジ・スティックとオーラ・ストーンをアークウィザード達に返し御礼を言う為

 

自分達が持ってますよと大々的にアピールし、毎年そのアークウィザード達が現れた日に王族達が全員1ヵ所に集まっていたのだが

 

今では国宝となったメイジ・スティックとオーラ・ストーンを見物しながら、王国の平和を全員で誓う式典になったらしい」

 

「…………盗んだ下りがなければ素敵な話だったのに」

 

「いやまだマシだ、この世界にしてはマダ王道ファンタジーの枠を超えてねえ」

 

 

「式典には、当然王都の軍に王族や貴族の付き人達が居る

 

そんな大軍が居る地に国宝を盗もうと攻め込めば………恐らく骨すら残らんだろうな」

 

「だろうな……」

 

 

「フッフフ、そんな大軍よりも先にその幹部を我々が打ち倒せば更に知名度が爆上がりですね

 

明後日が楽しみです♪」

 

『パケチャン♪』

 

 

 

「ななな何言ってるのめぐみん!?

 

アタシ嫌よ!!!!そんな大軍が居る場所に国宝盗もうなんて頭おかしい奴に会いたくない!!!」

 

「何を言うんだアクア!!

 

アイリス様は我々全員をお誘いしてくれているんだ、断る訳にはいかないだろ!!」

 

 

「アタシとイブはお家でお留守番するわ!!!

 

王女様にはアタシ達は風邪を引いたって言っといて」

 

『………ゴホッゴホッ』

 

「ほらイブったら咳してるわ!!」

 

わざとらしい咳を行う

 

 

「ダメだ、幹部には勝てるだろうがソレでも負傷者が出るやもしれん

 

アークプリーストのお前が行かなくてどうする、明後日は全員で王都に行くぞ」

 

 

「ガァァァァン!?

 

 

カジュマしゃぁぁん!!!ダクネスに何とか言ってカジュマしゃんもアタシと同じ考えでしょ!!お留守番したいでしょ!!!」

 

 

「へっ!?

 

 

 

 

 

(可愛い妹のアイリスとティアラの暮らす地を攻め込む悪党を許せる訳ねえだろ!!!!行くぜ!!!!

 

 

 

って言いたいけど……我が軍の軍勢は世界一だ負ける訳がない………って流れで自軍が勝てた試しがねえ、どう考えても敗北フラグだ

 

 

つうか今まで戦って来た幹部達、元幹部のゾハン含めて全員ヤバい技やチート能力持ちだったし……俺もお留守番したい

 

でもアイリスとティアラがピンチになるかもしんねぇし、シトロンにサトシとママの事は任せなって約束したし

 

 

ウチの最高戦力のサトシに、今も引き籠ってるがムチャンコ強い相棒に、普通に有能なゆんゆんだけじゃなく

 

せめてウィズが居てくれれば……)」

 

因みにウィズは昨日、アクセルで探偵を営む知り合いがカズマの屋敷に訪れ

 

その探偵からメモを受け取ると、直ぐに出掛けると言い出し

 

キルちゃんの応援の為にユキメノコを残し、外出していたのであった

 

 

(どないしましょ……)

 

「カズマ「はいカズマでございます」

 

 

 

 

 

 

 

アイリスとティアラ……姉妹のピンチだもん、行かなくちゃね♪」

 

 

「…………………お……おう!!」

 

 

「ちょっ!?ハッキリ嫌だって言いなさいよ!!!言って頂戴カズマさん!!!」

 

 

「うっせぇ!!この流れで断れっか!!!

 

お前も回復&蘇生要員で付いてこい!!」

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ」

 

 

 

 

「あ………あの皆」

 

 

『ゆんゆん、どうしたロト?』

 

 

「大展示会の事で盛り上がってるのに水差しするみたいで申し訳ないけど………そろそろ里に向かわないと」

 

「あっ!」

 

「おっとそうでした

 

ではさっさと里に帰りますよ、早くサブクエストを捌いてメインクエストに向かわなければ」

 

「サブ!?」

 

『サンナァ!!!サナァイッ!!!!』

 

「失礼よめぐみん!!」

 

「ただ見ているだけの試練と、ウバさんからのお願いの幹部退治ならばどちらがサブでメインかは一目瞭然じゃないですか」

 

「うぅ……キルちゃん、絶対合格して私達の試練がサブクエストじゃないって証明しましょう!!!」

 

『サンナァ!!!』

 

(あっ………そうか、めぐみんったら緊張してるゆんゆんとキルちゃんを激励する為、わざとあんな事言ったんだわ

 

何だかんだ言ってゆんゆんとは友達だものね♪)

 

 

「落ちたからってピーピー泣き喚かないで下さいよ、時間が勿体ないですから」

 

「ちょ!?

 

めぐみん待て、試験を迎える者に落ちるや滑るの単語はNGワードだ!!!」

 

「良いんですよ、どうせ落ちますし」

 

「『ガァァァァン!?』」

 

 

「………………わざと…………よね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<紅魔の里>

 

めぐみんからの激励?を受けたゆんゆんのテレポートにより、一同は彼女達の故郷である紅魔の里に到着すると

 

側にある剣が突き刺さった台を見て首を傾げる

 

『ピッカァピィ?』

 

「何だろなこれ?

