この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

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今回出てくる人間の言葉を話す博士と呼ばれるポケモンは脳内CVを石塚運昇さんで再生して下さい

やはりポケモンで博士と言ったら、この声で自然に再生されてしまいますね


この素晴らしい ぽこあでクラフトを

 

カズマパーティーがベルゼルグ王国からエルロード王国の首都に向かってから3日が経過、国を救う為にアイリスが結婚させられるという由々しき事態の為

 

馬車内は重苦しい雰囲気に包まれ

 

「パクッ」

 

『バケッ!?バケチャァァァ!!!!』

 

「コラコラこめっこ、ソレはバルスリンのですよ!!」

 

「まだ足りない……」

グゥゥ~

 

 

「全く……ならお姉ちゃんのを分けて上げます」

 

「わぁい♪」

 

「ではバルスリンにはワタクシのを分けて上げますね」

 

『バケチャァ♪』

 

『ナマァナ!!ナマナマナンマァ!!!』

 

ムグッ

『バケッ!?』

 

「あっ………良いのナマケロ、あのクッキーはアナタのじゃ?」

 

『ナマンナマァ、ナマナマケェ』

 

『王女がそう易々と民に施しを与えちゃダメだぜ………バルスリンはベルゼルグ王国の民じゃないロトよ』

 

る事はなく、馬車に揺られながら黄金(金粉が練り込んでる)クッキーと黄金紅茶によるティータイムを楽しんでいた

 

ガタッ

 

「おっとクレア、馬車が揺れたせいで紅茶が裾に掛かってしまったから拭いてくれ」

 

「イラッ…………わ………分かりました」

 

『チュ! チュチュ!!』

 

すると綺麗好きの小さなイッカネズミがハンカチを取り出し、紅茶が付いたカズマの裾に飛び付く

 

「ストップだシチュー!!

 

悪いがコレはお前らファミリーの仕事じゃない」

 

『チュチュ!!チュゥチュゥ!!』

 

「おい止めろって言ってんだろ!!!」

 

「茶髪の兄ちゃん、その子はシチューじゃなくてデザートだよ

 

シチューはコッチ」

 

『チュゥ♪』

 

「…………デザート、掃除はやらなくて良い」

 

『チュゥ?チュウチュ』

 

名前を呼ばれ、分かったと頷きカズマから離れる

 

『カポォ、カンポカポ』

 

なら自分がやると、フェンサーがクレアのポケットからハンカチを受け取ろうとする

 

「おっとフェンサー俺はクレアに頼んだんだ、そのハンカチはクレアに返しなさい」

 

『カンポォ?』

 

「だ……大丈夫だ、さぁハンカチをくれ

 

 

拭かせて戴きます」

 

「うんむ苦しゅうないぞ」

 

「カズマ「はいカズマです」あまり調子に乗るんじゃない、コレで作戦が失敗したらクレア殿に首を切られるぞ」

 

「もし失敗したら俺の相手なんかするヒマねえだろコイツ」

 

「安心しろ、必ず貴様を道連れにしてやる」

 

ゴシゴシ!!!!

「………す……裾を破く勢いで拭かないでくれ」

 

 

 

「……………あのお兄様、何故この数日クレアはお兄様のお願い事を何でも聞いてるのでしょうか?」

 

 

「そりゃ当然だろ、俺はお前の護衛グループのリーダーなんだから敬意を持って接してくれてんだよ

 

 

なっ」

 

「……………その通りです」

 

ゴシゴシ!!!!!!!

 

 

「痛い痛い痛い!?マジで破れちまう!!!!」

 

 

 

「…………………………本当なのサトシ?」

 

 

((あっ!?))

 

 

「えっ……………そ………そうだよ、ケイイをもってセッシテルだけだよ……」

 

 

「本当?」

 

 

「ホントウだよ………」

 

「…………………そうですか」

 

 

 

「凄い棒読みだったわね………」

『ピィカァ………』

『フォクシィ……』

 

 

 

 

 

「おい貴様、サトシ殿にもう少し誤魔化し方を教えてやれ

 

アイリス様は全く納得されていないぞ」

 

「無理だアイツは変に誤魔化そうとしたら先のよりボロが出やすくなっちまう、つうかお前が素直に言う事聞いときゃアイリスに疑がわれる事無かったんだ

 

どうすんだよ、バレたらアイリスの事だから絶対止めるぞ」

 

「貴様がこんな状況で私をアゴで使うからだろうが………もし失敗してみろ、絶対に道連れにしてやるからな覚悟しておけ」

 

「失敗なんかするもんか、アイリスの人生が掛かってんだからよ……だからこそプレッシャーで押し潰されそうだからエルロードに付くまではリラックスしたいんだ

 

 

あぁ……ずっと座りぱなしはキツイぜ……つう訳で肩揉んでくれ」

 

 

「……………了解しましたカズマ様」

 

ボキボキボキィィィ!!!!

 

 

「ギャァァァァ!?」

 

 

 

 

『(相変わらずだなあの男は……………ムッ?)

 

レイン殿』

 

「何ですか?」

 

『1キロ先から数え切れない程の人の気配を感じる、どう見てもこの辺りに町があるとは思えないのだが』

 

「待って下さいね」

『カボォォ!!』

 

「ありがとうポッケちゃん、えっと……今居るのは」

 

ポッケから受け取った地図を広げリーンが現在地を調べようとすると、御者の親父が口を開く

 

 

「そりゃ沢山居るでしょうね、コロニーが側にあんだから」

 

「コロニー?」

 

「他国からの流れ者やカジノに熱中になり過ぎて一文無しになった奴らが集まる場所の事ですよ、最近じゃ国を追われた荒くれ者達の隠れ場所に使われてるらしくて王族も何とか立ち退きさせようとしてますが

 

如何せんウチの国は戦いには慣れてないんで、冒険者が居る奴らに手も足も出ないんで放置せざるえないぐらい荒れた場所になってまして……」

 

「ちょっと待って!?そんなハミ出し者が沢山居る場所を今から通るの!?

 

引き返して!!絶対エロ同人みたいな目に会わされるわ!!!

 

この先から嫌な気配をビンビン感じるの!!!」

 

「はぁ…はぁ…わ……私は構わ………オホン!!

 

確かにアクアの言う通り、その様な心踊る……危険な場所にアイリス様を連れて通ろうというのか」

 

「大丈夫ですよ、この馬車にはエルロードの紋章が刻まれてましてね

 

いくら連中でも王族の馬車を襲うなんてバカなマネはしませんよ

 

まぁもし襲われても世界一の御者の私の腕前で振り切って見せるのでお任せあれ」

 

キラン

 

御者の親父は金歯をコレでもかと輝かせ胸を叩く

 

 

(オッサンが歯を見せながら笑うんじゃねえよ………つうか止めろよ、おもっきしフラグ立ったじゃねえか!!)

 

 

 

「というかこの道が一番の近道なんで通らせてくださいな、なるべく早くアイリス王女を連れて来いってレヴィ様に釘刺されてまして」

 

「わ………分かった」

 

 

ダクネスが納得した瞬間

 

バァァァン!!!

 

『ヒヒィィン!?』

 

「どわぁぁ!?」

 

何処からか飛んで来た真っ赤な閃光により馬を繋ぐリードが焼け焦げ、足を無くした馬車はバランスを崩す

 

 

『?????』

『ティアラ!!

 

ムギュゥ!!!』

 

『!?』

 

『大丈夫だ………(あぁ~こんなに重くなっちゃって~本当お前は成長が早いなぁ~♪)』

 

「アイリス様大丈夫ですか!?」

 

「えぇ、ごめんなさいナマケロ……大丈夫?」

 

『ナ………ナンマァ』

 

アイリスに踏み潰されてしまうが、構わないぜと親指を上げる

 

「何だ今の赤い閃光は!?」

 

 

『ヒヒィィィィン!!!!!!』

 

リードが無くなった黄金の馬は酷く暴れまわる

 

 

「どうしたのでしょうか?」

 

 

 

「さっきの閃光で興奮でもしてるんじゃないですか、ちょっ!?ダメですよこめっこ!!

 

そんな地面に落ちて割れたクッキー何か食べてはお腹を壊します!!!」

 

「クッキーィィ!!!」

 

「おいオッサン!!

 

言った側から例のハミ出し者の奴らに攻撃されるとかフラグ回収早すぎんだろ!?」

 

「だから引き返そうってアタシ言ったのに!!!」

 

「いやいや!!

 

いくらレヴィ様をバカ王子だと蔑んでいても、王族の紋章付きの馬車が襲われる何て事……おっと!!!」

 

王子の事を悪く言った為か慌てて親父は自らの口を塞ぐ

 

「………この紋章、飾りにしかなってないんじゃないかしら」

『アウア……』

「水○黄門みたいに、威厳無い奴じゃないと効果ねぇしな」

 

 

 

「早くあの馬を大人しくさせろ」

 

「わ……私がやるんですか!?」

 

「世界一の御者なんだろ貴様は?

 

馬の面倒も御者の仕事ではないか」

 

「いやいや確かに私は運転の腕前はありますが、馬を大人しくさせるのは」

 

「つべこべ言わずさっさとヤレ!!!!」

 

「はぃぃぃ!!!

