この素晴らしい世界にポケモンを   作:ハリケーン改

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エルロードには次回着きます


この素晴らしい なまけものポケモンとの思い出話に祝福を

 

魔王軍のデュークという堕天使の襲撃に合うも、新たな馬車を手に入れる事が出来た一同がコロニーを出発してから数時間が経過

 

「よしサトシ、何でも良いからSSPに経験値が貯まる事させてくれ」

 

「OK、そうだな………よしピカチュウ腹筋だ」

 

『ピカァ! ピカァ! ピカァ!』

 

「どれどれ………おぉ出てきた、よしっ!」

 

「何をやってるんですか?」

 

馬車内でピカチュウに腹筋をさせたと思いきや、自らの冒険者カードを取り出すカズマにめぐみんが首を傾げる

 

「カズマが俺のスキルを覚えたいんだって、トレーナーの為に戦ったり鍛えるポケモンが得た経験値が自分にも入る奴をね」

 

「前から習得したくて頑張ってスキルポイント貯めてたんだよ、モンスターマスターのスキルはどれもコレも高いからな

 

さっき風呂場でオーティスにボコボコにされて、生き延びたおかげでスキルポイントが貯まったようだ」

 

「ほぉ~だから冒険者カードを………って!?

 

何やってるんですか!!今すぐ中止しなさい!!!」

 

「もう習得しちまったよ」

 

「どうしたのめぐみん?」

 

「どうしたもこうしたもありませんよ、カズマにも爆裂魔法を習得させマフォクシーに続く爆裂軍団の新メンバーとして加入させるつもりだったのに」

 

「やだね、爆裂魔法は威力こそ高いが連発出来ないんだ

 

経験値稼ぎの効率を考えたら最悪過ぎる……つうか俺をそんな訳の分からん団体に加入させるな!!!」

 

「効率なんて関係ありません……爆裂魔法を放つ感覚をカズマにも味わって欲しかったですし………私は……カズマとペアルックならぬ、ペア爆裂にしたかったんです」

 

「ご……ごめんめぐみん」

 

「ま……まぁアレだ、経験値稼ぎには合わないがボスを倒すには爆裂魔法は優秀だし

 

またスキルポイントが貯まったら、今度は絶対爆裂魔法を覚えるから参……泣くなよ」

 

泣きはじめるという予想以上のヘコみっぷりのめぐみんに、サトシとカズマが謝まると

 

「HEYロトム、今の録れましたか?」

 

『ま……まぁアレだ、経験値稼ぎには合わないがボスを倒すには爆裂魔法は優秀だし

 

またスキルポイントが貯まったら爆裂魔法を覚えるからよ

 

 

バッチリ録れたロト』

 

「では私のスマホに送って下さい!

 

契約の証拠は我の手にあるので、スキルポイントが貯まったら必ず爆裂魔法を覚えるのですよ!!」

 

「………………2度とアイツの涙は信用しねぇ」

 

「所でカズマさん「はいカズマさんです」アナタがモンスターマスターのスキルを覚えても無駄なんじゃないの?」

 

 

「はぁ?」

 

「だって」

 

 

 

 

 

『ナマナマ~♪』

 

「あっ...…ごめんなさいナマケロ、オーティスにアナタの抱っこは暫く禁止にしろって」

 

『ナマッ………ナマケナンマ!!!』

 

『先ほど入浴場を覗こうとしただろ、当然の罰だ』

 

『ナマ………ナマナ、ナママナンマケ』

 

『カズマに脅された?

 

嘘を付け、貴様も充分にノリノリだったぞ』

 

 

『……………チッ』

 

『舌打ちしても無駄だ、貴様も罰を受けろ……全く貴様らのせいで私も………私も……』

 

 

 

『ティアラティ♪』

『カポカンポ♪』

 

 

『男湯を破壊した罰で、宇宙一可愛い妹と暫く距離を置かされるんだぞぉぉぉ!!!!!』

 

御者が居ないので、人間の姿からラティアスとなった妹がフェンサーと遊ぶ姿を涙目で見つめる

 

 

『あぁぁぁ!!!!ティアラァァ!!!』

 

「オ……オーバー過ぎよオーティス、30メートル離れて半日話せないだけ何だから落ち着いて」

 

『あぁぁぁ!?ハグだと!?

 

お兄ちゃんにもやってくれぇぇぇ!!!!!』

「……………あはは」

 

『………ナマナマケ』

 

 

 

 

 

「モンスターマスターのスキルは主の為に心から戦ってくれる子が対象なのよ、ナマケロってばカズマさんよりアイリスにお熱じゃない

 

なのにアナタの為に戦ってくれるのかしら?」

 

 

「…………………このスキル、仲間のトレーナーのポケモンが得た経験値を得るにバージョンアップとか………ないかな?」

 

「さぁ分かんない、というか大丈夫だよナマケロはカズマの為にちゃんと戦ったり鍛えてくれるよ♪」

 

「………………だと良いけどな」

 

 

 

「皆、かなり寒くなって来たからそろそろ着替えましょ」

 

『フォクシ』

 

バッグから沢山の厚着を取り出し、セレナとマフォクシーは皆に配給する

 

 

今カズマ達が居る場所は大量の雪が積もる山道、此処から先は雪ダルマの住みかなのか更に雪が積る極寒地帯の為に皆厚着の格好に着替える事に

 

 

因みに今の雪ダルマというのは、普通の雪ダルマの事ではなくモンスターの名前である

 

エルロードは気温の問題からか、本来雪は降らない暖かい国だが

 

今から数百年前、エルロード王国に大雪が降り積った時期があり

 

珍しい雪にテンションが爆上げしたエルロードの王族が国民全員で雪ダルマを作り、更には溶けるのが勿体ないからと金で雇った大量の魔法使い達に溶けないようにフリーズの魔法を掛けて貰い続けてから数年後

 

魔法を掛け続けられた影響で雪ダルマ達に生命が宿ってしまい、気温が高い首都では生活が出来ない為に雪ダルマ達は住みかを求め辿り着いたのがこの山であった

 

以後この山は極寒地帯となってしまい、前よりも数を増やした雪ダルマ達の住みかとなったのである

 

 

因みにこの話を聞いた某冒険者が

 

「コレだから異世界は」

 

とボヤいたのは言うまでもない

 

 

『ンニャァ~』

「ふぅ...…馬車の中に暖炉があって助かるな」

 

『リィオリ♪』

 

『アシマリマ!アゥアゥ!!』

『ピィ~♪』

 

「それアタシが作ったのよ」

 

「お前……服といい、本当手先だけは器用だよな」

 

「やだぁ♪褒めたって何もないんだから♪」

 

[あの子、昔から手先だけは本当に器用でね

 

天界にある家具は殆どあの子の日曜大工で作った物なんだから]

 

「へぇ………(その才能をもっと別の事にも使ってくれよ、つうか暖炉作るならコタツも作って欲しかったな)」

 

 

『カボォォォォ!!!』

 

「熱ぅぅ!?」

 

「ポッケちゃん、もう火は良いわよ……あぁストップ!?引火しちゃう!!!」

 

暖炉の中に入りポッケが薪を燃やしていると、凄まじい火力で暖炉の外にまで火が漏れ始める

 

『カボォ?』

 

「ふぅ...…危なかった、もうダメよポッケちゃん

 

火力を上げすぎたら火事になっちゃうわ」

 

『カボォ!?』

 

「ポッケの奴、何だか町を出発してからやたらと張り切っているな」

 

「えぇ、あの鎧を着けてから何だか何時もよりヤル気に満ち溢れていまして」

 

『きっと早く進化したいから気合いが入ってるロト』

 

「進化………初めて会った時のダスティネス卿のリオルちゃんや、皆さんのポケモン達と見た目が変わる事ですよね」

 

『そうロト、姿だけでなく強さも上がるロト

 

ポッケの進化した姿はアチシ知らないから早く見たいロト』

 

 

「更に強くか…………フェンサー、お前はこの鎧を着けないという事は進化とやらをしたくないのか?」

 

『カポ!カンポ!』

 

『フェンサーはこのままカルボウとして暮らしたいんだってロト』

 

「そうか………本人が決めたのなら仕方ない、ならこの姿でコレからも共にアイリス様を守るのを手伝ってくれ」

 

『カポポ♪』

 

アイリスには聞こえぬよう小声で話すと、勿論とフェンサーは満面の笑みをクレアに見せる

 

『残念ロト、バルスリンがカルボウは2種類も進化先があるって言ってたから両方のデータが欲しかったなロト……』

 

「どうでも良いけどよ、今ので一気に室温上がっちまって……アチィ……サウナになっちまったぞ……ちょっと窓開けさせてくれ」

 

ガラガラ

 

 

 

 

 

『あぁ……アイリスに抱っこされてぇ………あの手で包まれてぇよ』

 

『ナマケロ』

 

 

『あぁん?何だよステーキ?』

 

『さっそく子供達の相手をお願いします』

 

『ガキ達の………あっ!?』

 

入浴中にて、子供達の面倒を見る代わりに覗きの件を見なかった事にして欲しいと約束した事を思いだし苦虫を噛み潰したような顔となる

 

 

『覗きは未遂になったんだし……約束は無かったって事に』

 

 

『今日はナマケロに好きなだけ遊んで貰いなさい』

 

 

『はーい!!』

 

『ナマケロ遊んで!遊んで!』

 

 

『お……おい!?』

 

 

『さぁママ、初めての雪山を一緒に眺めないかい?