 

スゲー格好いい剣が刺さってるけど」

 

 

 

 

「それは抜いた者の願いを何でも叶える伝説の聖剣ですよ」

 

「何でも!?

 

よーし早速」

 

 

「ストップ!!ストップですサトシ!!

 

それを引き抜くには鍛冶屋さんに挑戦する事を伝え、お金を払わなければいけませんよ」

 

「そうなの?」

 

 

 

「何で伝説の剣を抜くのに鍛冶屋さんに?」

『マフォク、フォク?』

 

「あの剣その鍛冶屋さんが作って刺したんだとよ、挑戦者が1万人目じゃないと抜けない魔法を掛けてな」

 

「……………願いは叶わないわね」

『マフォクフォ……』

 

 

 

 

 

 

 

「絶対めぐみんの鼻を明かしてみせるんだから!!」

 

『サナサナ、サンナァイ!!!』

 

 

 

「……………………イブ、手筈通りにお願いよ」

 

『オシャマリマ……アゥア?』

 

『ピィ~ピィ♪』

 

「やるったらやるの……ゆんゆんには悪いけど、あの子の試練が長引けばアタシ達は王都に行けないんだもの」

 

 

カズマ達が王都に向かう方法は、先ずアクセルにレインが迎えに来て彼女のテレポートで向かう

 

つまりアクセルに帰る為のテレポート要員のゆんゆんの試練が長引けば、カズマ達はアクセルには帰れず王都に行けない国宝を盗みに来るヤバい幹部に鉢合う事もない

 

その為に彼女の試練を長引かせようと、無いに等しいオツム『オシャァァァ!!!!』グハッ!!!

 

素晴らしき頭脳で考えた女神アクア様の案であるが、流石にこの日の為に頑張っていたゆんゆん達の試練の邪魔をするのはどうかとイブは渋っていた

 

 

「お願いお願いお願い、可愛い貴女やゼル帝を危ない場所に連れて行きたくないんだかグペッ!?」

 

 

『オシャマリマ!?』

 

『ピぃピぃ?』

 

 

「大丈夫かアクア、スベッ……転んだら縁起が悪いぞ……ん?」

 

 

 

派手にスッ転んだアクアを助けようとしたダクネスだったが

 

 

「待ってくれ……抜かないでくれ!!」

 

 

アクアの足元で寝転がりながら魘される男性に目が止まる

 

 

『リオリオ、ルッカァリ?』

 

「寝ているのか?

 

おい起きろ、こんな所で寝ては風邪を引いてしまうぞ」

 

 

「収入がぁぁ……」

 

体を揺らすも寝ている人物は起きはしない

 

 

 

「どうしましたダクネス?

 

はい?

 

何で鍛冶屋さんがこんな所で寝てるんですか?」

 

 

 

『オシャマリマアゥアゥ!?』

 

「痛いじゃないの!!こんなまっ昼間っから道の真ん中で寝ないでよオジサン!!!」

 

「ウチの稼ぎがぁぁ!!」

 

「起きなさいってば!!!」

 

「わわ!?ダメだよアクア!!」

 

「そんなに人を激しく揺らさないの!!!」

 

「あぁぁぁ………あぁぁぁ……」

 

アクアに激しく揺らされるが鍛冶屋のオジサンは起きず、見ている夢が嫌な物なのか顔を歪ませていた

 

 

「道の真ん中で眠ってる人間に気付かないで、派手にスッ転ぶとは

 

頭だけじゃなくて運動神経まで悪くなっグペッ!?」

 

「カズマ!?」

 

「待っておくれ……今度こそ……」

 

「何でこんな昼間っから道の真ん中でオバサンが寝てんだよ!?」

 

アクアと同じく、道の真ん中で眠っている人間の足に引っ掛かり派手にスッ転ぶ

 

「プークスクスwwww人の事言えないじゃないのカズマさんwww」

 

 

「うっせぇ!!!」

 

 

「店が……店がぁぁ……」

 

「あぁぁ……」

 

 

「本屋さんにパン屋さんに服屋さんまで寝てる……の?」

 

「ニートのブッコロリーなら分かりますが、店を経営しているオジサンやオバサン達がまっ昼間から大の字になって寝るなんて妙ですね」

 

 

『メノ………メンノッ……』

 

「どうしたユキメノ……えっ?」

『ピッ?』

 

「「「「うっ…うぅ……」」」」

 

「「「「あぁぁ……」」」」

 

 

老若男女の沢山の紅魔族が地べたに寝そべり魘されていた

 

「何だコレは……全員寝ているだけでなく全員が悪夢を見ているのか!?」

 

 

「うぅ...…」

 

「あるぇ達まで………起きなさい!!何があったんですか!!」

 

 

「家を……壊さないで……」

 

「キャラ薄い...……嫌ぁぁ……」

 

「あぁぁ!!私の弟を婿に連れて行かないでぇぇ!!!」

 

「夢なんか見てないでさっさと起きろ!!!!」

 

「………めぐみん」

 

「おっ?起きましたかあるぇ!」

 

 

「……すまない」

 

「何がですが?」

 

 

「また大きくなってしまったんだ………だから君の服は着れない……あぁどんどん着れる服が無くなっていく」

 

「起きてますね!!!貴女だけは絶対起きてますよね!!!!!」

 

 

『ピピッ……ロト!?