 

 

どうどう!!落ち着け!!」

 

何とか馬を落ち着かせようと宥める

 

 

『ヒヒィン~』

 

「ふぅ……何とか落ち着いたか、よーし今新しいリードを付けてやるからな」

 

カン!!

 

『ヒヒィィィィン!!!!』

 

親父が馬に新しいリードを体に装着し終え、馬車に付けようとした瞬間

 

何処からともなく飛んで来た真っ暗な矢が馬のお尻に刺さり

 

 

「うぉぉぉぉ!?」

 

「お……おい!?」

 

リードを握っていた親父は、興奮し走り去る馬に引っ張られた時にリードが手に巻き付いてしまい

 

馬と共に何処かに行ってしまう

 

 

「や……やっぱり誰かから攻撃されてるぞ!!!!」

 

「いやぁぁぁ~エロ同人の目は嫌ぁぁぁぁ!!!!」

 

 

王女のアイリスよりも先に馬車の中に避難しカズマとアクアが喚き散らす

 

「お二人とも落ち着いて……痛っ!?」

 

『カボ?

 

カンボ、カンボカボ?』

 

首筋を触るレインに、ポッケは大丈夫かと問う

 

 

「大丈夫よ、虫に刺されたのかしら?」

 

 

 

 

『……………おかしい、生き物の気配を感じない!!』

 

 

『リオリオ!!ルッカリィ!!』

 

「波動にも生物の反応がないだと!?」

 

 

 

[もしかして……]

 

『なに?』

 

 

 

「矢を放った者、隠れてないで出て来い!!!」

 

クレアが剣を構えるも誰1人として出ては来ない

 

 

 

「どういう訳かは分かんないがオーティスに感知されずに攻撃してんだ、出て来いって言った程度で来る訳ないだろ」

 

「コソコソ隠れてる分際で偉そぶるな!!!

 

アイリス様の護衛グループのリーダーなら前に出ろ!!!!!」

 

「俺は指示役だから良いんだ!!!」

 

[カズマ君]

 

「はいカズマ君です………って…………何だよ」

 

隣のアクアやイブに聞かれぬよう、馬車の中に入って来たバルスリンの中に居るウォルバグに向かい小声で話し掛ける

 

 

[襲撃者は魔王軍のデュークって堕天使と部下のインプ達よ]

 

 

「はぁ!?

 

魔王軍の堕天使………マジか?」

 

[先の真っ赤な閃光や黒い弓矢に見覚えがあるわ間違いない、攻撃する時だけテレポートでこの辺りに出現し直ぐにテレポートで避難しているからオーティス君やルカリオちゃんが探知出来ないんだわ

 

狙いは王女様の命って所かしら、デュークは幹部になりたがっていたから王女様を消せば幹部の座に付けると考えて]

 

 

「うぉぉぉい!!!!魔王軍のクソ堕天使ぃぃ姿を表せ!!!

 

アイリスには指1本触れさせはしねぇぞ!!!!」

 

[フフ、頑張ってね王女様の護衛グループのリーダーさん]

 

『…………何でカズマさんを焚き付ける様なマネしたのよ』

 

[リーダーなら隠れてないで全線に立たないとダメでしょ]

 

『なに言ってるのよ、カズマさんに何かあったら作戦が』

 

[大丈夫よ、デューク程度ならカズマ君達の敵じゃないわ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良くやったぞお前達」

 

『ヘヘヘ、コントロールならお任せください』

 

「さて……馬だけでなく御者も何処かにヤレたのはラッキーだが、念の為に馬車も破壊しておくか

 

 

お前達は他の連中の足止めをしておけ」

 

『かしこまりましたデューク様』

 

(あぁ……やはり魔王軍に入って良かった

 

あのまま天界に居れば一生あの老害共の使いパシりだったが、こうやって部下に指示を出せる立場になれたのだからな

 

さてインプ達は上手くやれたんだ、ここは俺もキチンと仕事をこなし出来る上司としての顔も見せておかねば)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カ……カズマ、何なの魔王軍の堕天使って?」

 

「襲撃者は魔王軍のデュークって堕天使なんだよ!!!」

 

 

「何だと!?」

 

「何故分かったんですか?」

 

 

「細かい事は後だ!!

 

おいオーティス!!ルカリオ!!

 

そいつは攻撃する瞬間にテレポートで部下と一緒にこの近くに移動して来るんだ、そいつを見つけるまで探察して居てくれ」

 

『分かった』

 

『リオッ!!』

 

 

 

「あぁ堕天使だったのね、通りで嫌な感じがしたと思ったわ

 

 

にしてもデューク………何か聞き覚えある名前ね?」

 

 

[………貴女が昔かなりこき使ってた天使なのに、忘れちゃったのかしら]

 

 

 

 

 

「おい! 本当に襲撃者は魔王軍なのか?」

 

「こんな状況で冗談言うわけねえだろ!!

 

ソレより迎撃に備えろよ、そいつの狙いはアイリスなんだぞ!!!」

 

「なっ………レイン、アイリス様を頼むぞ」

 

「は……はい!」

 

フラ

 

「レイン? 大丈夫?」

『???』

『カンボ? カンボカボ!?』

 

「だ……大丈夫です、ポッケちゃんも大丈夫よ

 

アナタもフェンサーちゃんと一緒に……戦って」

 

『カンボ………カボボカン!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テレポート」

 

パシュン

 

 

 

 

 

『探知した!!私の正面500メートル先だ!!』

 

 

「ブラッディ・レーザー!!!!」

 

 

 

オーティスの言う通り、彼の正面から先程の真っ赤な閃光が迫る

 

 

『ラスターパージ!!!!』

 

ドガァァァァァン!!!!!!

 

 

 

「……………はぁ!?」

 

『何だあの人間!?』

 

『何故デューク様の攻撃を防げた………まさかテレポート先が分かったのか!?』

 

「(チッ!!

 

よりによって俺の攻撃だけ防ぎやがって……コレじゃ俺の上司としての立場がないじゃないか!!!!

 

 

いや待て待てクールになれデューク、部下と同じく狼狽えるなんて優秀な上司とは違う……)

 

 

狼狽える事はない、数ではコチラが有利だ

 

お前達はあの人間や他の奴らを狙え、その隙に俺が馬車を破壊する」

 

 

『わ……分かりました』

 

『ナマァァ!!』

 

『グハァァ!?』

 

『なっ!?グハァァ!?』

 

『ナンマァァ!!!』

 

『何だこのチビ!?』

 

『良くもやりやがったな、この野郎!!』

 

『ナマァァ!!!』

 

『ギャァァァ!!!』

 

『ひでぶぅぅ!!!!』

 

アイリスを狙う相手に対しては容赦の無いナマケロの手によって次々とインプ達がヤられていく

 

 

「な……何だこのモンスターは」

 

『ナマァァケェ!!!』

 

『グハァァ!!!』

 

『ガァァァ!!!!』

 

 

 

 

「良いぞ相棒

 

 

ほうほう……黒い翼とは、確かにコレは見事な迄の堕天使だなデュークさんよ」

 

困惑するデュークの元に、アイリスとティアラに護衛に付くレイン以外が近付く

 

 

 

「お前は王女と一緒に居た男…………ん?

 

何故俺の名を知ってる!?」

 

「細かい事は置いとけ」

 

「いや気になりますよ、先までアクアと一緒に馬車の中で喚き散らしていたのに急に襲撃者が誰なのかや攻撃してくる方法まで分かるだなんて」

 

「……………急に頭の中に浮かんだんだ、恐らく可愛いアイリスのピンチに俺の中の不思議な力が目覚めちまったんだよ」

 

「…………本気で通ると思ってます、そんな言い訳」

 

「えぇぇ!?カズマってそんな凄い力に目覚めたの!?」

 

『凄いロト!!!

 

カズマに不思議な力が宿った、データ更新ロト』

 

「通る子達が居ましたね!!!!!」

 

「えぇい!!それより今はコイツの相手が先だ!!!」

 

「良くもアイリス様に襲撃を仕掛けたな、覚悟は出来ているだろうな貴様」

 

「おうおうやっちまえクレア、美味しい所はお前に譲ってやるよ」

 

 

「待って!

 

こんな地の底で腐りきった堕天使ならアタシが滅してあげるわ」

 

ボキ ボキ

 

先までカズマと共に喚いていたが、相手が駆除対象である堕天使と分かり一転して殺る気満々となりアクアは指を鳴らす

 

「ほぉ……見た所アークプリーストのようだな、それも中々に優秀な」

 

「あら褒めてくれて嬉しいわ、腐りきった堕天使のクセに結構見る目があるわね」

 

「何処がだよ!!!こんな駄女神を優秀とか抜かす目なんて節穴過ぎんだろうが!!!」

 

『オシャァァァァ!!!!』

『ピィィ!!』

 

「ギャァァァァ!?」

 

「良くやったわアナタ達、次に失礼な事言ったら本気で罰を与えるわよ!!!」

 

「……………取り敢えずアクアが優秀かはさておいて」

 

「ねぇママ……アタシは本当に優秀なアークプリーストなのよ、だって水の女神なんだもの!!!」

 

「…………………そうね」

 

「目を反らさないでぇぇ!!!!」

 

「水の女神…………いくら優秀なアークプリーストと言っても、あのぐうたら女神モドキを名乗るのは止めておけ天罰を下されるぞ

 

あの女は仕事は遅いクセに、自分を悪く言ったり貶す奴に天罰を下すのは直ぐに行う危険女神だ」

 

「だろうな」

 

「誰が危険女神ですって!!!

