凡庸でありふれた転生者達の小話   作:血涙鬼・彼岸

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今回は翔太以外の五人のヒロイン達や身内友人らの初登場回……でもメインは春香さんになりましたね

世の中には『常識的にあり得ない事態』というものがあり、この世界では大概俺たちやショタおじが周囲にその感覚を撒き散らすものである……だが、時にはショタおじ自身がその『常識的にあり得ない事態』に宇宙猫したりたじろいたりする事だってある。まるで絵本スイミーの捕食者である大魚の様に

今日はそういうお話です……縁と才能の金鉱山?いやこれダイヤモンド鉱山じゃない?石油殿付きの?という訳で今回大きく出ます!


第十九話 発足!沖縄支部 驚愕編

 

「ガイア連合とメシア教の違いは何でしょうか?」

「大して違いはない、安楽椅子と電気椅子の差ぐらいのものだ」

 

(ガイア連合式メシアンジョーク集の一節より)

 

 

先程の衝撃的な珍事、いや不祥事から直ぐにショタおじ(の分身)が今回覚醒してしまった沢山の民間人達の状態を鑑定しに来てくれた……今回の不祥事を鑑みれば当然の話か?

 

まぁ……もしかしたら彼らの身内や知己の中にも『無自覚な俺たち』が居たりする可能性もあったりするかも知れないというショタおじなりの下心もあるし、それが無くともマダオニキがちょくちょく写真を見せてくる『乃木坂姉妹』というマダオニキの娘さん達も居るし*1。もしも危険な素養や稀少な素養を持った者が出た時の為でもある、彼らは翔太達からの大切な預かりである事もあり現地民に対しては全く興味の無いショタおじですら彼らに対してはある程度でも真剣に向き合う必要があるのだ

 

特に才覚高いものをピックアップするなら、最初に挙げるのは既に覚醒済みの面子であり、先ずは息子と同じく徒手空拳の達人である土見夫妻と魔界魔法使いの間宮夫妻は全員才能限界30と現地民としては非常に高い才覚がある。稟の素での運命力の高さを感じる様だ。そしてこちらは現役デビルバスターの剣士『綾瀬ルコ』とその相棒兼親友の魔界魔法使いの『上代由香里』は共に才能限界は20代其処ら。それと……マダオニキの妻である『乃木坂秋穂』は才能限界40とかなり凄まじい才覚がある様だ

 

特筆するべき筆頭はやはり彼らの恋人達五人……そしてその姉妹や女友達数人と以外な人物夫婦といった処か?

 

先ずは稟の恋人である『間宮莉子』、母親と同じ火炎系の魔界魔法の才能に目覚めた様だ、そしてその才能限界は70!何とも凄まじい素質である。そして稟の幼い頃からの悪友である『緑葉樹』、彼の才能限界は30とこれはこれで中々の素養がある

 

次は陽介の恋人である『八神咲』、どうやら『木花開耶媛』の転生体*2らしい。才能限界はだいたい70、やはり凄まじい数値だ……あと一人親友も居るが彼は出来る限り覚醒させずに民間人として生きていて貰った方が良いとショタおじから直に希望されているからこの場には呼べなかった*3

 

次は創の恋人である『白崎香織』とその友人である『八重樫雫』と『園部優花』……また、である。また全員揃って才能限界50という滅茶苦茶な数字だ、しかも香織に至っては何故か赤子サイズかつ背に大金槌を背負ったぬいぐるみの様にデフォルメされた笹を纏う二足歩行の瓜坊*4といった可愛らしい姿に変化してしまっている有り様だ

 

ショタおじや黒札、元から覚醒者達なら一発で気付いたが……どうやら彼女はデビルシフター*5になった様である。ちなみにこの瓜坊のぬいぐるみみたいな物体はショタおじの鑑定に曰く『猪笹王』、紀州の一本ダタラの亜種にしてどうやら『天目一箇神*6』に修行次第で昇華する余地があるからこうまで高位の霊的素養があるのかも?とはショタおじの言だ。この件が終わったら比較的真っ当な良識のあるデビルシフター俺たちに教習を頼む必要があるだろう。まぁ悪魔化アバターがぬいぐるみ化している辺り彼女の自我が既に猪笹王を『喰っている』っぽいから大丈夫かも知れないが

 

後々、南雲創は頭にぷいぷい鳴く兎を乗せ、ぷひぷひ鳴く瓜坊を両腕で抱き抱えて異界に挑む姿がちょくちょく見られる事となる。やはり前世は女の子だったから可愛いものに目がないらしい……偶に兎と瓜坊を雫や優花、母に取られて複雑そうにしているし