 

全員の熟睡率100%!?

 

普通の睡眠じゃあり得ない数値ロト!!!』

 

「つう事は何か、誰かに眠らされたってか?」

 

 

『サナ?

 

サナサナ!! サンナァイ!!!』

 

「えっ……お父さん!?」

 

キルちゃんが指差す先に父である族長が寝ており、慌てて駆け寄る

 

 

「お父さん!!

 

先生と校長先生もどうしたんですか?」

 

「あぁ……ゆんゆん……」

 

「どうしたの?

 

皆悪夢を見て魘されてるし」

 

「何故だ……何で普通の子に育ってくれなかったんだぁ……」

 

「私普通の子よ!?」

 

 

「あぁぁ!!ゆんゆん非行に走らないでくれぇぇ!!!」

 

 

「ま……まだ眠ってるみたいね」

 

「……………スゥゥゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きてぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

「何故だぁぁ……何でウチの子が!!」

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

『サナサナ………サンナァイ?』

 

力一杯叫ぶも父親は起きなかった

 

『リィオリッ……』

 

「ダメだ、周りの人達も全く起きねえ!」

 

「全員が悪夢を見ている所、ただ寝むらされているだけではないな……」

 

 

「ねぇめぐみん」

 

 

「はぁ…はぁ……何ですか?」

 

人一倍プロポーションが豊な同級生のあるぇを激しく揺らし息切れするめぐみんをサトシが呼ぶ

 

 

「こめっこや、めぐみんのパパやママは大丈夫なの?」

 

 

「あっ…………」

 

『バケバケ!?』

 

あるぇと持っていた土産を手放し、慌てて自宅に向かうめぐみんをバルスリンが追う

 

 

<めぐみん家>

 

 

「お母さん!?お父さん!?」

 

自宅に到着すると、玄関前にて同級生や知り合い達と同じく眠っている両親の姿が

 

 

「めぐみん………あぁ...…家に引きこもっちゃうなんて」

 

「私はニートになってません!!!起きてください!!!」

 

「め……めぐみん…こめっこ…ダメだ!!絶対嫁には出さんぞ!!!!」

 

「お父さん余計なこと言わないで!!!」

 

「グハッ!?」

 

顔面に裏拳が入る

 

「寝ながら夫婦喧嘩しないでください!!!

 

こめっこは!? こめっこ!!どこですか!!!」

 

 

『バケバケ!!!』

 

「どうしましたバルスリン……あっ?」

 

自宅からバルスリンの声が聞こえ駆け寄ると、こめっこが部屋の真ん中で座っているのが目に入る

 

「良かった無事だったんですね……何が合ったかお姉ちゃんに教え」

 

バタン

 

 

「えっ……?」

 

『バッ!?』

 

 

座っていたこめっこの肩に手を置くと、床に倒れてしまう

 

 

「こめっこ……?」

 

 

「………お腹空いた……」

 

「……ホッ………何だビックリした、何か食べさせてあげますから里で何が合ったかを教えてください」

 

 

「………お腹空いた」

 

 

「…そ…………そうですね、では先ず食べさせてあげますよ

 

何が食べたいんですか?」

 

嫌な予感を感じたからか、めぐみんの額から冷たい汗が流れる

 

 

「………お腹……空いた………まだご飯5杯しか食べてないのに………お腹……空いた………ひもじいぃ……ひもじいぃぃ……うわぁぁぁん………」

 

 

 

「……………こめっこ」

 

 

寝ながら泣いている妹の名を呼ぶ事しか、今のめぐみんには出来なかった

 

 

 

 

眠っている住民をそのままにする訳にはいかない為、各々の自宅まで運び終えた一同は

 

めぐみんの自宅に再度集まる

 

 

 

「魔法のスペシャリストで戦闘力が順丈じゃない紅魔族にこんな呪いを掛けるるなんて、十中八九魔王軍に違いないわ!!!間違いない!!!」

 

「幹部のシルビアですら手を焼いていた紅魔族相手にか?」

 

 

「引きニートの分際で女神の感にケチを付けないで頂戴、大体そうじゃなかったら誰がやったのよ

 

カズマも紅魔族は頭がおかしくてイカれた種族だけど強いの知ってるでしょ」

 

「……………お前は本当空気読め」

 

 

 

 

 

「こめっこ………お母さん……お父さん……」

 

「お父さん………皆……」

 

 

 

「あっ!?」

 

「アクア、前に私に役立たずって言った件……反省してないのかしら」

 

『アシマリマ………』

 

 

 

「…………………ご……ごめんなしゃい」

 

 

普段なら噛み付いて来そうなめぐみんですら、ゆんゆんと同じく気落ちしている側で彼女達の一族を悪く言う発言をしてしまい

 

カズマとママ、そしてイブから冷めた視線を食らい借りて来た猫の様に小さくなる

 

 

 

「だが魔王軍でなければ誰がこんな真似を、アークプリスートの能力だけは一級品のアクアですら治療出来ない呪いなんだぞ」

 

 

因みに寝ている紅魔族達にアクアが治療を施したが全く効果は無かった

 

 

「まぁ確かに、残りの幹部にシルビアよりも強い奴が居て………ソイツがやったしかあり得ねえわな

 

そういやよ、残りの幹部ってどんな奴だよ?」

 

 

「ゾハンの奴が口ずさんでいたセレスディナと呼ばれていた奴の事は詳しくは知らんが、残りはウィ………オホン

 

アークウィザードが居るらしいがソイツはお飾り幹部らしい」

 

事情を知らないゆんゆんが居るので誤魔化す

 

 

「あとは魔王の娘」

 

「ちょっと待て、魔王って子供居んのか!?」

 

「まだ13歳の少女で、父親が魔王だから幹部になっただけのお飾り幹部らしいがな」

 

 

(悪の組織にも親の七光りとかあんのかよ………つうかお飾り幹部2人居んのか!?)