 

アタシがその水の女神アクアよ!!!

 

というか……何よ女神モドキって……うぅ………うわぁぁぁぁぁん!!!!!!!アタシはモノホンの女神なのにぃぃ!!!!!」

 

「アクア、今は真面目な話をしているんだ静かにしてくれ!!」

 

「女神モドキを否定するのが不真面目だって言うの!?

 

うわぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

「べべ……別にそんなつもりは」

 

 

「しかしアクアを評価するとは随分と余裕ですね、アナタの部下のインプ達は」

 

 

『ナマァァァァ!!!!!』

 

『『『『『『『『『『……………』』』』』』』』』』

 

 

「全員ナマケロに打ちのめされ、アナタ自身は我や他の者達に取り囲まれているというのに」

 

「ふっ……確かに形勢は圧倒的に俺が不利だが

 

 

 

 

 

 

 

作戦は上手く行った」

 

 

「なに?」

 

『カンポッ?』

 

 

 

 

バタン

 

 

 

「レイン!?」

『!? !? !?』

「何々?」

 

 

馬車の側にてアイリスとティアラ、そしてこめっこを守っていたレインが突如倒れる

 

 

『カンボ!?

 

カンボ!!!!』

 

「どうしたレイン!?」

 

 

 

 

「…………ふっ、ブラッディ・レーザー!!!」

 

ドガァァァァァン!!!!

 

 

 

「あぁぁぁ!?馬車が!?」

 

「ちょっ……あの中にアタシ達の荷物があるのに!!!」

『オシャァ!?』

『ピィィ!?』

 

 

レーザーにより馬車は爆破してしまう

 

 

「貴様よくも私達の荷物を……いやその前に、レイン殿に何をした!?」

 

「わざわざ言う訳あるまい

 

 

 

 

と言いたいが、お前達に絶望感を与えるのも悪くないな

 

 

あのアークウィザードの女には、俺が呪いを掛けた小さな矢を撃ち込んでやった」

 

 

「なに?」

 

 

『…………カボッ!?』

 

先ほどレインが虫に刺されたと痛そうに首筋を押さえ、クレアからアイリスを任された時にフラついていたのはソレでかとポッケが気付く

 

 

ボキ ボキ

 

 

「良くも堕天使の分際でアタシ達の荷物を爆破してくれたわね………滅してあげるわ!!!」

 

 

「テレポート」

 

「ちょっ!?逃げるなぁぁ!!!卑怯者!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<エルロードの王宮、ラグクラフトの部屋>

 

 

「あのバカ王子がぁぁ………テレポートを使う魔法使いの捜索は私に任せると言っておきながら、勝手に自分で雇いやがって

 

なぁにが………カジノで優秀な魔法使い達を見付けられた、コレは幸運の女神エリスが俺に早くアイリスと結婚するように言ってるに違いない

 

カジノは負けたが幸運の女神にすら祝福されるとは、やはり俺はビッグな男だぜ

 

 

はぁぁぁ!?

 

お前が雇ったのは冒険者じゃなく、ギャンブル好きが行き過ぎて金欲しさに強盗に走った只のクソ野郎共だよ!!!

 

そんな奴らに850億も払って持ち逃げされやがって、手配書見ろよ王子なら国の犯罪者の顔や名前を見て覚えろよ!!

 

 

 

つうかナニ堂々とカジノに行ってる事カミングアウトしてんだ、金を使い過ぎているから暫くカジノは禁止だって私が言ったのを早速破りやがってよ

 

コレで合計1000億エリスも無駄遣いしやがってバカやろうが!!!」

 

ガタッ

 

 

「ビクッ!!

 

 

おや、どなたでしょうか?」

 

 

「安心しろ俺だ」

 

 

「……………急に室内に現れるな、驚くではないか」

 

「無茶言うな、テレポート先の状況なんか知れる訳ないだろ」

 

「まぁ良い………ソレで帰って来たという事は、作戦は上手く行ったのだな」

 

 

「あぁ勿論だ、部下のインプ達は全滅させられたが

 

馬と、ついでに御者を奴らから引き離し、馬車は破壊し、レインってアークウィザードにも呪いを掛けた」

 

「ご苦労、しかしインプ達を全滅させたという事は、お前の攻撃を見抜き反撃して来たという事………やはりアイリス王女は只者ではないな」

 

 

「いや攻撃を見抜いたのは確かだが、インプ達を全滅させたのは王女じゃなく王女の護衛をしてる冒険者が飼ってるペットだ」

 

「護衛自身じゃなくペットが倒したのか!?」

 

「あぁ……恐ろしいぐらい強かった……例のシンオウ達が使役してる奴らにウィズの連れてる使い魔といい、最近モンスターに対する運がないみたいだな俺は」

 

 

「…………だが、どれだけ強いペットを連れていようとも馬車が無くなりテレポートを使える魔法使いが堕天使の呪いに掛かった以上

 

コレでアイリス王女は約束の日にち迄に此処には来れまい」

 

「当然だ、王女の護衛に中々に優秀そうなアークプリーストが居たが

 

いくら優秀とはいえ人間が堕天使である俺の掛けた呪いを解く事は不可能だ、今頃奴らは歩いて元来た道を引き返している事だろう」

 

 

等と、ほくそ笑むデュークであったが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイクリッド! ブレイクスペル!!」

 

「……………ふぅ……スッキリしました」

 

堕天使よりも格上の女神によってアッサリと呪いは解除されていた事を彼は知らない

 

「ほら見なさいダクネス、アタシはこんなに優秀なのに女神モドキ扱いされたのよ!!

 

謝って!!女神モドキ扱いされた事を否定するのを不真面目だと言ったの謝って!!!!」

 

「別に不真面目と迄は言って……あぁイブ!!髪を引っ張らないでくれ!!!悪かった!!私が悪かった!!!!」

 

 

 

『カンボ、カンボカン?』

 

「心配かけてごめんね、今度は本当に大丈夫よ♪」

 

「やはりアクア殿の回復魔法は凄いですね、堕天使の呪い迄も解いてしまうとは

 

 

それに引き換え」

 

「どうせ、同じ喚き散らすでも呪いを解いたアクア殿と違って貴様は口だけだったなとか言いてぇんだろ」

 

「おぉ……本当に不思議な力に目覚めたんだな、見事に的中しているぞ」

 

「嘘だろ……そんな事はない、カズマ殿も良くやったありがとう

 

って俺の考えを否定して認める流れだろ此処は!!!」

 

「成果を上げたのはナマケロとアクア殿だけで、貴様は良く分からん理由で堕天使の存在を探知し知らせただけだろうが!!!」

 

「知らせたのは充分な手柄だろうが、何もやってねぇお前よりはマシだ!!!」

 

 

 

 

「いがみ合ってる所悪いのですが、我々はコレからどうするんですか?

 

馬車も御者も馬も居なくなったうえに………荷物が無くなってしまいましたよ」

 

「「………………あっ」」

 

メラメラと燃え原型が失くなった馬車に目をやる

 

「仕方ありません、国境まで戻り別の馬車を出して貰いましょう

 

約束の日にちを少しだけズレてしまいますが、少しだけならレヴィ様も許してくれるはずです

 

レイン、回復して早々悪いけどワタクシ達を国境まで戻してくれる?」

 

「えっ……は……はい」

 

「どうしたの?

 

もしかして、まだ呪いが!?」

 

「いえいえもう大丈夫です!!

 

ただ……荷物が無くなったのが………ちょっと」

 

「そんなに大事な物を持ってきたの?」

 

「えぇ……」

 

『カンボォォ………』

 

 

 

「ねぇねぇ、ずっと馬車に乗ってるの退屈だからティアラとティアラの兄ちゃんに乗せて貰うのダメ?」

 

『♪♪♪』

 

『待て』

 

『???』

 

良いよと笑いながらラティアスの姿になろうとする妹を兄が止める

 

「この国の人達はドラゴンを恐れているの、だからティアラとオーティスに危害を与えるかもしれないから2人にはこの姿のままで居て貰いたいのよ」

 

「ふーん………じゃあまた馬車だね、我が同士達よ再び馬車に乗り込むぞ」

 

『『『『チュゥゥ!!』』』』

 

 

 

「あれ………ねぇアナタ達、その持ってる物って」

 

 

イッカネズミファミリーが持っている沢山のリュックや鞄に袋に、皆の目線が集まる

 

 

「俺達の荷物!?」

 

『ピィカァピィ!?』

 

「何故イッカネズミファミリーが我々の荷物を!?」

 

 

「さっき馬車が倒れた時に土で汚れたから、姉ちゃん達が何かやってる間にアタシと皆で洗ってたの」

 

『『『『チュゥゥ♪』』』』

 

 

「良くやりましたこめっこ!!!」

『バケチャァァバ!!』

 

「流石は我がパーティーで一番の働き者のファミリーだ!!!」

 

 

「良かったですねクレアさん、レインさん」

 

「えぇ………本当に良かった」

 

「あぁ……生きた心地がしなかった」

 

『カンポォカンポォ♪』

 

 

 

(……………一体何を持って来たのかしら?)

 

 

「よしレイン、テレポートを頼む」

 

「はい、皆さん手を繋ぎあってください」

 

 

「あれ?