 

ワッカネズミ時代みたいに2人っきりでさ♪』

 

『えぇ♪』

 

 

『………はぁ~めんどくせぇ』

 

フサフサ

 

『ナマケロの体フサフサ!!』

 

『毛むくじゃら~』

 

『体を弄くんな……俺の体を弄って良い女はアイリスだけ…………

 

(待てよ………俺がアイリスと結婚したら当然ガキが生まれるよな……あれ?

 

この場合、生まれんのはナマケロか?それとも人間か?

 

 

あぁ~難しい事は分かんねぇ~とにかく俺は親父になるんだよな、なら今のうちに親父になった時の練習でもしておくか)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{どうして~ウチの子は~ああなったんでしょ~}

 

{分から~ん~何で~乱暴で~全然怠けないんだろうな~}

 

{他のナマケロ達から~変な目で見られるし~こんな事なら……………良かった~}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(俺はアイツらと違うんだ、どんなガキが生まれても可愛がってやる)

 

よ……よしデザート、シチュー

 

お前ら何かしたい事あんならやってやるぞ」

 

 

『う~ん?』

 

『お掃除やりたい』

 

 

『掃除だ?

 

作り立ての馬車ん中じゃ掃除する場所なんかねぇぞ

 

掃除なんかより、ガキはガキらしくボール遊びとか、かくれんぼとかにしようぜ』

 

『『掃除やりたい!掃除!掃除!』』

 

『あぁ分かった分かった……掃除させてやるよ』

 

『やったぁ♪』

 

『お姉ちゃん、アタシこめっこ誘って来る』

 

『うん! それで何処を掃除する?』

 

『何処って言われても…………おぉそうだ

 

 

おいイブ、床に水をブチ撒けろ』

 

『はぁ? 嫌よ!!

 

何でアクア様が作られた出来立ての作品をアタシが汚さないといけないのよ!?』

 

『…………なぁシチュー、この未来の神様なぁ下々の者達のお願い聞いてくんねぇってさ』

 

『神様なのにケチなの?』

 

『あぁドケチだ』

 

『何で汚したくないって当然の事言っただけでドケチ扱いされんのよ!?意味分かんない!!!』

 

『ウッセェな、未来の神である前に一応は母親何だからガキのお願い聞いてやれよ』

 

『母親だからって他ポケの子の言う事を聞く筋合いはないんじゃないわけ?』

 

『…………………おいゼル帝、お前のお袋な下々の者やガキのお願いを無視する最低な神』

 

『ウチの子に余計な事教えないで!!』

『ピィ?』

 

『はぁ………ちょっとだけよ』

ピチャ ピチャ ピチャ ピチャ ピチャ

 

 

『サンキュー

 

ホレ、水で濡れた場所があるから拭き掃除出来るぞ』

 

『わーい♪』

 

『お姉ちゃん、こめっこ連れて来た』

 

 

「どこ掃除するの?」

 

 

アクアお手製の雑巾を持つこめっこも合流する

 

 

『チュゥ! チュチュゥ♪』

 

『ナマナマケ、ナンマァナンマァ』

 

いざ掃除開始と喜ぶシチューに、ナマケロは頑張れよとエールを送り横になるが

 

 

『チュゥ!! チュチュ!!』

 

『………ナマァ』

 

自分の分の雑巾を渡され、渋々拭き掃除を手伝わされる事に

 

 

 

(ガキの相手すんのも楽じゃねぇな……まぁ俺とアイリスの子供なら、ワガママ言わないガキに決まってるか)

 

 

『拭き掃除終わったね、次は何するお姉ちゃん?』

 

『そうね……』

 

「2人とも、コレは捨てる?」

 

『『石?』』

 

 

めんどくさそうに床を拭くナマケロの後ろで、デザートとシチューの姉妹はこめっこが持つ極々普通の石を見る

 

 

「床に落ちてた」

 

 

『ただの石ころだね、じゃあこの中に入れて』

 

「ほ~い」

 

小さなゴミ袋の中に拾った石を入れる

 

 

『終わったぞ………あっ!?』

 

 

『どうしたの?』

 

シチューの持つゴミ袋に目をやると、ナマケロは自身の体に手をやる

 

『やっぱりな……悪い、その石は俺のだ』

 

 

『そうなの?』

 

『普段は体毛の中に入れてたんだよ、さっきお前らに体弄くられた時に落ちたんだろうな

 

返してくれないか』

 

『うん! はい』

 

袋から石を取り出し、ナマケロに渡そうとした時

 

 

ガタガタガタガタ

 

『マンマァ?』

 

「わぁ!?」

 

「地震か!?」

 

「嫌ぁぁぁ!!!!

 

机!?机の下どこ!?」

 

「落ち着いて下さいアクア!!机なんてありませんよ!!」

 

「大丈夫よ、そんな大した揺れじゃないんだから落ち着いて」

 

ピタッ

 

「ホラね」

 

「……………良かったぁぁ~」

 

『アゥアゥ~』

 

 

 

「オーバーですねアレぐらいの地震で」

 

「ぽこあは大丈夫?」

 

『マンマァ♪』

 

大丈夫だとギャロップの姿でアイリスに応え、止まっていた足を再度動かす

 

 

 

『あぁ~ビックリした、お前ら大丈夫か?』

 

『『大丈夫だよ』』

 

『そっか

 

 

あれ? うん? 石は?』

 

今の地震の揺れでシチューから受け取った石を落としてしまい、辺りを探し回る

 

 

 

「痛ぇ……」

 

「だ……大丈夫ですかカズマ様?」

 

「フッ……体幹が弱いんだな貴様、アレだけ騒いでいたアクア殿ですら座椅子から転げ落ちていないというのに貴様だけ見事にズッコケるとは

 

少しは自分自身を鍛えたらどうだ」

 

「……考えとくよ

 

(こんにゃろう冷笑しやがって、いつか絶対泣かせてやる!!

 

つうか仕方ねぇだろ前はゲーム三昧、今は物作りで座ってる時間が多いんだからよ)

 

痛ぇ!? あん!?」

 

頭から綺麗にズッコケてしまい、起き上がろうとカズマが床に手を付くと手のひらに何やら固い物を感じ何だと目をやると

 

 

「石コロかよ……ったく」

 

 

『おっ? ソッチに行ってたか、悪いカズマそれ俺の』

 

 

「ほれ!!」

 

 

『えっ……』

 

換気の為に開けた窓の隙間から石を投げ捨てる

 

 

 

「ポイ捨てはダメだよカズマ」

 

「タバコやゴミならダメだけどよ、石コロぐらいなら良いだろ別に」

 

「石コロを舐めちゃダメだよ………投げた先に居た奴の頭にぶつけたら、ソイツが仲間を引き連れて追い掛けて来るかもしんないんだから」

『ピィカァピ………』

 

遠い目になるサトシとピカチュウ

 

「良くは分からんが、お前らが何か恐ろしい目に合ったのは分かった……………以後気を付けるよ」

 

『ナァァァ!!!!』

 

「あん? どうしたナマケロ?」

 

『ナンマァ!!!!』

 

「あぁおい!?」

 

「ナマケロ!?」

 

窓の隙間からナマケロが外に飛び出す

 

 

「何だ何だ!? どうしたんだ!?」

 

「わ……分かんねぇよ、急にナマケロが叫んで外に飛び出したんだ!!」

 

「ぽこあ止まって下さい!!ナマケロが外に飛び出しました!!!」

『バケチャバケェ!!!』

 

『マンマァ!?』

 

めぐみんやバルスリンに言われた通りぽこあは立ち止まり、慌てて皆が外に出ると

 

 

『ナマッ! ナマッ! ナマッ!』

 

雪が積る道や草むらを、必死に手で掻き分けるナマケロの姿が

 

「ちょっとナマケロ、どうしたのよ?急にこんな寒いお外に出るなんて……ヘクシュン!!!」

 

「何かを探しているように見えるが」

 

『リオリィオ! ルカァリィ?』

 

『ナマ…………ナンマケナ!!ナンマァナマァ!!!』

 

『リッ? リィオリィ、リオリルカ』

 

『ナッ………ナマァ! ナマァ!!』

 

ルカリオが首を横に振ると、ナマケロは再び雪を掻き分け何かを探し始める

 

「どうしたのでしょうか?」

 

『ルカリオに波動で石を探してくれと頼んだが、波動では物を探せんらしい』

 

「石?」

 

『ピカカ、ピィカァチュピィ?』

 

「あぁ……さっきカズマが外に投げた奴の事かな?」

 

「ゲッ!?

