登場人物がかなり増える話ですが、少なくとも今回登場する彼らは基本的に『自分や他全員の出典』に対する知識を一切持っていません。中には『知らないなら教えない方が良い』タイプの者も居ます
沖縄支部創設俺たちだよ全員集合!
……その『知らない方が幸せかも知れない』タイプの原作背景持ちこそ六人目の男の正体(出典)であり、その正体がネタバレまでに分かったら貴方はかなりのディープメガテニストでしょう
それと…… 神薙改式さんすみません。今のうちに謝っておきます
……ヴェンデリンの魔法、グライとマグナを間違えていた。訂正します
Q:ある怠け者の底辺黒札が、何か最高クラスの美女と財産付きの良い縁談は無いかと図々しい要求を受付の千川さんに問うた
受付の千川さんはその条件に適合する仕事を一つだけ提示出来た
その条件を見るなり急遽その黒札はショタおじのハードモード修行希望に申し出を変更してまでその場から逃げ出した。何故?
A:その縁談はメシアンとの縁談だから
(実際にガイア連合山梨支部であった話、より)
次に通されたのは会議やTRPGなどに使われるらしい会議用ルームだった。折りたたみテーブルと椅子、後はホワイトボードといった簡素なフローリング床の覚醒者用宿舎の一角に存在する場所だ、その中に翔太を含めて六人ぐらいのスパルトイのテスターに選ばれた修羅勢の卵達が集められていた
『……スパルトイ使ったのは昨日だけだけど大丈夫かな?ちゃんと役にたつ意見出せるかな?』
そう考え不安になる翔太だったが、スパルトイの作成者である巌のような益荒男……名を『朝倉 大輝』と言う名の見てくれに反した魔術師兼ショタおじ公認召喚士の男は優しく紳士的に翔太に語りかける
「多分、君は『スパルトイ使用経験は昨日しか無いから大丈夫かな?』とか思っているみたいだね、むしろそれが良いから来て貰ったんだ」
六人のテスター……ハードモード覚醒修行や簡易的ではあれど悪魔召喚術の講習を突破してきた、普通の
その中で、大輝の説明を聞いた六人のテスターである少年のうち一人が手を上げて質問を行う
「……あの、すみません朝倉さん」
「おや、どうしたのかな?土見くん?」
前にも言ったが、どういう訳か大半の転生者らはそのまま声優が務まりそうな美声持ちばかりなのだがその中でも一際綺麗な、声だけで聴いた女性を孕ませかねない美声中の美声*1で質問して来たのは……その声に似合うこの場の面子内なら一番顔の良い長身で均整の取れた細身ながらも良く見れば筋肉質な美男子の『土見 稟』という名前の少年だった
『あんな声であの容姿なら女の子にモテモテ?いやあの容姿だと逆に苦労しそうだよなぁ』
そんな風にその美男子を見ながら考える。その質問はスパルトイの仕様で少し引っかかっていた処だったので思い出せたのはありがたい
そんなこんなでテスター六人と依頼主である大輝のディスカッションは夕方まで続いた。最後にこれから同じスパルトイテスターとして協力し合う事だろうからと自己紹介し合う事になった
電撃使いで現状かなり珍しい沖縄出身俺たちの『比嘉 翔太』
先の美男子で、悪魔を拳でぶん殴れる系ペルソナ使いの『土見 稟』
地味眼鏡とでもいうべき冴えない風貌ながらも覚醒で非常に珍しい忍術に目覚めたという『綾瀬 裕人』
この面子の中では一番小さな体躯のいわゆる男の娘な容姿、現状不遇な銃使いの『南雲
非常に珍しい海外出身の俺たちで今ショタおじの魔法講座で魔法勉強中の独逸留学生である『ヴェンデリン=バウマイスター』
少々不良めいた印象を感じるが、割と長身美男子の類いである剣術に目覚めた撫で付けた様なオールバックの『三浦 陽介』*2
翔太以外色々な意味で一同に揃えば知る人なら仰天すると言うか……まるでゾンビアポカリプスもの映画のちぐはぐ武装か何かみたいな取り止めも纏まりもない奇妙な一団が存在していた。だが少なくとも彼ら自身は自身の分もお互いの分も何一つ原作知識を持っていないから何の違和感も感じないで済んだのだろう。まぁもう一つお互いの原作知識を知らない理由もあるがこれは直ぐに語る事になるだろうか?
