例の三馬鹿を見て想像欲が湧き上がったんだ。貧弱一般メガテンプレイヤー様、他にも挙げた作者の皆様……ごめんなさい
これは幾らか未来のお話……時はだいたい半終末であり、世界はメシア教がやらかした愚行のせいで日本以外が滅亡一歩手前の世紀末であり、その惨状に対抗するかの様にデモニカが開発され、田舎ニキ*1や幼女ネキ*2といった新機軸の英雄級俺たちが目覚ましい活躍を魅せる頃合い
その頃合いともなれば沖縄でも【銃火暴風怨嗟域】の平定が終わり、そして荒れに荒れ果てた地獄の様な〝負〟動産の整備……だけでなく新たに出没した様々な外敵からの闘いの日々を送っていた。今まで存在する仲間達だけでなく様々な誘致出来た新たな黒札達や才能ある現地民、他の黒札が開発した道具や技術、装備などを割と貪欲に取り入れて様々な変化を見せてきた
その日、その沖縄支部を纏める支部長である琉球ニキは満35歳以上の覚醒者と幹部や支部長、などといったガイア連合の重鎮や特に過酷な部署メンバー全員が義務として年に一度絶対に受けなくてはならない『霊能者用人間ドッグ』に向かっていた
基本的にガイア連合は宗教団体……のガワを被った趣味人のサークルかつ企業団体である。しかしその内の企業団体としての側面から所属メンバーの健康にも責任が発生する、ついでに言えば大概の幹部や支部長といった強者や運営陣、デスマーチが常体化している製作部に人魚ネキといった他に替えの居ない重要な特技持ちは全員必ずその無茶のツケを調べる為に山梨第一支部で最低でも半日、人によっては丸一日みっちり人間ドッグにかかる事となる*3
……やや酒量が多いこと*4と仕事の過密さを除けば健康体だと太鼓判を押されてから半日コースを済ませてさぁ仕事に戻ろうと頭ワーカーホリックしようとしたらショタおじの分身から呼び止められた
何でも、嘗て琉球ニキが新人の頃からずっと一緒に戦ってきた仲間達と出会うきっかけの一つとなった『対メシア教研修』の講師をやって欲しいという事だ。メシア教の闇と悪行を熟知している俺たちの中で今日丁度琉球ニキが山梨第一支部に居たから要請を出したという訳である
今週の本来の担当である担当は……奥さんが産気付いたと連絡が有った為直ちに休講要請を出して即座に妻の居る産婦人科に直行してしまった。琉球ニキも同じ立場なら間違いなく同じ行動に移るからその人物には共感を感じてしまうからその頼みを受ける事にした。他ならぬショタおじの頼みでもあるし
沖縄支部に連絡を入れて今日は少し遅くなる旨を告げると……今日ぐらいはゆっくり休んで下さいと受付から逆の意味で苦情を申し立てられた。上司が休まないと部下も休めないから明日の朝まで絶対帰って来るなとさえ言われる始末である
とりあえず代理講師を務めたら後は沖縄支部が独自開発した焼き物のアガシオンである『アガシオン・シーサー*5』や『琉球ガラス式魔法石*6』など沖縄支部の新商品売り込み行脚でもやろうと考えながら収納魔法の中に放り込んでいたスーツを取り出して着替えて身嗜みを整える……鏡を見てもまだスーツに着られている様な冴えない風体だがまぁ仕方あるまい
そして彼はこの日、ある意味では忘れられないぐらい凄く愉快な三匹の馬鹿に遭遇することとなる
「なぁ?やはりメシアンのシスターってのもエロいって意味じゃアリじゃね?」
「確かに、ブリジッドたんみたいな娘とか来てくれたら最高だよな」
「いやブリジッドたん男じゃないですか、清楚な黒髪シスターとかでしょ普通なら」
……目の前で馬鹿話をやらかす三匹のナマモノを見る。まぁ覚醒したてで気が大きくなっているよくいる阿呆の類いだろうと黒板の樋にあるチビたチョークを三つ拾い軽く術を込めて一言
「疾、疾、疾!」
封神演義に於いて哪吒が太乙真人から与えられた幾多の宝貝の……おまけである煉瓦、其れを
「ア〝っ!?」「ガッ!?」「ア〝ッ!?」
軽く、とは言え修羅勢級霊能者が投げたチョークは本気で痛かったらしく、偶然だろうが何気に沖縄方言で『痛い』という意味に繋がる悲鳴を上げた三馬鹿に畳み掛ける様に釘を刺す