 

「あと残っているのは邪神ウォルバグだけだが……コチラもどういう奴かは知らない」

 

 

「邪神!?」

 

「無茶苦茶ラスボスか裏ボスの肩書きの奴じゃねえか!!!

 

そんな奴も居るのかよ!?」

 

 

「間違いありません………ソイツが犯人です!!!」

 

 

『何で言いきれるロト?』

 

 

「その邪神とは、私が里を旅立つ前から因縁がありましてね

 

こめっこが封印……オホン!

 

何処かの誰かが里に封印されている邪神を復活させましてね」

 

「おい待て、今聞き逃せない事を言ったよな」

 

「話の腰を折らないでください!!

 

その復活した邪神の部下が私の前に現れたんですよ」

 

「あぁ!!ちょむすけを誘拐しようとしたのよね」

 

「その通り」

 

 

「何でちょむすけを?」

 

 

「コレはあくまでも私の感ですが、恐らくあの子はその邪神の片割れです」

 

 

「なんだって!?」

 

「………その邪神の片割れらしき奴、昨日未来の神のパシリにされてたぞ」

 

『アゥ!?』

 

 

「ともかくちょむすけは邪神の片割れ、それを取り返そうと部下達を刺客に寄越しましたが全員私の手に寄って放り去られた」

 

「あの悪魔のお姉さんはめぐみんの手じゃなかった様な痛ぁぁぁ!!」

 

「だから人が説明してるのに話の腰を折るな!!!!

 

ともかくちょむすけを取り返す為、その邪神が里にやって来て皆をあんな目に」

 

 

 

「違うわ」

 

堂々と言い放つめぐみんの考えを、何故かアクアが否定する

 

 

「何故ですかアクア、こんな呪いを掛けられる奴なんて邪神と呼ばれし者にしか出来ませんよ」

 

 

「彼女は誰かを眠らせて、悪夢を見せ続けるなんて悪趣味な呪い掛けるような真似やらないわ」

 

 

「彼女?

 

邪神ウォルバグって女性なんですか?」

 

「というかアクア、その人と知り合いなの?」

 

 

「当然よ、だってアタシは女神なんだもの」

 

「アクア……今は冗談を言ってる場合では」

 

「だから冗談じゃないの!!!アタシは…アタシは立派な女神なんだものぉ!!!!」

 

 

「………じゃあソイツじゃないんなら、結局誰がやったんだよセレスディナって奴か?」

 

ブルブル

 

カズマのスマホがバイブする

 

「アイリスからだ」

 

「なっ!?お前今度は何をやらかしたんだ!?」

 

「まだ何もやってねぇよ!!!

 

明後日魔王軍の幹部が襲撃仕掛ける事を伝えたから、ソレの確認だろ」

 

ピッ

 

「あぁアイリス、明後日の事だよな?

 

悪い今立て込んでて、後で掛け直すよ……………はぁ?マジか!?」

 

直ぐに切ろうとしたカズマだったが、スマホ越しのアイリスに何かを言われたらしく話を続ける

 

 

「今紅魔の里に来てんだけど、こっちも全く同じ状況なんだ

 

あぁ……ダメなんだ、アクアでも起こせなかった

 

あぁ分かった任しとけ、原因が分かったら直ぐに知らせるよ

 

じゃあな」

 

ピッ

 

 

「おいカズマ、アイリス様は何と?」

 

「何かこっちも全く同じ状況って言ってたけど、まさか王女様の所でも誰かが眠ってるの!?」

 

 

「あぁ……クレアの奴がな」

 

 

「クレア殿が!?」

 

「アイツだけじゃねえ、俺らがアクセルに帰る時にアイツ自分の故郷に帰るって言ってただろ?」

 

「あぁ、お父上のシンフォニア卿に呼び出されたと………まさか!?」

 

「大展示会が2日に迫ったってのにクレアの奴が帰って来ないから心配になったレインさんがルベールに向かったら、クレアも父親もルベールの住民………街の側にある他の街や村、道中に居る人間もモンスターも全員が眠りながら悪夢に魘されてんだとよ」

 

 

「そ……そんなに被害が出ているのか」

 

「大展示会を中止して犯人探しに出ようとしたらしいが、父親の王様に止められらしくてよ

 

だから代わりに犯人を探してくれって頼まれちまった」

 

ポン!!

 

 

『ナンマァァ!!!』

 

 

「おぉ……久しぶりだな相棒、もう引きこもり期間は終わったのか」

 

アイリスのお願いと聞き、数日ぶりにボールから出て来るナマケロ

 

 

『ナンマケッ!!ナンマァナ!!!』

 

「行くぞって何処に行くんだよ、犯人が誰か分からないだろ?」

 

 

『ナンマ!!ナーンマケナンマァ!!』

 

 

『ロト!?』

『メノッ!?』

『サンナァ!?』

『フォクシ!?』

『パンッ!?』

『オシャ!?』

 

 

「どうしたの皆?」

 

 

「ロトムにダークライの居場所を探せってだってよ」

 

 

「「ダークライ!?」」

 

 

「どうした?