 

こめっこ、私の荷物はどうした?」

 

「金髪の姉ちゃんのは大して汚れてなかったら、その辺に置いといたよ」

 

「そうか……何処だ……うーん

 

すまないルカリオ、探すのを手伝ってくれないか?」

 

『リオリオ………』

 

「どうした?」

 

荷物を探して欲しいと頼むが、肝心のルカリオは何故か冷や汗を流していた

 

「お前達……何者だ?」

 

 

「ん…………ガタガタガタガタ」

 

突如何者かに声を掛けられダクネスが振り返ると

 

「雪ダルマを狩りに来た冒険者か?」

 

「いや、冒険者にしては着ている服が綺麗過ぎる奴らも居る」

 

 

「じゃあ何なんだ?」

 

ざっと50人程の武器を持った男達に取り囲まれていた

 

「なに……この人達?」

 

「もしかして、あの御者のオジサンが言ってたコロニーに住んでる人達じゃ」

 

「おぉぉいオーティス!!ルカリオ!!

 

お前ら何でコイツらの接近に気付かなかった!!!」

 

『ス…スマン、さっきの堕天使の捜索に気を取られ気付かなかった』

『リィオリィ……』

 

 

「いやぁぁぁぁ!?アタシとイブだけは助けてお願い!!!!!」

 

『アゥアゥ!!!!!』

 

「ちょっとアクア私を前にしないで!!

 

やっぱり女神じゃないわよアナタ!!!!」

 

「女神だもん!!!!!女神だからこそ一般人の相手をする訳にはいかないの!!!!」

 

 

「よ……よし相棒、それにサトシ

 

コイツらの相手も頼んだ」

 

「えぇ……この人達なにも悪い事してないよ」

 

「どう見たって攻撃して来る気満々じゃねえかよ」

 

 

 

 

 

「あぁぁ!?」

 

「どうしましたダクネス?」

 

 

「私の荷物!?」

 

 

取り囲む者達の1人が、ダクネスが持って来た大きな手提げ袋を持っていた

 

 

 

「すまないソレは私の荷物だ、返してくれないだろうか?」

 

「…………かなり重たいが、まさか此処を破壊する為の武器じゃないだろうな?」

 

「はぁ?

 

我々は此処を破壊しに来たのではない、安心してくれ」

 

「じゃあ中身は何だ?」

 

「えぇ………いや………その」

 

「ララティーナ?」

 

後ろのアイリスをチラ見しながら、ダクネスの表情がどんどんとバツの悪い物に変わっていく

 

 

「怪しい………もしかしてコイツら、俺らを立ち退きさせる為に王宮が雇った奴らじゃないか」

 

 

「違う違う、そんなの俺ら頼まれてねえって」

 

「じゃあ何なんだ?」

 

 

「あっ!? アイリス様!?」

 

レインやクレアの前に立ち、周りを取り囲む者達に自らの姿を見せる

 

「ワタクシはベルゼルグ王国の第一王女ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスです、此方の方々はワタクシの護衛達」

 

「アイリス王女!?」

 

「ベルゼルグの王女様だと!?」

 

 

「ワタクシ達は首都エルロードに向かっているだけです、決してアナタ方を立ち退きさせる為に来たのではありません」

 

 

 

 

「おいアンタ、確かベルゼルグの王都出身だよな

 

本当に王女様なのか?」

 

「…………あぁ...…間違いない、最後に見た時は小さかったが間違いなくアイリス王女様だ」

 

「アナタ………えっ!?

 

もしかしてセングリオン様!?」

 

「なにっ!?」

 

男達の中で最年長らしき男性の顔を見て、レインとクレアが目を見開く

 

 

「レイン殿やクレア殿の知り合いなのだろうか?」

 

「えぇ、10年前まで王都の騎士団を率いていた御方なんです」

 

「あぁ!!

 

父から聞いた覚えがある、中々に腕の立つ騎士だったと」

 

「レイン………クレア………おぉ!!

 

あんたコールスロー卿の娘さんか!?

 

それにシンフォニア卿の所のクレアちゃん……いやぁ~2人とも立派になったものだ」

 

「貴様……まだ生きていたのか、てっきり野垂れ死んでるかと思ったぞ」

 

「ちょちょ!?クレア様!?」

 

 

「お前……久しぶりに会った人に大して辛辣過ぎだろ、騎士団の団長ならお前の先輩じゃねえのか?」

 

「女癖が悪過ぎて騎士団を追い出されただけでなく父親に勘当され、稽古と言いながら未成年の私の胸や尻を何度もどさくさ紛れに触って来た奴との再会だ

 

先も胸を凝視された………くたばれと言わないだけ感謝して貰いたいぐらいだ」

 

「…………………(もし俺と久しぶりに再会したら、くたばれって真顔で言われそう)」

 

(くぅぅ……私も幼い頃に王都に住んでいれば………つぅぅ♪)

 

(コイツ絶対、当時の王都に住んでたらこのオッサンに触られまくろうとすんだろうな)

 

 

「うんうん……その汚物を見るような目付き、間違いなくレインちゃんだ

 

皆大丈夫だ、この御方はアイリス王女様で間違いない」

 

「そんな理由で証明したくなかったが………まぁ良い、分かったらさっさとダスティネス卿の荷物を返せ」

 

「は………はい!」

 

男性から荷物を返される

 

 

 

「ふぅ………良かった」

 

「良かったわねララティーナ

 

 

所でその荷物は何が入っているの?」

 

 

「……………………し………式に着るドレスです」

 

 

「………………………サトシ、アナタは知ってる?」

 

 

「えっ!?えっと!?えっとね!?」

 

「本当にドレスですから気にする事なかれですよ!!!」

 

 

 

「アイリス様お久しぶりでございます、ご立派になられましたね」

 

「えっ………は…はい、ありがとうございます

 

申し訳ありません、ワタクシはアナタ様の事を良く覚えていなくて」

 

「仕方ありませんよ、あの時はまだ2歳でしたので

 

いやはやしかし本当にお美しくなられて、最後に見たのは良くオネショされていた時期だったので本当にご立派なレディになられまして」

 

「なぁぁぁ!?」

 

「貴様!!!アイリス様の黒歴史を……よりによってこの噂魔の前で!!!」

 

「安心しな、俺はアイリスの事は絶対噂にはしねぇ

 

俺らの中だけに閉まっておこうぜ、なぁ相棒」

 

『ナマナンマァ』

 

『アイリスもユリーカと同じオネショをしていた

 

データ更新ロト』

 

「いけません!!それは消して!!!」

 

 

 

 

 

 

「ラッキーですね、あのオジサンやロトムのおかげでアイリスが荷物への興味がなくなりましたよ」

 

「あぁ……頼むからサトシ、ボロを出さないでくれ」

 

「が………頑張ってみる」

 

 

 

「所でアンタ達、首都に行くと言ってたが………まさか歩いて来たのか!?」

 

 

「あぁいえ、実は」

 

 

カクカク シキジカ

 

カクカク メブキジガ

 

 

「さっきの爆発音は魔王軍だったか………すまない、てっきり俺らを立ち退きさせる為に来た連中かと思って」

 

「いえいえ驚かせてしまってスミマセン」

 

 

「馬車が壊れたんなら、アンタらどうやって首都に行くんだ?

 

歩いて行くには遠いぞ」

 

 

「あそこのアークウィザードのテレポートでベルゼルグ王国の国境に戻って、再び馬車に乗って向かうだけですよ」

 

「レイン殿すまないが早く戻ろう、少しでもレヴィ王子との約束の日にち迄に首都に行かねばヘソを曲げられてしまうやもしれない」

 

 

「そうですね、では皆さん手を」

 

 

「待ったコールスロー卿」

 

 

「何ですか?」

 

 

「国境に戻るより、此処から新しい馬車に乗って向かった方が早く付くぞ」

 

 

「そうですが………キョロキョロ

 

馬車があるのですか?」

 

 

「無い

 

 

だがら作って貰うんだよ」

 

 

「作って貰う?」

 

「腕利きの職人でも居るのか?」

 

 

「あぁ、先ずはハカセに必要な材料を聞きに行くか」

 

 

「「……………ハカセ?」」

 

 

「アイリス様、どうぞワタシ達のコロニーに」

 

「は………はい」

 

 

セングリオンや男達に連れられ、山岳エリアへと向かう

 

 

すると

 

 

 

 

「何じゃコレ!?」

『ナマァ!?』

 

 

山岳と言えばゴツゴツとした足場、今にも崩れそうな崖などとても人が住むには不適切な場所である

 

 

だが今セング達に案内された彼らの住みかのコロニーは

 

 

 

 

「家がある!?」

 

 

ウッドハウスやレンガで作られた家が数えきれない程あり

 

 

「街灯に噴水や公園もありますよ!?」

 

山の綺麗な水を噴射する噴水、小さな子供達が遊ぶ沢山の遊具がある公園

 

そしてランプやランタンの形にシャンデリアの形状をした物と、バリエーション豊かな街灯がアチコチに設置され

 

 

「カフェや宴会会場まであるわ………」

 

 

お洒落なカフェに大人数で楽しめる宴会会場と、人が住むには相応しすぎる場所であった

 

 

「あ……足場がキチンと平らになっていますし、崖も全て削られてます」

『カボカボォ……』

 

 

「あそこには大浴場もあるので、もし宜しければアイリス様も入って行ってくださいませ

 

あぁ非常に残念ですが男女別々ですがね」

 

 

「おいセングリオン……殿、コレはどうなってる!?