解散……はするが、そろそろ夕食の時間だからとこの面子で食堂に向かう事になり、其所で少し話し合う事になった
基本的に彼らはつい数日前。だいたい夏休み開始から此処に来た者達であり、基本的に友人知人はこの場には殆ど居ないぼっち同然の状態だったのでこの袖触り合う様な縁でもありがたく結んだ方が良いと判断したからである
特に、この世界は『女神転生』という異様に厳しい世界だからこそ自衛手段だけでなく頼れる仲間は重要だ。この神社でも『ルイーダの酒場』だの『ギルガメッシュの酒場』みたいな希望した
いや、アガシオンや低級式神みたいな手駒と呼んでも良い様な戦力もあるにはあるが現段階では購入なぞ洒落にならないので容易く使い捨てなぞ先ず現状では不可能だ、仮にそれらを使い捨てられるぐらい稼いでもそもそもその段階で買いたてのアガシオンや低級式神は殆ど直接戦力にはならない
専用シキガミは完全に所有者専用の……正に所有者と共に成長する『相棒』であり、人に依っては『伴侶』である。だからそもそも専用シキガミを粗末に扱う者というのはこのガイア連合からしても非常に珍しい部類である。一応は『ぞんざいに扱うからあえて眼鏡置きにした*3』と宣ういいかげんな性格の黒札も居るがそれでも一応ちゃんとした情はある……らしい
兎に角、今の彼らにとって割と気楽に話しかけられる同期というのは非常にありがたい話である。彼らより弱い転生者はそもそも未覚醒だし、強い転生者に付いても単なる寄生行為にしかならない……此処に来ての座学の基礎も基礎の話だが、強い異能者について悪魔討伐をしてもその悪魔の力を得られるのは倒した強者であり、仮にその強者が見守るだけでもその倒した力は強者の方に流れてしまうから同レベル同士で悪魔討伐はやった方が良いらしいのだ
そんな訳でだいたい同じレベルの六人とその従僕である骸骨兵士六体の計十二名の戦力ならばそれなりの安全性でシキガミ購入費や新装備、貯蓄など様々な事が出来るかも知れないと思ったからだ
話を聞くと皆一度だけ浅層出入り口を経験しただけというのが実戦経験で、後は鍛錬したり*4魔法の勉強*5や道具作りの内職見習い*6やったり知識を学んだり*7と方向性は違うがそれぞれ真面目に頑張っているのは確かだとお互い分かり合えた……ショタおじの地獄みたいな修業を超えて覚醒し、それでもそのやる気を維持出来るならその点だけでお互い共感が持てるだろう
言わば『同じ地獄で新しい産声を上げた兄弟』とも言える……かも知れない
基本的にここまで近似する時間であの修行を成功させる者なぞせいぜい三人同時期までであり、例えるならば『六つ子の誕生』ぐらいには珍しい話らしい話だと後々ショタおじが語ってくれたのは余談である
今はそんな非常に珍しい奇縁である事だとは知らずに六人は食堂で盛り上がり、食事が終わってからも宿舎の談話室にお菓子とお茶を持ち込んで夜遅くまで語り明かした
この世界が『女神転生世界』だと知った時の絶望と恐怖、修行で見た様々な地獄の愚痴、ショタおじの式神であるあの鬼畜猫にじわじわ切り刻まれる苦痛と屈辱、召喚訓練で何度も吹き飛ばした腕の痛み、麻酔で意識を失ってから身体を採取され回復されの工程は以外と呆気なく感じたけど凄い疲労や虚脱感に苦しんだ記憶
同じ転生者仲間を見つけて『自分だけじゃない』と知った喜び、この神社の荘厳かつ清浄な……いわば『神気』に触れた様なあの気配、色々とものすごいシキガミやそれを伴う強者達の気配にびっくりしたり、何と言っても覚醒を果たした時に初めて吸った空気の美味さ、そして見えて聴こえた世界の今までとの違い、魔法や技、スパルトイ召喚や送還を初めて行使した時の高揚感、レベルアップの喜び