 

ついでに創の友人達も何人か来ていたが彼らも素養は大半が30から40と非常に優れた者ばかりだった

 

流石に此処まで優れた現地民を立て続けに……しかも皆最近特に目をかけている者達の縁者に連発するというのも流石のショタおじですら顔が引き攣りそうになるぐらいに驚愕ではあるが務めてポーカーフェイスで最初から非常に優れていると分かる方から片付ける

 

お次は裕人の恋人『乃木坂春香』とその妹『乃木坂美夏』、そしてその友人である『天宮椎菜』だが……美夏はだいたい80、黒札の娘としてもかなりの数字である、椎奈が40、多少大人しく感じるがこれも間違いなくSSR判定だ

 

問題は春香……見ると、『測定不能』間違いなく『俺たち級』の素質持ちかつしかもペルソナ使いである事が判明した。と、言うか『金色の瞳』以外は彼女自身にそっくりなシャドウが突如現れて彼女を責め立てていたからだ

 

 

(貴方)は裕人に甘えてばかりじゃない!だから貴方()の方が彼を幸せにしてあげられるから譲りなさいよ!』

 

 

要は彼女の中にある『裕人への依存とそれでかけてしまった迷惑への自責』から来た彼女の影法師(シャドウ)とのやりとりである

 

普通なら自分の最も醜悪な一面を否定して……という流れだが今回は一味違った

 

 

「裕人さんと見た古いアニメにありましたね……『人は自分を見るのは不愉快なもの』って、だから貴方も不愉快なんですね?」

 

 

その影法師を『自分自身の暗黒面』だと正しく理解してそんな風に返して来た……既に彼女は裕人の覚悟と気概を知ってその想いに生涯応える覚悟を極めている。だから今目の前に存在する不愉快なもの(最も嫌な自分自身)すらも利用し倒す(受け止める)事だって出来る

 

 

『負けたわ……私はあんたがちゃんとあんたである限り力になってあげる、私だって裕人を護りたいし独り占めしたい。だから

 

我は汝、汝は我 我は楽士の聖徒セシール』

 

 

蒼い玻璃の欠片が舞い散る様なエフェクトと共に現れた『それ』は無数の鍵盤と弦糸の繭に包まれた女性の様な姿をしていた。俺たちなら『ペルソナ3のルチア』に似ていると感じるだろう。実際にルチアと同じ『一神教の女性聖人』だから

 

セシールとは音楽家と盲人の守護聖人であり、楽器演奏を以て音楽を神に奏上する聖女であり……ペルソナとしての能力は正に先に挙げたルチアと同じ『探知型(ナビ)ペルソナ』である。ある意味では俺たち(ガイア連合の転生者)よりも稀少な存在である

 

常に仲間に餓えるハム子ネキ*7だけでなく承太郎ニキ*8やコミュ力お化けにして新人ペルソナ使いの指導員であるスライムニキ*9というペルソナ使いの幹部達ですら滅多に見れないし見つかった試しは殆ど無いらしい。故にガイア連合ではその素質ある者を最優先常時募集中という辺りからその希少性を理解して欲しい

 

今回の件が終わったら直ちに彼女(乃木坂春香)は先に挙げたスライムニキの元で沖縄に行く準備が整うまで研修に入る事が確定した。それと彼女の存在には稟のペルソナと同じく緘口令が敷かれる事が決まった……『聖人のペルソナ持ち』とかメシアン畜生に知られたらどんな大惨事が起きるか知れたものではないからだ

 

ショタおじですら滅多に見れない超希少種のナビタイプペルソナ、おまけに聖者型かつ素養が俺たち級……驚愕で顔面崩壊しそうな状態なのを必死で堪えて最後の一人に向き合う。第八巫蠱衆*10は既に滅んで『運喰い蟲*11』も製法含めて滅亡した筈だが何だろうかこの偏り倒した豪運は?悪い卦は出てないから大丈夫だろうけどとか思ってしまうショタおじであった

 

最後の一人であるヴェンデリンの恋人『エリーゼ=ホーエンハイム』は既に覚醒済みだがこちらの扱いの方がしっくり来るだろう。彼女の才能限界は60、治癒、破魔、結界となるほどメシア教が『聖女』呼ばわりするのも納得の素養である、後兄である『エーリッヒ=バウマイスター』とヴェンデリンの男友達代表の『エルヴィン=アルニム』と色々不幸な生い立ちだが多芸の極みであるエーリッヒの友人である『ローデリヒ』の三人がそれぞれ30、35、30と優れた才能限界値だった