 

もしかしてあの石、お前のだったのか?」

 

『チュゥ!チュウチュ!!』

 

「シチューがそうだって言ってるよ」

 

「マジか………悪い相棒、まさかお前のだったなんて知らなくてよ

 

今度似た石拾ったら必ずお前に渡すからさ、取り敢えず中に戻ろうぜ寒いだろ」

 

『…………………ナマァ!ナマァ!』

 

 

カズマを無視しナマケロは必死に雪を掻き分ける

 

「あらまカズマさんったら、綺麗に無視されちゃったわね」

 

 

「おぉぉい!! 相棒!!」

 

『ナマ!! ナンマァ!!』

 

「ぜ……全然聞いてないわね」

 

 

「こんな時は………出番ですよアイリス」

 

 

「はい!

 

ナマケロ、この雪の中から1つの石を見付けるのは大変よ……このままではアナタが風邪を引いてしまうわ馬車の中に戻りましょ」

 

「ゴニョゴニョ」

 

「ワカリマシタ……もう罰は終わりよ、何時もみたいにワタクシが抱っこしてあげるわね♪」

 

めぐみんからの入れ知恵により、覗きの件を不問とし抱っこする事をアイリスが伝えるが

 

『…………ナマ……ナマケナ、ナンマケナァ』

 

「えっ?」

『なっ!?』

「マジか!?」

 

 

『お前らは馬車ん中で待ってろ、アレは必ず見付けなきゃなんねぇ………ナマケロがアイリスの御誘いを断ったロト!?』

 

「アイリス様の!?」

 

「嘘でしょ!?」

『オシャァァ!?』

『バケチャァァ!?』

『フォクシィィ!?』

 

 

「そ……そんなに貴重な物だったのですか、カズマ様が外に投げた石というのは?」

 

「いや……普通のまん丸とした石だったけど、だよなサトシ」

 

「ゴメン石は見てなくて、でもこんなに必死に探すなんて

 

貴重な物ってより大事な物なんじゃないかな?」

 

「そうね……王女様からの御誘いを断るぐらいだもの、ナマケロにとって凄く大事な石なんだわ」

 

 

『ナマ! ナマ! ナマァ!』

 

 

「…………皆さん、ララティーナやクレアもレインも石を探すのを手伝ってあげましょ」

 

『ティアラァ♪』

 

「わ……分かりました!」

 

 

『マンマァ………マンマッ!!』

 

雪の上を捜索するのでぽこあはギャロップから、両手と両足が草で覆われ、その他の部位が全て雪の<じゅひょうポケモン>ユキノオーに変身し

 

皆で石の捜索を行う事に

 

 

 

 

 

30分後

 

「コレか?」

 

『………ナマァ!』

 

「コレですか?」

 

『………ナマァ!!』

 

「コレかな?」

 

『ナンマァァ!!!』

 

「違うようね……」

 

 

「無理よ!! こんな山道で、お目当ての石を見付けるなんて!!!!」

『オシャマ………アゥ?』

『ピィ……ガクガクブルブル』

 

『オシャ!?』

「ほらゼル帝が寒さに震えてるわ、早く暖かい馬車に戻りましょ!!」

 

「確かに降る雪の量も増えて来ている、このままでは「ヘクチュ!」アイリス様!?大丈夫ですか!?」

 

「平気よ、少しクシャミをしただけ」

 

「(あぁ~何て可愛いらしいクシャミなんだぁ♪

 

って!? そんな場合ではない!!!)

 

コレ以上外に居ては本当に風邪を引いてしまいます!」

 

 

 

『カボォォォ!!

 

カボォォォ!

 

 

カボォ………カボォ……』

 

 

「あぁポッケちゃん!?」

『ティアティ!?』

『カッポォ!?』

 

『流石に30分もずっと炎を灯しては体力の限界か』

 

段々と降る雪が勢い良くなり、石を捜索するレイン達が凍えぬよう炎を灯していたポッケだったが体力の限界が来て倒れる

 

 

「…………おい相棒、そろそろ馬車に戻ろうぜ」

 

『ナマ!? ナンマァ!!』

 

「捨てたのは悪かったよ、でもコレ以上探すのは難しいだろ………このままじゃアイリスが風邪引いちまうぞ」

 

 

『ナァ…………ナマケ、ナンマナァ』

 

「俺だけで探すだぁ!?

 

何言ってんだ、お前が風邪引いちまうじゃねえか!」

 

『ナンマァ!! ナンマケ!!』

 

構わないと止めるカズマの手を弾く

 

「ムカッ……何だよらしくねぇな、何時ものお前なら

 

物が無くなるのは仕方ねぇよって、涼しげに言うってのに」

 

 

『ナンマァ!!』

 

「……はぁ………しょうがねぇな、戻れ」

 

ピシュン

 

ボールの中にナマケロを入れる

 

 

パァン

 

『ナンマァ!!!』

 

「ぐはっ!?」

 

「あぁカズマ!? 大丈夫!?」

 

だがナマケロは直ぐにボールから飛び出し<じごくづき>を食らわせる

 

 

 

「あぁそうかいそうかい、じゃあ好きなだけ探しとけ!!!!」

 

 

「ちょっとカズマ、良いのですか!?」

 

「仕方ねぇだろアイツが探すって聞かねぇんだからよ、どうせ暫くしたら寒くて戻って来るだろ

 

アイリス、約束通りアイツが戻って来たら抱っこしてやってくれ」

 

「は……はい………」

『ティア………』

 

心配そうにアイリスがナマケロを見つめるも、寒さから馬車の中に入る

 

 

数十分後

 

 

 

「ナマケロ……まだ探しているぞ」

『リィオリィ……』

 

 

「おい貴様」

 

「分かってるよ、コレ以上余計な時間使うなって言いたいんだろ」

 

「ソレもあるが、こんな極寒の中を何時までも外にやっては可哀想だろう……フェンサーもアイリス様やティアラも心配しているサッサと連れ戻せ」

 

「連れ戻せって言われてもよ………」

 

「やっぱり石を見付けるしかないのかしら」

 

「ですがこんな山道でお目当ての石を探すのは一苦労ですよ、しかもこんな寒い中を………ポッケちゃん大丈夫?」

 

『カンボォ……カボカボ』

 

 

「じゃあ雪を雪雲共々セレナ達に吹き飛ばして貰うってのは、そうしたらまだ探しやすくなるんじゃ」

 

「却下です、ソレじゃナマケロの石まで爆発してしまいます」

 

「あっ………そっか」

 

「というか、そんな事したら冬将軍が出て来て大変な事になるわよ」

 

「冬将軍?」

 

「何それ?」

 

「あぁ……カズマが知らなかったのならアナタ達も知りませんよね、冬将軍は全ての国から高額な賞金を掛けられている特別指定モンスターの1体でして

 

雪や氷といった冬のモンスター達の主なので、彼らに危害を加えようとする者が居れば…………首を切られます」

 

 

「「首を!?」」

 

『ピィィカ!?』

 

 

「……………」

 

『ティア?』

「どうしたのですかお兄様、何故首を触られて?」

 

 

「…………………何でもない、とにかく雪山では大人しくするのが得策って訳だ」

 

 

「私的には………冬将軍を呼んでも構わないがな……つぅ!」

 

「絶対呼ぶな!!!」

 

「私も是非呼びたいですね」

 

「うぉぉい!!お前さっき石が爆発するから爆裂魔法はダメだって言ったじゃないか!!」

 

「やりませんよ、石が無かったら呼びたいと思っただけです

 

 

冬将軍には…………恨みがありますからね」

 

 

(えっ!? 何々もしかして、めぐみんの奴……俺の仇を討ちたいとか思ってる!?

