多少改変してます
天国とは、少なくともメシアンの居ない世界
地獄とは、間違いなくメシアンの存在する世界
(とあるメシア教被害者の述懐)
……あの時選んだハードコースで神主の言葉に依ればだいたい三日のハードコースメニューで覚醒出来たらしい。あれは確か毒物のちゃんぽんだったか?それともありとあらゆる業火に焼かれたんだったか?無明の闇だった気もするが、いや感電地獄だったか?
しかし、それでもそのハードコース修行の最中に自身の身体中から噴き出した様々な体液汚物で全身汚れ穢れ果てて居たのでその悪臭と不快感で意識を逆に正常に持って来れた気がする
……おっと、あの時の事を考えたらまた正気が削れそうだから明るい話題から考えよう。
ぐぎゅるるるー!
そう言えば……思い出すのも嫌な体験で忘れかけていたが今は非常に空腹だという事を思い出す、だが今は腹の虫の要求は無視して神主から説明を受ける
『シキガミ技術』を応用した分身体だという神主の端末に調べて貰った処に寄るとどうやら習得出来た力は電撃魔法と電撃への耐性らしい……やはりあの感電死体験が覚醒のトリガーだった様だ
電撃魔法、やはりあの女神転生シリーズと同じ様に『ジオ』と電撃に対する強い耐性体質、要は『電撃耐性』の二つを得る事に成功したらしい。覚醒して一気に二つ技能を得るのはかなりラッキーな部類に入るらしくどうやら成長方向も魔、運型だろうとは神主から表された、それと今までの反応から今すぐ修行すれば割とレアスキルである精神異常耐性を獲得出来そうだとおしえられた……そして間髪入れずにその再修行に放り込まれて追加一日地獄を追加体験する事となった事は嫌な思い出だったまた無明地獄だよ、しかも時間感覚一月に引き伸ばされてるよおい
ゲームの様に自分の成長方針をステータス振り分けなぞ出来る訳もなく、成長方針はプレイヤーの仲間キャラクターの様に最初から振り分けの方針は各々の霊的な性質に依ってあらかじめ決められているらしい。今は未だ一般人に毛が生えた程度の力しか無いがそれでも限られた時間で強くなる事は出来る
学校にもちゃんと親しい友人だって居るし家族仲だって悪くない。万が一彼らが悪魔やメシアンに目を付けられたら大変な事になってしまう
『……俺だって、家族友人でアマノサクガミイベント何て真っ平御免蒙るぜ』
真1最序盤の悪名高い鬱イベントの事を思い出して身震いする……今は夏休みの初め頃であり、夏休み中はこの山梨で長期バイトに行くと周囲には伝えているので夏休み中の自由時間は稼げてはいるから今は頑張って地力を付ける事を考えていた方が良いだろう
ちなみに……彼の地元のメシア教教会は割と悪質な部類*1だったので霊視ニキがシキガミのモードレットと共に住人ごと更地にしてくれたのを知るのは夏休みが終わって家に帰る筈の頃合いに知る事になる。この件で彼は霊視ニキファンの一員となった事は余談である
しかし、後々分かる事だがその『潰した分』なぞ所詮は氷山の一角に過ぎないという絶望も一緒に味わう事にもなるが、それは単なる余談だ
旧来の女神転生において電撃魔法は人権魔法扱いだった。基本的に割と敵に通り易くしかも足が早ければ敵を感電させて敵の行動を奪うといった使い道だってあるのだ
このシステムを使ったある笑い話が無印の真・女神転生には存在する……序盤最終イベントで何故かメシア教の走狗に落ちぶれたとある雷神*2との戦闘で何故かこの雷神感電してしまうのである
故にその雷神は『感電死する雷神』、『雷神(笑)』と散々笑い者にされてしまうといった憂き目に遭う事となった……一番笑い者にされた理由はその敗北の腹いせ?に世界にICBMを撒き散らして核戦争を引き起こした事だろうけど
まぁ電撃魔法はちゃんと使いこなせれば非常に有用有効な魔法ではある。後はちゃんと武装したり更に修行して他の攻撃手段を習得したりと様々な課題が出てくるが……今はちゃんと身奇麗にしてから一番の山場である『覚醒成功』を祝う為に美味しいと評判のガイア連合の食堂に向かう事にした、それこそ体感一月以上は絶食状態だったので本当に空腹で仕方ない。むしろ今すぐ水が欲しいぐらいだ
ガツガツガツガツ!