 

そんなにヤバいポケモンなのか?」

 

『ダークライは幻のポケモンロト!!』

 

 

「幻…………」

 

カズマの脳裏に、女神感謝祭で暴れたセレビィの姿が過る

 

 

 

「確かにヤベェな……」

 

 

「ダークライ……ダークライ………あっ!

 

たしか私がゲットしたいと言ったポケモンの名前ですね」

 

 

「えぇ……確かに皆を眠らせて悪夢を見せるなんて、ダークライが一番あり得るかも」

 

 

「へいロトム、どの様なポケモンなんだ?」

 

 

『ダークライ あんこくポケモン あくタイプ

 

人やポケモンを深い眠りに付かせ悪夢を見せる幻のポケモン、月が出ていない夜に力が増す為その日は外に出てはいけないと言い伝えられている』

 

 

 

 

「…………決まりだな」

 

 

「やっぱり………ダークライなのか」

 

『………ピカァ』

 

先程から何か考え事をしていて会話に入らなかったサトシとピカチュウが口を開く

 

 

「どうしたのサトシ君?」

 

 

「確かにこの状況だとダークライが犯人だと思う、でもダークライが誰かを眠らせるのは自分の身を守る為なんだ」

 

「自己防衛という奴か?」

 

「ジコボーエイ?」

 

「自分の身を守る為の行動の事よ」

 

「そうそう!!今まで会って来たダークライも悪気があって誰かを眠らせてなかったんだ

 

 

だから、見つけてもあんまり乱暴な事はしないであげてくれないかな?」

 

 

「いいえ無理ですね、紅魔族にケンカ売ったんですからボコボコにしてから爆裂魔法とだいばくはつを食らわせます!!!!」

『バケチャバァ!!!』

 

 

「えぇ!? 穏便に済ませてあげてよ!!!」

 

「まぁ流石に過剰防衛過ぎるし被害者が多すぎだしな……因みに、ソイツに眠らされた奴らちゃんと目覚めるのか?」

 

『ピカッ!』

 

「勿論!!ダークライに訳を話して起こして貰えば」

 

 

「だったらめぐみん、ブン殴るだけで済ませてやれ」

 

「だから穏便に済ませてよ!!」

 

 

「……………ダークライか」

 

『アシマリマ?』

 

「そういえばアクア、ダークライの名前聞いて私と一緒に驚いてたけど

 

水タイプじゃないのにダークライの事知ってたのね」

 

 

「昔ちょっとね……まぁソイツな訳ないでしょうけど」

 

 

「ん?」

 

 

 

『ダメロト、この辺りにはダークライの反応は無いロト』

 

「では場所を変えましょう、ゆんゆんランダムテレポートをお願いします」

 

「ランダムテレポート!?

 

何処に飛ぶか分からないわよ!!」

 

「ダークライが何処に居るか分からないなら探しまくるしかないでしょ、私は早くソイツを見つけて痛い目に合わせてやりたいんですよ……貴女だってイラ付いてるでしょ!!!」

 

「………ま………まぁお父さんや皆に悪夢を見せるなんて嫌がらせされてるし、でもサトシ君の言う通り悪気があってやった訳じゃ」

 

「さっさとヤレ!!!!!!!」

 

 

「は!!はい!!!!」

 

ブルブル ブルブル

 

 

すると再びカズマ、そしてサトシとダクネスのスマホが同時にバイブする

 

 

「また王女様から?」

 

 

「いやクリスからだ………えぇと……ラインというメッセージが来た」

 

「俺も………今屋敷に来たけど、皆何処に居るのだって」

 

「丁度良い、アイツとメロエッタにもダークライってポケモン探すの手伝って貰おうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<カズマの屋敷前>

 

 

「2人とも既読になってるのに返事が無い、コレがアクア先輩が知り合いにされたらヘコむ行動と言ってた既読スルー………確かにヘコむわね

 

もっと砕けた文の方が良かったかしら、それとも顔文字を付けた方が」

 

『真面目な話する前フリに顔文字を付けんな………』

 

 

「あっ……そ……そうね」

 

ピシュン

 

 

「『わぁぁぁぁ!?』」

 

 

「おわぁ!?」

 

突如目の前にカズマが現れ、互いに後ずさる

 

 

「あっ!? また人前にテレポートしちゃった!!」

 

 

「気を付けてくださいよ、テレポート事故は同行者も罰金を払わなくてはならないんですから」

 

 

 

「あぁビックリした……」

 

 

「大丈夫かクリス」

 

 

「うん大丈夫、ダクネスも皆も何処かに出掛けてたんだね

 

 

戻って来てくれてありがとう、実は」

 

「すまない、その前にコチラの頼みを聞いてはくれないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダークライってポケモンを」

 

「ダークライというポケモンを」

 

 

「「探すの手伝っ……………えっ?」」

 

 

親友で同じポケ名を綺麗にハモらせる

 

 

 