それだけで就寝時間を軽く過ぎてはいるが……覚醒したての新人達が顔を付き合わせて話をすればだいたいこうなるので宿舎の管理人も今回は大目に見てくれている事は明日知る事となる
共通の話題の次はそれぞれの転生後の話題だが稟、裕人、陽介、創は東京出身、ヴェンデリン……親しい者はヴェルと愛称で呼ぶので彼はヴェルと略して呼ぶが彼はドイツの片田舎の出身、そして翔太は沖縄出身と割とバラけた様な偏った様な不思議な取り合わせだった
面白い事に皆同じ(今生)16才で家庭環境は皆良好、だらしない姉が居る裕人、自慢の完璧超人な兄が居るヴェル以外は皆一人っ子であり、それぞれ家族や友人、そして……翔太以外皆彼女持ち故に彼女を護りたいからこの場に来てあの試練を踏破して来たと言う
それぞれ彼女の写真を見せてくれたが……だいたいスタイル抜群な、それこそ嫁シキガミ級の超絶美少女ばかりであった。稟の小柄だが瀟洒なお嬢様的雰囲気をした紫色の瞳が特徴的な彼女、裕人の栗色のふわふわした髪をした清楚なお嬢様的な彼女、創の黒髪ロングで清掃……そうだけど押しも割と強そうな女傑っぽい彼女、陽介のウェービーな黒髪ロングで何処か桜の花を連想させる印象を持ったこの中では唯一スレンダータイプの彼女、ヴェルの金髪ストレートロングでシスター服を着た清楚そうな彼女?シスター服?
『『『『『まさか……メシアンか!?』』』』』
五人が一体何を考えたのか一発で理解したヴェル曰く、彼女であるエリーゼは普通に伝統的なカトリック信徒でカトリックはメシア教を異端視しているから間違ってもメシアン扱いはやめてやってくれ、と言い返した。実際敬虔なカトリックはメシア教嫌いが非常に多いらしい
ヴェルが日本に来たのもエリーゼがメシア教に『マリア候補』だと目を付けられたからであり、その日本での受け入れ口が今日会った朝倉さんとその奥さんの地元だった……それがきっかけで今此処に来れたとヴェルは言う
ヨーロッパの一神教事情に皆でふんふん頷きながら続く会話の中で彼らの一人である翔太がぽつりと呟く
「なぁ、皆に聞きたいんだが……」
そして、彼はもう一度意を決して仲間達に問いかける
「お前らが知っているメガテンシリーズって何だ?」
一瞬、場が凍りつく。そして恐る恐る答える
「僕は……旧約だっけ?ナムコットが出したゲームと小説版を読んだぐらいかな?てかそんなに長寿なゲームになったのアレ?」とは創
「俺は真1を、あと2を少々だな」とは裕人
「俺は確か真3の序盤ぐらいで投げた、アバドン王とペルソナ3は攻略出来たけど」とは稟
「俺はifとペルソナぐらいだな。どちらも未クリア」とは陽介
「真1からデビルサマナー迄ならかな?」とはヴェル
「言い出しっぺの俺は真1からストレンジジャーニー、デビルサバイバーまではだいたいやったよ」とは翔太
皆が翔太を凝視する……たじろく翔太、そして五人は目配せ後に全員同じ様な台詞を吐いてきた
「「「「「コンゴトモヨロシク、リーダー!」」」」」
この世界で一番重要な女神転生知識の深い翔太をリーダーに据える。皆基本的にかなり古い知識が僅かしか無い様であり、彼らの前世は割と古い時代で享年を迎えたという共通事項が此処で判明した
この時代遅れの六つ子状態転生者達……次の日、異界入り口で『パーティー攻略は出入り口の試験突破から』といわれて一時解散するまでまぁそれなりに盛り上がっていた。ちゃんとその日のうちに全員ちゃんと鍛えて難なく餓鬼を撃破に成功、そして次の日に六人で浅層攻略に挑む事となった