 

 

 

 

トゥンクゥ~)

 

 

 

『ムッ!?』

 

「どうしたオーティス?

 

 

はっ!? まさか今朝の堕天使がまた襲撃を!」

 

『カポォォ!?』

 

 

『いや違う………だが奴と違い邪悪な気こそ無いが、強大な力が猛スピードで此方に向かっている!』

 

「何だと!?」

 

 

『マンマァァ!?』

 

 

すると馬車の外に居るギャロップの姿に戻ったぽこあの脅えた声が響く

 

 

「どうしたぽこあ!?

 

むっ………あ………アレは……」

 

外に出たダクネスが固まってしまう

 

 

「何々、どうしたのダクネ………ガクガクブルブル」

 

何事かとダクネスの後に続いたアクアの体が、コレでもかと震える

 

 

彼女達の目先には全身を白の鎧で覆われた武者の様な生き物が、白銀に輝く刀を持ち此方を睨み付けながら立っていた

 

 

 

「ま……………まさか……アレが冬将軍か!?」

 

「は…はは……はい!!本で見たままの姿です間違いありません!!!」

 

『凄いロト!!本当に冬の将軍の様な姿をしているロト!!』

 

 

「ちょっと待て!?何でアイツが来んだよ!?

 

おいレインさん!!

 

確かアイツは雪精や冬のモンスターに手を出した冒険者の前に現れる以外は、人前には出ないんだろ!!!」

 

「その通りです!!」

 

「フッフフ……どうやら恨みを抱く我の想いをキャッチし、ノコノコ現れたって所でしょうね

 

あの時は既に爆裂魔法を打ち死んだフリをするしかありませんでしたが、今度はそうは行きませんよ!!

 

仇を討たせて貰います!!」

 

「煽るんじゃありません!!!

 

いや仇を討ってくれるのは嬉しいが………アイツに戦いを挑むな!!」

 

「おぉぉ!! 姉ちゃん頑張れ!!」

 

「止めてくれこめっこ!! お姉さんの士気を上げないでくれ!!」

 

[カズマ君「はいカズマ君です」めぐみんちゃんを止めて、いくら爆裂魔法でも実体を持たない冬将軍には効かないわ

 

ソレにもし爆裂魔法を撃ったら]

 

「あっ………めぐみんストップだ」

 

「何故ですか、私はカズマの仇を」

 

「お前自分で言っただろ、爆裂魔法撃ったらナマケロの探してる石が爆発するって」

 

 

「………………あっ!」

 

 

 

『ナマァ! ナマァ!』

 

今も後方で必死に石を探すナマケロの為に杖を下ろす

 

 

「しかし冬将軍は何をしに来たのでしょうか、ワタクシ達は何もやってない筈ですが」

 

 

ピシャン

 

 

「な……何かアイツ、カズマに刀を向けてない」

 

「はぁ!?」

 

「おい貴様……一体何をやった?」

 

「いや何も……あっ!?

 

まさか前に雪精を討伐した事まだ怒ってんのか!?」

 

「い……いいえ、あの件はもう手打ちになった筈よ」

 

「じゃあ何でアイツ俺に刀向けてんだよ!?」

 

 

パッ

 

 

困惑するカズマ達に、冬将軍は刀を持つ手とは真逆の手を開いて見せると

 

そこには顔に石がメリ込んでいる雪ダルマが

 

 

 

「あらら可哀想に、どうやらあの雪ダルマの顔に石がメリ込んだせいで死んじゃったみたい…………石?」

 

雪ダルマの顔に石がメリ込む、つまり石は雪ダルマ目掛けて落ちて来た……はたまた投げられたという事

 

そしてつい最近、石を投げた人物が此処に居た

 

「………………………………」

 

 

その人物は冬将軍が来た理由が分かり、冷や汗をタラタラと流している

 

「だから言ったじゃんか、石を投げるのは危険だって!!!!」

 

『ピィカァピィカァ!!!』

 

 

「えぇいや……まさか………えっ……そんな事が起きるなんてぇ」

 

 

「早く謝れ!!」

 

「そうよカズマさん、冬将軍は寛大だから謝ったら許してくれるわ!!

 

DOGEZAよ! 早くDOGEZAして!」

 

「わわ分かった」

 

ガタガタガタ

 

 

「わぁ!?」

 

「また地震!?」

 

「しかも……おぉ!?

 

さっきのより大きいぞ!?」

 

DOGEZAしようとするカズマだったが、またまた地震が起きてしまう

 

すると

 

 

ザァァァ

 

 

「何だこの音?

 

 

なぁ!?」

 

 

真上から夥しい音が聞こえ、何事かとクレアが見上げると

 

 

 

「アイリス様ご避難を!!雪崩です!!!」

 

「雪崩!?」

 

地震の影響で雪崩が起き此方に向かっていた

 

 

「レイン! ダスティネス卿!!

 

皆さんも早く此方に!!!行くぞフェンサー!!」

『カポッ!!』

 

雪崩というアクシデントの為か、冬将軍はDOGEZAをせず皆と避難するカズマを見逃し消える

 

「コレだけ離れれば大丈夫ですね……」

 

「あ……危なかった………」

 

ザァァァ

 

「す……凄い勢いで雪崩れ込んでる」

 

「アレに巻き込まれては一溜りもありませんね」

 

「ねぇ姉ちゃん」

 

「何ですか?」

 

キョロキョロ

 

「ナマケロは?」

 

 

「…………………あぁぁぁ!?」

 

「そうだナマケロは!?」

 

「まさか……」

 

 

『ナマァ! ナマァ!』

 

 

「マズいぞ!!

 

ナマケロの奴、雪崩に気付いていない!!!」

 

「ナマケロ!!!逃げて!!!!」

『ティアラティ!!!!!』

 

 

「くそ………こんなの俺のキャラじゃないってのに…………チキショー!!!!」

 

「カズマ!?」

 

ナマケロを助けようとカズマは彼の下に向かい

 

 

 

 

 

 

 

「カズマァァァ!!!!」

 

 

雪崩に飲み込まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレ……何処だ此処?

 

俺…確かナマケロの所に向かって雪崩に………はっ!?

 

もしかして死んだのか!?

 

久しぶりに死んじまったのか!?

 

王都でコボル卜の群れにヤラレた以来に死んだのか!?

 

って事は此処はエリス様の所か……クリスとしてなら良く会ってたが、エリス様として会うのは久しぶりだな

 

まぁコボルトにヤラレるに比べたら今回の死因は名誉があるよな、ナマケロ助ける為なんだしエリス様に引かれる事はないはず………って!?

 

俺が死んだって事は、まさかナマケロの奴も!?

 

 

てか雪崩に巻き込まれて死んだんなら、俺らの死体アクアの側にねえじゃねえか!!!

 

蘇生出来ねぇぇぇ!!!」

 

「此方です」

 

「あん? だ……誰だコイツら?

 

 

えっ……えぇ!?」

 

突然白衣姿の団体が現れ何事かと慌てふためくカズマだったが、その団体の後ろに居る3人組を見て固まってしまう

 

 

 

「母さんに父さん……それに○○」

 

ソレは自身の父と母、そして弟であった

 

 

「何で3人がエリス様の所に居るんだよ?

 

わぁ!? すり抜けた!?」

 

家族に呼び掛けるも無視され、更には自分の体を3人がすり抜ける

 

 

「申し訳ありません、我々も手を尽くしましたが………息子さんは」

 

「息子って………コレ俺じゃねえか!?

 

てか……良く見たら此処、エリス様の所じゃなくて手術室か?」

 

家族や白衣の団体が集まる場を見ると、横たわる自身の体が目に止まる

 

 

 

「あぁ……そうかナルホド、コレは雪崩に巻き込まれて寝てる俺が見てる夢か

 

よーし取り敢えずはまだ生きてんだな俺、良かった良かった

 

てか待てよ、もしかしてこの夢って………前にダークライに見せられた悪夢と同じだったり………って事は」

 

 

「ま……まさか……ププ……アナタが心臓麻痺だなんて」

 

「カズマ……プッ……す……すまない……まさかこんな形で……お……お前が亡くなるなんて」

 

「ププ……に……兄ちゃん……ププ……わ……悪い……アハハwwwしょんべん漏らすわwwトラクターに引かれたと思ってショック死とか……ハハハww」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジでアクアの言う通り笑ってやがったのかよコンチクショー!!!