『どうやら既にコイツらもダークライが暴れている事を知ってるみたいだな、ここじゃ何だ屋敷の中で話そうぜ』

 

 

「おい待て、それ家主の俺の台詞」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<数分後>

 

 

「ルベール付近やアルカンレティア付近はあたし達も見て来たけど、まさか紅魔の里にもダークライが来ていたなんて……」

 

「ちょ!?アルカンレティアも襲われたの!?」

 

『あぁ、全員眠らされ悪夢に魘されていた

 

 

そういえばその中に、ニャースとソーナンスとマネネが居たが』

 

「それってロケット団の……もしかしてアイツらもダークライに眠らされたの!?」

 

 

「あの場に居たんなら多分」

 

 

「あんな奴らどうだって良いわ、アタシの可愛い可愛いアクシズ教徒達に悪夢を見せるなんて………めぐみん!!止めはアタシとイブに取らせて!!!!」

 

「嫌です!!!ダブル爆裂魔法とだいばくはつ、ついでにゆんゆんの魔法で散らせます!!!!」

 

「だから穏便に………ダブルって私もなの!?」

 

「何で私も!?」

 

「当たり前です、同じ紅魔族、そして私の同志なら一族に売られたケンカを買いなさい!!!」

 

『バケチャァ!!バァケチャ!!!』

 

「その意気ですよバルスリン、貴女達も彼女を見習いなさい!!」

 

 

 

「待って、教徒に手を出されたのに崇められるアタシ達がケジメ付けなきゃ示しが付かないわ!!!

 

アタシ達に任せなさい!!!」

 

『オシャマ、アゥアゥ!!!!』

 

 

「嫌ですね!!ケジメを付けるなら一族に手を出された私達にも権利があります!!!」

 

『ナンマァァァ!!!ナマケッ!!ナマナンナンマァ!!!』

 

「何よナマケロ?」

 

「何ですか?」

 

 

 

「…………アイリスの部下に手出したんだ、俺がボコすからお前らは指咥えて黙って見てやがれ

 

 

だってよ」

 

「「絶対嫌!!」」

 

『ナマァァ!!!』

 

 

「「こんな時にケンカしないで!!」」

『フォクシマフォ!!』

『メノメッ!!』

 

 

「そうだよ、それに穏便に済ませてって約束したでしょ

 

ダークライだって話せば分かってくれるよ」

 

 

 

「……………サトシ………セレナ」

 

「何?」

 

「どうしたの?」

 

何故かクリスは申し訳なさそうな表情を浮かべる

 

 

「2人がポケモンの事が好きなのを知ってるのに、こんな事を頼むの………本当に申し訳ないけど

 

 

 

 

 

 

 

 

そのダークライは捕まえるんじゃなくて始末して欲しいの」

 

 

「……………はぁ?」

 

 

クリスの発言に先程まで言い争いをしていたメンバーも止まる

 

 

 

「おいおいクリス、そりゃ確かに過剰防衛で悪夢見せられるのはアレかもしんねぇけどよ

 

ただ眠らせてるだけの奴を始末しろは流石にヤり過ぎだろ、つうか冗談でもサトシにんな事言ったらヤベェぞ

 

コイツ、ポケモンバカにした奴らを貴族の屋敷ん中でボコボコにするぐらい血の気多いんだからよ」

 

「そ……そうですよ、今すぐ取り消した方が良いですよ……ほら早く」

 

『バケチャ……バケチャ……』

 

「……………どういう事」

 

明らかに苛立ちを隠しきれていないサトシが声を発する

 

 

『ピカピ!?』

 

「さささサトシさん、深呼吸しましょ!!

 

はい、すぅ~はぁ~」

 

『オシャ~マァ~』

 

 

『すまないが、今回の相手に甘い対応は出来ないんだ』

 

 

「おいコラ!!落ち着かせようとしてんのに邪魔すんな!!!

 

 

ナマケロ、サトシにあくびだ」

 

『ナマッ、ふわぁ』

 

ガシッ

 

 

『ムゴォォ!?』

 

「悪いけど待ってナマケロ」

 

「ちょ!?口を物理的に塞ぐな!!!」

 

 

「というか貴女も同じ幻のポケモンでしょ、同じ仲間を始末とか言わないでよイブの教育に悪いじゃない!!!!」

 

 

『………女神アクア、アンタはダークライと聞いて真っ先に何を思い浮かんだ?』

 

 

「はぁ?何よ急に」

 

 

『良いから考えてくれ、ダークライと聞いて何を思い浮かんだ』

 

 

「ダークライでしょ………だったらあの封印されてる奴が出てきたわよ」

 

 

「封印?」

 

 

『ではもしソイツが復活したと聞いたら、アルセウスはどうすると思う?』

 

「そりゃ始末するでしょうね、ウォルバグの世界を崩壊させた重罪ポケだもの」

 

 

「はぁ?」

 

「…………アルセウスが」

 

 

『そういう事だ』

 

 

「……………どういう事?」

 

 

『ガクッ

 

今この国で暴れているダークライが、アンタが思い浮かべたダークライなんだ!!!』

 

 

「………………プゥwwwプゥ~クスクスwwww

 

 

何言ってるのよ、あのダークライならアルセウスとアタシで封印したのよ出て来られる訳ないじゃないwwww」

 

 

『…………………』

 

 

「…………冗談よね?」

 

 

『俺が冗談でアイツの話をすると思うか』

 

 

「………………………なんでぇぇぇ!?