 

ここはハミ出し者が集まる無法地帯の筈だろ、なのに何だこの住み心地の良さそうな場所……いや最早コレは町ではないか!!」

 

「ワタシ達が作ったんだよ」

 

 

「作ったぁ!?」

 

『こんな立派な場所をロト!?』

 

「セ……セングリオン様って日曜大工が趣味でしたっけ?」

 

「前は苦手だったよ……半年前まではボロいテントを立てて、焚き火で夜を明かし

 

少ない食い物や飲み水を、周りの者達と奪い会いながら暮らすしかない無法地帯だった………だがハカセ達と出会ったおかげでワタシ達の生活は変わったんだ」

 

「あぁ、ハカセ達には足向けて寝れねえよ」

 

「毎日シェフの美味い飯を食えるしな」

 

「前までは働くなんて真っ平ゴメンでギャンブルで一攫千金を狙って失敗し、馬小屋以下のやさぐれた生活で一生を終えると覚悟していたが

 

ハカセの言う材料を集めて教えてくれた組み立て方を行い、ぽこあと一緒に少しずつ土地の開拓を行って来て……今じゃこんな立派な町を作れた

 

今じゃ国を追われた荒くれ者達も含めて此処に居た奴らは皆、働く活力に溢れてんだ」

 

「む……無法地帯のコロニーをこんな立派な町にするわ、荒くれ者達を纏めあげるとは」

 

「凄いですね、そのハカセって人達」

 

 

「全くだ、3人ともモンスターだってのに人間の俺達よりしっかりしてんだからな」

 

 

「モンスターなのか!?」

 

「なるほど、モンスターと一緒に暮らしてるから

 

通りでさっきからコイツら俺らには警戒してたのに、ナマケロ達には全くビビってねえ訳か」

 

 

「あぁ居た居た

 

ハカセ!!」

 

 

「えっ………アレって……」

 

『ピッカ………』

 

 

町の中を進んで行くと、木や石で作られた様々な形状をした椅子に座る子供達と

 

鉄で作られたボードに貼られた紙に絵や文字が書かれ、ソレを手に持つ木の枝で差す

 

頭の辺りが真っ白、体が薄い青色の蔓で覆われたモンスターの姿が

 

 

 

『おぉセングリオンか、どうじゃった?

 

やはり立ち退きせんとイカンのか?』

 

「大丈夫だ、立ち退きさせる為に来た連中でなくワタシの昔の知り合い達だった」

 

 

『そうかそうか、ソイツは良かったのじゃ』

 

「ハカセ、お話の続きまだ?」

 

『あぁスマンスマン』

 

 

『モジャンボロト!?』

 

「しかも何か見た目が違う!?」

『ピィカァピィ!!』

 

 

『おんやぁ、ロトム図鑑にピカチュウ……おぉ!!他にも沢山ポケモンがオルではない!!』

 

 

 

「半年前に出会ったモンスターと聞いてもしやとは思いましたが、やはりポケモンでしたか」

 

「えぇそうよ、HEYロトム」

 

 

『お任せロト

 

 

モジャンボ ツルじょうポケモン くさタイプ

 

切っても切っても直ぐに生え変わる蔓の体を持つ、暖かい季節になれば目が隠れてしまうぐらい蔓が延びてしまう』

 

『ホホホ、図鑑で調べられるなど何十年ぶりじゃわい』

 

 

 

「何だ……この子達、ハカセの知り合いなのか?」

 

 

『いや知り合いではないが、ワシが居た場所に住んでいた人間じゃよ』

 

 

『見たところ、かなりの高齢のポケモンの様だが……どうして人間の言葉を話せる?』

 

『長生きの杵柄と言った所じゃよ、おかげで此処に居る人間達と直ぐにコミュニケーションが取れて助かったわい

 

 

そんでセングリオンよ、ワシに何か用か?』

 

「この人達に馬車を使ってやってくれないか」

 

『うむうむ人を乗せる荷車を作れば良いんじゃな、分かった

 

皆スマンが少し休憩じゃ、話の続きは後にしよう』

 

「ちぇ……」

 

「続き聞きたかったのに」

 

『そうシカメッ面をせんでくれ、おーいシェフよ一足先にオヤツにしてやってくれんか』

 

『ヨクバッ!! バリバリ!!』

 

近くの家から寸胴鍋を頭に被った巨大なリスが現れ、その手には木の実が乗ったロールケーキを乗せた皿が子供の人数分ある

 

 

「ヨクバリス!?」

 

 

『ヨクバリス よくばりポケモン ノーマルタイプ

 

体内には沢山の食べ物を収集し持ち運ぶ食いしん坊のポケモン、どんなに固い物も噛み砕ける強靭な歯を持つ

 

 

格好からしてコックさんみたいロトね』

 

『あ奴はレストランで働いていた様でのう、どんな材料でも美味い飯を生み出してくれる凄腕なのじゃよ』

 

「ケーキだ♪」

 

「ありがとうシェフ♪」

 

『バァリィバ♪

 

ヨクバッ、バリィバァリィ!!』

 

「分かってるよ、お残しはダメだから全部食べるよ」

 

「頂きま………ん?」

 

「美味しそう………」

ジュルリ

 

『バケチャァ……』

ジュルリ

 

[こめっこちゃん、バルスリンちゃんもダメよ

 

コレはこの子達の何だから]

 

 

『ロールケーキィィ………』

 

 

[……………聞いてないわね]

 

 

 

「お前らコレ欲しいのか?」

 

 

「『コクリ……』」

 

 

「じゃあ1口だけならやるよ」

 

 

「…………バクッ!!!」

 

『ガブゥ!!!』

 

 

「あぁぁ!?」

 

2人で合計6割はロールケーキを噛る

 

 

「ちょっ!?

 

2人とも何してるんですか、1口の範囲を越えすぎですよ!?」

 

「…………ゴクン

 

弱肉強食の世界にて騙し討ちが重要な事を教えてあげたまで」

 

『バケチャバケェ♪』

 

 

 

 

 

 

 

「何かどっかで聞き覚えのある事言ってるわね………ねぇめぐみん」

 

「ぐっ………」

 

「俺のケーキ………」

 

『コレコレ泣くでない、シェフよもう1個作ってやってくれ』

 

『バリィバ』

 

『何じゃもう1個あるのか……………待てよ?

 

ワシの分かソレ!?』

 

『ヨクバ!』

 

「ありがとうシェフ♪」

 

 

 

『……………………ワシのロールケーキ』

 

「………妹と我がポケモンが申し訳ありません」

 

『な……なぁに子供のやった事じゃ………それよりも馬車を作らねばのう、おーいぽこあよクラフトを頼むぞい』

 

「ぽこあ?」

 

「さっき一緒に土地の開発をしてるって言ってたし、その子もポケモンなのかしら?」

 

『そうじゃ、中々に珍しい』

 

 

「我が同士達よ施しを受け取るが………あれ?」

 

結局残った4割のロールケーキを受け取ったこめっこが、イッカネズミファミリーに残りを上げようとした時

 

 

「姉ちゃん!!」

 

「ま……まさかお代わりですか」

 

「オサシミが子供拵えた!!!!」

 

 

「……………はい?」

 

彼女の側に、5匹のイッカネズミファミリーの姿が

 

「イッカネズミファミリーって、4人家族じゃありませんでした?」

 

「あぁ……ステーキとオサシミとデザートにシチューの4人の筈だけど

 

まさか馬車ん中で……SSPさんクレアさん……尻尾と剣閉まって下さいよ、小さな子供が居るんだよ此処」

 

『ピィカァピカ!!!』

「なら小さな子供の前やアイリス様の前でそんな話はするな!!!!」

 

 

 

 

 

 

『チュゥ!?』

 

『チュチュ!? チュウチュウ!!!!』

 

 

 

「あれ?何でステーキ怒ってんだ?」

 

 

『チュウチュチュ!? チュウチュウ!!!!』

 

『チュゥ!?チュチュウ!!!』

 

旦那のステーキが妻のオサシミに何やら凄い剣幕で怒鳴り始め、それを受けた妻が必死に言い返していた

 

 

『なぜ怒ってるかは良く分からないロトが、ステーキは3人目の子供の事を知らないみたいロト』

 

 

『えっ!?』

 

『そっかオサシミ………アナタやっちゃったのね』

 

『旦那に可愛い娘が2人も居るのに…………というか隠し子を良く連れて来れたわね』

 

『待って下さい誤解です!!』

 

 

『ママ!!!!』

 

『はい!?』

 

『相手は誰だ!?』

 

『ままま……待てパパ、落ち着いて話を聞いて!!!

 

ワタシは覚えがないの!!』

 

 

『さぁデザート、シチュー

 

今パパとママは大事なお話をしないといけないからこめっこの所に行きなさい』

 

『『はぁ~い』』

 

『ほらアンタも、誰の子供かは分からないけど此方に来なさ……あら?