 

 

寒ぅぅぅ!?」

 

雪の中に埋もれていたが、嫌な夢で目覚めた勢いで這い上がるカズマであった

 

「ダークライに見せられた夢の再放送早かったな………まぁ取り敢えず生きてて良かったか

 

 

あん?」

 

立ち上がり辺りを見渡すカズマの目に、見覚えのある足が雪に刺さっているのが止まる

 

 

「……………ほうれぇぇぇ!!!」

 

『プハァ!? はぁ……はぁ……助かった』

 

「よっ! 大丈夫だったか相棒」

 

『あぁ危うく凍死する所だった…………って、何だお前か』

 

「何だよはねえだろ、助けってやった相手に向かってよ」

 

『どうせならアイリスに助けて貰って

 

さぁナマケロ、ワタクシの胸で温めてあげますわ

 

此方にカモンです~♪

 

 

って施しが欲しかったぜ』

 

「…………………お前下手くそだな物真似、ギャァァァ!?目にマッドショットは止めろぉぉ!?

 

目がぁ~!?目がぁぁぁぁ!!」

 

『ひゅ~そっちはソックリじゃねえか、上手いねぇ

 

さっさとスマホで誰かに助けを求めな、俺はまだ石を探すからよ』

 

 

「スマホは馬車の中に置いて来ちまったよ……てかお前の探してた石、冬将軍の奴が持ってんぞ」

 

『誰だそれ?』

 

 

「俺らの会話聞いてなかったのかよ………って聞いてたら雪崩に気付いてるよな、モンスター……いやアレは冬のモンスター達の守り神みたいなもんだな

 

とにかくムチャンコ強くてヤバい奴が持ってんだよ」

 

『守り神…………ねぇ

 

じゃあソイツをブン殴って返して貰うか』

 

「おい止めろ、俺がソイツにDOGEZAすりゃ済む問題なのに余計な火の粉を撒かないでくれ……とにかくDOGEZAして謝罪したついでに石返してくれって頼むから

 

お前はアイリス達を探してくれ」

 

『探せって言われてもよ………キョロキョロ

 

こんな雪山からアイリス達探すのは骨折れるぞ』

 

「…………先まで人より大変な物を探してたくせに良く言うな

 

 

おっ?」

 

 

ピシャン

 

 

すると何処からともなく先程の冬将軍がカズマとナマケロの前に現れる

 

 

『コイツか?』

 

「あぁ、ほれ左手を見てみな」

 

『…………おぉ!!会った!!』

 

嬉しそうに喜ぶナマケロ

 

 

「そんなに大事な石なのか?」

 

『まぁな』

 

「ふぅ~ん………まあ良いや、さっさと謝ってアイリス達探しに行くか

 

 

冬将軍様、この度はマコトに申し訳ありませんでした」

 

教科書に乗れるぐらいの、それはそれは見事な美しいDOGEZAを行う

 

 

(うぅ~寒ぅ~早く許してくれよ、雪の上でDOGEZAはキツいって……)

 

キィン!!

 

 

(キィン?

 

何の音だ………ファ!?)

 

顔だけを上げると

 

『こん野郎!!』

 

キィン!

 

ナマケロが冬将軍と戦う光景が

 

 

「うぉぉぉぉい!? 何で戦ってたんだよ!?」

 

『何言ってんだ!! コイツお前の首を切ろうとしたんだぞ!!』

 

「はぁ!?

 

ななな何で……ちゃんとDOGEZAして謝罪ぃぃぃ!?」

 

ナマケロを突き飛ばし冬将軍がカズマに迫る

 

 

『テメェ!!』

 

キィン!!

 

何とか受け身を取り、すぐさま冬将軍に向かい刀を<じごくづき>で弾く

 

 

『おいどうなってんだ!?

 

謝罪したら許してくれんじゃねえのか?』

 

「そ……その筈なんだけど………ヒィィ!?また来た!!」

 

『チッ……ふわぁぁ~』

 

<あくび>で眠らせようとするも

 

 

『くそ……寝ないのかコイツ!!』

 

冬将軍は実体が無い霊に近い存在の為か<あくび>により引き上げられる眠気が存在していなかった

 

「おわぁ!?」

 

『この野郎!!!』

 

スカッ

 

『クソ!!

 

ゴーストタイプのポケモンと違って、マジで実体がネェのかコイツ………だったら』

 

キィン!!

 

冬将軍の体には当たらなかった<じごくづき>だったが、冬将軍の持つ刀は実体があるからか先程と同じく攻撃が命中し弾く事に成功

 

 

「良いぞナマケロ!!」

 

『んな事抜かしてる場合があんなら、コイツ何とかする方法考えろ!!

 

刀弾いて妨害する事しか出来ねぇんだぞ!!!』

 

「わ……分かった」

 

どっちがトレーナーでポケモンなのか分からない状況だが、カズマはそんな事など気にせずナマケロに言われた通りこの場を切り抜ける案を必死に考える

 

 

(何でDOGEZAしたのにダメなんだ……もしかして先は余計な事を考えながらのDOGEZAだったからキチンと謝罪出来てない扱いなのか!!

 

 

よし無心になれ佐藤和真……そして誠心誠意をもって謝罪しろ)

 

ナマケロが何度も冬将軍が拾おうとする刀を弾く中、深呼吸を行い再び雪に膝を付く

 

 

「申し訳ありませんでした!!!」

 

またもや美しいDOGEZAが行われる

 

 

(アイツ本当DOGEZA上手いな……さて……どうだ?

 

 

おっ? 止まった)

 

冬将軍がDOGEZAするカズマを見ると、刀を拾おうとする手を止める

 

『(どうやら上手くいったみたいだな……よし、後は石を返して貰えないか説得を………んげっ!?)

 

カズマ逃げろ!!』

 

「ふぇ?」

 

ナマケロが慌てて逃げろと言い、何事かとカズマが顔を上げると

 

数十体の冬将軍達と目が合う

 

 

 

「メタルク○ラみたいに増えてるぅぅ!?」

 

『あの野郎、1人じゃ俺に邪魔されるから仲間呼びやがったのか!!』

 

「違うアレは分身だ!!

 

アクアが冬将軍はこの世に1体しか居ないって言ってた!!!」

 

『仲間呼ぼうが分身増やそうがどっちも一緒だろうが!!!

 

訂正してる暇あんならさっさと逃げ……のわぁ!?』

 

『ナマケロ!?』

 

油断していたからか、背後から迫る数体の冬将軍に押さえ付けられ刀を突き付けられる

 

「おい!!

 

確かにナマケロはお前の邪魔したが、お前の狙いは俺だろ!!!」

 

 

『んな事言ってないで……さっさと逃げろって言ってんだろ』

 

 

「うっせぇ!!

 

俺狙いの奴に他の奴が殺されたら寝覚めが悪いだろうが!!!」

 

寒さか、はたまた恐怖からか震える手で弓を構える

 

 

「来いやぁぁ!!!

 

こちとら魔王軍やデストロイヤーに異世界の悪党とやり合ってる冒険者じゃ!!」

 

『………バカ野郎!!!』

 

 

「ンソゲキィ! ンソゲキィ! ンソゲキィ!」

 

イケボで次々に矢を放つも

 

スカッ スカッ スカッ

 

 

実体が無い冬将軍には当然当たらない

 

 

「ま………まだまだ矢はあんだ!!!

 

どんどん撃ちまくってやっからな!!!それが嫌なら、もっと分身増やしてみやがれコンチキショー!!!!」

 

全く押せていないのにも関わらず強気な態度でカズマは冬将軍を煽り始め、それを受けてか冬将軍は更に分身を増やしていく

 

 

「しゃぁぁ!!

 

今だナマケロ!!アンコール!!」

 

『なに?

 

 

 

そうか!?

 

ヘイ!ヘイ!ヘイ!!

 

アンコール!!アンコール!!!