餓鬼のドロップは……まぁ今までの悪魔よりは美味しいけど未だ効率が良いとは言えない。クリア報酬の宝箱には一律500魔貨入り巾着袋と十連ガチャ無料チケット、後は浅層入場用の鍵が入っていた。これで最低限は半人前だろうか?少なくともショタおじからの『ちょっとした御祝儀兼支度金』らしいとは聞いた
彼らが嘗て生きていた時代に『ガチャ』と言えば……駄菓子屋やスーパーといった場所に設置されたカプセルトイズの事であり、ソーシャルゲームやオンラインゲームには縁の無い生涯だった彼らだけど一応ちゃんとこれが『非常に高価な福引き』である事ぐらいは理解している。偶にこの異界の宝箱などに入っていたり、難易度高めの依頼報酬に入っていたり、ごく稀な慶事の振る舞いに配られるお宝チケットである事も覚醒を果たした際の基本講座で知識はある……360魔貨とか360万円とか狂気的な福引きもあったものである。それだけ稼ぐ為にどれだけ苦労するんだオイ?
とりあえずガチャは……各々どハマりしない様に注意しながらと注意勧告し合いながらそれぞれで好きに扱う事となった。その日のうちに皆お試しで使って割と全てにおいて『良いもの』が出た
なるほど……ガチャってのは本当に怖い麻薬みたいなものだわ、スレで阿鼻叫喚する訳だ
資材、資金全てが未だ殆ど何も無い彼ら全員でそんな風に考えながらガチャに依存しないように心を強く持ち続ける。皆共通で当たった海豚がくっついた変な兜……ドルフィンヘルム(初期モデル)という見た目の酷さを除けば呪殺、精神耐性の神装備を抱えて彼らは真の浅層に挑むのであった
その次の日が彼らのシキガミとご対面予定なのでなるべく稼いでおきたいという理由もある、それとなるべくレベルアップを重ねて強くならないと夏休み終了後にこの安全地帯である神社から退出して危険な外で生きてゆかねばならない。特に東京暮らしの四人はそれで戦々恐々である……女神転生の舞台は東京であり、東京はほぼ間違いなく悲惨な運命を迎えるからなるべく早いうちに強くならないと自身や身内友人恋人全てが悪魔の餌食か慰み者にされてしまうだろうし
そんな焦燥感を抱えた六人の修羅の卵達は……浅層の悪魔相手に大暴れしていた
出入り口に居たスライム、ゴースト、そして歩く屍ゾンビ、最初の試練に出た餓鬼、エジプト神話の人間の魂を表す鳥バー、襤褸着を纏う小人ブラウニーといった悪魔が複数体ごと現れる様になった
先に出たスライムやゴーストも出入り口のとは何処か違う……それに真っ先に気付いたのは斥候役の裕人だった
「皆気を付けろ、いままでのスライムやゴーストとは完全に別物だぞ。感知能力が段違いだアレ!」
「こっちもわかる、ゴーストをぶん殴った時の感覚が全く違う!」
「稟の言う通りだ!、切り口が違い過ぎるぜ!」
「皆気を付けて、ゴーストは本来物理攻撃に耐性持っているから!」
「くそっ、霊力はなるべく後まで温存しときたいけど……ヴェル!残り何発撃てる!俺は範囲なら五発、単体だけなら十一発はイケる!!」
「攻撃だけなら十二発!回復なら九発かな!!バフデバフはそもそも未だ出来んッ!!」
数も爆増し、序盤に出た敵も強化……いや、むしろ『本来の能力』で襲いかかって来る。偶に攻撃魔法や回復魔法でいやらしい支援をするピクシーに翻弄されながら彼らは懸命かつこの段階でなら間違いなく賢明に対応して戦っていた
これは最初の試練を超えたと浮かれる俺たちに冷水をぶっかけて眼を醒まさせる為の『初の裏試練』とでも言うべき洗礼である