 

そして最後に……とある以外な人物夫婦だが、それは翔太の両親だった。ヴェンデリンの身内と同じく出張中の密輸課が総動員で引っ張り出して来たがまさか彼らが『沖縄の霊的組織の重鎮』だったとは思ってもいなかった

 

素質はまぁ30に25とが中々のものだが今までの戦いの古傷で殆ど再起不能状態になり戦線からは引退した身らしい、翔太(息子)の話を聞いて怒れば良いのか褒めれば良いのか非常に複雑な表情をしていた

 

ちなみに周りの親御さん達はほぼ皆同じ表情だった、八神夫妻だけは心底申し訳なさそうな表情だったが

 

それぞれの親御さん達が皆その共通点でわいわいやっている最中、陽介の母である三浦さんが八神夫妻をその輪の中に誘う景色が見える……色々な意味で泣きそうになる八神夫妻を暖かく受け入れる保護者会の面々

 

その中でオタク魂(本能)に激しく抗いながらも理性と良識を総動員しながら真面目に対応する南雲夫妻の姿は変に印象的だった、そしてそれに気付いて全力でツッコミを我慢する白崎父の姿にも

 

一方で集まった彼らの友人達や彼女達はそれぞれの情報を共有し合っていた。現代ファンタジーとすら言えずダークファンタジーと言うにすらエグ味が激しく血腥い悲惨な現実を突きつけられて懊悩していた

 

大半の少女達は恋人(想い人)が自分達の為に地獄の最前線に殴り込みをかけていたという現実に嘆き、それでも自分もやるべきことを理解する為に『先達』である彼女を見る

 

 

「……えっ?私ですか?」

 

 

エリーゼである、確かに彼女は既に修行を始めた先駆者であるからして彼女達にとっても話を聞きたいだろう。彼らの挑む試練的にも告げられた世界滅亡の兆候的にも……それについさっき現れたイカレた宗教テロリスト(メシア教)の存在的にも考えて

 

先ずやる気のある者達はこの件が終われば時間が許す限り四国某所の海上にある隠れ里異界『初音郷』に行ってトレーニングが出来る権利が与えられる。行く行かないを問わず必ず『オカルト社会において最低限必要な常識講座』は全員必ず受講する事となる

 

ちなみに、ヴェンデリンの身内の大半は日本語がわからないのでドイツ語通訳としての機能付き式神が提供された。まぁ未覚醒者用の防犯ブザー代わりに通訳機能を与えただけの子供騙し程度の代物ではあるがちゃんと彼らの役には立っている

 

こういう通訳機型式神は実は割と人気が高く二カ国通訳でも非常に精密な通訳が出来ることから何気に富豪な俺たちやその協力者から大人気な商品だったりする

 

そんなこんなで色々と話し合う周囲、そんな中で語らうそれぞれの若い男達、その中でも親兄弟と不仲なエルヴィンは「良いきっかけだ」と最低限の荷物だけ持って直ちに沖縄に移住を決意しているし、何やら『社会の裏』にも幾許かの知識があるらしい樹も『唯一の親友』を放ってはおけないと既に移住計画を構築し初めている

 

他の男達も今見た現実で真面目に今後の身の振り方を考える。少なくともあの一神教を騙るキチ◯イカルト宗教団体の醜悪かつ悍ましい有り様、そして『悪魔』と今を説明してくれた人々が教えてくれた怪異の存在とそれらへの対抗手段……少なくともガイア連合に一つ確かな義理が出来た

 

最悪……これが悪質な詐欺や出来レースである可能性もあるが、彼らの友人の縁や信頼でひとまずガイア連合を信じてみる事にする

 

後日かつそれほど遠くない未来に彼らはこの判断を『ノアの箱舟乗船券』を得た生涯最高クラスの名判断だったと魂から思い今では上司と言うかボスになった友人に心底から感謝したものだ

 

少なくともこのオカルト世界は非常に厳しい才能格差が存在し、此処に集められた者達の幾らかの様な才能有り(存在)は高額宝くじの当選より珍しいものだが……何とも恐ろしい偶然で集まった奇跡もあるものだ。と彼らに説明をしてくれたショタおじ(総責任者)がそう語って彼らは十名づつ一組にされてゆく

 

これから新しい神秘体験……山梨迄の瞬間移動を実際に体験して貰う為である

 