 

えっ!?何でアイツ復活してるの!?」

 

 

『それは』

 

 

「ちょちょ!!ちょっと待って2人とも!!」

 

「俺らを置いてくな!!!」

 

「何か凄く気になる単語が出て来ましたし、私達にも分かる様に説明しなさい!!!」

 

 

「そ……そうだ詳しい話を聞こう、だからサトシ……先ずは座ろう」

 

 

「うんうん!!」

 

 

 

「わ…分かった」

 

サトシも会話内容が気になる為か先程の苛立ちは消え、何時もの様子に戻っていた

 

 

 

 

 

 

「ふぅ...……そんでメロエッタ、それにメロエッタやエリス様から話を聞いたであろうクリス

 

詳しい話聞かせてくれ」

 

 

「うん

 

 

 

今メロエッタとアクアさんが言ってたダークライは、1000年前にとある女神を称える…………国を滅ぼしたらしいんだ」

 

 

「ダークライが!?」

 

 

(国って言う前にエリス様が俺とサトシを見たって事は、国じゃなくて別の世界って事か……)

 

(はい、その通りです)

 

 

(わぁ!?頭の中から声が………ってメロエッタにやらせてるんですねエリス様)

 

(ダクネスやアクア先輩には正体は知られたくありませんので)

 

(エリス様………続きを聞かせて)

 

 

「(はい)

 

そのダークライ、理由は不明だけどアルセウス様と戦いたいが為にアルセウス様を誘き寄せようと世界の時間を止めようとする大犯罪を犯したの」

 

『アルセウスはそれを阻止する為ダークライと戦った、結果は当然ダークライの敗北

 

2度とこんな事を犯さない為、奴を無の空間に封じ込めようとした』

 

 

(ウォロさんが言ってた場所ですか?)

 

 

(えぇ)

 

 

 

『だが………アクシデントが起きてしまい、ダークライと違う場所に居たもう1体のポケモンは各々別の国に飛ばされたんだ』

 

 

「アクシデント?」

 

 

(丁度そのタイミングで、別の神が私がカズマさんやサトシさんに行った転生を行う為に死者を招いたんです

 

 

ですが間違えて自分の世界の死者ではなくダークライと、もう1体のポケモンを呼び出してしまったそうなんです)

 

 

(……………まさかその神って)

 

 

 

(ア……アクア先輩じゃないですよ、当時全ての神達の長をしていた大ベテランの神です!!)

 

(大ベテランの神が何故ミスってんっすか……)

 

 

(………………酔っていたみたいです、なのでダークライや他の子を自分の世界で無くなった人だと勘違いしたみたいで)

 

 

(…………………お願いですからエリス様はそんなミスしないで下さいね)

 

(絶対にしません……)

 

 

『その飛ばされた時に………ダークライの奴はとんでもない力を身に付けてしまったんだ』

 

 

「どんな力なの?」

 

 

『生物の生命力を奪う力だ』

 

 

「何だと!?」

 

「生命力を!?」

 

 

 

 

(まさか転生特典!?)

 

 

(はい、無防備となった生物の生命力を吸収する力を転生特典としてダークライは得てしまったんです)

 

 

(無防備………そんなの眠らせる事が出来るダークライなら簡単に出来るんじゃ)

 

(いやいやちょっと待った、いくら酔ってたからって流石に生命力を吸収する用なヤバい力をくれ何て言われたら断るだろ!!

 

酔っぱらいでも神なんだから)

 

 

(…………その神はダークライを人間だと思っていたので、別の種族の生命力なら吸収しても大丈夫だろ……って)

 

 

(まさかアクアの方がマシだと思う様な神が居るとは………)

 

(本当そうですよね…………そんなふざけたミスのせいで…………ウォルバグ先輩が)

 

 

((ウォルバグ?))

 

 

 

 

『平和の女神ウォルバグを称える国にやって来たダークライは、人間を眠らせ吸収した生命力で自分の力が大幅に上がった事を知り

 

 

 

1ヶ月も経たない内に国中の人間全ての生命力を食らい付くしてしまった』

 

 

「生命力を食らい付くしたって……まさかその人達………」

 

 

『…………他の神々が力を合わし何とかダークライを封じ込めたが

 

 

その事が原因で平和の女神ウォルバグは神の地位を奪われた』

 

(えっ?何でその女神の人が神様を辞めなきゃいけないの!?)