……今にして思えば、ショタおじという男は俺たちには優しいがある意味非常に意地が悪い一面もある。まぁ実際にはそう思えてしまうぐらい過保護なだけなのだが、ハードモード修業でもそのスタンスは理解出来ていただろう
普通の調子付いた俺たちなら良くて三人ぐらい、大概一人で餓鬼の弱さに調子付かずにちゃんとレンタル式神やアガシオンを用意しているのは気の利いた部類だと言えるぐらい緩急差の激しい猛ラッシュに総崩れしてしまう。大概は全滅して見回りの式神に回収されて蘇生、そして反省会送りがデフォだ。少なくともこの裏試練で生きて帰れる奴はあまり多くはない。大概生き残ってもアイテムなどの消費で大概赤字だ(今回だけは生死問わずある程度までなら補填してくれるけど)
しかし……今回は六人かつ物理特化の
大輝の
六人がそれぞれで出来る事に集中し、必死に闘い抜いたその結果……
「……お、おい、皆生きているか?点呼取るから生きている奴は答えろ」
「1」「2」「3」「4」「5」
「6、よし皆ちゃんと生きているな?死ぬ程疲れてへとへとだろうが今すぐ戦利品回収して生きて帰るぞ。帰る迄が遠足だからな?」
「もうチャクラドロップもカンバンだしな、霊力もカラカラだよ」
「俺ももうペルソナなんて出せないぞ、そろそろ悪魔殴り過ぎて腕も痛いしな……ぶん投げた俺の戦鎚何処だ?」
「僕のガイア銃もいきなり使い過ぎてメンテ必須だよこれ」
「俺の剣も研ぎが居るなこれ」
「俺が見張るから皆は早く戦利品を回収してくれ、これ回収出来なきゃ大赤字だしな」
そんな風に愚痴りながらも見張りを立てて、傷だらけのスパルトイ達にも手伝わせてから大量の魔貨、魔石や様々な悪魔の本来の残滓である物資フォルマ、アタックナイフや木刀と言った幾つかの品質や精度の低い祭具、チャクラドロップや宝玉と呼ばれる魔石の上位互換、他雑多な消耗品に何故か終わった後に現れた宝箱(中身は宝玉、蘇生アイテムの一種である金丹と十連ガチャ無料チケット、それと千魔貨の入った袋が人数分、あと『一発クリア報酬』と書かれた紙切れ)……人数割りにしてもそれぞれにちょっとした一財産を齎すぐらい大量の戦利品をどうにか手早く回収して即座に帰宅することにした
そろそろ真面目に帰還する必要がある状況だ。あのラッシュが無ければ間違いなくこの辺りぐらいならソロでもイケるレベルにはレベルアップを果たした。掲示板でちょくちょく言われている『レベル10の壁』は全員突破出来た……今は未だアナライズする余裕がなくて明日に分かる話ではあるけど
帰還するなり、即座に製造班の工房にスパルトイ達やその装備、そして自分達の武具防具のメンテナンスを依頼する。あの激闘でスパルトイ達は結構ダメージを負っていたし、テスト期間中はなるべくなら魔石、回復魔法治癒よりも製造班に持ち込みが推奨されているからだ……ついでに期間中ならば修理費は只だし
スパルトイを製造班に預け、次は受け付けにある『魔貨銀行*8』に向かい今回得た大量の魔貨を計上して貰ってから頭分けして預ける……今日の担当は見た感じでだいたい二十代前半ぐらいだと思うやや小柄だけどスタイルの良い三つ編みの可愛いらしい印象のお姉さんだった*9
通帳に記載された魔貨は……だいたい今回預けた分で二千超えという凄まじい数だった。今まで溜まった魔貨を合わせれば皆だいたい三千魔貨は貯まっているだろう
ついでに受け付けで何らかの納品依頼を受けておけば多少高く戦利品が売れるだろう。今回得たフォルマの全て、魔石の半分、いらない祭具、数で割れない余りの宝玉三個……その報酬でだいたい頭割り千魔貨ぐらいにはなるだろうか?とりあえず皆四千魔貨の貯蓄は出来た訳である