「メシアン女、いや少年趣味かは分からんがメシアンを性欲の対象にするのはやめておけ……そもそも術式契約で完全棄教していないなら穏健過激問わずメシアン畜生や穢教鳥に欲情するのはスカ◯ロホ◯レイ◯ーだと公言するレベルの恥だと認識しておいた方が良い。シスターが良いならちゃんと真っ当な一神教のシスターを口説け、嫁シキガミにシスターコスプレとかも良いぞ?、未だシキガミ購入出来ないなら悪魔娼館にでも通っとけ」
まるでサウスパークの様な感覚でメシア教を流れる様に侮蔑しながらそう言って更にエグい内容でメシア教の悪事やらかしの実例を教えてゆく琉球ニキだった……その内容の余りの救いの無さに正に教室内は真冬に氷水でもぶっかけられたかの様な有り様であり、件の三馬鹿以外は『メシアンは何が有っても信用しないし関わらない』と胸に誓うことが出来た。あの三馬鹿は多分直ぐに忘れてしまうだろう、この講義も所詮は百聞でしかなくちゃんと一見しないと覚えられない
これが琉球ニキと後に『サスケニキ』、『ヨロイニキ』、『クロマニキ』と呼ばれる事となるガイア連合でもある意味最高のコメディアントリオとの出会いだった*8
後、琉球ニキは嫁シキガミ二人……正妻のルカと【銃火暴風怨嗟域】を攻略している時期に偶然手に入れた駆逐艦浜風の部品を触媒に作ったシキガミ二号の浜風*9と休暇デートに誘われてホイホイ着いて行った、それも部下達の仕込みである様だ
「もうマスターったら、今日ぐらいはゆっくり休みましょう。今日は私達の新しい下着を選んで下さいね?」
「そうそう、ルカお姉さまの言う通りですよ?明日の朝までマスターは私たちが独占ですからね?」
綺麗に着飾った腰まであるストロベリーブロンドの巨乳美女とやはり綺麗に着飾った銀髪ショートボブの爆乳美少女なシキガミ二人の両手に花な自分達の顔レベルで冴えない風貌*10の講師を見て嫉妬の炎がメラメラ燃え上がる三馬鹿ラス……ついこの間三人でスライム相手にどうにか勝って悪魔の群れにボコボコに叩きのめされながらも魔犬慟哭波*11をキメて逃げてきたが、その光景を見てまたやる気を取り戻す
「「「……絶対あんなこいつらみたいな冴えない奴何かには負けねぇ、何時かは必ず理想のシキガミ嫁を俺もッ!*12」」」
この講習がきっかけであの三馬鹿はやる気を強く持つ様になり、後々には曲がりなりにも『10レベルの壁』を超えるぐらいには強くなれた
そして『講師』の事を調べて戦慄した……彼はガイア連合でも半ば匙を投げられた最低最悪最凶の危険地帯を平定し、今も強烈な電撃魔法や『秘儀:穢教滅閃』、古式悪魔召喚術式などなど様々な秘術絶技を駆使して穢教鳥や神話生物を薙ぎ払う超人にして黒札、現地民問わず様々な猛者の集う沖縄支部の長である『琉球ニキ』という超大物黒札だった事を知った
「……オイオイ、あの人超が付く大物じゃねーかよ!?あんな失礼やらかして下手したら処刑されてたかも知れねーぞ!!」
「あの人は大物俺たちの中ではかなり穏健な人だけどメシア教関連では一変して激しく苛烈なんだぞ!!お前たちが馬鹿な寝言を叫んだせいでメシアンシンパだと思われたらどうするんだバカ野朗!!?」
「お前だって、何がブリジットたんですか!アレ男じゃないか!!」
「あの顔とケツが男なわけないだろいいかげんにしろ!!! *13」
三馬鹿ラスの醜い争いは暫く続き……三人仲良くボコボコになった顔で訓練所の片隅で大の字になってぶっ倒れながらも
「……でもあのシキガミ嫁達、かなり情緒が豊かだったよな?」
「どれだけ高位一般スキルカード使ったらああまで感情豊かなシキガミになるんだよ」
「普通の嫁入りセットだけじゃああはならないらしいですね……何か秘密やが秘訣でもあるんでしょうか?」
「好み云々はさておいても……やっぱり羨ましいな」
「確かに、やっぱりお金を貯めて良いシキガミ嫁を手に入れるべきなんだろうかね?」