 

冬将軍君の分身増やす所もっと見たい!!』

 

両手を叩き<アンコール>を送ると、冬将軍はナマケロを押さえる分身含めドンドンと数を増やしていく

 

 

「うぉぉぉぉ!!! 逃げるぞ!!!」

 

『おぉ!!!』

 

 

分身を増やす行動しか取れず、逃げるカズマを冬将軍は見ているしかなかった

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ………上手くいった……はぁ…はぁ」

 

『はぁ…………あぁ』

 

逃げる最中に洞穴を見つけ、そこに避難し乱れる息を整える

 

 

「何なんだよ……前は謝罪したアクア達は見逃してたのによ、雪精を複数討伐した前の方が罪は重いだろ!!」

 

『あんまりデカイ声出すな、見つかっちまうぞ』

 

「ムグッ……………………と……とにかく早くアイリス達と合流して、レインさんにさっきのコロニーにテレポートで戻って貰って別ルートで首都に行かねぇとな」

 

露天風呂の居心地が良かったのでレインが先程のコロニーをテレポートの登録先にしていたので、コロニーから別ルートで首都エルロードに向かおうと考える

 

 

「はぁ……一生雪山は通れねえな」

 

『……………悪い』

 

「あぁ?」

 

『俺が石に夢中になり過ぎたせいで、こんな事になっちまってよ』

 

「な………何だよ急に、別に雪山に一生来れなくたって別に困られねえよ

 

つうかソモソモは俺がお前の石を外に投げたのが原因じゃねえかよ、お前あの石が関わったらキャラ変わり過ぎだぞ……お前のせいだって何時もみたいに口責めしたり殴って来いよ」

 

 

『……………いつの間にルカリオやダクネスの性癖が移ったんだ』

 

「俺はマゾじゃねえ!!!!

 

ムグッ………キョロキョロ………居ないな………ホッ」

 

 

『変わりすぎか………確かに無我夢中になってたもんな』

 

 

「どう見ても普通の石にしか見えなかったってのに、変わった趣味してんだなお前」

 

『…………聞かないのか?』

 

「何を?」

 

『あの石は何なんだ、そんな普通の石に何でお熱になってんだってよ』

 

「別に興味ねえし、他の奴の趣味に一々ケチ付けたりマウント取る様な狭い男じゃねえからよ俺は」

 

『ソコは、お前が言いづらそうにしてるから聞かねえよって言った方が女にモテるぜ』

 

「………俺のキャラじゃねえだろ」

 

『ハハ……確かに』

 

「…………まぁ」

 

『ん?』

 

 

「お前がどうしても話したいってんなら聞いてやっても良いぞ」

 

『……………本当は聞きたかったんだな』

 

 

「べ……別に興味ねえし」

 

 

『………………まぁ良いか、もしかしたら俺ら先の鎧野郎に殺されてコレが最後の会話になるかもしんねぇし

 

話すとするか』

 

 

「おい……縁起でもない事言わないでくれ」

 

『じゃあ此処から無事に脱出出来たら話してやるよ……コッチの方が良いか?』

 

「そっちのフラグの方が死ぬ確率高いから無しで」

 

『へいへい………あの石はな、昔俺のダチがくれたんだよ』

 

「へぇ…………お前友達なんか居たんだな

 

あぁゴメンなさい……爪立てないで」

 

『たく………ソイツは人間で、俺の命の恩人でもあるんだ』

 

「お……お前が死にかける事なんか会ったのか?」

 

『あぁ2回は会ったぜ、最初は俺の故郷のアローラって場所で守り神として奉られてるカプテテフってポケモンにケンカ売って半殺しにされた』

 

 

「守り神にケンカ売ったのかよ!?」

 

『2回目は、やたらと強そうなスピアーってポケモンを連れたトレーナーにケンカ売って殺され掛けた』

 

「……………昔のお前、むちゃくちゃヤンチャだな」

 

『あぁ、むちゃくちゃヤンチャな不良ポケモンだったぜ

 

そのスピアーを連れたトレーナーに自分の手持ちになれって誘いに、クソ食らえって唾吐き捨てるぐらいにな』

 

「お願いだから此処ではやたらとケンカ売らないでくれよ」

 

『分かってらぁ、あん時の俺は尖ってたが今は身の丈を分かってるからよ』

 

「今も十分尖ってると思うぞ」

 

『何か言ったか?』

 

「何でもない………で、そのダチは何時出てくるんだ」

 

 

『そのスピアーを連れたトレーナーに殺され掛けた時に、野生の俺を自分のポケモンです迷惑掛けてスミマセンって謝ってくれたんだ……ただ偶然部屋から俺がヤラレてるのを見ただけでな』

 

「メッチャ良い奴じゃんか」

 

『あぁ……本当にな、俺の誕生日が分からないからって俺と初めて出会った日を誕生日って事にして近所の森にプレゼン卜を探しに行くぐらい……お人好しなんだよ』

 

「友達の誕生日プレゼント森に探しに行ったのか?」

 

『金が無かったんだ

 

ソイツ………生まれつき体が弱くて、ずっと家で療養してたから親から小遣いを貰う事なんかないだろ』

 

「そうだな………でも自分のポケモンのプレゼントを買うなら親に頼んで金貰えば良いし、何なら親にプレゼン卜買いに行って貰えば良いだろ」

 

 

『俺はソイツのポケモンじゃねえよ』

 

 

「えっ………だって友達なんだろ、ゲットされたんじゃないのか?」

 

 

『ソイツは体が弱い事を理由に親からトレーナーになる事やポケモンと関わる事を禁止されていてな、だから俺はアイツの手持ちポケモンにはなってねぇのさ』

 

「………サトシやセレナ達の話を聞いてた限りだと、お前らの世界の人間は殆どがトレーナーになりたいんだろ

 

まぁ生まれつきの病気だから仕方ないかもだけど……ポケモンと一切関われねえって、結構キツくねぇか」

 

『あぁ…アイツ自身はポケモンと生活がしたいって考えてたから、良く親に文句を言ってたよ

 

 

まぁアイツの親の考えだって分かる、病気を持っている体が弱い息子の身に何か会ったらって不安からポケモンを遠ざけてんだ……ポケモンには加減知らずの奴が居るからよ』

 

「………………確かに」

 

某電気ネズミと某お兄ちゃんが頭に過る

 

『だから俺はアイツの親に見付からない様に家の中に侵入して、良くアイツと喋ってたんだ……まぁ最初は俺の言ってる事が分からなかったから、アイツの話を一方的に聞くだけだったけどな』

 

「どんな話したんだよ?」

 

『トレーナーになって旅がしたい、同い年の奴らは皆ポケモンをゲットしてリーグやコンテストに出る為に旅に出てるのに自分はずっと家の中か病院にしか行けないって落ち込んでてよ

 

だから俺が活を入れてやった』

 

「殴ったのか!?」

 

『病人を殴るかよ』

 

「だよな……いや病人じゃなくても殴るなよ」

 

『口で活を入れてやったんだよ、その影響か必ず病気を治してトレーナーとして旅に出る為に勉強するって考えるようになったんだ

 

 

それからは親に見付からないようネットでリーグやバトル大会の映像を見るようになってな

 

凄いんだぜアイツ、見たバトルを自分なりに分析して最適解の技の選択やポケモンへの指示を考えたり、色んな戦術をメモした紙を俺に見せて説明してくれてよ………病気が治りゃ………間違いなく凄腕のトレーナーとして活躍出来るぐらい………頭の良い奴なんだ』

 

 

「病気…………治らなかったのか」

 

 

『……………分からねぇ、アイツとは2年前に離れ離れになっちまったから…………それに………いや……治ってるに決まってる

 

俺のダチが病気なんかで潰されてたまるか』

 

 

 

「………へへ、お前がアイリス意外にソコまでお熱になるの初めて見たよ

 

本当に大事な友達なんだな………悪い、そんな奴から貰ったプレゼント捨てちまって」

 

『仕方ねえよ俺以外から見ればアレは…………タダの石だからよ、だからもう良いさ気にすんな』

 

「そっか…………何か一回でも良いからソイツに会いたくなっちまったよ、お前がソコまで大事にする友達を」

 

『もし会えたら礼言った方が良いぜ

 

昔の俺な、バトルは攻撃あるのみって脳筋な考え方をしていてよ

 

だから補助技なんか覚えてなかったし覚える気もなかったが、ソイツが

 

せっかくの高い身体能力を生かす為に補助技を覚えた方が良いってアドバイスしてくれたから、アンコールやあくびを覚える事になったんだからよ』

 

 

「マジか!?