その成果をこのガイア連合に来た時、『俺たちの一員』だと認められた時に与えられたものの一つに『黒いカード』がある。近年ガイア連合に所属する富豪な俺たちや実業家な俺たちが協力して作った『ガイア連合の正規会員証にして優待クレジットカード』という代物がある
これ以外にも『ショタおじに直通する防犯用アラーム』としての機能や、今回の様に『魔貨専門のキャッシュカード』としても使える機能も備え付けられていて基本的にガイア連合は他所から見れば『魔貨偏重主義』とでも言うべきレベルで上も下も魔貨を求める者ばかり故に常に運営は魔貨不足に喘いでいるらしい
下は下でシキガミの維持費や自身の研究、装備やら終末対策の貯蓄など様々な理由で魔貨は大切であり、上は勿論組織運営や大規模なプロジェクトなどに莫大な魔貨を必要とするのは理解出来るだろう
この『魔貨銀行』というシステムはなるべく魔貨を多く手元に残しておきたい運営の苦肉の策の一つであり、タンス預金をやりがちな修羅系俺たちからタンス預金になる筈だった魔貨を預かって運営でその魔貨を有効活用するプランの一つである
勿論預ける側にもメリットはあり、ちゃんと一月事に日本円でだが割と良い利息が付くし、支部を運営する俺たちがこのシステムを使うと運営もちゃんと更なる優待処置を取ってくれるしローンなども前向きかつ優待的に行ってくれるからありがたい
今の彼らみたいな駆け出しでも……碌な拠点も無い彼らにとって『魔貨の保管先』は非常に重要であり、その預け先として銀行は非常にありがたい存在である。この神社は防犯能力は高いが一定数の『福本モブ系俺たち*10』だって存在する事を忘れてはならない
だから運営に預ければ安心という訳だ
運営ならば掲示板で無責任な俺たちからとやかく言われもするが基本的に信用、信頼しても良い存在だと彼らは一致して考えている……そもそも、今現実に世界は破滅一直線であり少しでもマシな未来を築きたいとガイア連合に賭けた地点で運営をある程度は彼らを信用し信頼する必要があると思っている
これから沢山お世話になる身として運営とは仲良くするスタンスが良いだろう。少なくともギブ&テイクがちゃんと成立する間は、だが
六人それぞれが口座に魔貨を預ける。後は風呂に入って何時ものカレーを食べたら寝る……前に最後の力を振り絞ってスパルトイの運用レポート執筆である
会議室を借りてせこせこレポート用紙と取っ組み合いながら眠気に負けそうな仲間が居ればそいつをしばき倒しまたは倒され、そんな喧嘩擬きな殺伐とした過程の果てに彼らが眠れたのは日付けが変わって直ぐになった
簡略ステータス
比嘉 翔太 Lv11
耐性:破魔無効 電撃、精神異常、呪殺(装備)、魅了(装備)耐性
技能:ジオ、マハ・ジオ、コンセントレイト、一分の魔脈、幸運、魔法石作成基礎、簡易悪魔召喚
解説:スタイルは純魔術師(アイテムクラフトの素質有り)。パーティーをなし崩し的に、かつお試しではあるが結成に成功
真の浅層入場試験で強くなる事に成功。今回だけ使ったアイテムが補填されたので非常に懐が暖かくなるがシキガミ購入ローンを考えると未だ余裕とは言えないと自戒する
土見 稟 Lv11
耐性:破魔、呪殺(ペルソナ降魔時)無効 精神異常耐性
技能:ペルソナ降魔(アルカニスト 法王:無銘聖者)、闘気(悪魔に対して素手で戦える)、逃走加速、一分の活泉、食いしばり、簡易悪魔召喚
ペルソナ 法王:無銘聖者
耐性:破魔、呪殺無効
技能:ディアラマ、メ・ディア、ハマオン、地獄突き、暴れまくり、武道の素養(?)