「やはり、その方が良いかも知れませんね」
彼らは確かにアホではあるが、流石に渇仰飢求する最高の童貞卒業の為にシキガミについては彼らなりにという但し書きが必要だが真面目に調べ勉強してきた
しかし、彼らはある意味間違えてしまった……確かにシキガミの情緒は高位の一般系スキルカードを挿せば育ち易くなるが一番良い方法は『一から時間をかけて愛情を以て育てる事』である。最初は人形みたいなものである事は間違いないが、それでもちゃんと育てて愛していればシキガミの心が育ってゆくものだ
もし仮に琉球ニキに『嫁シキガミの心の育て方』をちゃんと聞けば今非常に機嫌の良い琉球ニキは快く真面目に彼らに自身の体験談と所管やらを含めた知識を惚気塗れで伝授し、その惚気話に耐え切れば多少は技術部への口利きをしてくれた上で幾つかの余ったいらない一般スキルカードを与えてくれた事だろう
しかし彼らは琉球ニキにビビりその大チャンスを逃した……が、彼らは彼らなりの道で嫁シキガミを求めて歩み出す。迷走としか言いようのない道のりではあるが彼らは彼らの道を踏みしめてゆく
ちなみに琉球ニキは来年からその余りに酷い過剰労働ぶりから仲間達共々丸一日コースに移行が決定した。実際には山梨第一支部から明日の朝まで退出禁止でシキガミ嫁介助のもと行われる休養義務であるのだが
歩みに暴走特急とナメクジの差がある彼らの運命がまた交差したのはやはり半終末期の頃、ガイア連合が誇る英傑の一人である幼女ネキ*14の依頼で腕に覚えのある黒札達がとある海に集結しての
これには祓魔……穢れを祓う加持祈祷を為す為の歌舞音曲に纏わる加護があり手にした時から弾き方すら知らない筈の三線*15が弾けるようになっていたり、聴覚がクリアになって音感が良くなっていたり歌が上手くなっていたり*16と色々実感出来る加護がある代物なのだ
今の状況で三線弾いて適当な歌を歌うだけで大概の異界ならあっさり祓えるぐらいには祓魔の力があるが……一番の余録は沖縄の、ニライ=カナイの加護がある環境下で宴席を設けその中で三線を弾いてカチャーシ踊り*17をやると踊った者や宴席を楽しむ者達の傷を癒やし霊力を回復したり、ある程度ならば呪いを解いたりも出来るし『安眠の加護』を齎したりも出来る
こと沖縄の土地ならば琉球ニキなら五倍圧縮睡眠程度までなら人魚ネキの真似事だって出来る……それ以外の土地でも一応は可能ではあるが非常に前準備が難しく手間暇がかかる上に効率が悪いがまぁやろうと思えばやれるだろう
山梨第一支部で人魚ネキの代理を務める実験をやっても見たが、琉球ニキだけでなく歌は彼のシキガミである歌姫のルカに子守唄を担当して貰い……要求される条件の厳しい中で求められる効果を、与えるべき場所に専用の結界を張る儀式を準備し、更には一晩中歌い、彼の持つ中でも最高品質の三線を壊れる覚悟で鳴らす必要がある*18というクソ面倒な仕様ではあるが一応は成功した。所詮は似たような権能によるゴリ押しでしかないが
流石に激戦区オブ激戦区である沖縄支部の支部長という多忙な立場の人間に多大な手間暇をかけてまでやらせることではないだろう。一応は運営も『人魚ネキの代わりを探している』という面目は多少は通せはしたが……結局人魚ネキが深層に到達した結果やらかして彼女を爆発*19させて二次爆破*20が発生していた。山梨第一支部は右往左往の大騒動だったが当時沖縄支部では糞穢教鳥や神話生物の大規模な襲来があったのでそれを知ったのは全てが終わり後片付けが済んだ後だった
一応、親運営派の沖縄支部ではあるがもしその事件があっても今回だけは間違いなく人魚ネキや幼女ネキの側に立っていただろう。支部長である琉球ニキはそれ以上に人魚ネキのファンであり深い親交を重ねている盟友であるからして