 

アンタ、何か顔が変ね』

 

『イブさん流石に失礼よ……モグモグ』

 

『だって本当に変じゃない、デザートとシチューと違って目が細いし鼻は無いわ口は長いし

 

 

あれ?さっきの子……何処行った?』

 

 

 

 

「止めた方が良いですかね……」

 

「いや流石にコレは第三者が介入する訳にはいかねぇだろ、夫婦の問題だしよ」

 

「子供が増えたのに何で喧嘩するのかな?」

 

「いや十分夫婦喧嘩するに相応しい理由だぞ」

 

「そうなんだ?」

 

 

「2人ともいけません、デザートとシチューの前で喧嘩なんて

 

 

こめっこ2人を止め………………えぇ!?」

 

 

 

 

止めるように、こめっこを促すアイリスだったが

 

 

「美味しい?」

 

『チュゥ♪』

 

『マンマァ?』

 

『チュゥ♪』

 

 

デザートとシチューに先程のロールケーキを分け与える2人のこめっこの姿に面食らってしまう

 

 

 

「こめっこちゃんが2人!?」

 

「えっ?

 

わぁ!?アタシが居る!!」

 

「何々!?

 

今度はめぐみんの両親の隠し子が出て来たの!?」

 

 

「んな訳ないでしょ!!!!」

 

 

 

「あの顔………まさか!!」

 

 

もう1人のこめっこは、体型や髪型に衣服も全く同じだが顔だけは目は細く鼻が無くて口は長いと、こめっことは全く違っていた

 

『おぉ其所におったか、ぽこあ』

 

『マンマァ~』

 

「もう1人のアタシ溶けた!?」

『『チュゥゥ!?』』

 

もう1人のこめっこの体が段々と溶け始め、更には縮んでいくと

 

 

 

『マンマァ!』

 

ピンク色のスライムの様な生き物に変わる

 

 

 

「スライム……じゃねえな」

 

「キャァァ!!メタモンじゃない!!!可愛い!!!」

 

「やはりポケモンでしたか」

 

 

「うん!

 

やっぱりあの顔はメタモンだったか」

 

 

「アクアが知ってるという事は、この子は水タイプか?」

 

 

「いいえメタモンはノーマルタイプよ、HEYロトム」

 

『今日は大忙しで嬉しいロト!!

 

メタモン へんしんポケモン ノーマルタイプ

 

体の細胞を自由に変化させ、どんな生き物の姿にも変身する事が出来るポケモン』

 

 

「ほぉ~変身ですか、中々便利なポケモンですね」

 

「おいアクア、水じゃねえのにお前が知ってるって事は

 

コイツもルカリオやロトムと同じで有名なポケモンなのか?」

 

 

「ちょう!ちょう!!ちょぉぉう!!!!有名な子よ!!!!

 

 

アタシがアルセウスに隠れて地上を見た時に数えきれないぐらいのトレーナー達が、この子を血眼になって探してたんだもの」

 

 

「へぇ~そんな珍しいのか」

 

「いいえ、確かにメタモンの変身能力は凄いけど血眼になって探すような子じゃない筈なんだけど」

 

「うん、旅してる時も結構見掛けたし」

 

 

「ウソ!?

 

アタシが見た時は皆図鑑を片手に、6Uとか6Vやら5VのA0キターとか良く分からない事言って探し回ってたわよ」

 

「何だそりゃ?」

 

 

「もしかしてこの子ですね先のイッカネズミは、早く誤解を解かないと夫婦喧嘩が悪化してしまいます」

 

『大丈夫だアイリス、あの夫婦の喧嘩ならもう治まっている』

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワタシが一番愛してる男性はパパだけよ♥️』

イチャイチャ

 

『嬉しいよママ、私もママを愛してるよ♥️』

ラブラブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『喧嘩の際にワッカネズミ時代の話となり、そこから思い出話をしていく内にああなった』

『♪♪♪♪』

 

「ホッ……良かった」

 

 

『すまんのう、久しぶりにワシとシェフ意外のポケモンに会えて嬉しくて変身したようじゃ』

 

「スマナイがぽこあ、またクラフトを頼んで良いか」

 

『マンマァ?』

 

『沢山の人が乗れる荷車を作って欲しいそうじゃ、そうじゃな………ウム

 

つたヒモと丈夫な枝、後は鉄とガラスで作れる筈じゃ

 

収納庫から取ってきてくれんかのう』

 

『マンマァ~♪』

 

分かったと頷くと、ぽこあと呼ばれるメタモンの体がまたしても変化する

 

『ロト!? ケーシィになったロト!』

 

『マンマ!!』

 

<ねんりきポケモン>ケーシィとなったメタモンが消える

 

 

『テレポートで収納庫に向かったんじゃよ』

 

 

「なぁモジャンボ、何でメタモンがケーシィになれたんだ?

 

メタモンは近くに居るポケモンや人に物には変身出来るけど、居ない奴には変身出来ない筈だろ」

 

『そうじゃな、じゃが あ奴は珍しいメタモンでのう

 

1度変身した事のあるモノになら好きな時に変わる事が出来るのじゃよ』

 

「マジで!?

 

確かに珍しいなぁ……」

 

「アイリス様、馬車作りはぽこあに任せ先程の温泉にでも入ってくつろいで行ってくださいませ

 

露天風呂ですので疲れが癒されますよ」

 

(露天風呂か……小さな頃から憧れだったんですよね、貧乏貴族だからお風呂は最低限の大きさでしたし

 

王都のは広かったですが屋内でしたし、泊まった宿も屋内の物ばかり)

 

「いえそんな訳には、ワタクシ達もお手伝い致しますわ」

 

(うっ!?

 

ですよね……アイリス様が庶民だけ働かせ楽な方を選ぶ訳ないですね)

 

「良いじゃねえかアイリス、この人達とメタモン……ぽこあはクラフトのプロみたいだし俺らはゆっくり温泉でも楽しもうぜ

 

ティアラも温泉入りたいだろ、此処最近は宿の室内にある風呂だったし」

 

『♪♪♪』

 

(おや?)

 

「賛成です、地図を見る限りではこの先の山道を降りて暫くの間は町がないようですし

 

今の内に湯船に浸かり、体の汚れを落としきって起きたいですしね」

 

「そう……ですね……ではお言葉に甘えまして」

 

(やったぁ♪)

 

「アイリス様、馬車作りには私とレインが参りますのでアイリス様はどうぞ温泉をお楽しみくださいませ」

 

 

「(えっ!?)

 

そ……そうですね、私達にお任せ下さい

 

(露天風呂……入りたかったな)」

『カボォ?』

 

「クレアとレインも入りましょう、汚れは落として置かないと行けないわ」

 

(アイリス様♪)

 

「アイリス様と……………ゴホン!!

 

し………しかし……」

 

『♪♪♪♪』

 

「ティアラも一緒に入ろうって」

 

「……………ジュルリ」

 

(ヨダレ足らしてやがるよこの側近……………そういや俺がアイリスの体と入れ替わった時も、こんな顔してたな

 

 

 

だがソレが良い)

 

「アナタ達も入って良いわよ、アタシとイブが手伝って来るから」

『アシッ!?』

 

 

「アクア殿がですか?」

 

(来ましたぁぁぁ!!)

 

「どうしたのアクア!?

 

何時もならお手伝い何かしたくないって言うのに」

 

「今日散々ママに女神じゃないって否定されたから点数稼ぎだろ」

 

「うるさいわよ引きニート、点数稼ぎなんてしなくてもアタシが女神である事に変わりはないもの

 

自分が乗る馬車何だから、お手伝いしないとダメでしょ」

 

 

「……………何か企んでるわね、セレビィの時みたいに」

 

「あぁ……というかアイツの場合、手伝いじゃなくて足手纏いになる未来しか見えねぇな」

 

「何よ何よ!!!アタシだってやる時はやるんだもん!!!

 

行くわよイブ!!」

 

『アシマリマ!?

 

 

オシャァ!!』

 

頭に乗るゼル帝をマフォクシーに預けアクアの後を追う

 

「良いのかなアクアとイブだけお手伝いさせて?」

 

「まぁ何か企んでるにしても、アイツの頭で考えた事なんて大した事ないだろセレビィの時はセシリィーが考えたんだしよ

 

つうかアイツが温泉に入ったら効能が全部台無しになっちまうし」

 

「あぁ……そういえばアクアはお風呂も紅茶も水にしちゃうもうね」

 

 

 

「あの女の子が手伝ってくれるようだしクレアちゃんも大丈夫だよ、ぽこあとウチの若い者達だけで十分だから君も入っておいで」

 

「ちゃん付けは止めろ……というか貴様は先のポケモンや他の者を手伝わんのか?」

 

「ちょっと疲れてね、いやいや年は取りたくないもんだ

 

ワタシも風呂に入ってくつろぎたいんだよ、あぁ大丈夫だよ先も言ったが男女別で巨大な塀で遮断しているからね」

 

 

「……………本当だろうな」

 

 

「疑うなら先に男風呂を見てくれ」

 

 

「……………分かった、レイン男風呂をチェックしに行くぞ

 

何もなければ我々もアイリス様のお供に入るとしよう」

 

「分かりました♪」

 

「………何だアイツ、急に元気になったな?」

『カポカポ』

 

その後念入りにチェックを行ったが、男風呂には特に何もなくアクアを除いた一同は温泉を楽しむ事に

 

 

 

「いい湯だな~♪」

 

『ピィカァ~♪』

 

『チュゥ~♪』

 

『あぁ……王都で入った物よりも良い』

 

 