こちらも大人気の温泉もそこそこに来たガイア連合の食堂で出されたのは大皿に盛られたカレーだった。見た目は普通の、カレールウで作成したタイプの家庭的チキンカレーに見えるけどその複雑だけど継ぎ目一つわからない程洗練されたスパイスの旨味と辛味の塩梅、食感はしっかりあるのにまるで噛めば解けて消える感覚を愉しめる具材の溶け込み具合、米や福神漬けとの調和……そして、前世含めて今まで生きて尚理解出来ない未知のこの、食感とも旨味ともまた違うこの魔訶不思議なこの感覚、『美味い』という言葉の定義が根源から書き換えられていく感覚に恍惚の様な恐怖の様なそんな二律反比する奇妙な感覚が非常にもどかしくてたまらない、そしてスプーンが止まらない!!満腹中枢?なにそれしらない!!!
そして気が付けば腹がはち切れそうになるまであの美味しいカレーをおかわりし貪り続けていた
横を見れば空になった三つ分の大皿と今平らげた大皿一枚、育ち盛りの男子高校生でも普通ならこの皿一つだってヒイヒイ言いそうなこのサイズをペロリと平らげていた……これもまた、覚醒の影響なのだろうか?
偶々近くに来ていた料理長……週間チャンピオン連載の某鬼畜中華料理人*3に酷似していた俺らの一員に話を聞けた処によるとあのカレーはガイア連合名物の『ガイアカレー』という霊薬の一種であり彼みたいに精神も肉体も疲労している状態だったら貪り喰らうのも無理はないらしい。むしろあのハードモード修行を踏破して覚醒者化出来てあの食べっぷりはむしろ普通の範囲だとか?
「あの暴食系どもはまだしも腐れ転売ヤーどもに比べるのも失礼なぐらいお前みたいなのはむしろ歓迎するべきちゃんとしたお客様だ、あの試練超えて空腹も空腹なのにちゃんと身嗜みを整えて此処に来てくれた良客だ、また来てくれよ」
やはり俺たちの一員であるらしいジャンニキ、原作での親友である小此木に対する様な確かな優しさを少しだけ感じる……基本的に俺たちの一員だからか割と人格が丸くなっているのだろうか?一部のナニカに対して怨嗟と言うか怨念を感じるがそれはさておこう。今彼に何かしてあげられる様な事はそもそも無い
せいぜい、食堂やこの場所のルールを守ってお行儀良くする事ぐらいしか今は出来ないだろう
彼はジャンニキにお礼と『今まで食べた事が無いぐらい美味しいカレーをありがとう』と言って食堂を出る、今回のカレー代はハードモードを超えて覚醒に至れた者へのちょっとしたご褒美代わりに無料で食べ放題出来るシステムらしい
彼は満腹の腹を抱えて指定された部屋に向かう……風呂に入り満腹になったなら後は寝るだけだ。数日は寝る事すら出来ずに悶え苦しんでいたから今日の眠りだけは最高のものになるだろう、きっと
◯◯ ◯◯*4 男・16歳 転生者・覚醒済 Lv1
ステータスタイプ:【魔】、【運】中心の魔術師タイプ
耐性:破魔無効 電撃、精神異常耐性
スキル:ジオ
装備:ガイア連合修行僧用作務衣(普通の作務衣でしかない)
まるで軍隊訓練の様な追加修行を受けた事を除けば間違いなく幸運なタイプの俺たち、初手で攻撃手段である電撃魔法と人権耐性だと言える精神異常耐性を獲得出来た事からわかるだろう
ついでに俺たちの胃袋を掴むジャンニキに良い意味で少しだけでも顔を覚えて貰えた事もまた幸運だと言えるだろう