解説:スタイルは番長、ペルソナ使い。ある意味伝説的なエロゲ主人公……の姿とある程度近似した性質を持つだけの原作持ち俺たち。『小説版』の影響を強く受けているせいかステゴロの才能は並外れたものがあるがペルソナ使いでもある(『原典』の精神力と人格が強く出た影響だろうか?)
『間宮 莉子*11』という幼馴染兼彼女が居る
何気に珍しいペルソナ使いのしかも優秀な新人なので某孤軍奮闘するペルソナ使い*12にロックオンされているが、スパルトイのテスター終了後は即座にスライムニキの研修送りが確定済みしている
彼のペルソナ『無銘聖者』は『歴史の中に埋もれた聖人と呼ぶに相応しい人々のイメージ』みたいなもので、恐らくは稟の心が成長することで進化するだろうと同じペルソナ使いであるショタおじから鑑定されている
小説版の設定で『魔法の素質は非常に乏しい』とある為、自身で魔法を使う才能は無いがペルソナによる魔法か悪魔召喚術なら使える事は判明している
戦闘スタイルは……ペルソナは強いが連続行使どころか降魔するだけで消耗が激しいので普段は悪魔を拳か鈍器でぶん殴るかなり荒垣先輩なスタイル。現状ではスキルは一日一回しか使えないし、降魔状態は三分ぐらいしか持たないのがネック
綾瀬 裕人 Lv11
耐性:破魔無効 呪殺(装備)、精神異常(装備)耐性
技能:得意科目・家事、アイテム習熟、隠密行動、幸運な助言、カバー、直感、マッパー、追加コネ、簡易悪魔召喚術
解説:スタイルは忍者、従者。とあるライトノベル主人公……少なくとも前述の稟よりは再現度の高いタイプの原作持ち俺たち
本来は重度の近視で眼鏡必須だったが覚醒により眼鏡が必要なくなった為眼鏡を度無しの伊達眼鏡に変えた(無いと落ち着かないらしい)
『乃木坂 春香』というお嬢様な彼女持ちだがまぁ……かなり『原典』に近い人生を送っていて至る所にフラグを乱立させてしまった為その処理がどうなるかで彼の運命は決まる。原作と違う結末になる確率が非常に高いだろう
戦闘スタイルは普通にガイア銃を使いながらアイテム係ではあるが、本領は偵察や索敵、マッピングなどスカウト系スタイル。パーティーを組むなら一人は欲しいタイプ
南雲 創 Lv11
耐性:破魔無効 呪殺(装備)、精神異常(装備)耐性
技能:得意科目:コンピューター、アイテム習熟、スーパーショット、アイテム修理、こんなこともあろうかと!、幸運、アナライズ、ブルズアイ、簡易悪魔召喚術
解説:スタイルは候補者、ガンスリンガー(但し魔匠、ハッカーの素養が目覚め初めている)。神薙改式氏の『ブーストニキ』に非常によく似た別物、イメージは『奈落に落ちる前の南雲ハジメ』
実はTS転生者で女性としての人格を有しているが自己や性認識は男性、『白崎香織』というやや押しの強い彼女が居る。非常に珍しいことに両親も彼女も『前世の記憶持ち』である事を普通に受け止めてくれているので彼らを深く愛している