「気に入って貰えて良かったよ」

 

「アルカンレティアの温泉にも負けてねぇな……さてとオッサン、そろそろ方法を教えな」

 

「何の方法だい?」

 

セングリオンに近付き彼にしか聞こえぬ声で話し掛ける

 

「覗きだよ」

 

「………………何を言うんだい、さっきクレアちゃん達が調べたが何もなかっただろ」

 

「惚けんのは無しにしようぜ、アンタがあんだけアイリスやクレアに温泉を勧めてんだ……何か特殊な方法があんだろ」

 

「…………な………ないよ、変な勘繰りはしないで欲しいね」

 

「安心しな俺はチクりはしねぇ、というかアンタと手を組みたいんだ」

 

「なに?」

 

「俺と俺の側に居るナマケロは覗き仲間でな」

 

『ナママ、ナンマケナ』

 

「分かってるよ、お前はアイリスだけが狙いだろ

 

だからオッサンが覗きをしようとしてんなら協力させてくれ」

 

「…………協力って………何を?」

 

 

「サトシ………アソコに居る奴と掃除屋ファミリーの旦那は何とか言いくるめれるが、問題はアイツと一緒に居る電気ネズミと青髪の奴だ

 

特に青髪の奴はオッサンが女湯を覗こうとしたらブッ殺されるかもしんねぇぜ、女湯に溺愛の妹が居るからよ」

 

「…マジか、男なら皆女湯を覗きたいもんだというのに」

 

「俺らなら分かるぜ、だからアイツら俺らが何とかするから見せてくれ」

 

「………………分かった」

 

 

「よし交渉成立………あっ!

 

そうだオーティス、悪いけどよシェフって呼ばれてたヨクバリスにフルーツ牛乳作って貰って持って来てくれねぇか?」

 

『風呂上がりではなく今飲むのか?』

 

「お前は知らないだろうな、牛乳は風呂上がりよりも入浴中に飲むのが一番美味いんだよ」

 

「へぇ~知らなかった………じゃあ俺が貰って来ようか?」

 

「いやアイツと喋るならオーティスの方が適任だろ、俺もナマケロも直ぐに飲みたいんだ頼むよ」

 

 

『うむ………分かった』

 

「人数分頼むぞ………良し次は相棒任せたぜ」

 

『ナマァ』

 

ザブン

 

ナマケロは温泉に潜りピカチュウの背後に迫る

 

 

「入浴中に牛乳か、初めてだから楽しみだなピカチュウ」

 

『ピカピィ』

 

『…………ふわぁぁ~』

 

『ピッ?

 

 

スゥ~スゥ~』

 

「ピカチュウ!?」

 

『ナマナンマァ』

 

眠ったピカチュウをナマケロは湯船から出し入浴場に寝かせる

 

 

「ナマケロ!? 何してんだ!?」

 

 

「しぃ……あんまデカイ声出すな」

 

「カズマ……何なのいったい?」

 

「今から女湯を覗くんでな、だから邪魔して来そうなSSPには寝て貰ったんだよ」

 

「…………えぇぇ!?」

 

『チュゥゥゥ!?』

 

「バカ!デケェ声出すなつっただろ!」

 

「ムググ……ダメだよそんな事しちゃ、というか覗きはやっちゃダメな事って教えてくれたのカズマじゃんか」

 

「あぁ確かに言った

 

だが世の中には、やっちゃダメな事だからこそヤりたい時があんだよ」

 

 

「……………良く分からないけど、絶対ダメだからね」

 

 

「まぁ聞けサトシ、お前エリス様とアクアの感謝祭の時のミス女神コンテストで貝殻水着のセレナを見て生理現象が起きたのは覚えてるよな」

 

「う………うん」

 

「じゃあ隣で入浴してるセレナの姿を考えてみな」

 

「……………………か……考えたよ」

 

「…………よしよし、やっぱりお前も立派な男だな」

 

「そこを見なくても俺は男だよ!」

 

「ちゃんと成長してるってこった、よしお前も女湯覗くぞ」

 

「だからダメだって」

 

『チュチュ!!チュゥチュ!!!』

 

「ほらステーキもダメだって言ってるよ絶対」

 

「大丈夫だ俺らはケモナーじゃねえ、ナマケロもアイリス一筋だ

 

お前の奥さんや娘達のヌードは見ねぇよ

 

(というか図鑑に入ってるロトム意外は、基本的にポケモン全員裸じゃねえかよ)」

 

 

 

『おいステーキ」

 

『何ですか、言っときますが何を言われても私は断固反対ですからね』

 

 

『まぁ聞けや

 

ガキ産まれてからは、お前カミさんと久しくしてないんじゃねえか』

 

『えっ………いやまぁ……そうですが』

 

『しかも自分達をゲットしたのがコレまたガキだ、お守りで大変だろ?

 

先あんだけイチャイチャするぐらいだったんだ、親になる前はラブラブでカミさんに首ったけだったんだろお前』

 

『首ったけが何か分かりませんが、今もラブラブです』

 

『………ジェネレーションギャップを感じる事を言うんじゃねえよ、まぁ良い

 

 

そんじゃ、もし覗きに目を瞑ってくれたら

 

1日の間、ガキ達3人を俺らが面倒見てやるよ』

 

『えっ?』

 

『たまには両親や手持ちポケモンとしてじゃなく、夫婦水入らずで楽しんだらどうだ』

 

『えぇ……いやしかし、もしバレたらママに何と言われるか』

 

『そん時はお前もピカチュウと同じで眠らされたって言い訳すりゃ良いだろ………なっ』

 

 

『………………分かりました』

 

『ふっ、同じネズミでもアイツと違ってお前は頑固じゃなくて助かったぜ』

 

 

 

 

「どうやらステーキは見て見ぬふりをするから、どうぞご勝手にだってよ」

 

「えぇ……」

 

「なぁ君、その子も眠らせるなり出て行かせた方が良かったんじゃないか?

 

覗き否定しまくってるぞ」

 

「いいやコイツにも覗かせる、コイツはな赤ん坊は仲良しの夫婦にコウノトリが運んで来てくれるって本気で思ってるぐらいなピュア過ぎボーイなんだ」

 

「そうじゃないの?」

 

「…………ピュアを通り越して無知過ぎだな」

 

「だろ、だから年上としてキチンとした性の教育をしてやりたいんだよ

 

まぁコレでも出会った頃よりは段々男になって来たけどな」

 

「だから俺は最初から男だって、とにかく覗きはダメだよ覗かれたら皆羞恥って気持ちになっちゃうんだから」

 

 

「それは覗きがバレたらだ、知られなきゃ羞恥なんて感じねえよ

 

それにお前」

 

チラッ

 

「ほぅれ段々立派になって来てんぞ……ちょっとは覗きに興味が出て来たんじゃねえか」

 

『ナマナンマァ、ナマケナ』

 

「……………そ……そんな事……」

 

「大丈夫だよボウヤ、ワタシが君の歳の頃には何回も女湯を覗いたもんだ

 

後ろめたさを感じる事はないよ」

 

(罪の意識を感じないのはどうかと思うけど……まぁ今は良いか)

 

「で………でも」

 

「なら君は意中の子だけを見れば良い、そうすればソコまで後ろめたさを感じないだろ」

 

「うぅ…………」

 

「ふっ……心では否定してるが体は正直だな、うんうんキチンと成長してくれて兄貴分として鼻が高いぜ」

 

「……………ぜ…………絶対言わないでね」

 

「勿論だ、俺達は同志だチクったりはしないさ

 

良しオッサン頼むぞ、早くしないとオーティスの奴が帰って来るかもしんねぇ」

 

 

「任せなさい、この男湯と女湯を遮る塀だが

 

さっきクレアちゃん達が調べた通り一見すれば普通の壁だ

 

しかし、このぽこあが作った石鹸とシャンプーとリンスを塗れば………透ける」

 

「おぉ!」

『ナマケナァ!』

「す……凄い壁ですね……」

 

「ワタシが数ヶ月掛けて石鹸ら3つの成分が同時に触れると透けるようにクラフトした特殊な塀でね、勿論向こうからは見えない

 

楽しんだ後は、お湯で流せば証拠は隠滅出来る」

 

「オッサン……良い仕事してますね」

 

親指を上げ製作者に心から絶賛を博す

 

 

「よーしそんじゃ早速」

 

パン!!

 

「なぁ!?」

 

「「石鹸が爆発した!?」」

 

 

『風呂上がりではなく入浴中に牛乳とは妙だと思ったが………そういう事だったか』

 

「オーティス!?」

 

後ろを振り返ると、手に持つ瓶に入った人数分のフルーツ牛乳が沸騰するほど体から熱気を放つオーティスの姿が

 

 

 

「は………早いお帰りですね」

 

『あのヨクバリスが入浴する我々の為に気を使って用意してくれていたんだ』

 

「そ……そうですか………じゃあオーティス様、早速入浴しながら飲もうじゃありませんか」

 

 

『選べ』

 

 

「…………はい?」

 

「な……何から?」

 

 

 

 

ジュワァァ

 

『この牛乳の様に蒸発するか、そこの石鹸の様に粉々になりたいかを選べ!!!』

 

 

 

 

 

『すぅ~すぅ~』

 

『…………………すぅ~』

 

早速狸寝入りならぬ鼠寝入りを行うステーキであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あぁ……コレが憧れの露天風呂……いつか自宅に作りたいですね♪)

 

 

「良いお湯ね♪」

『♪♪♪』

 

 

(はぁ……はぁ……アイリス様もティアラも何と可愛らしいんだ………はぁ…はぁ)

 

『カンポカ? カポカポ?』

 

 

「だ……大丈夫だ、ちょっと熱いなと思っただけだ気にしなくて良いぞ」

 

 

 

「「「ギャァァァ!!!!」」」

『ナマァァァ!!!!!』

 

 

「わぁ!? 何だ!?」

 

「男湯からですかね?」

 

 

『とっておきだ!!!』

 

 

ざぱぁぁん!!!