此処で一つ……普通の霊能者にとって転移魔法の使い手というものは非常に珍しいものなのだ。転移魔法の素質持ちはそれこそ非常に少なくそれでいて育成が難しく仮に習得出来ても素質の問題で距離や運搬出来るものや人員に限りがあり一回行使する事に消耗が激し過ぎて一日一回か頑張って二回、命を捨てる覚悟でようやく三回がせいぜい、しかも長いインターバルが必要なケースが普通と基本的に制約だらけである

 

それこそ世界的にシェアNo.1のメシア教ですら現状のガイア連合の様に転移魔法を使いこなす人員大量確保は不可能である。せいぜいが『移動』に関わる大天使辺りを拝み倒して使って頂くぐらいらしい

 

それこそガイア連合密輸課の様に優秀かつ柔軟に大量の物資や人員を運ぶというのは古今東西全てのオカルトを知る権力者らが一度は必ず考えて棄却する……偶に馬鹿な独裁者などがやらかして貴重な転移能力者を無駄に使い潰す愚行を犯すのもままある話だ

 

 

さて……密輸課の皆が彼らを山梨第二支部*12に送ってからショタおじは一人ごちる

 

 

「まるで此処だけ戦前みたいな有り様だね。探せば案外素質持ちは居るものかも?いやこれは間違いなく奇跡か何かだね……もしかしたらこの縁が彼らが選ばれた理由?いやまだまだ沖縄には何かありそうだね」

 

 

自身やくそみそニキ、他多数の予知能力者俺たちの一致した予言の結果かも知れない。少なくとも『俺たち級の素質持ちペルソナ使い(乃木坂春香)の発見』というガイア連合でも非常に大きな収穫まで来た。冗談抜きでマダオニキ&執事ニキの大金星だこれ

 

これで乃木坂財閥は対沖縄に専念するだろうし、先の事件解決や彼女の発掘などで沖縄支部*13の手柄が積み上がって行く様には苦笑を禁じえないものだ

 

 

『さて……時間的にはそろそろ彼らは宴席に入った頃だろう。今回はあの事件の大人三人に彼らの説得は任せた。後は予定が破茶滅茶な事にはなったが保護者友人恋人の承諾で逃げ場を塞がせて貰う。大丈夫、今回こちらもかなり本気で支援する積もりだから……いや、これは言い訳だな』

 

 

内心で自嘲しながらショタおじ(分身)は……最後に残っていた密輸課職員に捕まった

 

 

「ショタおじ(分身)、そろそろ新しいシキガミ作成の時間です。さぁ逝きますよ?」

 

「……それ、『いく』の字違わない?俺は仮にも盟主よ?」

 

 

やはりショタおじも基本的には『俺ら』である、しまらないがまぁその辺りが俺らが俺らたる所以だろう

 

*1
ショタおじの認識だと『俺たちの子』は『親戚の子』みたいなイメージだろうか?

*2
ガイア連合では予め知ってはいたが、それでも彼女の存在で起きる事件の危険性から即座に確認を要する話なのでショタおじが診断に来たという裏事情がある

*3
将門公の転生者という時点で……ね?

*4
猪の幼体

*5
悪魔に変身する能力に目覚めた異能者

*6
天津神の鍛治神、一本ダタラは彼の神の零落した姿だとされている

*7
タルタロスと呼ばれる非常に過酷な地区担当、ほぼペルソナ能力持ちシキガミ以外の仲間には恵まれない

*8
メメントス対応の某星屑十字軍のスタ◯ド使いにそっくりな俺たち

*9
マヨナカテレビ担当。作中一番の聖人、様々な意味で……だから頼むからあんたは後方支援をやってくれ!前線に出ないで!byガイア連合所属ペルソナ使いの総意

*10
葛葉ライドウ対アバドン王作中のヤタガラス下部組織。蟲を使う暗殺者集団

*11
第八巫蠱衆の秘技、文字通り敵対者の運を喰らう蟲

*12
俺たち以外が入場出来る表向きガイア連合本部扱いの施設

*13
一応は未だ発足前だが





『ヒロイン一同ほぼ皆素質SSR』は最初からこうする予定でした。ショタおじをガチかつ無駄に驚愕させてあげたくてね

……真面目に言うとメシアンとか70レベル代のおかわりとか平気な顔で出来るんスよね。真面目な話あいつら世界各国でやらかしてますからね。それと沖縄の大異界は攻略するなら真面目にそれなり以上なレベルの人手が沢山必要な場所にしましたからこれでも厳しいぐらいですね
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