 

そりゃ沢山お礼言わねえとな、その2つの技のおかげで助かった事ばっかりだしよ」

 

 

『あぁ……言ってやってくれ』

 

「おいおい何で俺だけなんだよ、お前も言えよ教えて貰った張本人なんだから」

 

『…………………そうだな』

 

「どうした?」

 

『いいや、会えたら良いなって思っただけだよ…………じゃあ次はお前の番な』

 

「ん?」

 

『俺が昔話言ったんだから、お前も言えよ』

 

「はぁ!? ムグッ……お…お前が勝手に喋ったんじゃねえかよ」

 

 

『良いじゃねえか、このままただボケーと座ってたら寒さで寝ちまうぞ』

 

「なら適当に喋れば良いじゃねえか」

 

『コレで最後になるかもしんねぇんだ、腹割って話そうぜ』

 

「だから縁起でもねえ事を……………はぁ~

 

 

言っとくが、お前と違って俺の体験談なんて全然ドラマチックじゃねえかんな

 

 

うーん…………えっと…………うーん……」

 

 

『そんなに人生経験薄いのかお前?』

 

 

「ちゃんと色んなエピソードがあるわ!

 

お前の話の後だから言いづらいんだよ、ハードル上げやがって」

 

 

『じゃあ思い付かないんなら、話の題材リクエストさせてくれ』

 

「何だよ?」

 

『お前がこの世界に来る切っ掛けの死因って何だ?』

 

「……………お前良く聞けんな、そんなデリケートな事」

 

『前から気になっててよ、お前の世界は聞いてる限りじゃ此方や俺の居た世界よりも平和だってのに面倒事を極力避けたがるお前が何で死んだのかなってよ

 

 

まぁ言いたくないなら良いぞ、勝手に想像しとくから』

 

 

「…………因みにどんな理由だと思うんだ」

 

『引きこもりの事で親と喧嘩して、勢い良く家を飛び出した時に車に跳ねられた』

 

「(ちょっと有り得そうなの出して来やがった……)

 

 

はぁ………笑うなよ」

 

『内容によるな』

 

 

「じゃあ言わねえ」

 

 

『悪い悪い、笑わねえよ』

 

「…………………新しいゲーム買いに行った帰りに、同じ学校に通ってる女子がトラックに跳ねられそうになってたから突き飛ばして助けて、その代わりに引かれた………………つもりだったが」

 

此処で話を止めれば女の子を助ける為に命を投げ出したという格好いい理由だが、こんな素敵な理由なら間違いなく耳にタコが出来るぐらい誰かに自慢しているから嘘だなと頭の良いナマケロなら気付くと思い

 

ありのままの過去を話す

 

 

「死んでから天界でアクアに聞いたらよ、徹夜でゲームやってたからか……俺トラクターをトラックと勘違いしてたみたいで

 

ホッとけば女子は死ぬどころか怪我する事もなかったのに、俺が突き飛ばしたせいで軽い怪我したうえに……俺の死因はトラックに引かれたと思ってショック死

 

検視に来た警察や医者や病院に来た家族も死因に笑ってたみたいでよ…………絶対笑うなよ……笑ったらマジでキレるからな」

 

『何処に笑う箇所があんだ?』

 

 

「…………………えっ?」

 

 

『立派じゃねえかよ』

 

 

「ど………何処がだよ」

 

 

『女助ける為に身を挺したじゃねえか』

 

「ヤらなくても良かったんだぞ、ソレで向こうを怪我させて此方は死んでんだ……ダセェじゃねえか」

 

『だがそん時のお前は本当に危ないと思ったんだろ、結果はどうあれ自分の身を挺して他人助けるなんて普通なら出来ねえ

 

 

そんな奴を笑いなんかしねえよ、最高に格好いいぜ………相棒』

 

 

「……………………………」

 

 

『どうした?』

 

カズマが両手で自身の顔を隠し始める

 

 

「いや………何か純粋に褒められたの………久しぶりだからさ…………は……恥ずかしくなっちまっただけだよ……」

 

『…………………フッ、向こう向いててやるから今の内に拭いとけよ』

 

「よ……余計な世話焼くんじゃねえ...……ん?あぁ…ありがとう」

 

ズズッ!!

 

 

 

『あん?

 

おいカズマ、お前今誰と喋って………マッドショット!!!』

 

ティッシュで鼻をかむカズマに向かい<マッドショット>を放つ

 

「のわっ!?

 

何すんだ………ヒャァァァ!?」

 

 

何時のまにか後ろに冬将軍が立っており、情けない声を出しながらナマケロの後ろに向かう

 

 

『ターゲットにティッシュを渡すとは、せめてマシな顔で死なせてやろうって武士の情けってか』

 

「そんな情け掛けんなら許してくれよ!!!!

 

わぁぁ!? ムチャクチャ居る!?」

 

<アンコール>により増えに増えた冬将軍が、洞窟内や洞窟の入り口前に陣取りカズマとナマケロを取り囲む

 

 

『絶体絶命か……マジで先のが最後の会話になっちまうかもな』

 

「だから縁起悪い事言わないでくれ!!!」

 

『安心しなカズマ…………お前だけは絶対死なせねえからよ』

 

「………………ナマケロ?」

 

 

ナマケロは指を鳴らし辺りを囲む冬将軍達を睨む

 

 

(今なら少し戦えば……………進化出来る、そうすりゃパワーも上がって新しい技を覚えるかもしんねぇ)

 

 

 

 

 

{あのやたら強かったナマケロ最近見ないね?}

 

{アイツのトレーナーがどっかの遠い地方の病院に行ったみたいだし、アイツも着いて行ったんだろ}

 

{マジで、あの黄緑色の髪の奴だよな?}

 

{あぁ、俺の父さんがアイツが運ばれた病院で働いててさ

 

アイツがどうなったか探り入れたら、どっかの地方の病院に行ったって教えてくれたんだ}

 

{ふぅん………確かに野生のテッカニンとヌケニンに切られまくってたもんなアイツ、でもさ……もしバレたらさ僕らヤバいよな

 

ちょっと怖がらせるつもりで爆竹を仕掛けた場所が、まさかテッカニンとヌケニンの住みかだったなんて

 

そのせいでテッカニンとヌケニンが暴走しちゃってさ}

 

{大丈夫だバレる訳ねえよ、あの場には俺らとナマケロのトレーナーのガキしか居なかったんだ

 

それによ………}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『(一生ナマケロのままで生きていく………それがせめてもの俺が出来るアイツへの罪滅ぼし

 

 

でも………今は………相棒を助ける為なんだ!!!許してくれ!!!)

 

 

じごくづき!!!』

 

 

キィン

 

 

『おぉぉらぁ!!』

 

 

キィン

 

次々に冬将軍達の持つ刀を弾く

 

『(ほら!! 早く進化しろ俺!!)

 

ガァァ!?』

 

冬将軍に取り押さえられ、地に体を押し付けられながら

 

 

ピカン

 

 

刀を向けられる

 

 

『マッドショット!!』

 

スカッ

 

目潰しに放つ<マッドショット>も、実体の無い冬将軍の体をすり抜け

 

そしてナマケロに刀が振り下ろされる

 

『クソォォ!!』

 

キィィィン

 

『なっ………今の……弓』

 

刀に弓矢が命中し弾かれる

 

 

 

「だから言っただろうが!!!

 

こちとら魔王軍とデストロイヤーに異世界の悪党とやり合う凄腕冒険者のサトウカズマ様なんだよ!!!!

 

ンゾケキィ! ンゾケキィ! ンゾケキィ!」

 

『カズマ………』

 

先まで腰を抜かし震えていたが、ナマケロのピンチに立ち上がり矢を周りの冬将軍の刀に放ちまくる

 

しかし

 

 

「げぇぇ!?」

 

残りの冬将軍によって弓矢が一刀両断されてしまう

 

 

「チキショォォ………弓矢が失くなったってな、俺にはまだチュンチュン丸があんだよ!!!」

 

ガシッ

 

『カズマ!?

 

 

あれ? な……何でカズマの奴、アイツの体に触れてるんだ?』

 

 

愛剣のチュンチュン丸を手に、実体が無い冬将軍の肩に股がり刺そうとするカズマ

 

 

「こんの! こんの! こんの!」

 

必死にチュンチュン丸を刺すも、冬将軍の持つ刀に比べれば小刀レベルのサイズを鎧に刺す事が出来ず何度も肩を叩く

 

 

すると

 

 

 

 

『「あれ?」』

 

周りを取り囲む冬将軍達が段々と消えていき1人と1匹は目を丸くする

 

『あ...……あと1人になった』

 

 

残りはカズマが肩に股がる1体のみだが、その1体も

 

「な……何だよ!?おぉ!?」

 

 

肩に股がるカズマを優しく地上に下ろし、冬将軍は洞窟の奥に歩いて行き段々と体が消えていく

 

 

『…………何だったんだ………アイツ』

 

「さぁ…………あっ!