TS転生である為か容姿が原作よりも激しく『男の娘』に傾いている。身長が辛うじて150㎝と非常に小柄で彼女やその友人達と並ぶとおねショタと言うよりむしろ百合の構図になってしまう。その為某ニキとは姓と名の読み以外では最早完全な別人。または『性別:創』ともいう
両親は人気ゲーム会社の社長かつガンマニアで一年に一度は家族総出で銃を撃つ為に海外旅行に行くぐらい仲が良い
戦闘スタイルは銃撃としながらアイテム係かつ知恵袋担当、技師の素質もありアイテム修理ぐらいなら今でも出来る。パーティーに一人は欲しいタイプその2
ガイア銃には不満が多く、出来れば実銃が欲しいらしい
ヴェンデリン=バウマイスター Lv11
耐性:破魔無効 呪殺(装備)、精神異常(装備)耐性
技能:マグナ、アギ、ハマ、ディア、ポズムディ、コンセントレイト、一分の魔脈、幸運、財産、簡易悪魔召喚術
解説:スタイルは純魔術師。ある意味翔大より珍しい海外生まれの俺たちでとあるなろう小説を原作に持つ俺たち、その為この世界の彼は次男坊なのにその名前と顔で『八男ニキ』と渾名される事となる。稟程ではないが『原典』との乖離が強いタイプの原作持ち
『エリーゼ』という敬遠なカトリック教徒の彼女が居るが……メシア教に狙われている為日本に留学という型で一緒に逃げて来た。これから双方の家族も来る予定であり、その為日本に身内全員が完全に帰化出来ても困らない為の蓄えを求めて頑張っている(両親、原作なら五男だった兄と兄嫁、彼女とその両親にその兄夫婦と祖父……伯父?あの人なら大丈夫でしょう)
後々、実は『ドイツ、そしてカトリックの自由過ぎる最終兵器』扱いされている現地SSR枠の彼女の伯父(筋肉)に弟子として眼をつけられる事になる
戦闘スタイルは魔法特化、魔法の習得と効率的な運用を猛勉強している。出来る限りショタおじの魔法講座を受講している姿が見られている、現在の目標は何らかのバフ、デバフ系魔法、出来れば転移系魔法の習得
魔法系便利屋を序盤の目標としている様だ
三浦 陽介 Lv11
耐性:破魔無効 呪殺(装備)、物理、精神異常(装備)耐性
技能:スラッシュ、ヒートウェーブ、気合い、一分の活泉、ディア、簡易悪魔召喚術
解説:スタイルは剣士、サクセサー(専用の剣は未所持)、御祇島千明氏のコミック版女神転生の登場人物……に産まれてしまった激レアかつ哀れな俺たち
『プレジデント』と名乗る悪魔オセとの戦いの果てに恋人である『八神咲(木花咲耶の転生体)』を護る為に戦って死ぬ運命にあった……が、ショタおじが修行にかこつけて死因である内臓抜きを猫科であるあの鬼畜猫にそれを様々な型で再現させる事で死亡フラグをある程度はへし折っているが、何時かは自力でオセを倒す事が必要になる宿命を背負っている
この六人の共通点の一つである『自身、互いの原作を知らない』という事情のおかげで非常に助かっている……強大な悪魔に悪縁のある死亡フラグ持ち故に原作を知る俺たち(戦う意気地の無い者など)からは忌避されているが一部の『修羅勢』と呼ばれる文字通りの修羅達からは『強敵との縁』を羨まれているらしい
戦闘スタイルは純粋な剣士、シキガミを剣型にして『サクセサー』という魔剣使いスタイルになる予定