 

 

(だよな、その酔っぱらいの神ですよね普通責任取るのは)

 

 

 

(…………言いましたよね、その方は当時の神々の長だと

 

長に責任を取らせるという事は神々の地位や沽券に関わる案件…………なので)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{たかが1体の生物に滅ぼされる用な軟弱な世界作りをしていたウォルバグのミスだ

 

 

皆はどう思う}

 

 

{同じく}

 

{長様の仰られる通りですな}

 

{ワタクシも同意見です}

 

{中々に強き力を持った人間達が居たというのに、戦いの方法を伝授しないとは何と勿体無い……私は前から注意していたというのに全く}

 

 

{待って下さい!! 何でウォルバグ先輩が悪いんですか……どう考えても悪いのは}

 

 

{口を慎め!!!}

 

{女神の地位を得たばかりのお前には分かるまい、我々は地上の者達から高貴なる存在であると敬い崇められなければならん存在だ}

 

 

{ならば尚更、真実を揉み消す真似はせん方が良いではないのか}

 

 

{な……何を言うかアルセウス!!}

 

{人間達に高貴なる存在だと思われたいのならば、汚れた存在を消せと言ったのだ}

 

 

{ぶ……無礼であるぞ!!!}

 

{ともかくウォルバグよ、汝には女神の地位から降りて貰う

 

なぁにお主は甘い性格を覗けば優秀な女神だ、精々反省し次に生かすが……むっ!?ウォルバグ何処に行く!?}

 

{まだ話は終わって居ないぞ!!!}

 

 

 

 

 

 

(そんな………酷すぎるよ)

 

(トカゲの尻尾切りするとか………天界も地上にある会社と同じなんっすね)

 

(返す言葉もありません

 

 

 

何とか先輩に立ち直って貰おうと、私やアルセウスさん………それと堕天会議には風邪で出席出来なかったですがアクア先輩も手伝ってくれまして、各々の世界に先輩を招いて心のケアをする事に)

 

 

(女神も風邪引くじゃねえかよ!!!)

 

 

(ですが...……)

 

 

 

 

『平和の女神ウォルバグは突如姿を消し………次に現れた時には邪神ウォルバグと名乗り魔王軍の幹部として暗躍していた』

 

 

 

 

(説得を試みましたが……残念ながら先輩は聞く耳を持ってくれなく、それで封印を施したのです

 

 

数年前に封印が解除した様ですが、今のところ先輩は何もしていないようで良かったです)

 

 

(すんません……その封印解除、どうやらウチの魔法使いが一枚噛んでるみたいでして)

 

 

(えっ!?そうなんですか!?)

 

 

 

(それでエリス様、その封印されていたダークライが何でこの世界に)

 

 

「それで、ダークライが何で此処に居るのよ確かにちゃんと封印したわよ!!しかもドギツイのを!!」

 

『その封印されていた場所にウルトラホールが開いたらしい』

 

 

「確かサトシ君とロトムが言ってた、ウルトラビーストって変わったポケモン達が移動出来る穴よね?」

 

『そうロト、でもウルトラビーストが移動可能ならポケモンのダークライも出来るはずロト』

 

 

『そう………運が悪い事に奴が封印されていた場所に出来たウルトラホールは、この国と繋がっていたんだ』

 

 

「はぁ!? じゃあマジであのダークライが此処に居るって事!?」

 

『そういう事だ』

 

 

 

「ま………待って下さい……………今も無防備………眠らされた人からダークライが生命力を吸収しているなら」

 

 

『紅魔族やルベールの人達やアルカンレティア、いいやコレから他にも被害者が増える筈だ

 

 

その人達………皆死ぬかもしれない』

 

 

「……う………嘘…………」

 

『サナサナ!?』

 

「ゆんゆん!? 大丈夫!?

 

ゆんゆん!?」

 

 

「……………………」

 

バタッ

 

『バケバケ、バケチャ!?』

「めぐみん!!めぐみん!!しっかりしろ!!!

 

 

おいダクネス!!氷嚢持って来い!!!

 

ユキメノコ!!お前も手伝え!!!」

 

「わ…分かった!!!」

 

『メンノメッノ!!!』

 

 

 

(…………エリス様、ダークライに生命力を吸収された人は……どれぐらい持つんですか)

 

 

(………およそ2週間です

 

 

 

パルキアさんが調べた所、封印されていた場所にウルトラホールが開かれたのは10日前、つまりあと4日の内にダークライを始末しなければ)

 

 

(…………アルセウスは?)

 

 

(今此方の世界に来れる様に他の神々を説得していますが)

 

(もしかして他の神様に止められてる)

 

(……アクア先輩の様に力を削ってなら構わないようですが、それではダークライに勝てない

 

だから…………苦渋の決断として

 

 

 

 

サトシさんに)

 

 

(……………)

 

 

 

(ダークライは人の生命力を吸収し得れる力を欲し人々を襲っています、最早奴はポケモンではなく力を得られる為ならば人の命を奪う事を何とも思わない怪物です!!!

 

現に説得しても……どうしようもありませんでした

 

だから…………力を貸して戴けないでしょうか?)

 

 

(……………………………今の話を聞いても、今一ピンと来ないんです

 

今まで俺が会って来たダークライも沢山の人やポケモンを眠らせて悪夢を見せて居たけど、自分の身を守る為だったり力を押さえきれなかったり街を守る為だったりって悪気があってやって来たんじゃない)

 

(えぇ………ダークライという種族は本来そうである事はメロエッタから聞きました)

 

 

(だからちゃんと話せば分かってくれたんです………だから、そのダークライに会ってそんな事を辞める様に説得してみます

 

 

 

それでも聞き入れず、この世界の人達やロケット団……めぐみんのパパやママにこめっこの命を奪おうとするなら……………やります)

 

 

(…………………ありがとうございます)

 

 




next story この恐ろしい邪神との出会いと再会に衝撃を


このすばの4期決まりましたね楽しみです♪


後もうZAの公式イラストで発表されたので前回ボカした内容を堂々と言いますね

この章ではメガダークライは出しません
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