 

おい待ってくれ!! 雪ダルマにぶつけちまった石返してくれないか、相棒の大事な友達からのプレゼントなんだ

 

ん?」

 

突然ポケットに膨らみができ手を入れると、そこには例の石が

 

 

 

「本当に何だったんだよ………はぁ…………疲れた、一生分は戦った」

 

『お疲れさん』

 

「労いの言葉掛けんなら首に巻き付くなよ………ほら、返すぜ」

 

『あんがとよ』

 

受け取った石を体毛の中にしまう

 

 

「カズマァァァ!!何処ですか!!」

 

『カボォォォォォ!!!!!!!!!』

 

「ダメよポッケちゃん!!そんなに叫んだらまた雪崩になっちゃうわ!!!」

 

 

「お兄様!! ナマケロ!!何処ですか!!」

 

 

 

「どうやらお迎えが来た見たいだぜ………あぁ~あぁ~もっと早く来てくれたら、俺が冬将軍を華麗に追い払うシーンを皆に見せれたってのによ」

 

『口で言えば良いじゃねえか』

 

「どうせ、サトシとこめっこに可愛い妹達以外は妄想だって認めてくんねぇよ……せめてロトムが居たら写真か動画に残せたのに」

 

『大丈夫だ、ちゃんと録画したぞ』

 

「マジで?

 

お前カメラ持ってたのか、サンキュー相棒♪

 

見せてくれよ」

 

 

『見せる事は出来ねぇな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の心のメモリーに録画したんだからよ』

 

 

「……………んだよ、撮れてねえじゃねえかよ

 

あぁ~あぁ~とんだぬか喜びだ

 

ギャァァァ!!!ちょっおま!?く……首締めはライン越えてるって!?」

 

 

「今の声は!?」

 

『ルカ!! ルゥカァリ!!!』

 

 

こうして無事合流を果たしたカズマとナマケロを馬車に乗せ、一同は首都エルロードに向かう

 

 

 

 

 

 

 

<馬車内>

 

 

「こうして冬将軍を俺の華麗なるチュンチュン丸の攻撃により撃退してやったって訳だ!!!」

 

 

「凄い凄い!!!守り神を倒す何て流石はリーダーカズマだね♪」

 

「凄いですお兄様♪」

 

『ティアラ♪』

 

「茶髪の兄ちゃん大金星!!」

 

「何の~何の~」

 

 

「寒さのあまり妙な夢を見たんですね………少し休んでくださいカズマ」

 

「ほぉぉらなぁ、俺の予想通りの人選だ!!!」

 

「雪崩に巻き込まれたものね………カズマ、早く休みましょ」

 

「言っとくがな俺はマジで冬将軍を追い払ったんだ、アイツの肩に股がりチュンチュン丸を華麗に突き刺しまくってよ

 

現にアイツ追い掛けて来ないだろうが!!」

 

 

「た……確かに」

 

「まさか本当に冬将軍を」

 

「………フッ」

 

「きっと肩叩きしてくれたから許してくれたのね」

 

『アゥ?』

 

「はぁ?

 

おいアクア、意味分かんねえ事言うなよ」

 

「アタシは意味が分からない事なんて言わないわ、最近雪精の討伐金目当てに冬将軍と出会う冒険者が多発していてね

 

何回も何回もDOGEZAされては許してばっかりだから、冬将軍の中のDOGEZAの有り難みが薄くなって

 

DOGEZAの代わりに肩叩きやマッサージをしてくれたら許してくれるようになったって先日セシリーが教えてくれたの今思い出したわ」

 

 

「肩叩き…………俺の必死な攻撃が……肩叩きぃ……」

 

 

「……………プッ……ま……まぁ良かったじゃないか、変に筋肉があれば肩叩きにならず首を切られていたかもしれないんだからな………プププ」

 

 

(こんのぉ変体クルセイダーがぁぁ!!!)

 

 

「理由はどうあれ冬将軍から逃れたんだ、無事に帰って来てくれて良かったですよカズマ殿」

 

 

「お………おぉ………まさかお前が心配してくれるなんて

 

(パシリ扱いはもう止めよ………あんがとなクレア)」

 

 

「当たり前だろ、お前が居なくなったら例の作戦はどうなる?

 

お前は自分の手にアイリス様や我々の人生が掛かってる事を自覚しろ、エルロードに付くまでは危険な行為は一切するな分かったか」

 

「………………はい

 

 

(後で紅茶淹れさせてやる………まぁ良いさ、クレア何かに心配されなくても

 

俺には俺の為に戦ってくれて、俺の事を絶対死なせねえなんて格好いい事を言ってくれた相棒が居るんだか…………待てよ)」

 

 

「ナマケロ、石が見つかって良かったわね♪」

 

『ナンマァ~♪』

 

 

(違うよな………例の作戦の為に俺を死なせねえじゃないよな………純粋に俺の為に戦ってくれたんだよな………なぁ相棒!!!)

 

 

アイリス抱っこされ鼻の下を伸ばすナマケロの考えが、果たしてドチラなのかはナマケロ自身と神のみぞ知る

 

 

 

 

 

 

 

 

<その日の夜、馬車内>

 

雪山を無事に降りた一同は、馬車内で男女に別れ床に付く

 

「ぐぅぅ……相棒………俺の為だよな……ぐぅぅ」

 

『何の夢見てんだコイツ…………たく、風邪引くぞ』

 

ズレ落ちている毛布を掛け直してあげたナマケロは、眠れないからか馬車の窓に座り月夜を眺めながら例の石を取り出す

 

 

『進化せずに片が付いて良かったぜ………俺は一生ナマケロのままで居ないと行けないんだ、じゃねえと……お前への罪滅ぼしにならねえもんな………なぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミツル』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<同時刻、とある世界の住宅>

 

 

「えっと後は………教科書かな」

 

『レイド』

 

「ありがとうエルレイド、よし準備完了」

 

「ミツルくん!」

 

『エルレイ?』

「ミチル姉さん? どうしたのこんな時間に?」

 

 

「フフン、久しぶりに可愛い甥っ子に会いに来たの」

 

「ソレで態々シダケタウンからトウカシティに来たの!?」

 

「カナシダトンネルを通れば直ぐじゃない、あっ!それグレープアカデミーの制服じゃない」

 

「うん

 

前に送ってくれたのは校長先生がサイズ間違えちゃったから新しいのを送り直してくれてね、それがさっき届いたからサイズが合ってるか確認したくて着ちゃった」

 

「そっか、凄く似合ってるわよ♪」

 

「エヘヘ……ありがとう♪」

 

「…………本当良かったわ、ミツル君が留学でアカデミーに行けるぐらい体調が回復してくれて

 

でもだからって無茶はダメよ」

 

「分かってるよ、僕もう14歳なんだから子供じゃないよ」

 

 

「………義兄さんから聞いたわよ

 

先月アローラに家族旅行に行った時、アナタがエルレイド達と一緒に外出したって」

 

「うっ………父さん、ミチル姉さんに話したんだ」

 

「いくらポケモンが居るからって、両親……同行者に何も言わないで旅行先で勝手に外出する子は大人じゃないわよ」

 

 

「ごめんなさい………」

 

『エレッイ………』

 

 

「分かれば宜しい、パルデア地方に行っても義兄さんと一緒に行動してね……まだ完全に完治していないんだから

 

あの約束を守って貰う為にも、今は両親の言う事をキチンと聞いて病気を完治する事」

 

 

「うん!」

 

 

「宜しい♪

 

エルレイド、アナタもお願いね」

 

『エッレイド!』

 

「頑張ってね、この留学でミツル君が無敗だったら長年の夢が叶うんだもの………あれ?

 

 

ミツル君、手持ちポケモン5体のままなの?

 

アローラに行ったらフルメンバーが揃うって言ってなかったっけ?」

 

「居なかったんだ………アローラになら居ると思ったんだけど」

 

「そうなんだ……でもパルデアに留学に行くならフルメンバーにした方が」

 

「大丈夫だよ、エルレイド達なら5人でもジムリーダー達や四天王……チャンピオンのオモダカさんにも負けないから」

 

『エルレイ♪』

 

 

 

「…………フフ、今のは子供じゃなくて凄く大人っぽっかたわよ

 

 

頑張ってね未来のチャンピオンさん」

 




next story この素晴らしい? バカ王子様との出会いに祝福を

前から出ていたナマケロがダチと呼ぶ人間はルビサファに出て来たあのミツル君です、原作よりも病気が悪化して小さい時は寝たきりだったという設定にしてます

因みにCVはポケマスと同じく村瀬歩さんで脳内再生よろしくお願いいたします
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