 

「今のってオーティスの声じゃ?」

 

「随分と怒気がこもった叫びでしたが、何か合ったのでしょうか?」

 

数分間の間、男湯から爆音と叫び声が鳴り止む事はなかった

 

 

 

『スマンのうお嬢さん方、まさかセングリオンが風呂場にそんな仕掛けをしておったとは』

 

「未遂なので大丈夫です………それよりも男湯を破壊してしまって、此方こそスミマセンでした」

 

 

 

 

 

「お前やり過ぎだぞ、オッサン何か気失っちまったしよ

 

次からは気を付けろよ」

 

『何故覗こうとした貴様に注意されねばならない』

 

「貴様ら!!!良くもアイリス様に謝罪させたな!!!!このぉぉ!!!」

 

「おお……落ち着いて下さいクレア様!!!

 

(あぁせっかく露天風呂で癒されたのに、また疲れが貯まりそうです……)」

 

『だ……だから何故私まで』

 

「だからやり過ぎだって言ってんだろ、なに男湯ブッ壊してんだよ!!!」

 

『貴様がティアラの裸を見ようとするからだろうが!!!!』

 

 

 

 

 

「しかしカズマとナマケロに前科持ちのオジサンは分かりますが、まさかあのサトシ迄もが覗きに加担するとは」

 

 

「してないから!!!カズマに無理矢理付き合わされたの!!!!」

 

 

「テメェこの野郎!!なに俺に罪着せてんだ!!!」

 

「実際そうじゃんか!!!!!」

 

 

「そうか……遂にサトシもケダモノに目覚めたんだな~♪」

 

 

「………何の事?」

 

「アイツは無視していいぞ」

 

 

「ねぇ帽子の兄ちゃん」

 

「ん? なにこめっこ?」

 

「コックの姉ちゃんの裸、そんなに見たかったの?」

 

「だから違う!!!!!!」

 

「つぅ………」

 

『…………………フォク』

 

 

「マフォクシー、女湯にサトシを連れてこさせたらアナタ暫くボールから出さないわよ」

 

『……………………チッ』

 

 

 

 

『暫くはアイリスからの抱っこは無しだね』

 

『…………………』

 

 

『きっとボクを眠らせたからバチが当たったんだよ』

 

 

『……………………イラッ』

 

 

『プゥ~クスクスwwww

 

まぁ暫くはオニ反省しろよwwww』

 

『いちいち中の人の別キャラで煽りに来んじゃねえ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「今は手元にお金はありませんが、必ず弁償金はお支払い致します」

 

『構わんよ、風呂場ぐらいならぽこあに頼まんでも直ぐに作れる

 

ソレより、馬車ならもう出来たぞ』

 

 

「えっ……もう出来たのですか!?」

 

 

『マンマ』

 

6本の腕をした<かいりきポケモン>カイリキーに変身したぽこあが運んで来たのは

 

黄金の馬車よりも巨大な馬車であった

 

 

 

『お前さん達の人数ならコレぐらいデカイ方が良いじゃろ』

 

『マンマァ♪』

 

「中々の自信作よ♪」

 

「あぁアクア、凄いわね1時間でこんな立派な馬車を作るなんて」

 

「まぁね、アタシが本気出せばこんなもんよ

 

でも確かにギャンブラーだった人が言ってた通りだわ、自分の手でこんな立派な物をクラフト出来たら創作意欲が湧いちゃうわ

 

帰ったらアタシも何か日曜大工で作ろうかしら」

 

 

(やっぱりエリス様と同じ女神だものね、人やポケモンに押し付けず何の見返りもなく自分の手で物を作るだなんて見直しちゃったわ♪)

 

 

「さてと………HEYロトム」

 

『どうしたロト?』

 

「ポッチャマを見せて」

 

『了解ロト』

 

 

「さぁぽこあ!!!お手伝いしたんだからポッチャマに変身してアタシに抱っこさせてちょうだい!!!!」

 

 

『マンマァ………マンマ』

 

 

「どうしたの? 早くポッチャマに変身して」

 

『どうやらぽこあは、写真や映像の様なビジュアルコンテンツじゃなく生身で見たものにしか変身出来ないみたいロト』

 

 

「ガァァァァン!!!それじゃあ何の為に温泉我慢してお手伝いしたのよ!!!!!

 

 

そうだ!!!

 

 

サトシさんポッチャマを呼んで!!!」

 

 

「ダメだよ、こんな時間じゃまだまだヒカリは起きてるよ」

 

 

「いやぁぁぁぁ!!ポッチャマァァァァ!!!!」

 

 

「………………………………やっぱ見返りが目的だったのね」

 

 

 

『さて後はコレを引っ張る足じゃな』

 

「あっ………そういえば馬車を作って貰いましたが、馬が居ません」

 

 

『安心するのじゃ、ぽこあ』

 

『マンマァ』

 

カイリキーの姿から、額に角が生え足や鬣や尻尾からオレンジの炎が燃え滾る<ひのうまポケモン>ギャロップの姿に変身する

 

 

『ギャロップの足ならば早いうえに、この先は雪山じゃからギャロップに引っ張られれば暖も取れるじゃろ』

 

「重ね重ねありがとうございます」

 

『ソレと、ワシが作ったコレらもやろう』

 

 

「鎧………ですか?」

 

 

モジャンボ博士がアイリスに手渡したのは2つの鎧

 

1つ目は全体を黄色でコーティングされ胸元と腰元が赤く染まる、明るさを感じる物

 

2つ目は黒っぽい紫で全体をコーティングされた、不思議さを感じる物

 

 

『この黄色の鎧はイワイノヨロイ、もう片方はノロイノヨロイ

 

どちらも、お前さんの付き人達が連れとるカルボウを進化させる為のアイテムじゃよ』

 

 

『!? !? !?』

 

「進化させる為の!?

 

も………貰ってもよろしいのですか、せっかく作られたというのに」

 

『当然じゃ上げる為に急ピッチでクラフトしたんじゃから…………じゃが

 

 

馬車やコレらを渡す代わりに、人間の姫であるお前さんに頼みがある』

 

「何でしょうか?」

 

『ここに居る者達を立ち退きさせようとする人間の所に行くならば、その者に立ち退きをせんように頼んで欲しいんじゃ』

 

「……………1つお聞きしますが、アナタはポケモンなのに何故この場所を守ろうとしているのでしょうか?

 

自分が暮らされていた国ではないというのに」

 

 

『ワシはそうでもないが、ぽこあは前は人間の事を怖がっておってのう』

 

『!?』

 

「ほぅれお前さんの連れの、何故か自分の事を女神だという可哀想な人間が言っておったろうメタモンを血眼になって探す人間がおったと』

 

 

「は……はい」

 

『ワシの暮らしておった無人島に来る前のア奴は、そんな人間達から何度も何度も捕まえられそうになり人間を恐れておったんじゃ

 

終いには無人島に来た人間の団体に、ワシと同じく捕まり益々人間を怖がっておったが

 

 

この場所で出会った人間達は、ぽこあの事になど眼中もなく自分達が1日1日を生き抜くに精一杯じゃった

 

汚れた水を飲み、少ない食べ物や土地を奪い合おうと争う人間達を見てワシはア奴が再び人間に対して恐怖を感じるのではと思ったが』

 

 

 

 

 

 

{博士、ボクあの人間達を助けたい}

 

{どうした……お前さんは人間が怖いんじゃなかったか?}

 

{そうだけど………ここの人達……皆ツラそうだから助けたい}

 

 

 

『アレ程までに怖がっていた人間を、ア奴は助けたいと思う様になったんじゃ』

 

 

 

 

 

「気を付けろよぽこあ、雪山には雪ダルマが居るぞ」

 

「お前が帰って来る迄に、お前が作るよりも立派な風呂場にしておくからな」

 

『マンマァ♪』

 

 

 

『ア奴の珍しい変身能力を見ても、此処の者達は物珍しさは感じるも捕まえようとはせん……まぁボールが無い場所じゃからというのもあるがのう

 

此処は人間達だけじゃなく、ぽこあにとっても大事な場所じゃ

 

ワシにとっても住み心地が良く、年寄りの話し相手になる子供がおる素敵な場所

 

じゃからどうか、此処を失くさんでくれんかのう』

 

 

「…………………分かりました、ワタクシが必ずレヴィ王子に立ち退きを中止させます

 

此処はワタクシの国ではありませんが、どうかアナタ様やぽこあ達が幸せに暮らせるよう頑張ってみせます」

 

 

『…………ホホホ、頼もしいのう♪』




next story この素晴らしい なまけものポケモンとの思い出話に祝福を

ペインタードーブルとかも出したかったですが流石にキャラが多いんで止めました
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