琉球ニキはその権能を応用した、弱体化はしたが最低限霊力があり音楽能力が有れば何処でも誰でも使える『呪歌』とでも言うべきものを幾つか作り現地民達が多少は楽になる様な技術を構築に没頭していた。治療速度が早まる癒やしの歌、霊力回復を促進させる魂癒の歌、強制的に自分と同じ歌を歌わせる合唱の歌、悪夢を和らげる安らぎの歌*21といった俺たちなら多分現地民ガチ勢以外は殆ど見向きもしない研究成果を出していた*22
その研究の最中、琉球ニキは『踊り』による研究でとある俺たちと遭遇し友己を得た。その男は『偽マフティーニキ』というコテハンの南瓜マスクに全身黒タイツという奇抜な装いの怪人だが割と実力派の俺たちである
その頭ヒーホー族と踊りを利用した研究は……琉球ニキの非常に忙しく責任重大な本業の為あまり進展は無かったが、それでも仲間達と偽マフティーニキの特技である『連邦に反省を促すダンス*23』を習得出来たのは行幸だった
一応、人魚ネキの権能を再現する研究を行なっているという山梨のフリーランス研究者の無惨ニキ*24と交流を持ちたかったのだが……終末備えや沖縄支部の多忙ぶりや双方色々な場所を飛び回る環境からお互いの都合が付かずどうにか琉球ニキが知己だと聴いたパピヨンニキ*25の作成したデモノイド*26である対メシア教取り締まり用のクローンヤクザやその実力行使用のネメシスT型などを購入することでコネを婉曲的に捩じ込もうとした事がせいぜいという状況だった、まぁその造りや性質から民間人の保護には役立つ仕様だから試運転には良いからと仲間達も承認してくれたから良いが
そして件の幼女ネキ主催の
その思考の最中でも、同じ沖縄支部の大宜味村派出所を担当する黒札仲間であるブラキオニキ*27が作成してくれた沖縄支部の人気商品『アガシオン・スパルトイ*28』や他沖縄特産の怨嗟刀や呵責刀みたいな対穢教鳥や悪霊用武装やその銃弾版、火炎に衝撃といった属性の魔法石、沖縄完全独自の新商品である『アガシオン・シーサー』など様々な輸出商品を琉球ニキ自身の乗艦である『駆逐艦:浜風』に無理なく搭載してちょっとした交易を行う算段もある。仲間の八男ニキの乗艦である浜風の姉妹艦たる『駆逐艦:磯風』が途中まで同伴してくれるがそっちは他の仕事で離脱するから参加は不可能である……帰りは安全の為一緒に帰る事になっているが
……そんな中で未だ草案だけのアイディアが一つ、沖縄のカチャーシ踊りや本土の盆踊りを利用した簡単に出来る踊りを集団で踊る事で霊力回復促進を図る儀式を模した術式の作成。そのテスターに誰か弱いがそれなりに真面目に鍛えている黒札を起用したい
ふと執務室のパソコンに何やら面白そうな内容が見えた……最近探究ネキ*29や破魔ネキ*30に幼女ネキにセクハラ質問かまして制裁されたり黒死ネキ*31にノセられて面白悲惨な目に遭わされたり、田舎ニキのTS分身体である『田舎ネキ』をだまくらかしてピチピチ制服でうわキツセクシーショット事件やら馬ニキ*32の牧場でシルクハットとタキシードを着込んで走れマ〇バオーと、とってもウ〇ナミを三人で踊って熱唱したという話など様々な馬鹿話が目に飛び込んで来て吹き出した
最近偶々入手したナマモノネキ*33の最新同人誌……琉球ニキ達も偶に被害に遭うが健全本は何気に面白いので人気はあるそれの題材にもなっていたがあれは酷かった。腹筋崩壊的な意味で
後、運営からはノンデリニキ*34とかいう厄介な黒札退散が出来る逸材かつ細やかな馬鹿をやらかしては罰として運営を悩ませる塩漬け依頼をこなしたりするのでとして実は何気に高評価だったりする
最後に……これが決め手となったエピソードだが、何を思ったか未覚醒の修行中黒札に混じって座禅業に参加したが飽きて無駄に華麗かつ息の合ったヒゲダンスを踊ったりしたという話である
『あいつら、割と踊りの才能があるかも知れん?』
そんな事を考えながら後で盟友の一人である偽マフティーニキに連中を紹介してやろうかな?とも考えながらまた山積みの書類に挑むのであった。琉球ニキが彼ら一応は黒札マタギとしての後輩である三馬鹿ラスと関わるかはまた未来の話だろう